序詩 実 存
生きているといってみたところで
一寸刻みに「存在」が切り刻まれていく
(処刑を控えた囚徒のように)
その痛みには耐えられない
生は痛みのことでしかない
死んでいたいといえば嘘になるのだが
虚無と化し塵と散じて
永遠の時間に触れていられるのなら
むしろ死は生よりも望ましい
死んでもいなく 生きてもいない
生きているが 死んでもいる
こんなジレンマをどう解いたらよいのだろう?
「死んで永遠の生を得る」という
あのコトバは信じるに足りるのだろうか?
生きている生を永遠に生かしてくれる
生の矛盾を解き明かしてくれる
そんな英智がどこかに潜んでいはしないか?
論理や哲学の深遠な書物を紐解いてみたが
こんなパラドックスは解けはしない
ロゴスはとうに拒まれている
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