詩45
  鳩・窓・風景(その2)
                  07.12.9
窓の前の小枝に留まって
一羽の鳩が
遠くを眺めている
私は先からその姿をじっと見つめている

すると
不思議なことに
鳩の見ている風景が
私にも見えてきた

その風景は
私に見える風景と
どこも違たがわなかった、が
ただ 空だけが
とても碧かった

コバルトブルーの
澄みきった吸い込まれるような
その空は
素敵な広がりをみせていた

ふと気付くと
私は一羽の鳩になって
大空を飛んでいた
     ピカソの絵
                   07.12.23
画家達が
ピカソの絵をみている
<ある女の肖像>
画家達は言う
「素晴らしい絵だ」
「ひとつの顔を多面的に描いている」
「それでいて、女性の個性は見事にとらえている」
「極端にデフォルメされているが
          美人の内面までが描かれている」
ーーーーーまた言う
「この女性はピカソの三人目の妻だ」
「ピカソは四人の女性と結婚を繰り返した」
「みな美人で、若くて、高貴で、知的でーーー」
画家達は
まだ うっとり見つめている
いつまでも見とれている
今、画家達に見えているのはーーー
その絵の背後にあるもの
美しい女たち

名声と冨
「ピカソの絵」ではありません


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