大分の社会保険労務士事務所
 大分県大分市の社会保険労務士事務所です。大分県下一円を中心に                               はんだ社会保険労務士事務所
 熊本県阿蘇地方・宮崎県延岡市域まで広く活動しております。                               大分県大分市判田台南2丁目6番4号
 経営者の労務の悩みを一緒に考えさせていただきますので、                                    TEL:097-507-9822 FAX:097-597-3996
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 賃 金 の 管 理


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賃金はルールを守り支払いましょう!

 賃金とは、基本給・各種手当・賞与(一時金)などの定期的に支払われる労働の対価を指しますが、決めた  額をただ支払えばいいというものではありません。賃金は、労働基準法の趣旨に従って計算して支払われな  ければ、のちのち大きな問題となって帰ってきます。最低でも、以下のことは守りましょう。

 (1)最低賃金の厳守(月給で計算)      最低賃金は以下の方法で計算します。       基本給+職務手当+技術手当等(※)      ――――――――――――――――=最低賃金額       1年間の1か月平均所定労働時間      ※手当のうち、通勤・家族・精皆勤手当は対象になりません。  (2)基礎賃金の正しい計算(月給で計算)      基本給+除外対象となる手当以外(※)      ―――――――――――――――― = 基礎賃金額       1年間の1か月平均所定労働時間      ※除外対象になる手当は、厚生労働省が限定的に定めた以下の7つの手当です(労基法37条5項)。       @家族手当  A通勤手当  B別居手当  C子女教育手当  D住宅手当       E臨時に支払われた賃金(結婚祝いや弔慰金など)       F1か月を超えるごとに支払われる賃金(賞与などの一時金)   上記@〜Fの手当は、社員の労働とは直接には関連しないので、除外されます。なお、@〜Fであっても、   一律に定めた金額の場合は除外対象になりませんので、社員の家族状況・通勤距離・家賃の高低によって   金額を決めましょう。なお、名称が異なっても内容が同じである場合は除外対象になりますが、労働とは   関係しない手当は除外対象になりませんので、ご注意ください。  (3)時間外賃金の計算

      @ 1日8時間および週40時間を超えた分:基礎賃金×1.25×超過労働時間       A 夜10時〜翌朝5時までの深夜時間分:基礎賃金×1.25×深夜労働時間       B @にAが重なった場合:基礎賃金×1.50×深夜労働時間       C 法定休日に出勤した場合:基礎賃金×1.35×休日労働時間

        ◆ 小売業の会社にお勤めの豊後太郎さんのある月の出勤状況
 週 合計労働時間 (法休を除く)時間外
1週目法休40時間な し
2週目法休41時間1時間
3週目法休45時間5時間
4週目40時間な し
5週目44時間4時間
                       

       ☆豊後太郎さんの時間外労働時間の計算   1週目:1日8時間以内で週40時間以内なので、時間外賃金は発生しません。   2週目:水曜日に1時間分(9−8)の時間外賃金が発生します。   3週目:最初に水曜日の1時間分(9−8)の時間外賃金を計算し、次に週40時間を超えた4時間分の       時間外賃金を計算し、計5時間分の時間外賃金が発生します。この場合、最初に発生した1時間       分を週40時間を超えた分に入れて二重計算しないように注意してください。   4週目:1日8時間以内で週40時間以内ですから時間外賃金は発生しませんが、法定休日に出勤してい       るので、この日は3割5分増しの休日労働賃金が発生します。   5週目:最初に土曜日の出勤分が40時間を超えた4時間分の時間外賃金となり、さらに法定休日に出勤       しているので、3割5分増しの休日労働賃金が発生します。  (4)その他の注意点    ・定額残業代      原則、賃金は労働時間を元にして計算します。定額残業代が基礎賃金から計算した結果、実際の      時間外手当や休日労働手当などを上回っていればいいのですが、下回る場合は、“賃金未払”と      なり労働基準法違反になります。「定額残業代を設定すれば時間超過しても支払わなくていいんだ」      ということにはなりません。    ・基本給に時間外手当を組み込む場合      この場合、純然たる基本給と時間外手当が、金額で明確に分かれるように設定してください。よく      見られるのは、「日給1万円、ただし、この中に時間外手当等が含まれます」という表現です。      このような賃金設定は、どこからどこまでが基本給で、どこからが時間外手当かまったく分かりま      せん。過去の裁判事例をみても、数字として明確に分からなければ時間外手当としては認めらず、      賃金未払いとなります。就業規則および労働契約書にて明確に定めることが肝要です。    ・社会保険の計算      社会保険の保険料の算定に際しては、原則、基本給にすべての手当を含めて計算します。毎年1度      行う算定基礎届けでは、これに時間外賃金も含めて計算します。各手当を含めずに届出をした場合、      年金事務所の調査で過去の不足分を遡って請求されることがあります。くれぐれも注意してくださ      い。