Cafe'  SlowBeat




 

コラム

気がついたときに、思うことを記していきます。


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2012/12/30

今年も今日でお店終了、" 終わったっ" といった感じ。 みなさま、今年もお疲れさまでした。

先日、この歳で生まれて初めて " 餅つき " をしました。
今年親しくなった、ドカの飾ってある阿蘇は大観望近くのバイク・カフェ "茗ケ原茶寮 " さん、のお誘いで、今年ここ竹田へ移住してきた仲間と一緒に・・・折しも極寒の日、雪の舞う中日中で-4 ℃、お客さんに頂いたというモチ米30kgを一気につくというので、日が暮れて終わった時には-8 ℃・・・
でも動いているので数値ほどの寒さは感じませんでしたけど・・・ ( でもやはり寒かったけど・・・)

       

  

地元だけではなく、九州各地や東京、北海道の人も来た全国区でしたが、餅つきをやったことがないのはなんと私だけ、何でみんな餅つきなんかやってんのよ・・・というか、何で私だけ餅つきしてないの ? ・・・
とはいってもほとんどは子供の頃やって何年ぶりかという方々で、昨年もやったという現役は一人だけ。その現役が今年東京から移ってきた人とは驚きでしたが。

ということで、昔取った杵柄ばかりなので、あ~だ、こ~だ言いながらの試行錯誤、最後の方でやっといろんな疑問点も解明され・・・来年はバッチシかな !? 初めて食したのかもしれない搗きたての餅は美味かった。

それにしても初体験の餅つき・・・電気もガスも水道もなし (火は薪、水は湧き水) で、人力と道具、そして、研いだり漬け置きしたり蒸したりコネたりツイたり丸めたり、などの知恵で、無添加・健康の美味しいファーストフードの保存食の出来上がり ! 人との連帯感も芽生える。
以前何度か書いたことのあるように、この地に来て知る先人の人達の知恵の凄さには感動しきり。ボタンひとつで何でも出来るようになって便利だと浮かれていると、それらを生み出す先端の人達以外は、どんどん退化の一途をたどるのでは・・・たまには餅つきでもして、庶民が賢かった昔のことを顧みた方が良いかも・・・


当店の今年を顧みると、いろいろあった年で、娘が関西へ旅立ち、家内が骨折で数カ月入院、そして未曾有の大豪雨災害・・・春に家内のもらい追突事故もありました。でも、辛島文雄トリオ、于波トリオの、私の愛するジャズ、クラシック双方の、最高音楽のライブもやれました・・・

来年は私の苦手な蛇の年・・・さてどんな年になるのか、戦きながら楽しみにまたひとつ年を越せそうです。





2012/12/22

マヤ歴でいけば今日か明日辺りから新世紀、新しい世になる・・・悲観的な解釈 「滅亡」 はなさそうです。
私はこういったアングラの情報が若い頃好きだったので、ノストラダムスの時は相当期待と覚悟 ? しました。だが、何か自分たちの手を離れた超常的なことにより現状が一変に変わる・・・これはどうもなさそうです。終末予言、革命、宝くじ・・・
周りの動物や昆虫、植物たちを日常見ている生活になって、余計そう思います。
彼らは何もそんなことへの逃げはなく、毎年毎年こつこつと次なる生を用意するために懸命です。

終末なのか革命なのか、宝くじなのか分かりませんが、混乱の衆院選は、自民党圧勝の結果となりました。
様々な急を要する国の難題が山積みになっている今、良かれ悪かれさっさと処理できる方向へ、という無意識の民意が働いたのかと最初解釈しましたが、どうもそうではない。

党を支持するバロメーターの比例得票は27%、さらに戦後最悪の投票率60%弱を掛け合わせると、国民のたったの2割にも満たない支持しかない政党が衆議院の2/3を握ってほとんどのことが決定できる、という、全く非民主主義的な状況。

何でこんなことになってしまうのか・・・

一人一票の違憲状態から始まる選挙制度の問題、今の代議員システムの現代情報化時代とのアンマッチング、組織の既得権益・・・いろいろ取りざたされますが、私たち一般庶民にとっての大問題は、これらの問題を放置・増幅させた、この投票率が表す政治不参加の意識です。

どうせ私の一票なんて・・・投票に行くより会社やお店の今の仕事の納期が大事・・・そういう人たちの積み重ねが4割以上にも達し、すぐには知覚できずとも将来的にじわじわと自分にその結果が圧し掛かってくるということが、なぜ想像できないのか・・・

官僚がどうのこうのと言っても、庶民に採用権も人事権もありません。法律がおかしいと言っても庶民には法律は作れません。今の社会システムの中で唯一庶民が出来ることは、その官僚や法律を変えさせる力を持つ、政治家に投票することだけ。
でもそのささやかな、今当たり前と思っている私達の投票権は、全く当たり前のことではなく、過去の世界中の歴史の不幸の元凶である、少数による暴力的な独裁、を防ごうと先人達の血みどろの努力の積み重ねから得てきたもの。それを放棄して、景気が社会が、会社が、お店が、就職が、年金が、育児が・・・などと言うことは、本当にアホウです。

          

周りの動物や昆虫、植物たちを日常見ていると、周到な長期戦略に基づいた上で、目先でも有用と判断したものは即座に使う、といった合理が感じられます。冬は葉を落とし堆肥とし、暖かくなって花咲かせ実を生らせ動物や昆虫に子孫を運ばせる、その動物や昆虫たちも新参者の人の作物や住居に隙あらば関わる・・・何が良いかとかではなく、懸命です。

紙や鉛筆はなくとも彼らには彼らなりの参政権があるのでしょう。猿山や昆虫に始まる群れ、密集の中でも多々の種が生息している雑草、雑木・・・・彼らは人さまより生物として何倍何十倍、何百倍も歴史を生き延びてきた子孫ですから、人さまよりも優れた社会的合理を得ていると考えてしまいます。教えて欲しい・・・





2012/12/07

おおっさむ ! 下欄で2℃や10℃と言っていたのが、今は朝晩零下となり始めました・・・
薪ストーヴ全開になりつつあります。

寒い中での、そして昔ながらの薪ストーブの暖かみは、この時期からお客様との会話の種としても活躍しています。
「昔ね、学校にこんなストーヴがあって、朝来たらお弁当をみんな周りに置いて・・・暖かくなってきたお昼ごはん時にはいろんな香りがごちゃ混ぜになって・・・ なんかよかったね・・・」

ここ竹田は " 同窓会" なるものが盛んで、当店でもその話は日々尽きません。先日は当店をお使いいただいた二次会の模様が投稿で新聞に載っていたほど・・・還暦だ古希だ、30年だ40年だ、はたまた娘などに見るたった一二年後の若き同窓会などから始まり・・・みな、この地が好き、分かります。根なし草の私には全く新鮮な驚きとともに、羨ましさ、です。

・・・で、冒頭に戻って、冬。


冬がなきゃ、イケンでしょう・・・
春や夏の良さが分んなくなるし、そもそも冬そのものに 「夏の浮かれの反省、姿勢リセット」 という粛々促す温度でもあり。

   


・・・そんな冬の突然の衆院選、失態を重ねた二大政党の中から諸派が出て、プロパガンダの旺盛・・・
お店をやり始めて定住し、多少なりとも「地に根付いた」 社会意識といったものが芽生えてきたワタシ、今回の選挙含め政治のアホらしさを思う半面、でも多々勉強の場ともなり得、そんな個々の積み重ねが将来の良き民主主義に繋がっていくしかないのだろう、と思います。

人体同様、さほど気になっていなくてもじわじわと何かにむしばまれていく・・・・そういったものが多い現代ではなおさら。

作為なく、安直な化学的薬剤なるものは投じず偉大な自然の摂理を工夫して請う、そんな深く健全で健やかな野菜や果物、味方です ! それらは結果として、美味しくて日持ち、そして安全・健康、身を持って体験。
そんなリンゴを先ほど友人から頂きました。お隣の農園さんの野菜も全く同じ。

そしてそんな思想の延長上で、原発や化石燃料的な 「食い潰すだけ」 なんて野蛮な連鎖でなく、自然界に見る食物連鎖的な、恒久的 「循環」 を目指すのが人として 「合理」。エネルギーや社会システムに限らず、個々人の繋がりも含めて、か。





2012/11/16

急に寒くなってきました。日中上がって10℃前後、昨日夜半は2℃でした。
お店から見える久住や祖母の山の頂きは雪化粧・・・
慌てて昨日は薪ストーヴの煙突掃除、今日で薪割りも大概終えました。
いつでもいらっしゃ~い、冬将軍殿。

四季の移り変わりが皮膚感覚で感じられるこの地に於いて、最近どうも騙されていると思うようになりました。

暦です。
夏は6月から8月、秋は9月から11月、冬が12月から2月で、春が3月から5月、それぞれ三ヶ月間の区切り・・・

そんな感じではない。
長い夏と、長い冬の、その合い間にちょこっと一ヶ月間だけ秋と春がある、絶対そんな感じです。
9月の終わりまで "暑い" と皆で言っていたのに、10月の終わりでは、もう寒い、春だって4月の半ばまで薪ストーブを焚いていて6月からはクーラーです。

暑いか寒いかなんでしょうかね、この世は。ちょうど良い過ごしやすい安定期なんてものは、そもそもレアなものかもしれません。季節の話だけではなく、家庭、町内、社会情勢を含め・・・・・今日は突然衆院解散。


そんな激動の社会の歴史の波に翻弄されてきたロシア、でもそこにも当然ながら人々はいます。
先週、そのロシアの楽団のコンサートに行ってきました。ロシア最古の楽団、マリインスキー歌劇場管弦楽団、指揮はその楽団の総帥、知る人ぞ知る巨匠ワレリー・ゲルギエフ。大分グランシアタ―。
メインディッシュは、ショスタコーヴィチの交響曲11番「1905年」。

         

ロシア革命を題材にして、いろいろいわくつきのこの曲、ほとんど演奏されないこの楽曲をなぜこんな田舎でやるのか・・・ 音楽仲間のお客さんの紹介から興味を持ったもの。

もの凄い演奏でした。第一奏、最初の音が鳴った瞬間にこれはとんでもない人達だと感じた、総勢100名近くの大編成のフルオーケストラ、コントラバスとチェロがそれぞれ7人もいる !  曲間、ヴィオラの美しい弱音のソロがあり、誰が弾いているのかとオペラグラスを覗き込むと、なんと、ヴィオラ奏者全員で弾いていた、というほどの統一性・・・
ロシアの楽団は粗い演歌調の音かと思っていたら、とんでもなく繊細で、一糸乱れぬ絹のような音・・・
コンサートで、涙が出て来るのを周りの人に気づかれないように抑えるという経験を、初めてしました。


演奏後の壮大な拍手の中で、オペラグラスで見ていると楽団の誰一人として笑っていなかった・・・・こんな凄い演奏、演奏の失敗なんて訳はない。
彼らロシアの音楽人たちにとってこの曲は、何か重いものだったのかもしれない・・・それを、震災後の日本の人たちのために自分たちの痛みを削って提現してくれたのか・・・そんな想いが過ぎった。


下で書いたピアノのバレンチ―ナ・リシッツアさんもロシア・・・

ロシアというのは、深い国です。





2012/11/03

人に知られていないけど凄い人、というものは、考えてみたら不思議なことではないのでしょう。
そんな人は大昔からもいて、大概の大芸術家と言われた人達は、自身が生きていた時は乞食暮らし、時が経ってその作品が何億円なんてことになってます。 が、今もそんな名の知れない凄い人ってのは、いますよね。

TVやマスコミなどの大メジャーの喧伝に捉われず、今の時代はそんなすごい人たちを、ご近所の噂話で知るだけでなく、ネットで世界中から知ることが出来ます。




ネットで偶然知ったピアニスト。この演奏者、バレンチ―ナ・リシッツアさん、ピアノを弾く手や指の、あまりにも自然体の美しさに魅了されました。そして・・・単に鍵盤を愛撫しているだけの様子なのに、ミューズの神が舞い降りてきたような音楽が、同時にあった・・・娘のピアノを聞いていて感じた自然体の煌きが想起された。

ロシアのウクライナ出身で、現在はアメリカのノースカロライナ州で、自らを 「農園ピアニスト」 と呼ぶ・・・
権威あるコンクールでの受賞は目にしないが、メジャーではお目にかかれない偉人は、世にはいろいろいますね。ネットで誰かが言っていた・・・「のだめ」って、この人なのかもしれない・・・
ホロヴィッツが生きていたら、絶対に絶賛したと私は思う。音に対する純粋さが愛おしい。






・・・人にあまり知られていないけど、でも凄いお店、そんな風になりたいですね。





2012/10/16

この欄に書くのは一ヶ月以上も経っていたか。

この間、いろんな、ちょっと変わった人たちと出会いが多かった・・・

新しいところから行くと、「ここにピアノがあると聞きました。ピアノの練習をさせて下さい !」 と唐突な成り行きで店内のBGMを奏でてくれる、福岡のラウンジ・ピアニスト・・・今、近郊の高原ホテルで奮闘中の彼女・・・

こちらに来た当初から、小国の蕎麦街道の辺ぴな場所に、不釣り合いなドカの名車がウィンドー越しに見えて気になっていたバイク・カフェ・・・熊本市内から移住、何のノウハウもないところから何年も掛けてダンナさんが築き上げた店舗は、すばらしい ・・・ 素朴なご夫婦のお人柄と共に、活力をいただきました。

これも、以前から気になっていた、長湯温泉の外れにある温泉宿・・・入ると、この辺りにない都会的な感覚が漂っていて・・・私達より数年前に東京から一家で移ってこられ、こつこつと築き上げてきた立派なロッジ。以前ウチの店に来られたことがあると互いに知って、意気投合・・・

東京から何年も移住先を探し、当店すぐ近くの物件に決定され、いま、いろいろリフォーム奮闘中の、IT会社を畳んでの移住ご夫婦、その友人の黄色い隼 (スズキのビッグバイク) 乗りの、なんと函館 ! のご夫婦も、竹田の七里田温泉近くに移住決定・・・・・仕事で竹田に通うことになり、いろいろ悩み多かった若きカップルも、竹田の移住を決定 ! ・・・東京でDJをやっていた沖縄からの移住探しの若家族も有力そうだったが・・・

そして、当店での初個展で竹田と知り合い、その繋がりでこの夏に八女から竹田に移住して和紙を漉く、小野加代さん・・・(今、竹田街中の「竹田アートカルチャー」で清水湯で展示会してます、10/21(日)まで)

一昨日は、ご近所で運送会社をされているご懇意さんの紹介で、パキスタンの車両輸入会社経営の 「アリ・ババ」 (本名 ! ) さんが、遅い昼食を取られに来られました。レアの目玉焼きをどうやって手だけで食べるのか(インド系の方は「神聖」な手で食べます) と見ていると、当たり前のようにパンで包んで食べてました。
お~なるほど。
来月は、別のご懇意さんが、ホームステイでやってくるカナダ人御一行様を昼食に連れてくると言うので、さてさて、どうなるか・・・・日本語、分っかりませ~ん、御一行様のようで ・・・

その他、いろいろちょっと変わった方たちとの出会いは何かと多かったのですが、このあたりで。


人との出会いは素晴らしい ・・・・ でも、たまに大自然の空気との出会いも、良い。
先日、涌蓋山に初めて登ってきました。山好きのお客さんお勧めルート・・・ずうっとアプローチは草原の尾根を何時間か歩き・・・山頂に雲の掛かった山に登るのも、自然の息吹や怖さを肌で感じる非日常感が、良い。


    






2012/09/04

お店玄関前の水槽に、ニューフェイス登場 ! またお客様から頂戴しました。
今年生まれた金魚の子と、白色と青色の "だるま"メダカ。

"金"魚といっても、世の金魚はみな "赤"魚なので、なぜ "金"なのかちょっと気になってましたが、なるほど、子供の頃はホントの金色なんですよ、大人になるに従い赤くなるそうです。品種改良を重ねて今の真っ赤にまでなったようなので、昔はこんな赤みの薄い "金"魚だったのでしょうね。今ではこの方が新鮮に見えるのは皮肉です。



だるまメダカは、丸い胴体にくっついている尻尾だけプリプリ振って泳ぐ様が、かわゆい ♥




かわいい、と評判 (そういうことにしときます) のママも先週退院、仕事の方はまだリハビリ中ですが、徐々に食事メニューも再開していきます。手作りケーキはもうお出ししていますので、どうぞご来店のほどを !





2012/08/20

先月の豪雨災害でずっと通行止めだったお店の前を走るメイン国道57号の滝室坂、本日13時に " 開通 ! "

本日、当店次のコンサートのチラシ配りにドカで阿蘇にも行って、待ちに待った道、真っ先に走ってきました !
暫定の片側通行とばかり思っていたのに、なんと、この短期間で立派な大きな橋が新たに掛かっており、ちゃんとした対面通行でしたよ !
構想も図面も何もないところから始めて、しかも大型トラックなどが行きかう大道の補修を、新たに橋を作るという発想も凄いけど、それもちゃんと二車線分、それらをたったの一ヶ月ちょっとで実現しちゃうなんて・・・
技術屋だった私には、このもの凄い仕事ぶりに大感動 ! まだまだ日本は本気になれば出来るんです !

以前と変わらない対面通行なので渋滞の心配は無し、皆さん、阿蘇くじゅうにまた気軽に来て下さいね。

今日チラシを配りながら各店の方々と話すなか、阿蘇、久住、長湯など、豪雨災害後にこの阿蘇くじゅうの地域全体が観光客激減に瀕していることを実感しました。が、57号完全復帰でこれからどんどんイキまっせ !!!

滝室の新橋の写真は混雑で取れず。安堵感とともに夕暮れ時、湯に浸りながらの写真をギャラリーに。





2012/08/16

家内が入院してそろそろ二ヶ月となりますが、もう片手の杖歩行まできており、今月末には退院しそうです。
また、9月後半と言われていた、お店から阿蘇に抜ける国道57号の滝室坂も来週には通行可能になるとのことで、月末にはやっと普段のSlowBeat に戻れそうです。

生まれてこの方、山やツーリングなどで自炊することはあっても、二ヶ月間も自炊したことは初めて。
独身の頃は都会で外食メインでしたが、今回、昼間は一人のお店を抜け出す訳にはいかず、夜は田舎なので飲食店は早々とクローズ。
弁当やお惣菜や冷凍食品など、出来あいの食べ物のまずさには元来体が拒否反応している身なので、否応なしにいろいろと料理をやってみましたが、今の時代は食材から機器まで充実していて、こりゃあ、男女とも結婚の必然性が薄れても当然かと思います。家事が楽になり女性は外へ、男も自前で簡単に・・・

この地は新鮮野菜が豊富で、お客様たちからも頂き、今年からちょっとだけ自家菜園も家内が試行中なのでネギやナスやシソ、バジルなどが裏庭で採れ、お金がなくとも美味しいものを食っていけるという田舎の秘密に触れた感じです。

下の写真、左から、パプリカとバジルのイタリアン・サラダ、バジルソースのポークソテーにポテトとニンジン添え、シャリアピン (風?) ステーキのパプリカ・オニオン・ポテト添え。野菜好きなので野菜は盛りだくさん。



肉以外はすべてこの地の無料新鮮野菜 ! この他にも豊後水道のブリやカンパチの新鮮なアラの大盛が数百円で地元スーパーに並んでおり、これを焼いたカマやアラ汁などは簡単で絶品 !
弁当やお惣菜や冷凍食品なんかよりも断然安くて美味くて健康 !

・・・とは言いつつ、さすがに2ヶ月毎日は疲れます。
主婦の偉大さは、「今日の昼ごはん何にしようか・・・晩ごはん何にしようか・・・」
それは自分一人のことだけではなく家族のことを考えながら・・・
お店のカウンターにおばちゃんたちが集まると必ず最後はこの話になりますが、その気持ち、やっと分かりましたよ。
これが一生続くと考えると、私は気が遠くなります。

古今東西、料理店のシェフは男、でも家庭の料理は女性、その理由もそこです。
素直に主婦さまたちには感謝です。





2012/08/04

最近ちょっと重い話が続いたので一新。

またTVに出ます !
大分放送(OBS)、8月8日(水) 朝10時からの「おはようナイスキャッチ」 !
地域の郵便局長さん紹介の中で、局長さん行きつけの店として・・・
この山本局長さん、今年四月からここ菅生の郵便局に着任されたばかりですが、キャラがとても面白い方 !
私もどんな番組になっているのか、楽しみに録画予約済み。

皆さん、といっても大分県内の方だけなんですが、見ましょう ♪


この菅生郵便局、この田舎の地においてとても便利なので、ここに移った当初から多方面でお世話になっており、先代の局長さんご家族とは、当店のお客様としても今でも変わらず身内のように親しくして頂いています。昨年の仲間内の退職パーティーも当店で ・・・

          

そんな環境の中で、郵便局という、日本の近代化を支えてきたシステム、そしてそこで働く方々の真面目な良心、そういったものが昨今の中途半端な民営化の波に翻弄されている状況 ・・・・ 地方の現場から、一杯勉強させてもらっています。
郵便局に対して改革が必要と思うほど悪いイメージを持っている庶民なんているのでしょうか ? そんなことよりも庶民が悪だと思っている税金無駄使いの事業やシステムなんて、山ほどあるじゃないか !

あっ、いかんいかん、また重い話になってきた・・・・ (汗)





2012/07/24

活断層と疑われる真上にある原発から何の見極めもなく発進した原発再稼働、そして、それに呼応した国会周辺から各地に広まる前代未聞の、世代や組織を超えた大規模な庶民の静かなるデモ・・・

福島原発の事故調査報告、昨日政府のものが発表され、国会、民間、そして取るに足らない東電の社内報告を加え、全ての調査報告が終わったとされました。
特に目新しい知見や情報は見当たらず、その程度のものは世間の感知能力の方が一年は早い。
目新しいと思うのは、この期に及んでも自己責任はないとする、東電の社内報告・・・人や人の固まりである組織というものは、そこまで情けなく堕ちるものなのか・・・

" 組織、構造化するほど真理から遠のく" と言った、マザー・テレサの言葉が重い。
力の弱い人類は生きるために群れねばならず、それが悪の温床となるならば如何にすればよいのか・・・
その処方箋として生まれた宗教でさえ古代より政争の具とされ人を殺してきた・・・・近代の法治は詭弁や悪知恵とのイタチごっこで人の狡猾さを増長させただけ・・・
残るは 「倫理・道徳」 といった曖昧模糊な、生命生存の歴史を刻んだDNAが発する人類共有想念のみ ?

この事故後をも含めた原発の歴史・様相は、太平洋戦争と全く同じと言っていいほど似た構図・・・経験から何の知恵も付けず、また同じ悲惨なことを繰り返す、この国のトップという人達・・・

太平洋戦争でも、当初よりアメリカには勝てないと分かっていたにも拘らず、甘い幻想の上に、陸軍と海軍のそれぞれのメンツ・軍益といったムラ争いに民間企業の利潤追求もからみ、敗戦濃厚となってさえも戦争を止められず安全神話ならぬ神の国神話を吹聴し、庶民を奈落の底にたたき落とした。死者300万人・・・
・・・戦争を原発推進、アメリカを地震災害、軍益を党益・省益、終戦を脱原発と置き換えれば、全く同じ。

海軍兵学校に居て、広島と長崎の二回とも身近に原爆に遭った父親から、戦中の重苦しい空気は小さな頃から感じてきた。戦争を経験した人があまり口を開かないように、私の父親もあまり話さなかったが・・・
物心ついたとき、父親に聞いた。「なぜ、あんなおかしな戦争のために兵隊に志願したのか ? 」
当時東大よりも難しいとされた当校に一年特進で入るほど聡明な父だったが、 「・・・・・なぜなのか ・・・・・そういった空気だった・・・・」

今は当時と違って、ネット網なども使って 個々はいろんな情報を知り得る。簡単に大本営発表にはごまかされない。
トップは歴史から何も学ばずとも、その被害者たる庶民は、その悲惨な記憶や感覚が、親や祖父母たちからの言動で脳裏に知らずに沁み込んでいる。

個々の意志と考えを持つことで、もう二度と、騙されまい。




・・・家内入院、豪雨災害、原発稼働、デモ・・・いろいろ重なり今日はちょっとセンチメンタル、 へっ !





2012/07/18

豪雨災害の追報。
気になっていた阿蘇方面の状況を確認しに、一昨日の定休日バイクで行ってきました。

竹田市放送のケーブルテレビが見られるようになって竹田市の状況詳細は知り得ましたが、すぐお隣の熊本県側についての市からの報道は皆無、行政縦割りの弊害なのかムラ意識なのか知りませんが、県境近くの当店においては熊本県も大分県もお客さんは同等、この情報分断には醜さと腹立たしさを覚えました。
交通も遮断されているので阿蘇方面の詳細な情報は僅か、これからのお店のことも考えると道路状況含め、自ら見に行くしかない。





阿蘇市側では20人を超す死者が出ており、外輪山のいたる所で斜面崩壊、外輪山から阿蘇市へ下る道は国道三本( R57,R212,R265 ) にやまなみハイウェイを含めた主要幹線四本、その他小道四本の計八本ありますが、最西端の赤水に下る二重峠だけが交通可能、その他七本は、内牧と小国を結ぶ国道212号が斜面崩落の危険から通行止めとしている以外はすべて土砂災害で物理的に通行不能、しばらくの間、阿蘇市は袋小路状態となりそうです。

阿蘇山南側は「南阿蘇」、でも北側のこの地区は「北阿蘇」とは言わず地元では 「阿蘇谷」 と呼ばれており、なぜ 「谷」 なのか今までピンときませんでした。でも今回、外輪山から降りられなくなって、初めてここは阿蘇山と外輪山に挟まれた 「谷」 なのだと理解できました。そして谷には崖崩れがつきもの。

土砂災害で多数の方が亡くなられた坂梨の現場近くにも行き、ここで牧場を経営されている昔からのお客さんの安否が心配でしたが、本人とお会い出来、無事を確認できほっと一息。

幸い、外輪山を走るミルクロードは一時交通規制されていたものの本日解除され、それが唯一この先の波野の国道57号に通じているので、当店も辛うじて袋小路にならず多少の交通量は見込めそう・・・とは言っても幹線道の57号が当分の間不通で交通量もお客様も激減・・・・・さてどうなるか・・・どうするか・・・





2012/07/14

やっと先ほど夕刻、ネット回線が復旧しました。
地デジとネットと防災連絡がセットの便利な光ケーブル、でもこれが断線するとこれら全ての情報が遮断・・・東日本大震災のときに聞いた、当事者は状況が分からず、遠く離れた人が分かるという現代の不条理を、身を持って感じました。

高原の地にある住居一体の当店は全く被害はなく、無事です。

いろんな方々からの安否のご連絡、ありがとうございました。久しぶりに先ほど開いたメールにも一杯・・・このコラムをリンクすることで返信とさせていただきます。

一昨日7/12、夜中の二時ごろから降り始めた猛烈な雨、ここは山間部なのでスコールのような一時的な豪雨はよくあるのですが、それが何時間経っても止まずに雷鳴と共に降り続く・・・ちょと変だ、下の方では河川がヤバイかとも思いつつ、でも二十年ほど前に大水害があって護岸工事などが行きとどいていると聞いていたので大丈夫だろうと思いながら就寝・・・

朝起きると停電。井戸ポンプの当店では水も出ない、電話も不通。情報が密な病院に入院中の家内から携帯で連絡があり、電気復旧の見通しが立っていないと知らされ、冷蔵庫を心配しつつ、水も電気もないのでお店は休業。座して待っていてもしょうがないので四駆で状況偵察に出、下に降りて行って唖然 !



カメラを持っていかず、充電の当てのない命綱の携帯だけだったので写真も二枚だけしか撮りませんでしたが、熊本と大分を結ぶメイン国道57号の大きな橋の上に流木が多数・・・ということはこの橋の上に大水流が押し寄せていたということで、とても信じられないほどの大洪水だと知り・・・その後周辺地区も探索しましたが、このスーパーなどが立ち並ぶ玉来川の周域は流木と泥水の壊滅的状況。家内の病院もその地域内にありこの周辺を見渡せる場所にありますが、幸い被害はなく、河川から溢れ出した水に流される車などの惨状を三階から目の当りにしていた家内は硬直していました。

幸い当店の電気は二時ごろには復旧し店を開店、ぽつぽつと訪れるお客さん達から情報をかき集め、阿蘇の方でも酷いことになっている様子だと聞きつつも詳細は不明、こちらから阿蘇の外輪山を下る国道57号線で大規模な土砂崩れが11カ所も発生し全面不通、死者も多数らしい ・・・先ほど久しぶりに見たTVやネットでは今日は久留米方面や日田、中津などの広範囲でさらに酷いことになっていると知り・・・被害の収まった竹田市街では水道管破損で断水、復旧のめどは立たず給水車と簡易トイレを緊急設置・・・・・

東北の被災者の方々の思いが、少しだけ身近に感じられるようになりました。


それにしても、あの大災害の12日早朝の大豪雨の中、ちゃんと新聞が届いていました。濡れてもいない。
こんな方々がいるからこそ、へっぽこ政治でも日本は成り立っているのだと、つくづく思い知りました。

今回の水害で被災されている方々、東北の被災者の方々、政治は最低でも庶民の誠実さと暖かみとパワーは健在だと思います。なにとぞ絶望的にまで気を落とされなきよう・・・





2012/07/04

さて、ママ入院その後の状況ですが、まぁ、家内はこんな状態で ・・・
冷暖房完備、液晶テレビ付きのホテル並みに小ぎれいなお部屋で、お客様に頂いた花束に囲まれた三食昼寝つきの優雅なバカンスをお過ごしのご様子で ・・・ 愛妻家の私にとっては何より・・・・?????!!!!!!

         

「いただいた花束の写真をホームページにも載せて ? 」 「花だけ載せてもしょうがないだろ…」 ということで、化粧や衣装なしのお見苦しい点ありますが、近況報告として実況生写真を掲載させて頂きます。

お客さま方や友人の方々、様々な方からの家内へのお心遣いやお見舞い、ありがとうございます。
この地に来て六年近く経ち、親しい方が沢山になっていたことは幸いでした。これが誰も知り合いのいない一年目だったらどんなにつらい状況だったか・・・


一方お店は、ママがいなくてマスターひとりで大変だろう、とご心配下さる心優しいお方もいらっしゃる ? と思いますが、幸か不幸か長雨の影響もあってお客様が減、ちょっと生活の身の危険も感じつつ、家内のやり貯めていた店や家の中の残務家事を、こつこつとこなす毎日にございます・・・・ ( よう、これだけほったらかしにできたと感心。それだけの寛容力 (というのか ? ) がなきゃ、まぁ、とっくに離縁されているのかとも思うので気持ち複雑… )

ところで、激減の中でもお店に来て頂いているご懇意さんたち、実はチョンガ― (死語? ) が多いことに今回気づきました。独身・単身・恐妻家や離縁、親の介護・・・そんな方々と最近、どんな料理を作ってる ? という話が多くなり、「 "男"の料理、発信地 ! 」 もいけそうな気配です、ひとり男子、みな、集まれ !

そんな中で、先般ライヴをやって頂いた辛島さん ( ちなみに愛妻家です) 、飲み会の席で料理の話になり、「オニオンスライス、これに生卵の黄身を乗せるとすごく美味い ! ホントに美味いんだから !!! 」

それを真剣に聞いていたドラムスの小松さん、ウチの玉ねぎをいくつかお持ち帰りになりました。

オニオンスライス好きな私も味の想像もつかなかったのですが、だまされたと思ってやってみると、なるほど !いつも何か物足りないと思っていたオニオンスライス、これにコクや旨みが乗っかるんですよ !
楽曲と違い著作権の絡みはないと思われるので、料理好きの方はぜひお試しを。 ちなみに、これも辛島氏直伝の秘法ですが、黄身だけ、白身は入れないこと。


・・・なんて感じでやってます。





2012/06/18

誠に申し訳ありませんが、しばらくの間、お食事メニューはお休みさせて頂きます。
いろいろ御心配されるお方もおられると思い正直にお話しすると、ついに家内に離縁されました、ウソウソ…
当店のシェフである家内が、定休日の今日、ジャムの材料となる桑の実取りの最中に脚立から落ちて左足を骨折、一カ月程度の入院見通しとなったためです。
ゴボウのペペロンチーノや季節野菜のドリア、ホットオープンサンドなど、ファンの方々には申し訳ありません、しばらくご容赦ください。

喫茶やケーキ、トースト類は変わらず営業致しますので、変わらずご愛顧のほどを。
また、大好評のくわき農園さんの無農薬・有機トウモロコシは、来週あたりから当店で販売見通しです !





2012/06/10

書こうとずっと思っていて書いていなかったこと、の、ひとつ。
今日はオーディオについて一筆、二筆・・・

全くオーディオ・マニアではないが、音楽好きにとっては、その再生機と無縁ではあり得ない。

音楽に目覚めた高校生の頃、近くのオーディオ好きの個人商店の電気屋のオヤジが聴かせてくれた、10cm程度の小さなフルレンジ・ユニットたったひとつのスピーカー・・・自分が作ったというこのスピーカーから、見た目とはかけ離れた低音豊かな音が響き渡るの目の辺りにしてびっくり・・・・・小遣いを貯めてそのオヤジの組み立てキットを買ったのが、オーディオの始まり。
( 今の時代、こんな電気屋もオヤジも絶滅してしまい ・・・・感無量・・・ )

そこから始まった再生音楽とのもんもんだが、都会暮らしの転勤族では満足なオーディオルームなどあるはずはなく、いわんや、ご近所への音量配慮 (家内に怒られっぱなし…) 含め、ヘッドフォン音楽が論外な私はフラストレーションの中で数十年を過ごし・・・・・でもやっと今、満足できるオーディオ環境になっています。

なぜ・・・使っている機材はこれまでのサラリーマン時と変わりません。オーディオとは無縁の方から見たら高額と思えるかもしれませんが、トータル数十万程度の何の変哲もない、一機材に数十万から数百万を投じるマニアからしたら入門機程度でしかない代物です。
それが、そのマニアをうならせるほどの音を出しています。
九州近郊のオーディオで名を馳せるお店に何軒か行きましたが、私も "ウチの音の方がいいような・・・"

    

一番大きな要因は、部屋です。 これまで使っていた機材をここに置いて初めて鳴らした時、"なに、これ ! "って思いました。置く部屋だけでこれほどまでに違うものなのか・・・音響メーカーの純粋な技術的良心に触れた気がしました。本来は、凄い性能、でも使う側がその性能の一割も引き出していない・・・オーナーの見栄だけでフェラーリを都内で燻らせながら走らせているようなものです。
コンサートを行う当店の二階がオーディオルームでもありますが、畳数にして32畳程度の "適度な" 大きさ (都会の方には殴られそうですが…) 、全面が無垢の木面 (→適宜な残響と吸音 )、そして高い三角形の天井 (→定常波など異音を生む平行面がない) 、そして左右対称のシンメトリックな形状 (→正確な音像) ・・・・それらが功を奏していると思われ、生演奏でも演奏者の方々からその音響の良さをお誉め頂きます。
この部屋を作った前オーナーは音楽には全く無関心、単なる遊び部屋として作られたそうなので、たまたま。

次が、オーディオに非常に詳しい、音楽を愛する当店懇意のお客様の存在です。
もともとオーディオ好きでその会社に就職なさったほどで、その自らの耳で蓄積された実践的な処方箋は、迷信めいた高額なまやかしめいたものと異なり、素性が良かったにしてもまだまだ荒かった当店ホールのオーディオを、超ローコストで絹の質までに高めて下さった。スピーカーや各機器のインシュレータ から始まり、スピーカーや電源のケーブル、電極の違いからラックなど、アドバイスだけでなく自からの製作品や提供品多岐に渡り・・・・・貴重な針も頂き、死んでいたLP音源も復活しました。つい先日、親族の結婚式で東京から帰省してきた当店親しい若者も、そのLPの音のクオリテイーに感嘆していました。私も、昔のLPがこれほどの情報量を持っているものとは知りませんでした。
最後の決めはそのお客さんから示唆を受けていたラック、大理石のラックが、これも近くでホテル経営のご懇意なお客さんから捨てるものだからと頂戴した一脚25万のテーブルを贅沢に二脚ラックに・・・信じられないでしょうが、信じられないほどにこれで音が引き締まったのです。

          

インシュレータどころか、ケーブル類なんて単なるマニアのお遊び、LPなんて過去の遺物と思っていた私は、この過程で、単なる迷信モノばかりではないのだと知りました。
要は、ある程度のレベルまでいかないと、その違いは感知されない、といった、ある意味当たり前のものだったのです。素性を曖昧にするため旨味を増長するような甘味料や香辛料や薬品まみれの飲食物の中で、微妙な味わいの違いなど知覚できないように、歪みだらけの音の中で微妙なニュアンスの "純粋なもの " の違いは感知されない、感知されないから拙速な今の世からはそういったものは消え失せがちになり ( …少数の人知る美味なる生牛レバーを、安全性と言うなら原発の安全性はうやむやにしておいて、少数派故に安直に "法禁止"…バカ ! おっと脱線 ) 、よって、その本物の味や音の良さを知る人も少数となり、本物・本質は消滅のスパイラル・・・食やオーディオ、音楽に限った話ではなく・・・・・・・
( * 例えばクラシック音楽が一般に認知されないのは、いまだ上流階級の特権意識的手前味噌音楽といったイメージを引きずっていることを除いても、俗悪な再生音の普及で、その根源である繊細な美が感知されにくくなったことは起因大と思う。先入観ない人も甘味料まみれの音で聞いて "こんなものか" で終わり )

そんなものではない。
澄んだ、正常な環境の中では、世に取るものと見なされていないものも、それまでそうとしか見えていなかった人にも、美しく意味あるものと見えるかもしれない・・・・私がそうでした。

・・・そしてオーディオが良くなった第三の要因ですが、周囲に配慮なく夜中でも窓を開けて実音量で音を鳴らせる環境というもの・・・原音再生がオーディオの目標であるならば、音量も原音であることが必然なはず。
・・・純粋に自然好きだけでなく、楽器演奏家にとっても音楽好きな方にとっても、自然の中は、それはそれは最適な環境なのです。


この世の微細な真美なるもの、俗世の泥に覆われ尽くされることなく、輝き失われんことを ・・・





2012/05/24

前回 「エフエム大分」の取材を受けたと書きましたが、そのオンエアー・・・取材の時たまたま来店されていたお客さんが、当日放送前にラジカセと録音テープを持って唐突に来店され、同席していたお客さんたち皆とご一緒に今かと待ち構え、、、生まれて初めてFMの良質音で自分の声、そして家内の声を聞きましたよ !

TVでは数分、下手をすれば数十秒ですが、なんと10分間も当店だけ ! 長丁場の台詞は質を問われます!?
取材の時に、楽しく適当にダラダラとしゃべっていた記憶があるので(家内は綿密な下書きを用意周到…)、私だけみっともなさそうだなと思っていたところ、えっ、結構チャンと話してるじゃん !
・・・・編集作業、お疲れさまでした。(笑)

今の時代ラジオなんて、と思われる方もいらっしゃると思いますが、車の運転中、農作業中、家にいてのBGM、など、聴かれている方は意外と多いのです。「聴いたよ」と何人かのお客さんに言われました。

         
※ 番組のブログサイトでも取材リポートを掲載いただいていますのでどうぞ。(上記写真クリック)


ここ竹田市を紹介する番組でしたが 、ここ竹田市、さらには大分県は、住んでみて分かりましたが、世界的に恵まれた風土のこの日本の中でも、さらにすごく恵まれた地域です。

この竹田市、正直に言いますと 「阿蘇くじゅう」 というくくりで日本中の中から選んでやって来た私共はその地名も知らなかった (失礼… ) 、高齢と衰退がうたい文句 (?) の市なのですが、でも来てみたら、大自然溢れる日本百名山のくじゅう山祖母山をその領地内に抱え、その山々の生む名水や温泉 (近県から水を汲みに来られる方は非常に多い、当店の水もその源流である地下水) 、その名水から生み出される新鮮な農作物や畜産物、そして、天空ラピュタのような城跡 「岡城址」、それを育んだ竹田の城下町や数々の寺社の歴史、加えて、滝廉太郎から始まり、川端康成、与謝野晶子、山頭火から坂本竜馬まで、さらには大友宗麟所縁の隠れキリシタン…偉大な文化人たちの係わった "文化の地" でもある。

こんな三拍子も四拍子もそろった地域が、他にどこにあるか・・・私にはちょっと思い浮かびません。

大分県そのものも、当初この欄で触れたことがありますが、山・川・海の大自然の空気から食の幸、そして温泉、キャノン・新日鉄・ダイハツなどの大工業、そしてほど良い人口密度から、一村一品元祖の地区多様・・・これも三拍子も四拍子も揃っている県なのです。九州全体が、まぁ、私には好ましい地なのですが。
先ほど、ある新聞の中で 「いつか住んでみたい都道府県」 の読者アンケートが目に留まり興味深く見ましたが、なんと、47都道府県の中の20位内にも大分県は入っていない ! 九州は沖縄 (1位 )、長崎、宮崎、福岡、熊本の順で20位ランクイン、大分県の記述何もなし・・・

みんな、知らないだけじゃん !!!
北海道 (2位) 初め、20位内の半数は過去私が住んだ都道府県でした。(住めば都と思っていましたが、実は人が憧れる良い地に住んでいた訳です ) その他のランクイン地域も全て良く知ったところです。
そんな私は、「大分県は全国でもトップクラスの素敵な地域です」 と自信を持って言えます。たまたま仕事などで大分県に来て、そのまま永住という方は、当店のお客様だけでも一杯おられます。

作家さん達含め、この地に都会から移り来られている方たちが意外と多いことは以前この欄で記述したことがありますが、昨日と本日、東京から、5年かけて全国で御夫婦の末の住まいを探しているという方がお出でになり、なんと当店ご近所の物件にやっと固まりそうな気配、もしそうなったら、またこの地を愛する人、二人ゲットです。





2012/05/11

昨日、ラジオの取材を受けました。大分県のFM局 「エフエム大分」 。先月末から始まった、ここ竹田市を紹介する一時間番組 「ラジオ ミュージアム たけた」 の取材です。
来週 5/16 (水)、15時からの番組でオンエアです。
TVは何回か経験しましたが、ラジオは初めて。

若い女性3名のリポータ、TVとは違っての軽装備、カメラの威圧 (?) もないので取材というよりは、若いお客さんたちとの楽しいカフェの会話、といった感じのひと時で終えました。

こういったメディアの取材、今の電送環境が整った現代に、雑誌も新聞もTVも、そして今回のラジオも、みな当店に手間暇とお金を掛けて取材に来られるのです。今の時代、「データ送って下さい」 で済ませられそうなのに・・・なぜなんでしょう ・・・


・・・フェイスブックなどSNSが流行ってます。その前はツイッタ―、その前はブログ・・・チャットもあったか。
ネットという電子媒介を使った日常会話的なものが、なぜこれほど流行っているのか。
これらの機器を使った情報の速報・拡散力の威力はちょっと前の北アフリカの革命などでもその力は証明済みですが、実際やってみると "電送のお友達世界 " が大数。

人が一杯いて会話が溢れていると思える都会でこれらSNS関連が流行り、こんな田舎ではまれ。
まあ、田舎では高齢者が多いので新しい機器が苦手という面もあるのでしょうが、でもちょっとヘンです。

都会では周りに人が一杯いるのに、仕事や形式的な会話ばかりで、実はみんな何気ない日常会話に飢えている ? すぐ目の前にいる同僚、すぐ横にいるご近所さん、とはリアルな会話が出来ない・・・? 大都会での孤独死はいまや茶飯事 ・・・田舎では見知らぬ人でも会えばまず挨拶です。

私にはこれら電送会話にはずっと何か違和感があり、良く理解できないのです。

お店ではそういった日常会話から始まり、込み入った話まで、「仕事」 ではないリアルな会話でお客さんとデイタイム接していて、そういった "リアルな会話" への枯渇感がない、から理解できないのかもしれません。お店が終わってからもネットでまたおしゃべりなんて、無理。 お店のあとは逆に、一人で過ごしたい、と思ってしまいます。
このコーナーも "ブログ "ではなく、勝手な 「コラム」 と名打ってます。


田舎に行きましょう。
そこには電送のバーチャルではなく、草木の匂い嗅ぐ、リアルなおしゃべりが一杯ありますよ、ちょっとうるさいほど。

そういった "リアル" な芳香を求めて、メディアの方たちはわざわざ現地に取材に来られるのかと思います。
"リアル" な音。 冷凍もののオーディオとはまた違った、生きた音楽、これもどうでしょう ?





2012/04/29

新宿ピットイン、から新たな新譜のデモCDが届きました。
ご縁が出来てからいつも発売前の音源を送って頂いているのですが、今回のこの辛島 "クインテット" の音は、
"みな、箸をとめて聞け !!! " 

5月25日CD発売です。

私はこのデモが届く最近、ベートーヴェンの交響曲七番 (クラシックです) 、のリスト・ピアノ編曲版に魅入られて没頭していました。
高倉健が鶴田浩二に 「分かりました」 と言って、たったそれだけで修羅の場に赴くような、リストのベートーヴェンに対する絶対的な敬愛、が、このピアノ編曲版に溢れているのです。楽譜を見てるだけでその敬愛の念が感じられ、任侠の思い、涙出ます。
リストの時代はCDもステレオもなく、交響曲なんて一握りの人しか聞けなかった時代、その時リストは、この素晴らしい自分の敬愛する音楽を人々に知らしめたい、と思ってピアへの全霊を向けて編曲を行った。
この曲はピアノ曲、えっ、違うんですか ? と思えるほどの満面全開のみごとな編曲 !!!

ベートーヴェンの七番は、若い頃から惹かれ、子供の頃の小遣いで買ったカラヤンとベルリンフィルのLPは今でも時々ターンテーブルで流します。


ジャズは、この " 編曲 " といったものと、全く同じもの。
原曲者への敬意と敬愛、がベース、の音楽。
今回の辛島さんのクインテットの新譜、この "敬愛" が溢れてます。

人というものは一人ではなく、心が思い、想いが馳せることのできる対象なら、古今東西の人、誰でも心に入る友人となれる。
万葉の個々の防人から始まり、式部、芭蕉、漱石、太宰、安吾、星、筒井・・・・
ダヴィンチ、モネ、マグリット、マチス、ピカソ、ダリ・・・ゴッホ、雪舟
バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、マーラー、チャイコフスキー・・・から武満、モンク、マイルス、コルトレーン、キース。

素晴らしい友人は、歴史の中にも感性の中にも一杯出来ます。

・・・ 聞け ! 、この躍動の生命の音を !
( … といってもYouTubeではまだリンクできないようなので、CDで・・・買って文句は言わせません ! )

          





2012/04/20 

春になってきました。春は恵みの季節、都会生活では特に感じられなかったことですが、ここに来てその自然の恵みは鮮烈に感じます。至る所に花が一斉に咲き始め、鳥の音が周辺にこだまします。

店裏に自生しているワラビを取ってきて、それを冬に使った薪ストーブの残った灰でアクを抜き、マキ窯で焼いた近くの親しい作家さんの器に盛っていただく・・・

これぞ至福の贅沢の極み、と私なんかは思っちゃいます。

ノビルは味噌和え、タケノコは和風からパスタまで・・・周辺に生えてます。
これが、美味いのです。

先日スーパーで酒の肴にと安いベーコンを見つけ買いました。安かったが、ベーコンはソーセージなどと違って肉と香辛料だけのものだから・・・と思いきや、食べてみるとなんか変、そこで改めて材料表示を見ると、「水あめ、ブドウ糖、卵たん白、乳たん白、粉末油脂、大豆たん白、亜硝酸Na、コチール色素・・・」

なんで肉の塊のベーコンに卵、乳や大豆や油脂なんだ !? ・・・終わってます。

今の日本は政治から初まりニセ物だらけ。でもそれがはびこっているのは、ニセ物と分からない人が一杯いるから。ニセモノでもいいんです、本物と同等かそれ以上のものなら、それは新たな価値創造です。
でも、明らかにまずい。

形や見た目だけはきれいだが、本物とは比べようもないほど劣る、そんな世間でもてはやされているお下劣な様々なものより、裏庭の片隅に生きているワラビの方がどれだけ美味いか。


          





2012/04/05

ドカ に乗って六年半と六万キロ弱が過ぎ、今も変わらず毎週乗っています。
今週は、18本目となるタイヤ交換に行ってきました。いまだ乗るたびに刺激されます。

このドカを買って、生まれて初めて思ったことが、「こんなバイク、それを造るメーカー、これは存続していてもらわなければ困る … そのために多少高いコストや維持費も、やぶさかではない、むしろ、積極的に払うことによって資金を提供しなければ・・・」

安ければよい、その中で出来るだけ良いものを、といったコストパフォーマンス重視のそれまでの消費者としての考えが崩れた瞬間でした。

なぜか ・・・

バイクなんてカブを除けば単なる趣味の遊び道具、無くて社会に困るものではない、と思われています。
音楽もそうでしょう、無くて困るものではない・・・

・・・ ドカも、そしてあのハーレーも、一時は自身で存続できず身売りされました。あのBMW伝統のフラットツインも廃止が決定され・・・売れないから、商業的に成り立たないから・・・

でもこの後何が起こったかというと、ファンが、世界中のファンが再起を呼び起こしたのです。
そのエールにより、ドカやハーレーは資本を取り戻し、BMWのフラットツインも新たな開発費を掛けてNewTwinとして復活、そこから、現在のドカやハーレーやBMWの躍進があります。みな、排ガスや騒音規制で日本メーカーが投げ出した旧式の空冷ツイン、がメイン。 世界をコストパフォーマンスで席巻してきた日本製バイクが低迷の現在とは逆、" 遊び " のファンのパワーによって高まった姿です。


音楽もバイクも、無くても生き死ににはあまり関係ないものでしょう。

だが、そうやってただ生きているだけの状況に対して、その意味を考えた時、思った時、何のために生きているのか、何がよくて生きているのか ・・・ そういったことを考えざるを得ないほど脳内で追い込まれた時、この単なる娯楽と思われている多々なる物事、" 文化 " ・・・バイク、音楽、絵画、写真、陶芸、文学、和紙、雑貨、衣服、アクセサリー … そして " 能 " などなど、 "芸術" なるものは、 生きるための何百倍もの勇気と意味を与えてくれるもの・・・・・そう思います。

こういった文化的なるものが、効率やら商業主義やらによって存続できずこの世から消え失せてしまったとしたら、どんな空虚な世界か ・・・ ミュージシャンたち含めた様々な文化人や良心的なメーカーの活力を、みんなで育てていかなければ、結局自分たちの喜び、即ち、生の活力は生まれない、そう思うのです。

当店原点を含め、本稿、先般のチェロの于波さんと中山さんの演奏 から、改めて啓発されたもの・・・


  
  ※画像それぞれクリックで思い出に。




2012/03/11

今日はあの大震災から丸一年・・・
大惨事があったにも拘らずに変わらず訪れてくれる、新たな春 ・・・

この、新たな思い立つ時期 ・・・


ウチの娘の進路を気にして下さっているお客さん達が意外と多いと知って、遅ればせながらこの欄でご報告させて頂きます。

この一年、お隣の 「道の駅すごう」 で地元のおばちゃんたちと一緒に和気あいあいとアルバイトをしながら大学受験再チャレンジ、自分の希望した大学に今回は一発必中で合格し、以前からずっと想っていた思い出深い関西の地、その地の大学に行くことになりました。

私も、そして周りの先生たちも驚いたのですが、これまで彼女の命だった吹奏楽よりも、「心理学」を真剣に学びたいとのこと。吹奏楽部にも入るが、学業の妨げになるようであれば、その時は吹奏楽部を辞める・・・

私が音楽好きとはいえ、店の経済的な存亡と引き換えに大学で娘に遊びで音楽をやらせるだけなんてほどバカなことはない、と思っていた私には、心理学を学びたい、その中で社会的にも最有益な資格をも取得して・・・という熱意とリアルな考えは、良しとしたい。

ということで、ご心配いただいている娘も、まずは前向きな姿勢で関西へ旅立ちます。
この後どうなるかは・・・あとのお楽しみですかね。


          





2012/02/19

酒好きな私を憐れんでか、新鮮な刺身用の肉や魚を地元のお客さんから頂戴することが重なりました。
シマアジ ! シカ肉 ! 、そして先ほどは立派なクロ (メジナ) を食しました。

以前にもこの欄で何度か書きましたが、この地に来て、お金はないのに食の美味には事欠きません。ゴージャスな料理というのではなく、食材そのものが美味なのです。水から始まり、野菜や果実にしても米にしても魚や肉にしても・・・

シマアジ。これは超高級魚なので都会ではなかなか手が出ませんが、豊後水道の新鮮なものが、「えっ、もう店閉店してますよ…」「これ持って来たんだけど…」 (…おっ、生きのよさそうなドでかいアジ…) 「シマアジです…」・・・・・「えっ !?  いらっしゃいませ、お待ち致しておりました ! いつ何時でもOKです」 ・・・・美味。

シカ肉。これはこちらに来て生まれて初めて食したものですが、初めて食べた時は、これまで肉の刺身としては最高だと思っていた阿蘇の馬刺しよりも旨い ! でもさすがにこの地でもスーパーに売っているというものではなく野生のもの、これまで二三度しか食べていなかった ・・・今回久しぶりにお客さんから頂いて、やっぱり旨い ! 調べると栄養価もすごく優れており、寄生虫などの病原体も肉の中では最もクリーンな部類、で刺身が最高 ! 欧州では昔からジブエ料理の高級食材だとか・・・

クロ。一般にはメジナ、関西ではグレと言っていた海釣りの大関級。これも魚好きの親しいお客さんが、昨日豊後水道で釣れたデカイのを食べきれないからと半身をさばいて持って来てくれました。昨日あがったものなのにぷりぷりで旨味たっぷり・・・そうそう、天然のものは活け造りではなく、一日から二日置いてからの方が旨いというのを思い出した。


・・・ ここまで食べてきて思い当たったのですが、肉にしても魚にしても、生を洗練された料理として刺身で食べる文化は日本特有のものなのですが、これは "醤油" があってのものだと気づいたのです。そう思い当って試しに残っていたクロを何も付けずに食べるとまずくはないが味もほとんどない。次に塩、全然だめ。

醤油。大豆から作られるこの万能の調味料は、今では欧米でもソイソースとして定番になっているようですが、この魔法の知恵はすばらしい。ちなみに同類のタイやベトナムの魚醤油も、私は大好きです。


今回は食べるのに気を取られていて写真を撮るまで気が回らず、写真レスで失礼致します。


ホント、日本人に生まれて良かった。





2012/01/29

う~ん、夏と冬は覚醒時と睡眠時か・・・夏は活動、冬はその脳内整理・・・今は冬、いろいろ浮かびます。

・・・音楽家にはイメージがある。モーツァルトやサッチモは天使、バッハやキースは天の声を伝える精巧知なる通訳、マイルスはドスを効かせた声で 「おいお前、忘れてんじゃないのか? 」、ベートーヴェンは汗を流して苦転じて万喜と成すたくましき炭鉱夫、コルトレーンは巡礼者にして殉教者、ショパンは内向宇宙を旅する旅人でありドビュッシーは大自然の美を描く画家、そしてマーラーは・・・それら万象を知ってもがく 「人間」。
そんな私的イメージ・・・でも、そんな万象を感じられる我々人間というものは、素晴らしい。

そんな感性が高じてか、様々なものを知って楽しむに足らず、逆に全くたった一つのものからだけでも変化(へんげ) を生み出し、楽しむ。 生命の進化がそうであるように。





上のふたつは 「Speak Low」 という歌ものが原曲の同じ曲。(…最近ハマってます…)

ジャズの面白さ・・・でも、モーツァルトやベートーヴェンは当時、即興・変奏の達人だったそうだし、ショパンも決して二度と同じようには弾かなかったと言われます。そもそもバッハなんて、私にはリズムは別にして、ジャズとしか聞こえません。平均律を確立して自由になった転調を駆使し、天衣無縫に掛け巡る筆の運び・・・ 1000曲以上もの楽曲を書いたこの楽聖、多くを知るのみならず、一のものからも瞬時に多くを生み出す神の術を知っていたから、としか私には思えない。そんな、一つのものから瞬時に新たなものを生み出す彼らの末裔、ジャズメン・・・・

私には、音楽史の直系にして正道、そう見えるのです。

・・・「今朝、いい石鯛が釣れて・・・どうです ? 」
お任せしたらその場でデカイその一匹を捌いて、刺身に始まり塩焼き、唐揚げ、煮付け、お吸い物・・・

昔、技術者として四国の松山に行った時の小さな居酒屋、たった一匹のあの万化の旨さは忘れません。

あれがない、これがない、と言ってるうちは・・・・・まだまだか。
・・・・・産め !





2012/01/22

受験シーズン、ウチの娘も再チャレンジでぼそぼそやっているご様子・・・

年始のメールで昔の職場の親分から近況、退職して七十になる身、東証一部企業で技術顧問までやっていた理系一筋の技術畑が、今、日本古代の歴史に傾倒とのこと、頼もしからずや。

私は人生の中でたったの半年ですが、望む大学を目指して、"受験の勉強" というものを真剣にやりました。それは滑り止めで通っていた大学を辞め、退路を断っての自分ひとりだけの勉強でした。
神経の集中できる夜に起きて勉強し、昼間寝る、予備校は友達を作って遊ぶ温床だと経験済みだったため、自宅に籠り、当時あったラジオ講座と添削教材だけ、そう策し、それを実行しました。

そんな自分ひとりだけの勉強・・・でもここで、勉強、学ぶ、という楽しみを知りました。それはもう、受験とは関係のない世界まで芋づる式の知的好奇心・・・・・なんて頭のいい人がこの世には一杯いるのか !

    

小中高学校の教育とは、知識を詰め込むだけではなく、本来、" 学ぶことの楽しさ " を教うるべきものなのではないのか ? ・・・・・自身、学校教育の中でそれをあまり教われなかった経験からそう思います。
だって考えてみて下さい、学校で学んだそのあとには、その何倍もの時間が続きます。
そこからは人は一人で学んでいかなければならないのですが、その " 学ぶ " ということを、その楽しさを知っていて楽しみとするか、知らずに苦痛となるか ・・・・・何も学ばないという人もいるのかもしれません。
・・・ 学ぶことが楽しいと思えた方が楽しいのは明らかですし、楽しければ勝手に勉強します。人には本来そういった" 学ぶことが楽しい" という知的能力で他の生物とは異なったDNAが息付いてます。

数学が実生活では何の役にも立たない ? 数学はそんな処世術ではなく、論理的・合理的思考を鍛える最強力な道具・・・・・ 1 から 100 まで足すといくらになるか ? 順に足して・・・電卓があっても一回ミスがあればアウト。では発想を変えて両端から足してみる・・・1+100 は101、2+99 も101、を … !? 3+98 も101だし、となれば50+51 も101・・・ならば 101を 1 から 50 まで50 回足せばいい、即ち 101×50=5050 !
1 から1000 だって簡単、1001×500=500500 ! 暗算一回だけの計算で済みます、ミスはないし楽です。
数学とはこのように、いかに "楽" に真実に辿り着けるかということを "考えさせる" 術、この術を知らないと万事、" 時間が足りない、こんなの無理だ " ということになります。
" いや、何か方法はあるはずだ " ・・・ そう考える意欲を湧き立たせ、また、誰が思い付いたかいみじくも "らく" と "たのしい" は同じ文字、その "楽 " を実践するのが数学。

地理は ? いろんな情報を得るとき、地名、地形の知識があれば、その親近感は何倍にも膨れてゆきます。
・・・でも歴史は過去のことだし ? いやいや、小説を読むとき、TVドラマや映画を見るとき、この知識があれば楽しみは倍増、日本史のみならず世界史も知っていれば宗教的な物事含めこの世の理解は格段に深まり、さらには未来予測に対しての重要な糧ともなります ・・・・・生物や医学、 人や生物の体は天文学的な英知の結晶なのだと教えてくれますし、この世の極小から極大までを説明しようとする物理学なんて、それこそ知的享楽の宝庫です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このお店、塾の先生初め、文部科学関連の方や歴史資料館の元館長、小中高、大学校の先生や校長先生など、懇意にして頂いているお客さんいろいろいで、いまだ好奇うずく私にそれは有益な空間です。
私立の大学が昔から二三の教科だけで、最近では一芸だけでも入校出来るようなのですが、様々な分野の知識を知らない偏った頭で、さて将来、本人にも国的にも問題はないのか・・・昔から杞憂しています。

・・・老後、暇を余してぼやけていく方々を見る中、冒頭の親分のように、知的好奇心があれば時間はいくらあっても足りない・・・伊能忠敬なんて、隠居後に全国を足で測量し、日本初の細密地図を築き上げた・・・

いろんな分野の勉学、これ即ち、この世を楽しみ尽くすための娯楽の道具、老若係わりなし !

おベンキョウは、して損は絶対ないと断じれます。
宝くじなど買うより、よほど率はよし。





2012/01/10

2012年は、ヒマラヤから !

   

          


以前勤めていた企業、その大阪時代に、会社は違えど気合入った仕事を一緒にした、ちょっと年は離れているけど気の合った若い友人からの年始のメールでした。

" 誰かと思ったら・・・えっ! 会社辞めた? ネパール ? エベレストぉ~・・・?
顔や風貌が現地のネパールや山の男と全く違和感なく…あんた実はそこの住人か ! "
てなほど驚きました。昨年秋に会社を辞めて、一ヶ月間ネパールに行っていたそうです。

それにしても山を登る趣味があるとは知らなかったけど、一気に私の最高所記録3776m ( …富士山です…) 抜かれました。富士山でさえ私は高山病にやられましたから、5500mとあった冒頭の写真にある高所では相当ひどいことになるんでしょう、二度も死にそうになったとありました。

なんて驚きながら彼のメールを見ている最中にお店にお客さん…

これがなんと、年末にネパールに二週間行ってきたといってお土産や写真を持って来てくれた、ちょっと遠方のまだ20代の若い女性の小学校の先生、「今こっちに帰ってきて、どっちが故郷か分からなくなってます…」

一ヶ月ほど前、カメラを買ったと言って「冬休みに念願のネパールに行ってきます」 「…えっ、ネパール、私もずっと行きたいと思っているところ、写真見せに来てね」 と言って送りだしたことを思い出した・・・

上のカレンダー、現地の手作り。チャイ (ネパールのお茶) とともにお土産で頂きました。
日本の周りにあるものと何かが違う・・・この阿蘇くじゅうの山中のものとも何かが違う・・・・もっと根源的な澄んだ楽しさ ・・・
手作りというか素朴というか自然というか・・・街々にあるものと決定的に何かが違う感性で作られています。
それは畏怖を感じる山々の麓で暮らしている、謙虚さから出でる喜び、そして美、なのだと感じました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このお店では阿蘇くじゅうの山の話は日常でも、ネパール、ヒマラヤなんて話はほとんどない中、なんというこの一日の偶然なのか・・・
世の中、変なもんです。

変なもんなので、さて何がどう転ぶか分かりません。
脱サラしてこれから仲間とIT関連の仕事を始めるという冒頭の友人、まずは、自分の足で歩き始めた彼に "おめでとう ! "

ヒマラヤやネパールを年末に訪れたこの全く関係のない若い男女が共に同じことを言っていた事が印象的。
"貧しいけれど、手つかずの自然にものすごい感動 ! " そして "人がみんないい人"
この二つだけで人は十分幸せになれる。食えればこれ以外に何が必要 ? 私にはあと音楽だけ。

ずっと昔から幸せになるためと称して世の個が求めるお金や地位・権力・富、そして利便性・・・そのために、自然を破壊し搾取し、人を妬み恨み憎み軽視し悪い人になる・・・・・まったくもって幸せというものに対して人は支離滅裂なことをやっているのではないのか、そんなことを思う ・・・


ヒマラヤの地、私にとってもずっと想う地。
ここ阿蘇くじゅうの地もヒマラヤと同様の自然の地、でもいつかの日か、私もヒマラヤの地を訪れてみたい。






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