2008/02/08
昨今、食の安全性が世間を騒がせていますが、今日、お客さんから興味深いお話を聞きました。
野菜やお米を無農薬、化学肥料なしで作っている農家の方ですが、野菜はともかく、お米を全くの無農薬で作ることは非常に難しいものだということをこちらに来ていろんな方々から聞かされており、だから市中の価格も通常のお米の2〜3倍の値が付いています。
さてさて、どんな工夫や努力をされてそのお米を作られているのかと伺ったところ、なんと、特別なことは全く何もしていないとのこと。
現在一般の稲作と異なる点は、化学肥料の変わりに収穫の終わった藁を田に鋤き込むこと、除草剤を使わず手で雑草取りをすることになるため、苗を植える間隔を大きく取り、そのために田植え機は使えず手植えになること、その苗も機械植えでは効率的に一束三本に対してシンプルなただの一本植え。
それだけでした。
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たまたまその地の水や土が良かったのではないかと思って聞いてみたところ、この話を聞いて他の人が他の地でやってみても、ちゃんと出来ているとのこと。
でも、苗を植える間隔が大きいので当然、単位面積当たりの収量が少なくなるんでしょうねと聞いたところ、ひとつの稲に通常よりも多くの実がなるため、ほとんど変わらないとのこと。
そういったことを、別に誇って語られるのではなく、普通のことのように淡々と話されているのが印象的でした。
味の方はと言えば、一緒におられたそのお米を食べられているお客さんが、「普通のお米とはぜんぜん違う、とにかく美味しい!」
実は、お隣の無農薬野菜のくわき農園さんからも、ちょっとしたことさえしっかりしていれば、人が言うほど無農薬は難しいことではないと常々聞いていました。そしてそこの野菜も非常に美味しい!
こういうことが本当なのなら、単位面積当たりの作付け量を増やして収量を増そうとしたり、そのために化学肥料や農薬を撒いたり、そのための機械を導入したり、そんな手間暇とお金を掛けて環境や人体に怪しいことをやって、しかもその結果、外米との競争ということで市中価格は下がり、しかして日本の稲作が成り立たないという現状は、一体何だったんでしょうか?
普通に昔ながらの農法でやっていれば、外米と差別化できる安全で美味しいお米が消費者の口に入り、農家の方も変な投資や労力を強いられずに誇りをって普通の生活ができ・・・ということだったのかも知れない。
冷凍食品しかり、実はこれに随することは昨今多く感じられ、何十年、何百年、何千年にもおよんで培われてきたものを、いともたやすく目先の利便性や効率性から捨てていく昨今の情勢には怖さを感じます。
効率や利便性など何とも思っていない子供や動物の愛らしさや輝き、道標です。
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