レポート / 2012

   コンサートなどのイベントのご報告です。


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過去のトピックス

2012/11/25

2012年11月23(金) 于波 チェロ トリオ ご報告
 

もう、写真だけでいっちゃいます。とんでもないほどの音楽会でした !!! お客様も一杯 !

前半費やしたメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲 (OP.49)、鳥肌が立つほどすごくて、たまたま隣にいたマネジャーの美女(…です…) につぶやいたら、"私も鳥肌、今日ここで初めてやったの・・・"

 







毎回于波さんは楽しい方を連れて来てくれます。大好きな于波さんのチェロに乗る次なる人は・・・
贅沢な望みなのですが、すごいことに、いつも新たな音との出会いを連れて来てもらっています。
(マネジャー平塚さん、ありがと ♥)

春に中山さん (ピアノ) が来てくれて、うわっ、とんでもないと思っていたら、今回当店初めての佐久間大和さんのヴァイオリン、またとんでもない !!! ものでした。


三者それぞれが、もの凄いエスプリ・・・・聴いていて想い起こされたのは、アルゲリッチ・クレーメル・マイスキー、そしてコルトー・ティボー・カザルス、この楽器編成での黄金の二つの歴史的なトリオ !
凄いひとが集まった創作、演奏というものは、人の心を揺り動かすもの・・・・最後はラテンのビートに乗って、誰がやり始めたか分からない大・手拍子の中で、コンサートを終えました。CD販売は長い列・・・


     

打上げ最後まで残って頂いた方々との記念撮影・・・・あまり趣味ではないが。

でも、写真を見ていて、ものすごくいろんな人たちとの関りの中で生きている私達、それを思いました。

この写真の中だけでも「関わり」、横浜、埼玉、東京、神奈川、熊本、阿蘇、福岡、広島、大分、当然竹田、そして中国・・・いろんな係わりの人がいらっしゃいます。横浜ミーちゃん、お手伝いありがと ♥
普段、全然直接は繋がりのない方々、でも音楽を契機で繋がる・・・ネットなんかより断然リアル。

ここには写りませんが、裏方でこの日のコンサートを支えてくれていたピアノの調律師さんもいます。
ずっと正午前からピアノの調子を整備し、やってきた演奏者の好みに瞬時に出来る限り適応する安藤さん。今回も、中山さんの時間のない中の注文に対して、その調整結果に中山さんが嬉しそうに安藤さんにお礼をされていたのが印象的。プロ同士。


于波さん・・・今回来て初めて気付いたことですが、「今日のお客さん、すごくいいよね」 ・・・実は最初に来られた時から毎度于波さんが言っているフレーズなのですが、今回も、「今日のお客さん、すごくいいね、あっそうか、いつもココいいよね、でも今日はまた特別いい !」

ここに来て何十回とコンサートを開いていて、演奏者の方から、「お客さんが良い」 というフレーズは、実は于波さんからしか聞いたことがない。あと、同じようなスタンスの言葉を聞くのは、これも大好きなジャズの辛島さん。大家ほど謙虚、というか、いかに音楽というものが人の中で生命の燃焼材となり得るか、それを深く意識している方たちなのか、と思う。

         

・・・ずっとやってきた当店のコンサート、メジャージャンルではないクラシックやジャズで集客にいつも胃を痛めながら、でも、音楽の喜びは、ちょっと敷居は高いと勝手に思われていても、なじめば誰でも知り得る新たな大海原が、その先には一杯開ける ・・・・ そう思っているのです。





2012/09/20

2012年9月16(日) KANKAWA トリオ ハモンドジャズ ご報告
 

超大型の台風16号が迫った中でのライヴ、寒川さんは前日長崎からの移動、お客様からも中止についての問い合わせやキャンセルが相次ぎ・・・

いろんな思いを絡め、風雲児、KANKAWA、やりました。

いつもは雄大な自然美の道、でも寒川さんは真っ白な雲に覆われて何も見えない山道を何時間も揺られ、ホワイトアウトしてましたね。せめてもと思い、お好きなお酒片手でやって頂きました。似合います。

 
  杯を片手に、でも左手でちゃんとブルースやってます。サイドメンの真剣な表情を見よ。



             音も凄いけど、寒川さんは絵になる・・・

                
        学校教材と同じ楽器とはとても思えない、
ハモンド社寄贈の "ピアニカ ! " 


ヨーロッパ中世音楽の中心 "大"パイプオルガン・・・それを庶民に解放した楽器、それがハモンドオルガン

<< ハモンドオルガンが現れたとき、音の有識者たちを集めてブラインドテストを行った・・・本物のパイプオルガンとの違いを識別できた専門家は2割もいなかった・・・今でも東海岸のボストンのジャズクラブではピアノではなく、オルガンしか置いていない、ニューヨークでさえそれが大半だ・・・>>

<< アメリカの黒人奴隷が唯一安息の場として許された教会・・・自分たちでバラックの教会を建て、しかし、そこに据えるオルガンには目一杯のものを設置した・・・といっても本物のパイプオルガンは無理、そこにハモンドオルガンが現れた。それは教会に設置され、ゴスペルが歌われ、ブルースになり、ジャズになった。>>

<< 心に悲しみのない奴には、ジャズは分からない、クラシックもそうだ・・・それを必要とする人だけに聞いてもらえればいい。 >>

          


・・・そんな牧師さんの説教、ハモンドの調べに乗って寒川さんは語った。ずっと左手でオルガンを奏でながら、右手にマッコリの杯を持ち、そして吉本のお笑い口調で・・・カンカワは、悪童牧師さまだったのです。


楽器としてのオルガン、この音色の変化(へんげ)を使いまくる寒川さんにはもう、感服。
オルガンは、カール・リヒターのバッハ (クラシック) が、もうバチバチ音飛びしている昔から聴いているレコード、大好きなんだが、バッハの時代から音色変化による表現はオルガンの魅力。

その、バッハから黒人奴隷までに通じる魂の響き、ブルース、その歴史の流れを寒川さんから感じた。

ジャズとクラシック・・・バッハを聴いているとジャズとしか思えない、そんな私の相反する想い、リンクした。


   

ドラムスのAKI こと吉川さん、寒川さんの付き人から初めて、今邁進中の彼、今回私は一番感動した。 
寒川さんから叱咤を受けた後のツーステージ目の彼のドラミング、鬼気に迫った !!! 超大拍手もの !

音楽は伝承。とことんやってるヤツ、それに感入るヤツが、その魂を拾う。
なにも音楽に限った話じゃないが、その命の接触は、美しい・・・・


爆裂ブルース魂、ありがとうございます。
そしてこんな悪天候の中でお出でになってくれた方々・・・同志です。





2012/08/03

2012年7月29(日) 二台のハープによる音楽会 ご報告
 

優雅な感じ・・・
全くマイクを使わず、アコースティックな響きだけの二台のハープと御意さんの歌声・・・

音が大きいとはいえないハープ、そしてエコーなどエフェクトが前提であるヴォーカル・・・当初からマイクを使うことを前提にしていたのですが、リハーサルの音を聞いていて、何もないこのままでいいんじゃないか・・・

演奏者たちもまったく同感 「御意 !」、全く無垢の音がホールに満ちました。あるのは人と木と空気だけ・・・

   

   

ダブルハープ、どのような演奏になるのかと興味深かったのですが、二台がユニゾンで弾いている時の音、これがエコーやディレイなど、現代では当たり前となっている人工音響エフェクトが、なんと、全くアコースティックに成り立っているではないか !

これは全く意もしなかった驚き ! 全くマイクを使わなかったからこそ気づけたこと。例えば、最近の凄い映像の映画を見てもCG はやはりCG、の感動しか与えない・・・昔の実写は、なぜかリアルな感動がある !
今回の人工物を介さない自然な音響効果も同じ感動 ・・・周りの有機野菜の感動的美味にも通ずる ・・・

今でも職人は、最先端の機械が判別できないようなミクロンの寸法差を識別できるという・・・
人の知覚は、まだまだ人の作った機械の範疇なぞ超越しているのでしょう。

          

御意さんの歌声、忌憚の無い、澄んだ歌声・・・そんな人の声は、まだまだ機械には無理と思えた、「人」の音楽でした。

早弥香さんのサイトでも紹介頂いてます、どうぞ。
御意さんも演劇 「PANDORA」を地元大阪でプロデュース、大阪の知人たち、行ってみて !





2012/06/23

2012年6月20(水) 辛島文雄 Trio ご報告
 

「どこで息をしていいか分からないほど高揚した・・・」 「訳が分からず汗だくになった・・・」

私は昨年経験済みなのである程度の免疫は出来ていましたが、でも初めてのお客様はさにあらん・・・

彼らの演奏には、なんなんだろう、 "生き物のもの凄さ ! "、といったようなものを感じます、とにかく懸命に生きてるドライヴ感 ! ・・・・お店の周りの絶対勢力の雑草や虫、さらに最近はイノシシから鹿、タヌキ、猿まで、もうこの辺りは野生の王国なんですが、そういった連中と同じような感じの、生命力大全開 !!!

    

今回私個人の一番ヒット、ベースの楠井さんがリハーサルでエレキベースを用意、「えっ? エレベの曲やるの?」 「一曲だけ・・・」 「何やるの・・・いやいや何も言わないでね」 といって本番を楽しみにしてました。リハではジャコパスの曲かなと思いましたが、本番では次々に展開していって、実は、今回のツアー直前に辛島さんが書いた曲とのこと、めちゃ、かっこええ・・・・次回CDで入れるつもりだそうですが、ホンマ、カッチョエエ曲ですよ ! ハービー・ハンコックとジャコパス、プラス辛島ブレンドのファンク・ジャズの極み !、と言った感じで、このまま永遠に演奏を続けてもらいたいと思ったほど、、、ジャコバスの上行くか ! といった楠井さんのペース、シャープ極まりの小松さんのドラミング、、、"Mr.J.H" 意味深な曲名。

   
   


今回直前の家内の骨折入院で、演奏後の食事ができないと即辛島さん側に連絡、でもそのあと考えたら、この田舎では夜遅く食事できる店なんかない、と思い当たり・・・演奏者は腹一杯食ってから演奏なんてできないので、みな演奏後に食事という種族、いつも演奏後にお客様と一緒に打上と絡めて食事をしてもらっていましたが、この田舎ではその時間ファミレスが一軒だけ・・・「いいよ、ファミレスでフルコースでやるから」 なんて言っていただきましたが・・・
状況を聞きつけたお客様たちが、「辛島先生にファミレスでは失礼だろ !」 と手作りの料理を多々持って来て頂き、いつもながらの宴会ができました。

また、たまたま演奏の数日前にプライベートで偶然お寄り頂いたマスコミ関係の役員さん達のおかげで、翌日夕方のゴールデンタイムの大分県下のニュースで当日のライヴ映像を放映いただきました。




辛島さんたち、調律師の安藤さん御夫婦、料理を持って来て頂いたお客さん達、当店の意気込みに感じてニュースにして下さったマスコミの方、週末に近郊の大分市内でも演奏があるのにわざわざ無理をして平日遠方の当店に来て頂いたミニのお客さん、寸前で気にして来て頂いた近郊の多数のお客様たち・・・・・・

…何の地縁もなくこの地にやってきた私達、それが六年近く経って、様々な繋がりの人様のご厚意、そのことを心に沁み込ませ、そして、そんな私どもを含めた皆の心を演奏によって昇華にまで高めてくれた、今回の辛島トリオのライヴでした !


皆さま、ありがとうございました。





2012/05/17

2012年5月13(日) 豊田隆博 ピアノトリオ ご報告
 

長期連休明けの日曜、しかも母の日でもあったんですね ・・・ 聴きたいけど、母の相手をしなければなりませんので・・・そういうお客様も何人かいらっしゃいました。

小人数でした。
でも、そんな中で来ていただいたお客様方たちと豊田さんたちとの間で、暖かいコンサートになりました。
皆さま、
ありがとうございました。CDは完売でした。

・・・確かにジャズやクラシックは人気音楽ではないのでしょうが、でもそれは本来の音に接していないからであって、良い音環境で生の良い演奏に接すれば、知らなかった人たちにもきっと新しい喜びを啓発できるはず、と思ってやっています・・・・・でも最近はいろいろ考えてしまいます・・・

チラシを自作して安いネット印刷を探してバイクに乗って各方面にばらまき、メール配信や、雑誌や新聞、広報ネットなど、いろいろ思い付く手立てを都度加えていっているのですが、でもいまだいつも集客には苦労しています。
何百人も集めるわけでなく、たったの五十人で満席なのに、なぜそれができないのか・・・

でもこんな苦労やジレンマは、特に目の見えない豊田さんと共に歩んでこられたような今回の演奏者の方々にとっては、昔ながら身に沁みている当たり前のことなのでしょう ・・・・・当店の赤字となる上乗せをした少ない演奏料を頑なに最後まで固辞された豊田さんは、そんな周りの痛みが嫌というほど感じられる経験を積み重ねてこられたのでしょう、お金の話ではなく、その姿勢に共感の涙が出るほど嬉しかった。

彼らの、陽を浴びたふかふか布団に包まれるような暖かな演奏は、そんな長年の歴史から醸し出されているものなのかも知れません。

・・・貧しければ貧しいほど心は豊かになり、富めば富むほど心は貧しくなる・・・・・そんな言葉をどこかで聞いた・・・

    

ラストナンバーの "ティン・ティン・デオ"、そしてアンコール最後の "チュニジアの夜"、吉村さんのノリに乗ったドラミングを筆頭に、最高でした !

PS. 豊田さんのサイトでも紹介頂いてます。どうぞ。






2012/03/21

2012年3月18(日) 于波 & 中山博之 チェロとピアノ ご報告


        ~  すっばらしい !!! 

実はこれまでいつも演奏後にマネージャの平塚さんに、気になった "グチ" を吐いていた私ですが、今回は、もう何もなし ! " ありがとう ! " だけ。

チェロもピアノも、そして于波さんと中山さんのエスプリの効いた漫才のような楽しいステージのやり取りも、もうすべて、最高 ! 彼らの自由闊達、大きくて、そして研ぎ澄まされた繊細な感性、すべてが全開になったと見えた、感動と嬉しさ一杯のコンサートでした。

初っ端が、ベートーヴェンの 「モーツァルト<魔笛>の主題の変奏曲」 と 「チェロソナタ三番」、 といった真正面からクラシックの大作で始まる豪勢なプログラム・・・ 単に楽しませればよい、といった姿勢とは全く違った、真剣な彼らの姿勢が最初から伝わりました。こんな田舎の小さな店でベートーヴェンのソナタなんて、聴ける機会なんてまずないですよ、奏者にとってはものすごく負担の難曲ですから ・・・その演奏もハイレベルで、びっくり ! へたなCDの九割は落ちますね。

後半は、いつもの通り楽しさ満点の軽いノリかと思いきや、曲は馴染み深い曲中心なるものの、ここが今回ピアノの中山さん、東京芸大(音楽の世界の東大です) の " 作曲科 " 卒のピアニスト、が加わった意味が満点効果 !
カッチーニのアヴェ・マリア、ショパンのノクターン20番など、中山さん自らのチェロ用編曲作品に見られた、全く自然な絶妙なアンサンブルの美音、さらには、ショパンの小犬のワルツをリスト風の超絶技巧に編曲した「大犬のワルツ」、これがもう、" ここまで行くか ! " というものすごいテクニックと爆裂エネルギー、こんなもの凄いピアノ演奏はめったに聞けない !!! いつも、軽くいなした感じでクールに下の階で聴いているウチのバカ娘も、さすがにこの時は二階の会場に何だこれはといった趣で上がってきました・・・

・・・ そして圧巻はアンコール最後の、お客さんリクエストのカザルスの鳥の歌・・・

楽聖カザルスが国連総会に於いて平和を訴えて弾いた曲として有名ですが、通常チェロのソロで弾かれるこのスペインの民謡、今回、「残業なんだから一緒にやろうよ(笑) 」と于波さんに言われ中山さんも即興で伴奏、これがまた絶妙の感涙もので、クラシック好きのお客さん達も帰り際に「最後にすばらしい "鳥の歌"が聞けて本当に良かった・・・」 と。


今回、私は于波さんだけでなく、新たに中山さんの大ファンにもなりました。
まあ、私だけじゃないと思いますけど・・・


          


       


       






                            
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