チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走 
        
                   前障子岩手前から完全縦走の最終ピーク・傾山を望む

その7 リベンジ成る
                     狭間 渉
○性懲りもなく・・・
 前回5月21日の右回り完全縦走の途中リタイアで早々と一日完全縦走の敗北宣言(=「こんな無謀な試みはもう二度としない」)を出したものの、わずか数日にして前言撤回となった。高瀬の感動的な手記()の影響が多分にある。それとともに、全行程の半分足らずの尾平越でやめてしまってはやはり悔いが残る。左右どちら回りにしてもアルバイト量はほぼ同じと思われるこのコース、実際には左回りの方が気持の上では楽そうだ。敗北宣言はそれからでも遅くはない。と、妻に言わせれば「性懲りもなく」再チャレンジとなった。

 大分市の我が家を午前2時40分に出発。前回と同様途中、犬飼のコンビニ・ローソンで弁当2個を仕入れ、三重町のジョイフルで朝食後、緒方町原尻経由で上畑の登山口・健男社に着いたのが4時40分。

 車を降りるなり柔軟体操ももどかしく4時45分出発。一年で一番日の長いこの時期、この時間ですでに周囲は明るくなっている。当然、日没の時間も遅い。いったんは秋に体勢を整え直して再挑戦と思いながらも、前回の経験から日没後の下山も想定し、梅雨入りしたこの時期を敢えて選んだ。

 登山口は健男社より少し緒方寄りにあるが、ここは少し遠回りでも神社に参り願かけすべきと、スタートは健男社の階段を登るところからとなる。四季咲き桜のある民家(※※)の手前で登山道に合流、念のため登山届にちゃんと記入。

※:「チャレンジ!祖母傾完全縦走 その5 大分登高会の末裔ついに完全縦走なる!」参照
※※:「“おゆぴにすと”秋冷の祖母山系、前障子〜大障子を行く」参照


○作戦の見直し
 民家からは相変わらずいきなりの急登だ。全行程約40kmの累積標高差は3,500m以上となる。とくに、序盤、前障子岩までの標高差約1,000mの急登にもっとも体力を使う。

 長丁場の食糧・装備と軽量化・スピードとをどう折り合いをつけるか、前回は軽量化にこだわりすぎた。暑くて大汗をかいたのに水を節約しすぎて早々とGGP(※※※)に襲われた。今回は水と食糧を前回より2 kg以上余計に担ぎ総重量は6.5 kg。負荷重量5 kgでヒトの酸素消費量は2倍になるという。それでも長丁場を考慮すれば致し方ない。

 つまり、ロケットの補助燃料タンクの理屈で行こうと考えた訳だ。前障子までの標高差1,000mの急登(引力圏外へ脱出)の最中に、食糧のうちの重量物と水をできるだけ摂取・軽量化し、前障子岩以後の水平移動ではスピーディにとの算段であった。

※※※:ゲロゲロパーの略語「チャレンジ!祖母傾完全縦走 その5 大分登高会の末裔ついに完全縦走なる!」のなかで高瀬が、このチャレンジシリーズの相棒・狭間の山での特異体質を揶揄表現したもの。高瀬に言わせれば「山での行動10時間以上を経過し、内臓機能の低下により、嘔吐する現象を指す。治療薬はビールと麺類。主としてトレーニング不足と併用されることが多い。(参照:広痔苑)」となる。

○千載一遇の気象条件下、序盤は自重
 前障子までは途中1カ所の水場や数カ所小さな岩場などがあるが、急傾斜のため高度はどんどん稼ぐ。6時5分、稜線が近くなって開けた場所から今日最後に立つはずの傾山が見えてくる。このコースの最奥部・祖母山を過ぎると歩くほどに傾山が近くなるから左回りの方が安心感がある。何だか変な理屈のようだが、障子尾根より傾山方面が馴染みが深いからだろう。 

 今日は気温が比較的低く、風も心地よい程度にある。調子が良いのでかえってオーバーペースになることを警戒し、1時間に最低1回、小刻みに休憩をとる。その都度、例えば、たらみの白桃ゼリー(260g、185Kcal)とゲータレード150cc、あるいは串団子2本とゲータレード150cc、ミックスフルーツヨーグルト(160g、156Kcal)とゲータレード150ccといった具合に重いものから早めに先に飲み食いするようにした。

○「岳人なら坊主コースを行け!」
 前障子岩山頂が6時58分。このピークは直下にちょっとした岩場がある。山頂は縦走路から少し逸れ往復で10分程度かかる。完全縦走の規定では「祖母山、傾山をはじめとする主要ピークに足跡を残しつつ」とはしたものの、具体的な山名を細かくは明記していない。もし完全縦走コースにチェックポイントがあるとすれば、ここ前障子岩の山頂が最初のチェックポイントになろう。「岳人ならば坊主コースを行け!」(※※※※)との声がどこからか聞こえてくるようで、前障子岩も然り、素通りできなかった。

         
                       最初のチェックポイント・前障子岩

 尾平方面から遠望する障子尾根は、前障子岩と大障子岩という顕著な岩場のピークを除けばなだらかな稜線に見える。ところが、実際には岩稜あり、急登・急下降あり、スズ竹のトンネルありで、なかなかの難行だ。それでも大障子岩を過ぎた辺りから走りやすそうな道が時おり現れ、そんな時はランニング登山モードに切り替えようとするが、食い物を胃袋に詰め込みすぎているから思うようにはいかない。

      大障子岩(天気は高曇りの好条件)

                       
                             大障子岩の頭に立つと祖母山が眼前に迫る

※※※※:おゆぴにすとHP掲示板の中での高瀬の主張

○独り静かな企てのはずが・・・
 池原展望所の少し手前に水平岩稜帯がある。この岩稜を用心しながら渡り、途中北方に目をやると九重連峰がうっすらと浮かび上がっている。先ほど前障子岩で栗秋から携帯電話(以下ケイタイ)にメールが入っていた。職場の仲間とこれから九重登山だそうだ。のんびりとした草原漫歩のゆとり山行が想像される。今日のこの試みのまっただ中にあることを返信すると「武運長久を祈る」とのエールが帰ってきた。これで今日の試みは衆人環視下(といっても2、3人だけど)注視されることになった。前回も含め本音はこの企てをさりげなく完遂したいとの思いであったのだが・・・。

                 
                           水平岩稜から九重連峰方面

                 
                    先は長い。池原の手前から古祖母山と尾平越を望む 

 なお、奥深い山など、圏外の地域での移動時は電話機が電波を探し続けるために思いのほか電池を消耗するらしいことを最近知った。そこで今日のような特別な山行では、ケイタイは非常用並びに撮影用と割り切り、移動時はOFF、チェックポイントでの撮影時のみONにしていた。

○ゴール予定時刻の予測と修正
 祖母山頂直下九合目の水場着が10時過ぎ。今日の予定コースイメージでは、祖母山頂10時、尾平越12時、九折越15時、九折登山口18時半と頭に描いていたので、少し借金ができてきた。池原付近から時おり試みるランニングも、腹痛と、このところ左足に抱え始めた厄介者・‘魚の目’が痛みを増してきてそれを庇って歩いているうちに左足首裏側付近が痙攣を起こし、そんなこんなでペースはまったく上がらない。しかし、魚の目を痛がっている間はまだ体力・余裕がある証拠、まあ良かろう。それに少しペースは遅いくらいの方が、吐き気が早まるよりは良しとしよう。

 水場で500ccボトル1本分の水を補給。ブナ広場までの約3時間、この量あれば充分と判断。冷たい水で顔を洗う。前回傾山経由右回りのブナ広場ではじゃりじゃりするほど顔に塩を吹いていたが、今日は潮吹きはわずかだ。程よい曇天と涼風のおかげで、大敵=発汗量はさほどでもない。九合目の小屋は素通りして10時26分祖母山頂。

   祖母山山頂

 祖母山頂直下の岩場は用心して下る。黒金尾根下降路の一つ手前の鞍部にテント1張り分のスペースがあり、天狗の岩峰や傾山方面の眺めがすこぶる良い。10時56分、ここで大休止をとって今朝方コンビニで買った冷麺を食べるなど20分近い大休止。ここにきて好物のはずの麺類を前にしても食欲は今ひとつ、喉にかかるのを無理に押し込む・・・そろそろ胃袋がおかしいかな? しかし昨夜は一応眠れたからまだまだ大丈夫、持つはずだと言い聞かせる。ここは完全縦走コース中、いわゆる馬蹄形の底=最奥部にあたる。ここからは、目的の最終ピーク・傾山がもっとも遠くに見える。逆にこれから先は、歩くほどに目に見えて近づいてくるはずだ。きつくはあってもその分気持は楽なはずだ。

  完全縦走コース最奥部から傾山方面 

○借金かさむが、花を愛でる余裕はまだある
 再び歩き始め、ひとピーク越えるとすぐに黒金山尾根分岐、さらに8分ほどでミヤマ公園と標識のある展望所に出る。数こそ群落を成すほどではないが、そちこちにこの山域では脇役にしか思えないミヤマキリシマが、それでも今を盛りと精一杯の愛想を振りまいている。

   
                          ミヤマ公園から大障子岩(左)と傾山を望む

 花と言えばミヤマキリシマのほかに障子岳直下の木陰にイワカガミの小群落がひっそりとあったが時間の借金がかさみだしたので愛でるのみ、撮影をパスし、障子岳山頂も腰を下ろすことなく通過。

 古祖母山着が12時29分。空はしだいにどんよりし風も出てきて、早朝5時前からの行動で、気分的にはすでに夕方。到着時刻の借金を返済もままならず少し焦りが出てきた。

○躊躇なくルビコン川を渡る
 古祖母からの標高差500mの長い下りに50分以上を要して13時半近くに尾平越着。前報で、ここ尾平越のことをターニングポイントと表現した。進むか退くか決断を強いられる場所、もう後戻りできない場所・・・もう1人のチャレンジャー&先蹤者・高瀬は、ここをルビコンと表現した。「ルビコン通過」と栗秋にメールしたのが13時22分。「ルビコン川を迷わず(躊躇なく)渡る」と、実は表現したかった。親指での入力動作が面倒くさかった。傾山から右回りで前回ここに着いたときよりもかなり時間は下がっているが、実際何の迷いも躊躇もなかった。

 前回上畑九折登山口から左回り傾山経由のここまで約20 kmの行程(標高差プラス800m)に5時間33分を要した。その同じ道を逆に、つまり標高差マイナス800mを(全体としては下り気味に)辿ればよい。疲れたとはいえほぼ同タイムで行けるはずだ。そうすると下山予想時刻は19時前後、まだ充分明るいうちの帰還、と予測した。

○ブナ広場・・・癒しのひととき
 尾平越からは20分少々でブナ広場着。昨日午前中までの雨のおかげで水場にしつらえたホースからは豊富な水が流れ出ている。

 祖母傾の縦走路は全般的に最近非常に良く整備されてきたことを随所に痛感する。縦走路両側のスズタケの刈り込み、新たな水場と展望所の設置、英語の表示版etc・・・しかもこれらの情報は「祖母傾最新情報」のサイトで最新情報を確認可能だ。この山域に不案内な登山者の多くは是非とも利用した方がよい。尤も、一般論だがネット情報を鵜呑みにすることはいかがなものか、私自身は水場は九合目とブナ広場と傾山水場コースの3カ所だけと決めつけている。

 ここブナ広場は前回来たときよりいっそう葉が繁って鬱蒼とした森に変身してしまった。様々な樹形のブナ・・・一様でないところがいい。幻想的な光景に、辺りを見回しながら「やあ、木霊たちよ」と語りかけたくなる、そんな場所だ、ここは。ブナの朽ち木に腰を下ろすと気持ちいい涼風が火照った身体を程よく冷やしてくれる。疲れと全身の倦怠感と・・・それでも後ろを振り返り迷うことはしない。「賽は投げられた」のだ。

○本谷山を過ぎGGP・・・想定内の出来事
 尾平越通過時点では弁当のほか行動食などザックの中には山中どこかで一晩過ごすに充分量の食糧はまだあった。問題は食えなくなったことだった。腹は減るが食い物は喉を通らない、そんな状況の中で、あめ玉をしゃぶり、何とか騙しだまし・尾平越から先は標高差約500mの登りをクリアし15時頃本谷山の山頂。山頂で憩う登山者とほんの少しだけ言葉を交わしただけで笠松山に向かう。

 本谷、笠松間など最近2回通っているがこれまでほとんど印象がなかった。本来ならこの完全縦走コース中、ランニング登山での時間短縮が最も効果的な区間のはずだ。ところが今回、笠松までがやたらと遠くに感じ、おまけに途中でついに本格的な嘔吐(=GGP前出)が始まり、笠松山の登りでわずかばかりの胃液を吐くために繰り返し繰り返しのたうち回る。人っ子1人いない山中にうめき声がこだまする。何という醜態を、と端から見れば思うかもしれないが、決して想定外ではないから、ひとしきりのたうち回ったあとは、意外と冷静だ。「大丈夫!っ、11時間も吐かずに良く持ってくれた。これから先は日々のトレーニングに裏打ちされた己の生命力を信頼しよう」と自分に言い聞かせる。

○動物たちの時間帯に割り込んで・・・夕闇迫る
 九折越着が16時30分。間近に迫ってきたはずの傾山と坊主尾根は下部を残して深い霧の中。尾平越から4時間の所要・・・とうとう標準コースタイムと変わらないペースまで落ち込んでしまった。朽ち木に腰掛けながら疲労した頭でペースの落ち込み具合を計算式に盛り込んで上畑ゴール予測値の修正をする。ゴール到着予定時刻は20時とさらに大幅に下方修正されることになった。

 と同時に、それまで漠としていた夜間行動を現実のものとして受け容れざるをえなくなりそうで腹をくくる。「せめて明るいうちに坊主尾根だけは終えておかないと」と、ここからは日没との競争が始まった。センゲンのなだらかな上り下りを「急げ急げ」と気は急くがピッチは上がらず。九重山系などと違い、山深いこの山域では夕刻17時前後といえば人っ子1人いない。登山者の去った(はずの)山道でくつろぐタヌキやシカの親子などを慌てさせ、何だか申し訳ない気分になる。

○「岳人なら坊主を行け!」再び天の声
  

 17時39分、傾山山頂。霧の中に小粒ながら雨が混じり始めたが、大丈夫、岩は濡れていないし、まだ明るい。チェックポイントとして証拠写真を一枚撮り我が家と栗秋にケイタイで連絡をとり最後の水を飲み干し坊主コースに向かう。坊主コースに入ったのが17時58分。基本に忠実に三点確保で慎重に岩場を下る。18時24分、二ッ坊主頭付近のチムニー状の岩を下り終える。しかし、水場コースとの合流点までは小さなアップダウンの繰り返しで「こんなに長かったかな?」と思うほど長い。

  ここを下れば取りあえず一安心のはずが・・・

 約1時間で水場コースとの合流点。予定ではここから先は駆け下るはずであったが、どうやら限界が近いらしくここに来て膝がガクガク笑い出して、ままならなくなってきた。おまけに空はどんよりしているため樹林帯では思いのほか暗い。三ツ尾からの急な下りでは何度かコースを外れかける。ヘッドランプを点灯するが最近のものは軽量化されすぎているせいかスポットライトのようでかえって道が判断しにくくなる。しかし、この時期、ここまで下りてきて道に迷っても格別な心配は無用だ。それなりの備えはしている。それよりも谷に入ったためか三ッ尾以降、ケイタイが通じないことが気になる。周囲に要らざる心配をかけさせたくない。

○暗闇の中のゴール
 何度かコースを外れ、その都度行きつ戻りつしながらも20時12分に林道に出る。ここからは観音滝経由で九折登山口まで本来なら20分もかからないはずだが、先程来何度もコースを逸れかけたことが気になり、ここは大事をとって少し遠回りではあるが、確実な林道を下ることにする。

 夜の山手本谷林道は動物の天下らしく、この時間、予期せぬ‘珍客’に動物たちこそはた迷惑なことだろう。あちこちで「ガサガサ・・・、ゴソゴソ・・・」とタヌキかウサギの逃げる音、「ピーッ」とかん高い音は雌シカの警戒音だ。一昨年来の台風により荒れ果てた林道もかなり復旧工事が進んできたことを暗がりながらも実感しながら、早くゴールにとの一心で足早に(実際、傍目には「とぼとぼ」に見えたことだろう)疲れた身体に鞭打って下っていく。途中、三ッ尾以来やっと家内にケイタイが通じる。

 随分長く感じたが実際には3 km、40分少々の所要で20時55分、九折登山口に辿り着いた。早朝、健男社を出発してから16時間10分、見通しが甘かったのかゴール時刻は、予測と下方修正の繰り返しであった。完全縦走コースとしてはこれで終わったものの、最後の一仕事、健男社駐車場までの4.5 kmにさらに1時間あまりの徒歩と、間に本日三度目のGGPによる苦悶をおまけに22時2分、健男社駐車場着。本日の実動時間としては17時間27分、さらに車を操って途中わずかな仮眠をとり我が家に帰り着いたのは日付もまさに変わろうとする23時58分であった。かくして30歳代後半、北海道でのロングトライアスロンで体験したよりも、もっとずっと、本当に長い長い一日を終えた。時に57歳と8カ月。

○戦い終わって
 小さい時から虚弱体質であった。青春時代はヒマラヤの高峰を夢見たこともあった。そのころの山仲間は当時皆、自分よりも一回りも二回りも立派な体躯に思えた。そんな仲間達とその後細々ながらも何らかのかたちで山と関わってきたのも、仕事と家庭の束縛から解放されたのちの‘還暦のヒマラヤ登山’の漠たる夢があったからと思う。

 実動時間が10時間を超えると決まって嘔吐するようになる。そんな山行が3日続けば顔はむくみムーンフェースとなる。原因は判っている。弱い胃腸と腎臓のせいだ。若い頃から夢見ていたヒマラヤも、慣れぬ食い物と希薄な酸素、高地の過酷な条件など考えるといざ実行の段となればなかなかに難しいだろうと思う。

 一方、定年退職後をどう生きるか?目前に突きつけられた課題だが、選択肢の一つとして海外への道筋だけはつけておきたいと若い時からそのスジに渡りもつけていた。しかし、一昨年の後立山縦走で自分のひ弱さを思い知らされ、海外で仕事をしようなどということはきっぱりと諦めた。先月の完全縦走敗退宣言は、それを再確認する良い機会であった。

 仕事はそれでいい。しかし、ヒマラヤは諦めるわけにはいかない。決してエキスペディションなど考えているわけではない。できるわけもない。トレッキング程度でいい。それすら諦めかけていた。今回、気を取り直して完全縦走に再挑戦し、17時間以上歩き通すことができた。だからといって海外登山がどうにかなりそうな‘予感’みたいなものを得たわけでもない。海外登山となると1日だけで終わりにはならない長期戦だ。今回の長丁場の日帰り山行で得たものと言えば、ヒトの持つ生命力とホメオスタシス(=自動修復機能)が、自分にもまだまだ残っている、ということか。それを信ずることで長期戦に対する、僅かながらの自信を取り戻したことを記して、祖母傾連峰完全縦走‘日帰り編’を取りあえず閉じたい。(つづく)

(コースタイム)
健男社4:45→前障子岩6:55-7:10→大障子岩8:10→いとしの滝、クーチ谷分岐8:33→池原展望所9:13→ メンノツラ谷下り分岐9:23→10時26分祖母山頂→黒金山尾根分岐11:22→ミヤマ公園11:30→障子岳11:50→土呂久分岐12:01→古祖母山12:29→尾平越13:22→ブナ広場13:44-49→本谷山15:02→九折越16:30→傾山山頂17:39→ 坊主コース17:58→水場コースとの合流点19:01 →三ツ尾19:15→林道20:12 →九折登山口20:55→健男社22:02 (平成18年6月10日) 

(「チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走」まだまだ続きます)

チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走 その1 祖母傾への熱き想い
チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走 その2 遠かった傾山
チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走 その3 2005秋、傾山&山手本谷再訪
チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走 その4  どうしても継ぎたい! 三ツ尾から坊主ルート、傾、尾平越へ
チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走 その5 大分登高会の末裔ついに完全縦走なる!
チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走 その6 遠かった祖母山
チャレンジ!祖母傾連峰完全縦走 その7 リベンジ成る

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