2009年12月16日、住民団体ローカルネット大分・日出生台として、
大分県に以下の申し入れを行いました。

大分県知事 広瀬勝貞様

日出生台での米軍訓練の縮小、廃止と、徹底した情報公開を求める要請文


 日出生台での米軍訓練は、99年より過去6回行われ、来年2月には日出生台では4年ぶりとなる7回目の訓練が実施されようとしています。米軍訓練が行われなかったこの3年間、私たち周辺住民の暮らしは、とても穏やかで平穏な年明けを過ごすことができました。しかし、この3年間、米軍訓練がなかったことが、私たちが望む、米軍訓練の縮小、廃止の方向性を意味しているわけではないこと。むしろ米軍訓練の拡大に向けての地ならしは、すでに完了された状態にあることを忘れてはならないと考えています。
 2007年、日出生台の米軍訓練について定めた「米軍使用協定」は、これまで155ミリりゅう弾砲、1種類のみしか使えないとされていたものが、 米軍の強い要請を受け、 その他の複数の武器、様々な小銃や機関銃が使用できる内容へと書き変えられました。前回の米軍指揮官スタッダード中佐は「世界情勢が変わり、米軍の訓練目標も変化。155ミリりゅう弾砲から、テロ対応の小銃、機関銃訓練へと重点が移ってきた」とその理由を説明しました。
 もはや、本土における米軍移転訓練は、「沖縄の県道越え米軍演習の移転」とか「沖縄の痛みの軽減」という大義名分を離れ、米軍のその時々の新たな訓練目標、米軍が必要とするあらゆる訓練を行う場へと、その性質を大きく変えようとしていると言わざるをえません。
 さらに、この米軍の訓練では、回を重ねるごとに、情報公開が後退してきました。日出生台での米軍訓練が始まった99年、非公開とされたのは、弾薬輸送だけでした。その後、演習終了後の米兵の集団外出情報が非公開となり、さらに、前回は事前調査隊の日程、そして今回はついに米軍本隊の到着、撤収の日程までが非公開とされています。これらは以前は普通に公表されていたものでした。
 前出の米軍指揮官は「テロの標的になりかねないので情報を公開しない方針。我々がテロに合うと日本人も巻き添えになり危険」と説明しました。この説明通りであるなら、そのような存在を受け入れて、大分県民の生命、財産にその危険性が及ぶことはないのでしょうか。危険性そのものは取り除かずに、情報だけ隠して、県民にもわからなくしていく。それで本当に県民の暮らしの安心、安全を守れるのでしょうか。私たちは大きな不安をいだかざるをえません。
 よって、私たちは、日出生台での米軍訓練の縮小、廃止と、同訓練に関する徹底した情報公開を、国に強く求めてくださるよう要請します。


2009年12月16日
ローカルネット大分・日出生台

 

訓練開始を前に、あらためて<2010 日出生台 米軍訓練の問題点>

1.当初の説明にはなかった訓練が次々と…
  年々進むなし崩し的拡大
 「歯止め」のはずの協定は米軍の要請を受けて改定

○沖縄で行われていなかった155ミリりゅう弾砲の夜間実弾砲撃
○核・生物・化学兵器に対応するNBC訓練、
○北海道、富士では、非人道的兵器とされる白リン弾の実弾砲撃訓練
○小銃、機関銃を使用した実弾訓練(米軍の要求で使用協定を改定)

以上は、すべて事前に説明されず、実際に訓練が行われた後に、指摘を受け、
米軍はやったことを認めるという事態が繰り返されてきた。「歯止め」とされてきたはずの
「米軍使用協定」までが2007年、米軍の要請を受け、改定された。これにより、
協定では155ミリりゅう弾砲ただ1種類だけしか訓練できなかった米軍は、小銃、
機関銃など複数の武器が使えるようになった。

この小銃、機関銃訓練については、米軍使用協定に付随する「確認書」の中で

(1)155ミリりゅう弾砲と小火器訓練を同時に実施しない
(2)小火器訓練は専用射場で行う
(3)訓練が拡大しないように誠意ある対処をする

とされている。しかし、この協定、確認書の当事者に米軍は入っておらず、
なおかつ、福岡防衛局も、大分県と地元1市2町でつくる4者協も、
自ら米軍訓練をチェックするすべもない。

すでに小銃、機関銃の訓練が実施された北海道や北富士などでは、
155ミリりゅう弾砲の砲音とともに、小銃、機関銃の発射音もしたとの報告があり、
同時に実施されている可能性が高いが、チェックする体制が無い中で、
いったいどこまでこの確認書は実効性があるのか、大きな疑問符をつけざるをえない。

 

これとは別に、2001年には米軍訓練の恒常化につながりかねない米軍用
300人収容宿泊施設、食堂、シャワー施設も演習場内に造られている。

2. 年々、明らかに後退する情報公開

「テロ攻撃を受ける危険性」とともにやってくる米軍
    


○「テロの危険性」を理由に米軍訓練に関する情報は年々非公表に。地元自治体にも箝口令。
当初、弾薬輸送についてだけが情報開示されなかったが、その後、訓練後の米兵集団外出に
関する情報、調査隊の到着、出発日程、そして、米軍本隊が日出生台に到着、出発する
日程までが出なくなった。(99年の米軍訓練が開始された当初は約1ヶ月前に公表。
前回の訓練では1週間前。そして今回はついに4日前になってようやく公表した。
しかし、車両、物資、155ミリ砲の搬入日程は未だ明らかにせず)その理由は
「テロの危険性があるから」。国は住民の安全よりも米軍の安全を優先するのか!?

○さらに見方を変えると、米軍はこの「テロの危険性」を建前に、訓練情報を
なるべく出さないで、自分たちの訓練ができるようにしていきたいと考えているのでは
ないか。訓練情報を公開するということは、訓練について説明すること。説明すれば、
その説明に自らが縛られ、説明通りにおこなう責任が発生してくる。反対に、一切の
情報公開や説明をおこなわないなら、米軍はどんな新たな訓練をやろうと、外から
チェックされることはほとんど困難なため、事実上、やりたい訓練をやりたいように
やれることになる。その意味で、前述の訓練拡大と情報公開の後退は連動していると見た方がいいのかもしれない。

3. 米軍指揮官は「協定」の存在を知らず
   回を重ね、米軍は自らの訓練優先姿勢を露骨に

2006年1月に行われた6回目の日出生台で訓練では、米軍は突然、
「米軍使用協定」にも記述のない「小銃、機関銃」の訓練実施を認めるよう地元に要請。
すでにそれらは持ち込んでおり、OKが出ればいつでも実施できると日本政府を通じて
圧力をかけてきた。このとき、現場の米軍指揮官が「米軍使用協定」の存在そのものを
知らなかったことが明らかになり、地元への配慮より、米軍が自分たちの訓練を
最優先する姿勢を露骨にし始めたことが明らかに。
結局、この年は小銃、機関銃訓練はできなかったが、翌年、米軍は協定改定を要請し、
地元大分県と3市町はこれを認め、協定は改定された。

4. 米軍訓練は米軍だけの訓練ではない
   さながら有事の際の民間総動員訓練


 民間の空港、港湾、 飛行機、 船舶、運送会社、民間バス会社、警察、
地元の病院など、地域のあらゆる機関が協力動員。「戦争ができる国」づくりに利用されている。

■徹底した民間動員
・兵員は民間のチャーター機を使用して沖縄から大分へ。
・到着は民間空港(大分空港)
・空港から日出生台への兵員の移動は地元の民間バス会社を利用
・米軍車輌、155ミリ砲の輸送も民間船を使って沖縄から大分へ。
・陸揚げは民間港湾(大在埠頭)を使用
・弾薬輸送も民間輸送業者のトラックを使用
・演習中のケガ治療(想定の場合も)も民間の医療機関を利用

■警察も米軍の作戦行動に協力 ・警察も信号を操作して、米軍を最優先通行
■自衛隊と米軍との一体化 ・自衛隊も周辺警備、着弾距離測定、資料情報提供、
ヘリでの上空からの警備などの後方支援

5. 地域の衰退を招きかねない移転補償措置
   地域が求めるのは、移転ではなく、安心して住み続けられること


 強制ではないというものの国は移転希望の演習場周辺住民に移転費用を補償。
 人と人のつながりでなりたってきた過疎地の過疎に拍車をかける措置。
 一度国に売られてしまった土地は、地元の人が買い戻して利用することもできず、
 利用できない土地が増え、ますます住みづらい地域になってしまう。

6. 演習終了後の集団自由外出、毎回飲酒に伴うトラブル
   沖縄でも繰り返されて来た事態が起きるのは時間の問題


米軍は演習終了後、深夜までの集団自由外出を許可。
厳しく寒い訓練の後に街へと解放され、飲酒をした米兵による様々なトラブルが毎回発生。
○酔った米兵どうしが路上で喧嘩
○夜のトイレで酩酊状態で動けなくなった米兵が通報され、運び出された
○別府市のカラオケ店で3人の米兵が無銭飲食。警察も出動する騒ぎとなったがたが、
 防衛施設局が立替払いでお店に代金を払い、事件にはならず。
*しかもこの外出は、「公務であり訓練」と米軍は説明。

7. 米軍交付金への依存が進行
   不景気、厳しい自治体財政、本末転倒の議論も


 米軍の訓練移転に伴うSACO(日米特別行動委員会)交付金は、
地元1市・2町に対して計三億六千万円。そのうち玖珠町が二分の一(1億8千万円)、
由布市と九重町が各四分の一(9千万円)の交付を受けている。
(計画発表後に訓練を実施しない場合は満額の55%に削減して交付)。
 自治体財政が厳しい中で、この交付金への依存傾向が進んでいる。

 

 


 

 

 

○1月20日、日出生台を見下ろす高台の畑に、監視小屋を設置しました。今回も、監視情報センターと、
交流センターの2基を設置。今年は交流センターの方を「日出生台ピースカフェ」と名付けて、
いままでもよりももっと積極的に日出生台に来る人を受け入れるとともに、セルフサービスが基本だが、
簡単なカフェ機能をもたせることにした。暖かいコーヒーや紅茶。カップラーメンぐらいなら食べられます。
料金は任意カンパです。どうぞ皆さんのお越しをお待ちしています。

由布院温泉観光協会は、今回も米軍立ち入りの遠慮を求めるチラシを協会員に配布。
それぞれの旅館やホテル、レストランの入り口などに掲示。米軍訓練に対する住民の意思表示だ。

 

 


○1月22日(金)11時〜米軍先発隊に対する抗議行動(終了)

          

日出生台(湯布院側)ゲート前での抗議行動 2010年1月22日

沖縄発福岡行きANA(9時50分福岡空港着)で到着した米軍先発隊20人は午後1時頃、日出生台演習場に到着した

4日前になってようやく発表された今年の米軍の到着日程。しかし、到着時間は公表されないために特定できず。
日出生台対策会議の読みで時間設定した集会に合流しての抗議行動となった。福岡空港から米軍兵士約20名を
乗せた亀の井バスが現れたのは正午前。これまでは毎回、、米軍を乗せたバスが私たち抗議をしている人々の前を
通過する時、必ず、手を振る兵士やカメラで写真を取る兵士、いかにも「へでもないぞ」といわんばかりに
おどける兵士など必ずいたのだが、今回は、すべての窓のカーテンが閉ざされたままで、少なくとも私からは
カーテンの隙間に一人の兵士の姿も見えなかった。(他の人は見たという人も)。本当に米兵らが乗って
いたのかと疑いたくなるほどに、カーテンは固く閉ざされたまま、抗議のシュプレヒコールの中をバスは
演習場へと入っていった。これは、過去6回の日出生台の米軍訓練において、一度もなかった光景だった。
もう一つ、今まではなかった(あるいは気付かなかった)光景が今回はあった。
それは米軍を乗せたバスが到着する直前、博多港で陸揚げされたらしい米軍の物資を積んだトレーラーが
数台、演習場へと入って行った。

カーテンを完全に閉ざしたバス

<あらたな変化> 

・米軍先発隊の到着日程、4日前まであきらかにされず。前回は1週間前。当初は1ヶ月前には明らかになっていたのに。

・博多港経由で物資が運び込まれるのはおそらく初めて。

・反対運動の前を通過する米兵を乗せたバスがカーテンを完全に閉ざして、姿も見せなかった。


○1月24日()米軍本隊に対する抗議行動

米軍本隊は、コンチネンタルミクロネシア航空のチャーター便にて、大分空港に午前11時頃到着。
3台の地元民間バスに分乗して、12時55分頃、日出生台演習場に到着した。日出生台対策会議や
ローカルネットなど米軍訓練に反対する約150人の抗議の声の中を米兵を乗せたバスは演習場内へと
入っていった。今回は先発隊と違って、米兵らは反対行動をする私たちに向かって、笑顔で手を
振っておどけたり、カメラを向けたりと、反対する住民らの思いを逆なでするような、
いつも見られる反応だった。やはり、2日前の先発隊の方は、上からのなんらかの指示が出されていたのだろう。

人によっては1時間、2時間かけてこの場に集まり、さらに今日は2時間近く待って、ほんの10数秒の
米軍通過に向かって反対の声を上げる。
そのことに何の意味があるのかと問う人がいる。私たちにできるのは、
この小さな行動の積み上げだけでしかないけれど、この14年の日出生台での米軍訓練反対運動に関わって今、
はっきりと言える。でも、この小さな行動の積み上げこそが日出生台の米軍訓練のなし崩し的拡大を
確実に止めているのだと。

<あらたな変化> 

・この本隊到着日程も先発隊同様、(先発隊到着の)4日前まで明らかにされなかった。

 

○玖珠町では児童のタクシー送迎開始

玖珠町は日出生地区の保育園児や小中学校、高校の児童、生徒24人を、タクシーで送迎した。
日出生小の三佐文範校長は「歩いて通う子も含め、期間中の安全に留意したい」。
自宅近くで園児を出迎えた主婦(30)は「送迎はありがたい。(米軍の訓練を迎えるのは)
初めてなので、まだ実感がわかないが無事に終わってほしい」と願っていた。
                          =2010/01/23付 西日本新聞朝刊=

由布市湯布院町では、演習場隣接の地区の児童に対する保護者の送迎に燃料費を支給するそうだ。


○1月25日(月)弾薬輸送

佐世保前畑弾薬庫を午前11時頃出発した8台の弾薬輸送トラックは、1時55分頃湯布院インターを通過。日出生台演習場へと向かった。

<あらたな変化> 

・これまでは弾薬を輸送する民間トラックは1社のみだったが、今回は私たちが確認しただけでも、3社のトラックが使われており、
民間動員が拡大している

・この弾薬輸送については、99年の初回の訓練から日程が公表されていない。しかし、なんと、マスコミに対して、
今回は演習場に入った後も、なお防衛局は弾薬が到着したのか、してないのかも答えないという。

その結果、報道の記事は例えば以下のような表現になった。

 

米軍実弾射撃訓練:沖縄米海兵隊の訓練砲弾到着?−−日出生台演習場 /大分

 陸自日出生台演習場での在沖縄米海兵隊の実弾射撃訓練で、使用される砲弾を積んだとみられる民間トラックが25日、長崎県佐世保市の米海軍佐世保基地を出て同演習場に到着した。訓練に反対する住民団体「ローカルネット大分・日出生台」が明らかにした。

 同ネットが入手した情報によると、同日午前、トラック8台が佐世保基地を出発。午後、日出生台演習場に入ったという。同ネットの浦田龍次事務局長は「確認できただけでもトラック会社は3社あった。有事のために、平時から民間会社が米軍への協力にならされることは怖い」と話した。

 一方、九州防衛局は輸送の有無や中身について「警備上の理由から公表は差し控える」としている。

 米海兵隊の実弾射撃訓練は2月1〜14日のうち、10日間実施される。

毎日新聞 2010年1月26日 地方版

 

asahi.com> マイタウン> 大分> 記事

日出生台から/弾薬積載トラックが演習場へ
2010年01月26日

 在沖縄米海兵隊による実弾射撃訓練がある日出生台演習場に25日、弾薬を積載していることを表示した民間会社の大型トラック8台が入った。
 訓練の監視活動をしているローカルネット大分・日出生台によると、8台は午前11時ごろに、長崎県佐世保市にある米海軍佐世保弾薬補給所(前畑弾薬庫)を出発。午後に湯布院インターチェンジから一般道路に出て演習場に向かった。ローカルネットの浦田龍次事務局長は「民間会社が兵隊を輸送したり、弾薬を運んだりという憂慮すべき事態が当たり前のようになってしまっている」と指摘した。
 トラックの積み荷について、九州防衛局の現地対策本部は「保安上の問題から何も言えない」と話している。

 

 

 


 

○1月26日(火)10時〜米軍車両、155ミリ砲搬入に対する抗議

今回から非公開とされた米軍車両、155ミリ砲、物資の搬入日程は、一部マスコミの報道どおり、1月26日におこなわれた。

155ミリ砲、米軍車両、物資などは午前11時頃、大在埠頭を出発。午後2時ぐらいまでに日出生台演習場内へ入った。

 

<私たちが確認した大分港に荷揚げされた機材>   

MTVR車(中型トラック)     14両
レッカー車              1両
ハンビー車(HMMWV:高機動性多目的車) 24両
フォークリフト            1両
コンテナ              12個
155ミリ榴弾砲           6門

<私たちが確認した日出生台に運ばれた機材 >  

幌をかけた民間トラック     17両   
155ミリ榴弾砲(民間トレーラーで6門)  
車両、12:00から10分間隔で39両

 

<あらたな変化> 

・結局、155ミリ、米軍車両、物資の搬入日程については最後まで公表されず。

 今回からこの情報も弾薬輸送日程(1回目から)、集団外出日程(6回目から)についで、

 7回目の日出生台訓練にして「完全非公開」の仲間入りとなった。

・以下の写真のクリーム色のハンビー車(?)。これまでこの色の車両はみかけたことがなかった。

<米軍指揮官による地元1市2町への表敬訪問>

米軍車両、155ミリ砲、物資の搬入がおこなわれたこの同じ日、

米軍指揮官による地元、由布市、九重町、玖珠町への表敬訪問がおこなわれた。

由布市庄内庁舎への米軍到着予定時刻は15:30。

私たちは、私たち米軍訓練に反対している住民グループと、米軍指揮官との直接会見の場を持つよう
要請する手紙を、表敬訪問に訪れた米軍に手渡した。

第3海兵師団第12海兵連隊第3大隊
ショーン・ウエスター大隊長 殿

私たち、日出生台での米軍訓練に反対している地域住民と
貴殿との直接会見の場を設定してくださるよう求めます

 私たちは、99年より強行されている日出生台での米軍訓練をきっかけに、地域住民の暮らしを犠牲にすることのない安全保障のあり方を考えようと、日出生台周辺に暮らす住民と大分県内各地の市民が集まってつくっている市民のネットワーク・グループです。
 私たち地域住民は、日出生台で皆さんが実施しようとしている米軍訓練をやめてほしいと心から願っています。地域の主権者は、この地に暮らす私たち住民です。その私たちが望まないものが、日米両政府の取り決めによって、私たちの生活の場で強行され続けていることに心の底からの悔しさと怒りを私たちは感じています。また、皆さん方、米海兵隊が、ここで演習を行うことによって、故郷大分の地が戦場に直結した場所にさせられていることに、大きな悲しみと不安を持っています。
 また、私たちが特に心配しているのは、この米軍演習も日出生台では7回目となり、訓練をする米軍の皆さんが、私たち周辺住民の存在や住民の暮らしの安心、安全について、配慮しなくなってきているのではないかということです。そこで、私たちは、日出生台周辺に暮らす住民の思いを、ぜひともあなたに直接お伝えしたいと考えています。また、米軍訓練の責任者である、あなたの考えをぜひとも直接、うかがいたいとも考えています。
 これまでの日出生台での米軍訓練では、1回目の99年、2回目の2000年に、当時の米軍指揮官ケリー中佐と直接会見することができました。3、4回目は残念ながら実現しませんでしたが、5回目の訓練の際にはラングレー中佐と、6回目の訓練ではスタッダード中佐と会見し、お互いの思いや考え、意見を交換をすることができました。
 米軍訓練に反対している私たち住民と、訓練を実施しようとするあなた方とでは、訓練の是非については基本的に一致することがないのかもしれません。しかし、それでもお互いがどのような思いでいるのかを意見交換し、理解を深めることは、お互いにとって意義があるものと確信しています。
 どうか、皆さんが日出生台に滞在している間に、皆さんの訓練に反対している私たち地域住民との直接会見の場を持ってくださるようお願いします。


2010年1月26日
ローカルネット大分・日出生台

 

これまでもこうして、米軍訓練開始を前に、表敬訪問に訪れた米軍指揮官に対して、私たちは直接会見を求める手紙を手渡し、

そして過去6回の訓練のうち3回目、4回目をのぞく4回、この直接会見は実現されてきた。その内容は以下の通り。

<過去の日出生台での、私たちと米軍指揮官との直接対話の内容>

 1999年 ケリー中佐

 2000年 ケリー中佐(米軍が宿舎建設を要請していないことが判明)

 2004年 ラングレー中佐

 2006年(前回 スタッダード中佐)米軍指揮官が「協定」を知らなかったことが判明。この翌日、米軍は、私たち米軍訓練に反対する住民を招いて訓練を公開。)

 

読売新聞1月27日記事(抜粋)

 各首長らによると、司令官は、1日から連続10日間の訓練を行い、隊員の外出は予定していないことなどを伝えたという。表敬訪問したのは、沖縄に駐留する第12海兵連隊司令官のキール・ジェントリー大佐、訓練を行う同連隊第3大隊長のショーン・ウェスター中佐ら4人。

 玖珠町長職務代理者の太田尚人副町長によると、ジェントリー大佐は、1〜10日に訓練を行い、11〜14日は予備日に充てると説明。隊員の外出については「演習場以外のこの地域に出ることはない」と述べたという。太田副町長は面談後、「地元の心配は伝わったと思う」と話した。

 一方、由布市では首藤奉文市長が、年間400万人が訪れる観光地であることを理由に土、日曜の訓練自粛を求めた。ジェントリー大佐は「最高の規律を持って訓練をしている。できる限り、早く訓練を終えたい」と回答。首藤市長は「誠実な印象を受けた。由布市内への外出予定はないと言われた」と語った。

 地元と国が結んだ小火器使用などに関する新協定については、「きちんと聞いている。協定に沿った訓練を行う」と答えたという。

 また、市民団体「ローカルネット大分・日出生台」は、ウェスター中佐との直接面会を求めるメッセージを手渡した。

<あらたな変化> 

・現場の米軍指揮官以外に、さらに上の第12海兵連隊司令官が来るのはおそらく初めて。

表敬訪問に同行したのも初めて。このことが何を意味するのか?。

ちなみにこれまで同様の事態が起きたのは、一番最初に米軍が小銃、機関銃の使用を求めて
きた2006年の日出生台米軍訓練の時以来だ。その時は、後に逮捕された守屋事務次官と、
ティモシー・R・ラーセン在日米軍副司令官が、日出生台での米軍訓練が始まった初日の夜に
突然現れて、小銃機関銃の実弾射撃訓練を今、すでに入っている部隊でやらせてほしいと突然
要請してきたのだった。

今回、米軍指揮官以外に、さらに上級幹部が乗り込んで来ている理由はいったい何なのか。
その背後にどういう意味があるのか。

 


○1月27日(水)米軍によるブリーフィング(地元関係者とマスコミ向け説明会)

時間は11時〜12時27分まで。

説明は、キール・ジェントリー大佐(海兵隊連隊長)がすべて行い、ショーン・ウエスター中佐はほとんど説明はおこなわず。
他にスペンサー大尉と米軍広報官4人が同席。

九州防衛局から企画部長、管理部長、企画調整課長、通訳者。

自治体は、大分県、由布市、九重町、玖珠町、別府市、宇佐市

マスコミは各社計約20名。

地区代表は堤地区自治委員、小野原1自治委員、小野原副自治委員

説明会の進行は米海兵隊 第3中隊広報担当のスコットサッサー少尉がおこなった。

キール・ジェントリー大佐(海兵隊連隊長)の挨拶の後、マスコミ各社から事前に出された質問を米軍側がまとめ、
質問内容と米軍側の解答が書かれた文書を読み上げる形で進行した。

その内容のポイントは以下の通り。( )緑字はローカルネット事務局・浦田がつけた寸評です。

 

 

 

Q りゅう弾砲、小火器(小銃、機関銃)の使用日数は?

A 訓練は10日間 2月1日〜10日まで(予備日として2月11日〜14日)

  小火器(小銃、機関銃)については1日〜2日計画

  小火器訓練は砲兵隊として通常おこなっている訓練

(「海兵隊の砲兵部隊が通常おこなっている訓練」という表現をしているが、これは移転受け入れを求めた際には
一言の説明もなかったもの。にこの「通常の訓練」という表現の下、これまでにも「核、生物、化学兵器に対応す
るNBC訓練」も日出生台を始め、他の4カ所の移転地でもおこなわれた。あらゆる訓練が「通常の訓練」との表現
で盛り込まれることに注意しなければならない)

Q 小火器訓練はSACO合意を逸脱した訓練ではないのか?

A SACOの合意によると移転された訓練はキャンプハンセンでおこなわれていた訓練と「同質・同量」のスケール
でおこなわれることが合意されている。

(ここでも「県道104号線超え訓練の移転」だったはずが「キャンプハンセンでの訓練の移転」という表現にすり
替えられようとしている。気をつけないと、キャンプハンセンで米軍がおこなっていた訓練すべてができるという
話に持っていかれかねない。この訓練はあくまで「県道104号線越え実弾砲撃訓練の移転」として移転されたものだ)

Q  白リン弾を使用する予定はあるのか?

A 火薬の種類と量は公開するというものではないが、今回使用する火薬は「陸自の日出生台管理規定」に沿ったもの。

(「陸自の日出生台管理規定」に沿ったもの、と言う表現も、「自衛隊がやっていることと同じだから」といった表現で、
米軍がさらなる新たな訓練を正当化しようとしてくる可能性がある。ここでは彼らは自衛隊と同じ訓練をおこなうことは
許されていない。あくまで「県道104号線越え実弾砲撃訓練」の移転なのだから

Q 普天間移転について日出生台は適当と思うか?

 九州防衛局の企画部長が割り込み「普天間問題についての回答は控えさせていただく」

Q 訓練日程を防衛省側に伝えたのはいつか?今回、米軍の現地入り、撤収の日程を直前まで公表しなかったが、
これについて九州防衛局は「米軍からセキュリティ上の観点から公表しないでほしいとの要請があった」と説明したが、
実際にそのような要請をしていたのか?訓練日程の公表について、どのような考えを持っているのか?

A 日本政府、自衛隊地方協力本部、九州防衛局と調整した。北富士での訓練以降、情報公開は控えている。

(この情報を控え始めたという「北富士訓練」というのは、2005年のそれらしい)

ここで九州防衛局の企画部長が補足して回答。「情報公開については大分県知事からも防衛大臣に要請しており、
可能な限り公開している。他の演習場よりも公開されている」

(自分たちで情報開示を少なくしておいて、その下がった時点から見て、日出生台はまだましなんだってのは、
なんか変では!?)

Q 2007年に結ばれた日出生台米軍使用協定の内容は米軍司令官に伝えられているか?また理解しているか?

A 平成19年締結の協定は見たし、理解した。締結時に我々の代表はいなかったが、協定の重要性は十分理解
している。1市2町の表敬訪問の際も協定について話した。

(キール・ジェントリー大佐(海兵隊連隊長)は「締結時に我々の代表はいなかった」といぶかるように発言
したらしいが、ある意味、もっともな反応。なぜなら「米軍使用協定」の締結者は、4者協(大分県、由布市
、玖珠町、九重町)と防衛局であって、そこにその最大当事者であるはずの米軍は入っていない。当事者がいない
状況で、その当事者がおこなう訓練を、防衛局と4者協で定めているというのが、この「米軍使用協定」であり、
摩訶不思議なところ。そうなると、協定の中身は、米軍がもともとこうやると言っていた内容を踏まえて、その内容が
きちんと協定の範囲内におさまるように、協定の文言を作らざるをえない。実際、協定の内容は米軍がもともと
こうやると言った内容に沿う内容で作られた。ところが、前回2006年の米軍訓練の際には、協定にない訓練
(小銃、機関銃)もやりたいと米軍が言い出して、初めて、協定の効力、真価が問われる場面であったのだが、
あっさり、ほとんど抵抗もなく、協定は書き換えられてしまった。これが歯止めと言えるのか!?)

Q 海兵隊は協定の内容を熟知しているか?また、どのように隊員に周知しているか?

A 個人的には2日前(到着した24日)に受け取った。隊員には協定に沿うようにペーパーを配布した。
  
内容はよく理解している。

ここで再度、九州防衛局企画部長が補足回答。「事前に文書でお送りしているし、1月20日には私が直接沖縄に
行き、説明もしている」

(結局、このキール・ジェントリー大佐(海兵隊連隊長)は、到着してから協定の内容を受け取ったということ
らしい。あわてたように九州防衛局がすかさず補足説明しているが、前回の2006年のスタッダード中佐と協定の
認識に大きな差はないのかもしれない。結局、防衛局が沖縄まで行って説明したのかもしれないが、担当指揮官に
まで米軍内部で伝えられてなかったのではないのか。そして、この「個人的には2日前(到着した24日)に
受け取った」などと平然と言ってしまう状況をなるべく減らすために、九州防衛局はレジメ通りに米軍に
読み上げさせたのではないだろうか。ここで尋ねたいのは、ショーン・ウエスター中佐の方は協定の内容を
いつ知ったのか。正直なところを知りたい。さらに、九州防衛局は米軍に対して、いったいどのような内容の
ものを文書で送ったのか。それは英文なのか。だとしたら、どのような表現だったのか。そして、この大佐が
隊員に配布したというペーパーとはいったいどんな内容のものだったのか)

 

Q 小火器と砲撃は同時におこなわないようになっているが、どのような手段で証明するのか?

A 協定を理解しているし、承知もしている。協定に沿った訓練計画である。

(「証明については答えずに、とにかく私たちを信じろ」と言うことか。また、「同時に撃たない」ということの
意味をどうとらえているのか、尋ねてみたい。これまでの県の説明では、瞬間的に同時というだけではなく、
一定の時間内に155ミリりゅう弾砲と小火器が交互におこなわれるものも「同時」に入るとの説明だった。
だから、小火器が入ることで、155ミリの訓練が減り、結果として155ミリ訓練の縮小になるという、
よくわからない説明が以前、県からなされていた)

Q そもそも今回は何を想定した訓練なのか?

A 小火器使用、通信、補給、その他の訓練をおこなうことが目的。即応能力を維持するためには十分な訓練が必要。
日米安全保障条約の責務を果たすため、即応能力の維持・向上が重要。

(ここで「小火器」という言葉は出てきても、「155ミリりゅう弾砲」という言葉が出てこなかったことが、
今回の訓練において、いかに米軍が「小火器」に重点を置いているかを象徴しているように感じる)

Q 訓練時の安全対策はどうなっているのか?

A 多くの手順を踏んでいる。訓練担当官はテストに合格する必要があり、その安全資格を持った担当官を配置
している。くんれんには緊張感を持ってのぞんでいる。訓練は米海兵隊の訓練安全基準に従って安全におこなう。
陸自の「日出生台管理協定」に沿ったものである。

Q 訓練内容すべてを公開してほしい

A 現時点ではすべての公開は保障できない。2月3日の訓練公開にご招待したい。

Q 地元は訓練の縮小・廃止を求めている。将来的な展望をお聞かせ願いたい。

A 訓練は練度の維持に大切。日米安全保障の責務を果たすために訓練は非常に大切。SACO合意に沿って、
全国5カ所の一つとして実施されている。将来のことについて、申し上げることはできない。

Q 訓練期間中、りゅう弾砲の夜間射撃訓練は実施するのか。また小火器訓練の目的と実施予定はどれくらいか?

A 夜間訓練は部隊の練度の維持に必要。地元の懸念は十分に理解しており、最大限の努力はする。21時までに
訓練を終了できるように努力する。小火器訓練は即応性等を維持するために必要なものであり、1〜2日おこなう
よう計画している。

Q 確認書の内容を伝えているか?

九州防衛局 企画部長回答 「伝えている」

Q 自由行動の日程と行動内容、及び地域住民との交流予定などあるか?

A 現在、調整中。地域との交流についても検討したが、「地域の反対派のこともあるので」とのことで、
九州防衛局との調整の結果、却下された。外出については2日間、計画中。団体行動。宿泊はなし 。
日帰りを予定。

九州防衛局 企画部長補足回答 「ぜひ来てもらいたい」との声をなかったし、反対派の件もあるので
今回は実施しない。

Q 訓練内容をできるだけ詳細におしえてほしい。日程、武器、小火器等。

A 10日間の実弾射撃訓練を計画している。2月1日〜2月10日を予定し、天候等を考えて、2月11日〜2月14日の
予備日を設けている。10日間以上の射撃訓練はなく、2月14日ですべてを終わらせる。小火器使用は期間中に1〜2日
おこなう予定。人員は砲兵隊約220名。車両50台。155ミリりゅう弾砲6門。その他は装備品としてM777・155ミリ
りゅう弾砲
、5.5ミリ小銃などがある。

M777・155ミリりゅう弾砲は近年、米海兵隊が使用している新型のりゅう弾砲。M777・155ミリりゅう弾砲に
ついて伝える琉球新報記事。また2008年1月6日付け「赤旗」記事は、普天間基地の移設先となる新基地での配備を
米軍が狙っている垂直離着陸機オスプレイは、以前のM198・155ミリりゅう弾砲では重すぎて輸送できないが、
M777なら軽いので輸送が可能」とする米軍機関誌記事を紹介している)

 

 

Q 地元自治体から夜間や週末の訓練を控える。隊員の外出日程を公表する等の要望が出されているが、これに対して
どのように配慮するのか?

A 地元コミュニティ(自治体や地域の住民等)に与える影響を、できるだけ小さくするよう努力する。米海兵隊は、
世界で最も規律正しい部隊であることをご理解願いたい。

九州防衛局 企画部長補足回答 「外出の日程は米軍と調整して、可能な限り公開したい」

(米軍の外出日程の情報については日出生台では前回2006年の訓練から非公開とされている。わざわざ補足して、
結局、今回、公開するのかどうか)

<終了後の追加の質問>

Q 質問を事前に集約して準備された回答をするおでは、芝居のようで非常に残念。次回からその場で直接答える
ブリーフィングにしてもらいたい。

A 九州防衛局企画部長補足回答「2日前に来て、時間的にギリギリの対応である。ご理解願う」

Q 過去6回のうち、5回は8日間、1回は9日間だった。今回、10日間になったのは小火器を使用することに
よるものか?

A 米国人として個人的には、事前集約について違和感を感じるが、事前集約した方がより正確、詳細に回答できる。
SACO合意のとおり、(本土4カ所で)年間最大35日。実弾射撃訓練は(1カ所につき)最大10日間が保証されて
いる。小火器を使用するから10日間ということではない。訓練は正確、安全に遂行するよう努める。音等で迷惑を
かけることもあるかもしれないが、日米安保の維持のためおこなう訓練であることを理解してもらいたい。
2月3日の訓練公開にはぜひ来てもらいたい。

Q 夜間訓練をおこなうと言ったが、矢臼別では白リン弾を使った。今までは山火事の心配もあるとのことで照明弾は
使わないとのことだったが、今回は使うのか?

A 照明弾はパラシュートを使って使用するものである。発煙弾のことを言っていると思うが、煙で敵の視界を
さえぎるものである。野焼きをした後、訓練をおこなう
ことにしている。慎重におこなう。

 

北海道矢臼別での訓練で米軍が使用した白リン弾。監視をする地元市民団体の人々はこれを「タコクラゲ弾」と呼んでいたが、昨年の矢臼別訓練でようやく米軍がこれが「白リン弾」であることを認めた。非常に特徴的な煙が上がるので、他の砲弾との区別は一目瞭然。まさに「タコクラゲ」状の煙が立ち上る。

上は2000年東富士演習場での米軍訓練における白リン弾と思われる砲弾。北海道矢臼別と同様に「タコクラゲ」状の煙が上がった。

現地監視行動の団体の報告では着弾した後、火災が発生し、1時間以上も燃え続けたという。

同東富士演習場。米軍の夜間砲撃での白リン弾。

夜間砲撃においても着弾後、火災が発生。昼間同様に1時間以上燃え続けたという。

 

以下はこれについて伝える2006年10月12日(木)しんぶん「赤旗」記事

東富士で米軍実弾砲撃演習

白リン弾の土壌調査要請

静岡県民の会

 沖縄米海兵隊が九月に東富士演習場でおこなった実弾砲撃演習(八巡目)について「米軍は東富士に来るな! 出ていけ! 静岡県民の会」は十一日、静岡県にたいし、大量発射された白リン弾による土壌・水質調査実施を要請しました。

 「県民の会」の埋田昇二、大橋定夫両代表は、演習監視結果を報告し「最大の特徴はイラク戦で使用された残虐な白リン弾が三百六十五発(全体の発射弾数千七百九十二発の二割)も撃ち込まれたことだ。その演習場は富士山ろくに住む人たちの水源地になっている」と緊急調査を強く要求しました。

 応対した県企画部国際室の墨岡恵参事は、白リン弾について「発煙弾のこと。着弾後、酸素と結びついて五酸化リンとなり発煙するが、低濃度で危険でないと自衛隊から聞いている」と説明。「イラクで白リン弾が問題となったのは部屋などの中に撃って千度以上の高温になるため。東富士では台地の広い所で撃っている」とのべました。

 埋田氏らは「白リンが猛毒物質であることに変わりはない。少なくとも二トン以上の白リンが飛散したと思われる。県として公正で科学的な調査をするべきだ」とかさねて求めました。

 墨岡氏は地元が調査実施に同意するなら、その意向を尊重する県の立場を説明しました。

なお、この白リン弾について、日本共産党の紙智子議員が国会に質問主意書を提出。

日本政府の答弁書によると、国はこれを問題としたくないらしい。しかし、それで国民、市民、住民の安全が守れるのか。

 

 

 

Q テロ想定の訓練と理解している。外出時にテロを想定している皆さんと一緒になるというのは非常に違和感を感じる。
外出は中止してもらえないか。別の機会に観光客として大分に来ていただくわけにはいかないか。

A 1日目、2日目とも外出先には泊まらず、演習場へ帰る。良いマナーに努めるよう指導する。個人的には、温泉も
ある大分にぜひ来たいと思っている。

Q この地域には、80歳以上の者や幼児、牛もいる。騒音は非常に影響がある。21時までではなく、1分1秒でも短く
してもらいたい。また、期間の短縮も要望したい。

A その日の訓練目的が達成されれば、早く終わるように努力したい。10日間の短縮は難しい。

Q 小火器使用1〜2日は決定か?

A 小火器訓練は、1日で終わらせたいと考えているが、状況により2日もありうる

Q どうしても訓練内容は、事前に公開してくれないのか?

A 米軍の運用上、安全上の問題により難しい。

Q りゅう弾砲使用10日間、小火器2日間。訓練の拡大であると理解していいか?

A 10日間のうち、1日、小火器訓練をおこないたいと考えている。SACO合意によって、最大10日間の実弾射撃訓練ができる。
沖縄と同質・同量でおこなうものであり、訓練の拡大にはあたらない。

 

 

<あらたな変化>

ブリーフィング(地元/マスコミ説明会)を、現場の米軍指揮官ではなく、一時的に来ている上官(海兵隊連隊長)が
おこなうというのは初めて。

米軍は説明の中で、白リン弾(彼らの言葉で言えば「発煙弾」らしい)を使用する予定があることを認めた。日出生台で
使用されるなら、それが、白リン弾であっても、単なる発煙弾であっても、初めての事態。

米軍は今回持ち込んでいる155ミリりゅう弾砲をM777型と説明した。これは、米軍の最新りゅう弾砲で、すでに米軍に
よって、他の移転地での訓練でも使用されているものだが、普天間基地の移設先に配備されるという垂直離着陸機オスプレイは、
以前までのりゅう弾砲では重すぎて運べなかったが、この新しいM777型であるなら、輸送が可能なのだという。

戻る