■日時:2月1日 午前9時 
■場所:日出生台演習場 11号隊舎

■参加者
米軍側 3人 スタッダード中佐、女性広報官(迷彩服)、男性通訳(迷彩服)
ローカルネット側 6人 浦田、衛藤、河野、遠入、池田、各務

<会議の場>
一枚のテーブルを挟んで向き合って着座。
レジメをお互いにのぞいて見ることができる近さ。
スタ中佐は足を組んでラフな姿勢で椅子に。
衛藤、河野も負けじとふんぞる。

■米軍側から簡単な自己紹介がされた後、
今日の話し合いでの「ルール説明」が米側からなされた。
(話し合いの流れをあらかじめ想定して、
 会議の進行を仕切ってきたのは
 過去3回の会議でもなかったこと)

■米軍側から今日の質疑のルール説明
・以下の内容に関するものは答えない
  ・演習場で行われているもの以外について
  ・将来の演習、訓練に関するもの
  ・米軍が関わる戦争の方針について
  ・米軍の情報活動について
  ・米軍の安全に関すること
・今日の会見時間は40分から1時間(実際には90分間行われた)
・まず、質問書として出していただいた14項目について答えた上で、質疑を受ける。

【スタ中佐】
・見解の相違はあるが、こうして私たちに直接話を
 聞こうとする勇気と、皆さんの活動に敬意表する。
・これから皆さんの質問に答えるが、
 その前に、私から皆さんに質問をしたいがいいか?

【スタ中佐】日出生台での米軍訓練をどのように受け止めているか?

【ローカル】
・そもそも大きな反対があった中で、
 日本政府強引に押し切って、強行されるようになったもの。
 住民の暮らしを脅かすもの。
・外国の軍隊の訓練は認めない
・日本は憲法9条の国

【スタ中佐】米海兵隊についてどのような印象を持っているか?

【ローカル】
・地元の不安はやはり治安問題。
・この1ヶ月様々な凶悪事件が連続している。
・さらに米軍の事件は、日本の法律が適用されないとか、
 裁判権もないなどといった不平等な状態にあることも大きな原因。

【スタ中佐】なぜ米軍が日本に駐留していると考えるか?

【ローカル】日米安保

【スタ中佐】なぜ日出生台で我々は訓練しているか?

【ローカル】それはこちらが尋ねたいことだ

【スタ中佐】日出生台における我々米海兵隊の訓練目標を理解しているか?

【ローカル】してない

【スタ中佐】これまで米海兵隊の訓練を実際に見たことがあるか?

【ローカル】見たことはあるが、よくわからなかった

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【スタ中佐】
それではこれから質問内容について回答するが、
いただいた質問事項ではよくわからない部分もあるので、
再度、皆さんから質問の内容を説明しながら出してほしい。

【ローカル】
1)今回、米軍側が新たに日出生台で実施したいと求めた新しい訓練とはなにか?

【スタ中佐】
・別に「新しい」訓練ではない。いつもやっていること。
・SACOの合意に基づく訓練であることを確認している(しきりに強調)
・求めたのは「小火器」と「組み取り扱い兵器」に関わるもの
・移動したり、陣地防衛のための火器は常に携行している
・各海兵は、一つまたは複数の兵器を持っている
・移転射撃訓練の始まった頃から常に運搬し、使用してきた。
・日本に限らず、どこの国に行ったとしても常に使うもの
・今回、新たに求めたのはこれらを「実射」すること
・実射ができるように、これまで幾年も積極的に取り組んできた
・SACOを再審査した結果、実射はこの合意に基づくものとして可能である
・日本政府はこの実射について、早晩納得するはずだ
・他の移転地でも行えるように、これまでも弾薬も輸送してきた。
・イラクアフガンなどはテロの危険地域。
 これらの場所には必ずしもりゅう弾砲を持ち込むわけではない。
 しかし、小火器、組み取り扱い兵器《及び弾薬》はいつも携帯する。
 テロなどが増えてきているので、この兵器の扱いの熟練が必要。
 兵士らが自分を守る能力を高めるためにもこの訓練が必要。
・アジア、太平洋地域での平和の維持のため
・昨夜、兵士を迎えるために空港に行った。日本の自衛隊員が制服を着て来ていた。
 制服はかなり上のクラスのもので隊長ららしかった。
 空港のロビーはすぐさま人だかりでいっぱいになった。
 自衛隊の隊長が「なぜこんなに集まっているか知っているか?
 イラクから帰還した自衛隊員を家族、親戚などが出迎えているんだ」
 まさに英雄の歓迎だった。
 そして、その自衛隊員はまさに十分な訓練を積んだからこそ帰還できたのだ。
 私はこの自衛隊の隊長と同じく、
 海兵らが生還できるよう訓練する責任がある。
(このあたりで、2度通訳が、小声で中佐に何かをささやく)
・今回、弾丸も持ってきている。
・過去5回も含め、いつも持ってきているはず。
・現在も過去も、通常の装備として小火器、組取扱兵器と弾薬は常に装備しているし、
 それは米海兵隊としての義務である。

【ローカル】いつ要望したのか?何回要望したか?

【スタ中佐】
・私が大隊長になってからもそうだし、それ以前もそう。
・何年も、ずっと要求し続けてきた

【ローカル】それに対して、日本側、防衛庁からの回答はあったか?

【スタ中佐】
・前任者の要請についての反応は知らない


【ローカル】あなた自身の要請に対しての回答はあったか?

(ここで広報担当ホーブス2等軍曹から時間が押している旨発言。
 上記の問いに対する明確な返答をしないまま、次へ)


【スタ中佐】
・世界情勢が変わって、訓練目標も変化してきた。
 りゅう弾砲の射撃よりも、車列縦行訓練、陣地警備訓練に重点が移ってきた。

【ローカル】
・米軍の総司令官が別府に来たことを知っているか?
・なぜ突然、そんな場が持たれたのか?

【スタ中佐】
・私自身、そこでの回答結果におどろいた。
・私たちは(今回の日出生台での「小火器、組み取り扱い兵器」の実射について)
 秋のはじめに計画し、施設庁に地元との調整を頼んだ。
・11月にも再度要望をした。
・今回、施設局から地元自治体にそれが初めて伝えられたのが
 1月17日だと聞いて驚いた。
・調整がそんなにも遅いことに驚いた。

【ローカル】
今回は、住民も自治体も反対を明確に表明している。今回はもうそれらの兵器の実射はやらないのか?

【スタ中佐】
・我々の調整というのは、海兵隊は米国政府の指揮下にあるため、米国政府を通してしかできない。
 地元と直接、米軍が協定を結んだりということはできない。
 よって、日本政府と地元との関係による。

【ローカル】
日本政府がいいと言えば、地元が反対していてもやるのか?

【スタ中佐】
イエス

【ローカル】
その実射訓練は演習場すべてを使うのか?それとも155ミリ砲の周辺で行うのか?

【スタ中佐】
・韓国でも、タイでも同じ訓練をやっている。まず第一は安全。
(有用性の高い訓練としての全火気同時訓練について図解)

【ローカル】
四方に飛んでいくのではないか?

【スタ中佐】
・事前に計算して区域を定め、機関銃も飛んだ銃弾がある範囲内にとどまるようにする。
・「跳弾」があったとしても演習場内にとどまる。
・演習場によって差があることも確認している
・これまでに日米合同訓練でも、自衛隊の訓練でもここで行われている。

【ローカル】
・30日に急きょ、別府に防衛事務次官や在日米軍副司令官がやってきたのはなぜか?
・もう撃ったのではないか?

【スタ中佐】
・準備はしている。
・撃ちたかったが撃ってはいない。
・そもそもSACOで最初から認められていると考えている。
・日米両政府間では合意できている。

【ローカル】
・そのライフル、機関銃はどのようなルートで移送したのか?

【スタ中佐】
・移動や運搬については、すべて防衛施設局に頼んでいる。

【ローカル】
・地元は拒否をしているが、それでもこの訓練を実施するか?

【スタ中佐】
・地元の理解を大切にしたい。

【ローカル】
・では地元が反対している限りやらないか?

【スタ中佐】
・日本政府の判断に従う。今回撃たないとは言えない。
・日米両政府の合意に基づく。最終判断を待っているところだ。
・SACOの合意範囲内に含まれると考えている。

【ローカル・質問】
・日出生台演習場の地元ではご存じのように、米軍使用協定が結ばれており、
 そこでは155ミリ砲の訓練のみとされている。
 この協定をどのように考えているのか。

【スタ中佐・回答】
・いままで目にした協定はSACOのみ。
・その協定は見たことがない。
・我々が調整しているのはSACOのみ。

【ローカル・質問】
・施設局からこの協定について説明はなかったのか?

【スタ中佐・回答】
・先週、そのようなものを聞かされたが、それのこと?
・先週聞かされたばかり。
・このようなものがあることすら知らなかった。
・我々はSACOのみしか知らない。

【ローカル・質問】
・協定の書面のようなものはもらってないのか?

【スタ中佐・回答】
・書面は見ていない。

【ローカル】
・地元が協定に基づいて拒否したことをどう思うのか?

(通訳が、中佐に何かささやく)
【スタ中佐】
・理解はできる。
・私の立場から日本政府と地元の合意については知らなかったため
 情報がないので言及する立場にない。
・協定があると聞かされて驚いている。
・しかし、それは日本国内の内部事情。
・私たちは関与できない。
・皆さんの懸念については慎重に受け止めている。

【ローカル】
・今までと比べると今回は情報公開が遅れたり、
 あるいは通知と違う時間に到着したりしている。
 これは米軍が指示していることか?

【スタ中佐】
・私たちは全ての情報を防衛施設庁に出している。
・現在は、テロリズムの危険性が以前よりも増していると認識している。
・移動等についてはすべて防衛施設庁が決めている。
・米軍人はテロの標的になりかねないので情報を公開しない方針。
・我々がテロに会うと日本人も巻き添えになる危険になる。

【ローカル】
・部下の安全を守るのは当然かもしれないが、それと日出生台での訓練とは別。
 大分県民はあなた方がここで訓練することを
 歓迎していないことを知っておいてほしい。

【スタ中佐】
・それは理解している。
・兵士たちは一人一人、より大きなものの一部を担っている。
・「なんでこんなとこにいなきゃいけないんだ」と問う兵士もいる。
・我々としても皆さん方住民の方によい印象を与えたいと考えている。

【ローカル】
・もし実射するような場合は、通知するか?

【スタ中佐】
・それは日本側から私たちに実射の了承の連絡がくるので、
 そちらから通知がされるでしょう。
・最初に言いましたが、もし私たちの訓練を見たいようでしたらお見せしますが・・・。

【ローカル】
・ぜひそれはお願いしたい。

【ローカル】
・あなた方と訓練に対する正しい認識を得るためにも
 私たちが、このような会談をビデオでとって、町民に見せたほうが良いのではないか?
【スタ中佐】
・良いアイデアだ。
・この場ではっきりとはいえないが、次回私が担当になったら、そうできるよう努力したい
 しかし、来年がどうなるかわからない。
【ローカル】
・では、今ここで(米側が)撮っているビデオをコピーしてもらうことはできないか
(米側、防衛庁?の小声でのやり取りの後、「それについては後でまた返答する」)

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