日出生台での実弾砲撃演習が終了した二月十九日の十二時から約一時間半、
日出生台演習場内の廠舎地区の食堂内で住民代表六人と米海兵隊ケリー中佐との直接対話をおこないました。

 住民側は、ローカルNET事務局から二人(一人は記録係)、玖珠平和運動センターから一人、A各界連から一人、通訳一人の六人。米軍側は、ケリー中佐と通訳、記録係、コーヒーを入れたりする世話係の四名。防衛施設局の職員が二人後ろについて、録音とメモをしていました。
 以下、会見の模様を報告します。会見はあらかじめ提出してあった質問事項について、項目ごとにケリー中佐のコメントがあり、住民側から関連する質問をおこなう形で進行しました。(なお、この内容は、会場での録音、録画が許されなかったため、参加した六人全員のメモと記憶に基づいて、当日の内容を復元したものです。よく把握できなかった部分は???になっています)


■質問一 

現在、日出生台演習場内には、海兵隊の訓練のためという名目で、宿舎、トイレ、シャワー、食堂が作られつつあります。海兵隊の訓練は「年間十日以内」との約束であるのに、いったいなぜこのような施設が建設されているのですか?なぜ海兵隊の訓練に新しい宿舎が必要なのですか?これらは恒久的施設だとしか考えられませんが…。

(ケリー中佐)そのような新しい施設は、海兵隊だけのためということはなく、陸上自衛隊もこの演習場を使いますので、ここでの生活を改善するためにこれを使うことになります。だいたいここを使うのはほとんど自衛隊ですから。兵舎のことで言えば、海兵隊には新しい兵舎は全然いりません。私たちのただ一つの要求は、新しい炊事をするところだけです。後で案内しますので、それを見たら分かると思います。

(住民)ということは、海兵隊にとっては新しい施設は必要ないと?

(ケリー中佐)今ある廠舎で十分です。アメリカ本国で訓練する所では兵舎はなく、演習場でテントに泊まります。

(住民)ここでの新しい兵舎は「海兵隊の演習のため」という名目で今、作られているわけですが、これは海兵隊が要求したのではないのですか。

(ケリー中佐)海兵隊第十二連隊第三大隊からの要求ではありませんでした。もちろん海兵隊にとってそういう改善された施設ができることは別に悪いことではありません。また日出生台でそういう新しい兵舎ができれば私たちもそれを使うと思います。

(住民)食堂が今、作られていますけれど、これは必要なのですか。

(ケリー中佐)私の立場からいうと、そういう新しい食堂は必要です。私たちは毎日2回熱い食事を作って、海兵隊員に食べさせるのです。今ある食堂はとても古くて、兵士への衛生の点からよくありません。穴もたくさん空いていて、風が入ってくるような状況ですし、掃除をするときも水を使うと途中で水が凍ってしまいます。新しい食堂施設がなければ、私たちはここに別の兵力を連れてきて、テントで食堂を作らなければなりません。

(住民)今のはキッチンの話ですね。

(ケリー中佐)「食堂」というのは軍事用語で両方入っています。台所と食堂の両方が重要です。ここの地面はアスファルトでできていますので、テントを張れないのです。テントを張るには大きな煉瓦とかを持ってこなければなりません。それで日本政府がこのように取り計らってくれたのです。

(住民)それは海兵隊が要求したのですか。

(ケリー中佐)海兵隊がキッチンも食堂も要求しました。

(住民)ここは今回の食堂ですか。

(ケリー中佐)今回も使いました。去年と同じぐらいです。

■質問二 

海兵隊をここに恒久的に駐留させていこうという計画があるのですか?もしそうだとすればその理由は何ですか。

(ケリー中佐)私の知っている限り、そのような計画はありません。こういう?????

■質問三 

将来的に、日出生台での米海兵隊の訓練の拡大や演習期間の延長について、どう考えているのですか。

(ケリー中佐)ここでの演習を拡大をする計画があるかどうかはわかりません。今年も去年も八日間の演習をしました。他の演習場も使いますので、それによっては日数が拡大したり、減ったりするかもしれません。私の意見ですが、日出生台演習場の面積から考えると、ここでは今と同じ様な中隊級の訓練になると思います。毎回、二百〜二百二十名の規模の訓練になると思います。
 弾数については、年間で決まっています。作戦によって弾薬の数が分けられます。榴弾砲の移転演習というのも年間の一つの部分です。(?)各作戦には前もって決めた弾数というも烽フはありません。来年が今年より増えるか減るかはわかりません。どのぐらいの弾薬があるかとか、訓練する部隊のサイズによって違います。

(住民)持ってきた弾薬は全部撃つのですか。

(ケリー中佐)いつもそうはならないこともありますが、できたら全部撃ちたいと思いますが。

(住民)今回は?

(ケリー中佐)一発だけ撃てませんでした。普通の榴弾砲の弾薬は、ヒューズが前についているのですが、このヒューズが不良だったのです。安全のために点検はいつもしています。そして一つ不良の弾薬を見つけました。その弾薬は一つの榴弾としてもとのところに戻します。(?)

(住民)弾薬を持ってきた段階で、最大でどのくらい撃つかというのは決まっているわけですね。

(ケリー中佐)はい。

(住民)その数を公表することはできないのですか。

(ケリー中佐)はい。それは日米両政府の協定によってそういうことは発表できません。日本の会計年の終わりには、我々の米政府から日本政府に合計の弾数の表をわたします。日本政府はマスコミにそれを公表します。そして、今回の会計年度の段数についての資料は昨日流されました。今、私が言えることは、今回の日出生台で約五百発ぐらい撃ったということです。

(住民)今年、昨年と日出生台でおこなった演習の内容は、従来沖縄でやっていたものと内容は同じですか。

(ケリー中佐)だいたいそうです。私は沖縄での実弾射撃訓練に参加したことがないのですが、日出生台での訓練は、日本の他のすべての訓練の内容とまったく同じです。こういう訓練は中隊の能力に基づいて訓練をおこないます。大隊級の訓練では、私たちはの?????

(住民)沖縄での訓練の内容はケリーさんは知らないということですか?

(ケリー中佐)私が知っている限りほとんど同じです。よくマスコミでは沖縄では夜間訓練は全然おこなっていませんでしたと言いますが、自分ではそれが本当かどうかわかりません。

(住民)沖縄でも夜間演習をやっていたと?

(ケリー中佐)そういうことはよく言われました。????。私たちは常に射撃場の規則に従っています。日本でも各演習場ごとに別の規則があります。

■質問四 

日出生台演習場の周辺住民は、生活のほとんどすべてをここで過ごしています。なぜ今、「米海兵隊訓練の円滑実施のため」として住民の移転措置がなされはじめているのですか。この案はアメリカ側が出したのですか、日本側ですか。

(ケリー中佐)この質問については、私個人の意見ですが、日出生台での訓練は私たちにとってとてもやりやすいと思っています。安全に能力を向上する訓練をすることができますし、地元の方々にも危険なしで訓練を達成できます。危ないと思ったら、私たちはここで訓練をしません。それは榴弾砲を撃つときの話です。(?)

(住民)そうすると、ケリーさん自身は、移転措置は必要ないと?

(ケリー中佐)私の個人的な意見では、能力を上達させることができ、安全に訓練をできさえすれば、地元の人たちを移転させる必要はないと考えています。

(住民)日出生台の演習場は今年で演習場にされて百年になるんです。昨年から海兵隊が来るようになったわけですけど、昨年まで、陸上自衛隊が使っていたわけですが、そういう移転措置などはとられなかったわけです。ところが海兵隊が来ることによって、移転措置がとられたんです。僕は移転措置の範囲の中に暮らす一人なのですが、そういう移転措置というのは地域の崩壊、地域がなくなるくらいに大きな問題なんですね。そういうことから、地元民にしてみれば、海兵隊が憎いというような思いに変わってしまうんですね。この気持ちがわかりますか。

(ケリー中佐)そのような日本政府の計画については私たちはなにもわかりません。皆さんからの抗議文をもらって、今回初めてそのことを知ったのです。

(住民)百年間訓練をしていて、自衛隊の訓練のときは移転の話はなかったのに、海兵隊の訓練がおこなわれるようになって、移転の措置がとられるようになったことをどう思いますか。

(ケリー中佐)私の個人的な意見であり、海兵隊の計画とかいうことではないのですが、現在の状況で十分であり、移転措置はなにもいらないと思います。

■質問五 

米海兵隊の戦争の準備訓練のために、住民の移転措置が進められていることについて、どう思いますか。あなた方自身の住んでいる地域社会で、アメリカではなく、よその国の軍隊の軍事演習のために皆さんの家族が移転しなければならなくなったとしたら、どのように感じるでしょう。

(ケリー中佐)同じ質問ですので次にいかせていただきます。

■質問六 

この大分県や地元三町などは夜間演習の自粛を申し入れてきました。しかし、米海兵隊はその夜間演習を強行し、しかも協定の時間枠ぎりぎりの遅くまで砲撃をおこないました。このようなことは自衛隊でさえもあまりおこなって来なかったことを知っていますか。なぜ私たちの夜間演習自粛の要請を無視するのですか?

(ケリー中佐)射撃場の規則によると、私たちは二十一時まで実弾射撃ができるとなっています。そして陸上自衛隊は何時に終了しているかはわかりませんが、夜間訓練をおこなうということは確認しました。今週も戦車の砲撃をおこなっていたようです。三町の町長やマスコミの記者達に対して、私たちは八日間のうち七日間夜間訓練をおこなう予定だと説明してきましたが、六日間に短縮しました。それは、A中隊の訓練、目的によるものです。そして、七日間よりは六日間の方がいいのではと思いそうしました。そのように日数を減らす為に、私たちは夜遅くまで夜驫ヤ訓練をせざるをえなかったわけです。

(住民)しかし、昨年は夜間演習が五日間だったわけですから、昨年より拡大しているのではないですか。

(ケリー中佐)作戦は、全く同じことをするわけではなく、毎回それぞれ違います。去年、ここにきた中隊は極寒の訓練を受けたばかりだし、その前の夜間訓練も達成しました。(?)そして去年の訓練では夜間訓練にはそれほど重点を置いてなかったのです。今年の中隊は極寒の訓練を受けてないので、夜間訓練で達成しなければならない目的がたくさんありました。次に海兵隊がここに来て訓練をするときには、八日間になる可能性もあれば、四日間になる可能性もあります。そして私たちは地元の方には感謝をし、皆さんのことを理解するようにしています。

(住民)僕たちのところはお年寄りや病気の人がたくさんいます。9時間際までの夜間訓練というのは、そういう人たちにとってみれば非常に苦痛なわけです。本当の戦争ではなくて、訓練の上で、人道的な思いやりとかやさしさというものはないのでしょうか。

(ケリー中佐)短い演習期間の間に私たちは達成しなければならないたくさんのことがあります。????その射撃場の規則にしたがっているのです。

(住民)規則で言えば、朝七時から夜九時までできるということになるのでしょうが、住民だけではなく、三町、県まで夜間演習をしないでほしいと要望してきたわけです。今、地元住民の感情を理解するようにしているとおっしゃったわけですが、しかし実際には、去年より一日夜間演習が増えているし、夜八時半以降の遅い時間帯の夜間演習は、去年三日だったものが、今年は六日に増えている。つまり、皆さんはそのように住民感情よりもあなた方の軍の論理を優先しているのではないですか。

(ケリー中佐)私たちは射撃した時間をちゃんと記録してありますから、それも後で提供できます。

(住民)遅い時間の夜間演習が増えたということについては?

(ケリー中佐)夜間訓練のできるという状況はあまりよくない。(?)一番簡単なことは日が暮れるとすぐ射撃を始めればいいと民間の人は思うかもしれませんが、それは軍事の論理ではありません。中隊が一カ所から射撃をするのであれば、そのようなことができるかもしれませんが、ある時には食事の最中に移動したり、食事をすることから移動するという能力を試したり、できるだけ早く射撃をするというのが軍の論理なのです。

(住民)その前では、住民の感情というのは後回しになるわけですか。

(ケリー中佐)私たちは地元の人の感情を理解して訓練をしなければなりません。実はローカルNETの方の感情、それだけを考えたら、私たちは実際のところ、ここで絶対に訓練をすることはできなくなりますよね。

(住民)それはそうでしょう。私たちは、演習そのものに反対ですからね。私たちは確かに米軍演習そのものを反対ですが、でも、県とか町は受け入れた形になっています。その受け入れた県や町でさえも、夜間演習はやめてくれと言っています。

(ケリー中佐)それも一生懸命理解していますが、隊長としての一番大切な目的は、海兵隊をよく訓練をして、本当に戦争にみんなが行くということになったときに、みんなが生き残って、無事に家族の下に帰られるということなんです。こういう訓練は、世界の平和のためなのです。

(住民)県や町が夜間訓練を自粛して欲しいといっていることは知っていたのですか。

(ケリー中佐)三町の町長は、一番大切なことは安全だと言いました。そして、私たちは夜間訓練をできるだけ少なく(minimize)するということです。

(住民)minimizeという言葉を今、使われましたが、実際に、海兵隊に申し入れがあったときには、minimize短くするようにと言われたのですか、それともやめてほしい、自粛をしてほしいと言われたのですか。「自粛」と言う日本語にはやめてほしいというニュアンスが含まれているのですが。

(ケリー中佐)そのように伝えてこなかったのですが。????

(住民)自粛と言う言葉の日本語のニュアンスの中には「やめて欲しい」ということが入ってます。だけどもケリー中佐が町長とかから聞いたときには、自粛という言葉の中に、辞めて欲しいと言うよりは短くしてほしい、あるいは縮小してほしいというふうに言われたけれども、「やめて欲しい」と言われたとは理解していないと。

(ケリー中佐)私たちは夜間訓練を一生懸命に短くするようにしていました。

■質問七 

NBC訓練とはいったいどのような訓練なのですか。ここ日出生台で今回もまたおこなったのですか。

(ケリー中佐)NBCトレーニングというのは、核・化学・生物兵器に対して防衛する訓練です。今年も少しはその訓練をおこないました。それは毒ガス用のマスクや防護服を着用します。

■質問八. 

NBC訓練は「一五五ミリ砲の通常の訓練の一環」と言っているようですが、この「通常の一五五ミリ砲の訓練の一環」との表現の定義は何ですか。どんな訓練が「通常の訓練」なのか教えて下さい。

(ケリー中佐)これは砲兵だけの訓練ではなく、海兵隊のすべての部隊はそういう訓練をおこないます。敵にそういったものを使われる可能性がありますから、そういった訓練をしなければなりません。そして、そういったものが使われた状況でも毎日作戦を続けられる必要があるのです。

(住民)NBCの攻撃を受けたと言う想定なのですか。

(ケリー中佐)そうです。

(住民)洗浄訓練はどうですか。

(ケリー中佐)そういう訓練もありますが、日出生台ではしませんでした。

(住民)去年も?

(ケリー中佐)去年は少し洗浄する訓練をしました。施設や荷物の交換をして、水を使って個人の洗浄をしました。

(住民)その洗浄訓練というのはどのようにするのですか。

(ケリー中佐)いろんな方法がありますが、ここでは実戦で使用される洗浄剤などは使わずに、代わりに水を使用します。実際にここで使うのは防護服と防毒マスクだけです。

(住民)そうすると、その洗浄に使う道具は持ち込んできているわけですね。

(ケリー中佐)いいえ、それは全然持ってきていません。普通は水圧のかかったホースなどを使います。

(住民)今回はNBC訓練を何日間やったのですか。

(ケリー中佐)今年ですか。たぶん合計で二、三時間くらい。

(住民)毎日?

(ケリー中佐)一日だけ。二、三時間ぐらい。

(住民)去年は?

(ケリー中佐)はっきりと覚えていないのですが、たぶん全部で十四時間ぐらいだったでしょうか。

(住民・通訳補助)去年の訓練の方が実際の状態に近い訓練をしたために長く時間がかかったと?。

(ケリー中佐)その通りです。

(住民・通訳補助)去年、ここで訓練をおこなった部隊には、NBCトレーニングが正式のスケジュールにはいっていたと。その場合は高圧の洗浄剤を持ち込んだんですか。

(ケリー中佐)いいえ、実際にそういうものは全然使いませんでした。野戦から撤収するときには、洗車しなければならないことがあります。その時に洗浄の訓練としておこなったものです。

(住民・通訳補助)通訳補助今年の訓練よりも去年の訓練の方がより沢山の訓練項目をおこなったために、実際の洗浄剤とかは使わなかったけれども、少しメニューが違っていたので長くなったと。

(ケリー中佐)はい。(去年は)ここに来る前にNBC訓練についての訓練をおこないませんでしたので、ここでやりました。

(住民)去年はNBC訓練がその訓練の「項目」として入っていたわけですね。その「項目」に入っているものには他にどんなものが去年、今年とあったんですか。

(ケリー中佐)実際には覚えておりませんけれども、射撃、移動、通信についても全部おこないました。そして、部隊の実際の防衛についての訓練も行いました。歩哨巡回とかもおこないました。

(住民)今年の訓練ではどうでしたか。

(ケリー中佐)今年は夜間射撃に重点が置かれていましたので、NBC訓練にあまり重きは置いていませんでした。

■質問九 

一五五ミリ砲の砲撃中にゲリラに襲われたという想定の訓練もこの「一五五ミリ砲の通常の訓練の一環」に含まれますか。

(ケリー中佐)皆さんのいう「遊撃戦」について、やさしく説明してくれませんか?

(住民)・・・。僕らもよくわかりません。

(ケリー中佐)答えなくてもかまいませんか?

(住民)いいえ。たとえば自衛隊でもゲリラ戦闘訓練などをやるということでよく新聞に出るのですが、海兵隊でもゲリラ戦闘訓練というものがあるのではないかと思いまして。

(ケリー中佐)海兵隊はよくそういう訓練をおこないますが、砲兵部隊は普通はそういう訓練をおこないません。私たちはそういう遊撃戦とかゲリラ戦の状況のある訓練もおこないますが、基本的な砲兵としての訓練はいつも同じです。(?)

(住民)砲兵隊がゲリラの攻撃を受けたという訓練はないのですか。

(ケリー中佐)自分の陣地を完全に確保する訓練というものはあります。中隊から少しの兵力を出して、その中隊が移動する時に攻撃されるという訓練はあります。

(住民)ということはゲリラの攻撃を受けたという想定の訓練もあると。

(ケリー中佐)それはゲリラ戦の訓練とはいわず、専門用語ですがLocal Securityという自分の陣地の防衛だけです。実際には「対ゲリラ戦闘」というのは、ゲリラ隊を探して破壊するというようなものです。Local Securityというのは自分の陣地を防衛することだけです。これはゲリラ隊だけではなくて、どんな攻撃にも防御することです。

(住民)その訓練を今年は今年、去年、日出生台でやったのですか。

(ケリー中佐)いつもどこでもやっています。それは普通の砲撃の訓練の中の一つです。

(住民・通訳補助)ということは、海兵隊で「対ゲリラ戦」と言う場合には、Local Securityという訓練ではなくて、こちらから出ていって追跡して攻撃するということになるわけですね。

(ケリー中佐)それは正しいです。

(住民・通訳補助)攻撃されたときに、自陣を防衛する訓練は「ゲリラ戦闘訓練」とは言わないということですね。これ(Local Security)は通常の訓練の一部としておこなうと。

■質問十 

パラシュート訓練についてはどうですか。ここで将来、そのような訓練をおこなう計画がありますか。

■質問十一 

ヘリコプターを使った訓練についてはどうですか。

(ケリー中佐)十番と十一番の質問については、落下傘の訓練とか空挺部隊の訓練は全然やりませんので、なにもいうことはありません。ヘリコプターの訓練についてはおこなうこともありますが、具体的にはどういうことを聞いているのですか。

(住民)ヘリコプターに一五五ミリ砲をつってそれを降ろすとか。

(ケリー中佐)沖縄ではそういう訓練をおこないました。海兵隊のヘリコプターの中でもただ一つCH-53Eという種類だけが榴弾砲をつり上げることができます。年に四回ぐらいそういう訓練をしました。沖縄のCentral Training Area 中央部訓練場でやりました。

(住民)このCH-53Eという一五五ミリを運べるヘリは沖縄にしかないのですか。

(ケリー中佐)他の海兵隊基地にもあります。

(住民)持っているけれども、日本における訓練は沖縄でしかしないと。

(ケリー中佐)今のところ、沖縄の中央部訓練場でそういうことをおこなう。日本本土ではそういうことはしない。富士演習場でも、砲撃の訓練はしますが、ヘリコプターを使って榴弾砲を移動する訓練というのはめったにやりません。

(住民)めったにやらないというのは、やることもあるということですか。

(ケリー中佐)私が知っている限りないと思います。この三年間、私が隊長としている間一度もおこなわれていません。

(住民)将来やる計画はまったくないのですか。

(ケリー中佐)将来の訓練は、前の2年間の訓練と同じぐらいです。

(住民)可能性としてはどうでしょうか。

(ケリー中佐)可能ではありますが、やる予定があるとは思わない。ヘリコプターをここまで持ってくるということは経済的に大変です。ここでの訓練は砲兵のための訓練です。ヘリコプターを使うのは別のものです。実際、この日出生台でそのような訓練は必要ありません。ここではヘリコプターがなくても、移動して地上襲撃ができます。

■質問十二 他の種類の武器と組み合わせた訓練についての計画はありますか。
■質問十三 NBCの攻撃をおこなう訓練の計画はありますか。あれば、教えて下さい。
■質問十四 なぜ三十二日間もの長期にわたって滞在する必要があるのですか。
(十二、十三、十四は時間がなくて飛ばす)

■質問十五 

なぜ、あなた方の言う「ボランティア活動」なるものの受け入れを地元に強要するのですか。これらのいわゆる「ボランティア活動」なるものはやめて下さい。あなた方に対して、そんなことを私たちは求めていないのです。老人や学校などを支援するボランティアは私たちの地域にすでにあります。「ボランティア活動」は即時中止して、海兵隊員らは演習場内にとどめておいて下さい。そして、演習終了後は即座に撤収させて下さい。いったい私たち住民の平穏に生きる権利をどのように考えているのかおしえて下さい。

(ケリー中佐)私たちはボランティア活動を強行するというようなことはしません。施設や幼稚園の方から来て欲しくないということがあれば私たちは行きません。ホームビジットのことでも同じです。そういう七つのボランティア活動やホームビジットは、本当に来て欲しかったということで実施されました。

(住民)逆に海兵隊として、ぜひともボランティア活動をしたいんだという思いを持っているんでしょうか。

(ケリー中佐)そういう機会は海兵隊にとってもとても楽しみであり、日本の文化の実際を知る機会でもあります。

(住民)ボランティアをやっているようですが、それは海兵隊がボランティアを求められたのですか?

(ケリー中佐)ホームビジットや実際のプロジェクトは地元の人たちに求められたものです。ここにくるという計画をしたときに、防衛施設局の人にそう言う意志を伝えました。実はそういう地元の方にはボランティアの活動を求められたということです。施設局の方には、協力をしてこういうボランティア活動をやるという機会を作っていただきました。

(住民)防衛施設局の方から海兵隊の方に要求があったのですか。

(ケリー中佐)いいえ、私たちがそういった活動をやりたいと頼んだのです。沖縄でも、御殿場の幼稚園などでもやります。四十年間の関係がありますから。多くの海兵隊の訓練はあと四年か八年かで海兵隊から除隊して、こういう機会とかこういう体験を通じて人間として向上することができます。そういうボランティア活動とかホームビジットとかについては私たちはそう言うことを思っていました。施設局の方にはそういうことをはっきりと求めました。そして地元の方々から八人の家族から招待ももらって、それに施設についてボランティア活動を要求されました。

(住民)最後に、今回は昨日まで外出がおこなわれました。今回の外出状況をどういうふうに見ていますか。

(ケリー中佐)今回の外出の状況につきましては、とても素晴らしかったと思います。多くの海兵隊員たちがそういう文化的なツアーに参加し、日本の文化をよく勉強になりました。三十五人くらいの海兵隊員たちがスキーをしました。別府市内への外出には八十五名くらいが参加しました。昨日の晩はローカルNETの方々もたくさんのいましたけど。そして外出の状況については僕よりもよく知っているのではないかと思います。みんな一生懸命楽しんで、いい訪問者であったと思いたいと思います。

(住民)最後に文句みたいなことを言いたくもないのですけれども・・・。(泥酔して店の前の階段に倒れている海兵隊員の写真を出す)。海兵隊員です。この後、防衛施設局員らも集まってきましたが。彼は今、倒れていますけれども、この前まで酔って奇声を上げたり、服を脱いで上半身裸になったりとかしていました。

(ケリー中佐)・・・・。これはどういう店ですか。店の名前はわかりますか。

(住民)わかりますが、あまりいいたくは・・・。背の高い犯罪捜査官らしきアメリカ人の人や防衛施設局員も集まっていましたので、おそらく状況は把握されているはずです。

(ケリー中佐)この写真はどこでとられたか、教えてくれませんか。

(住民)・・・・。

(ケリー中佐)時間はわかりますか。

(住民)昨夜十時半くらいです。

(ケリー中佐)もらっていいですか。

(住民)誰かわからないような写真なので、どうぞ。

(ケリー中佐)???。このような状況は私たちが海兵隊員に期待しているものではありません。

(住民)このようは報告は受けていませんか。

(ケリー中佐)いえ。海兵隊員は絶対に一人で外出するということはないようにしています。それはお互いに面倒を見るという義務があるのです。

(住民)最後に十四番の質問だけ答えて下さい。

■質問十四. 

なぜ三十二日間もの長期にわたって滞在する必要があるのですか

(ケリー中佐)搬入、撤収、整備、梱包、清掃と悪天候の場合の予備日も入れて、三十二日間かかるのです。もう時間がなくなりました。

(住民)どうもありがとうございました。

(ケリー中佐)これは海兵隊からの贈り物です。これは極寒専用の戦闘用食です。

(住民)これは今回の訓練でも海兵隊員はこれを食べたのですか。

(ケリー中佐)去年の訓練では、私たちは普通の戦闘用食を持ってきましたが、これは極寒用のものです。去年の経験では食事の量が足りなかったので、極寒用に特別カロリーもたっぷりあるものを今年は持ってきました。普通の海兵隊員は一日中で食べます。

(住民)では僕らも監視小屋でこれを食べながら監視することにしましょう。

(ケリー中佐)これを食べながら微笑している海兵隊員はいなかったでしょう。

(住民)来年もケリーさんは日出生台に来るのですか。

(ケリー中佐)来年スケジュールはまだ作っていませんが、とにかく私たちがここで訓練をするかどうか、私はいないと思います。大隊長として2年だけの訓練であり、六月で期限が切れます。

(住民)ケリーさんがいなくても、来年もぜひこういう場を設けて下さいと伝えて下さい。

(ケリー中佐)私の代わりに来る方にも、こういう率直な話し合いをすることが大切だと伝えたいと思います。


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