Q&A コーナー 

    《田尻小学校の5年生からの質問

小学校で健康に関する授業をした時、児童から20個の質問がありました。上のリンクをクリックして読むことができます。

質問の例


外来でよく質問されることをまとめて見ました。
この他に疑問に思うことがあればメールを下さい。


《出産前によくある質問》

出産を控える妊婦さんに伝えたいこと
1」親子関係を築きましょう →詳しくはこちら
2」母乳で育てましょう →詳しくはこちら
3」抱っこをしましょう →詳しくはこちら

上のリンクと内容は重複しますが、
母乳の利点は何でしょうか。
母乳を増やすコツは?
母乳は出るでしょうか?ミルクはどのように使い分けたらいいでしょうか?

 

《予防接種に関して》

予防接種は危ないと聞いたのですが。
よくもんだ方がいいのでしょうか?

予防接種の後は入浴してもいいですか?
鼻水と咳がありますが接種できますか?
「おたふくかぜ」と「水ぼうそう」は有料ですが、接種した方がいいですか?
ワクチンの免疫は一生続きますか?
私は昭和50年生まれですが、ポリオをした方がいいでしょうか? 
おたふくワクチンをすると微量の感染があると思うのですが子供が接種しておむつの処理などの時に親にうつったりする事はあるのでしょうか?他のワクチンはどうでしょうか。
母親ですが、おたふくかぜに罹ったこともないようですし、ワクチンもしていないようです。はっきりしないのですが、確認する方法はありますか。他の病気はどうでしょうか。
BCGは0か月から接種できますか? 

《病気・看病に関して》

どういう時が重症でしょうか?
どういう時が緊急でしょうか?

熱のために肺炎になると聞いたのですが。
解熱剤の使い方がわかりません。
熱がある時、暖めるのと冷やすのではどちらが本当ですか?
下痢の時、食事はどうしたらいいでしょうか?
下痢の水分補給は、アルカリイオン飲料でよいですか?
細菌とウイルスはどう違いますか?
入浴してもいいでしょうか?(熱、咳、鼻水、下痢)
頭を打ったのですが
発熱後の登園、登校について
うつる風邪?うつらない風邪? 
市販のかぜ薬と病院の薬との違いは? 
生後2か月の子はカゼをひかないと聞いたのですが。 
カゼをひきやすいので心配です。 
坐薬は強いのでしょうか?
「食べていないので点滴して下さい」「カゼが長引いているので点滴してください」
小さいときにおたふく風邪にかかったのに、軽すぎて高校生でまたかかったという人がいます。
カゼは空気感染ですか?
インフルエンザの治療開始は48時間以内でないといけない?
こどもは何度からが発熱でしょうか?
二度の熱性けいれんが10分以上続いた重積でしたが、脳波で異常ないのですが、普通の熱性けいれんでいいのでしょうか。
鼻水が続くのですが、治療を続けないといけませんか?
おしっこが近いのですが、病気でしょうか?
暑くて出た熱と感染の熱はどのように区別したらいいでしょうか。
オムツが赤く(ややオレンジ色)なった
でべそなんですが、大丈夫でしょうか? 
咳をしているのですが、時々苦しそうに1-2回呼吸をすることがあります。 
頭を痛がりますが、熱がありません。痛み止めはどうしたらいいでしょうか。 
インフルエンザの薬ですぐに熱が下がりますか。 
良性腫瘍(石灰化上皮腫)ができましたが、手術は必要でしょうか。 
手術をすすめられたのですが、こどもの全身麻酔はリスクが高いでしょうか。 
風邪はお風呂でうつりますか。
インフルエンザが流行していますが、熱が出たら夜でもすぐ病院に行った方がいいでしょうか。
どのような熱にでも解熱剤は使用しても良いのでしょうか?
インフルエンザの薬(タミフル)の副作用は?
2009年9月にインフルエンザ にかかったら新型インフルエンザのワクチンは打たなくていいですか?
新型インフルエンザの予防接種の効果はどのくらい続きますか?流行が続いていた場合、再接種が必要なのでしょうか?
虫さされの痕が大きく膨らみ水ぶくれになりやすいのですがどうしてですか?塗り薬でなおりますか?

 

《育児に関して》

離乳食の開始時期は?
抱きぐせがつかないようにするにはどうしたらいいですか。
スキンシップが大切なのは何となくわかりますが、どうしてでしょうか?
断乳はいつしたらいいでしょうか?
小児科は何歳まででしょうか?
歩行器はいつ頃から使って良いでしょうか?
赤ちゃんの鼻づまりはどうしたらいいでしょうか?
離乳食を少ししか食べてくれない。 

赤ちゃんの便が毎日でないのですが。 
診察を怖がって激しく泣くのですが。
こどもの事故では、どのようなものが多いでしょうか?
授乳中の母ですが、薬を飲んでいます。母乳を飲ませてもいいでしょうか?
子供が自分の鼻の穴に、ごはん粒やごみ、石などを奥の方まで入れてしまうことがあります
母乳を1歳過ぎまで続けると虫歯になりますか? 
生後4ヶ月の子ですが歯ぐきに丸く白い真珠のようなものがあります。何でしょうか?
歯がはえてきたのですが、歯磨きはどうしたらいいでしょうか?
両手を強く握りしめ、全身が震わせながら怒ったり、時より奇声を発する事があります。いわゆる「疳の虫」でしょうか?
「どもり」が出てきたのですが。
「おしゃぶり」はどのようにしたらいいでしょうか?
夜泣きがひどいのですがどうしたらいいでしょうか、しばらくしたら無くなりますか? 

 このページで解答してほしい質問などがありましたら、院長宛てにメールを どうぞ。

《出産前によくある質問》

人工ミルクと比べて母乳の利点は何でしょうか。 

沢山あります。
1」栄養の内容バランスがよい
2」免疫が含まれている。;分泌型IgAという免疫が母乳には含まれています。腸の粘膜を守ります。完全母乳栄養だと急性腸炎で入院する確率を30〜40%引き下げると言われています。
3」費用がゼロ。;人工乳はもちろんミルク粉代がかかりますが、母乳はゼロです!
4」手間いらず。;外出する時に母乳だと何も持って行かなくてよいのに比べ、ミルクでは哺乳瓶、乳首、ミルク粉、お湯、水(温度調節用)と沢山荷物があります。しかも不潔にならないように注意も必要です。さらに、夜間急にお腹を空かせて泣き出した時、母乳ならサッと飲ませることができますが、ミルクだとお湯を沸かせて、ミルクを溶いて、温度を調節してと、お母さんも眠たいし赤ちゃんも待たされるし大変です。主に母乳で一日一回ミルクでも、結局外出する時はミルクの準備が必要になります。完全母乳でないと準備は必要になるので、完全母乳を目指しましょう。
5」SIDS(乳児突然死症候群)のリスクが母乳栄養だと低いと言われています。
6」いい親子関係ができる。;スキンシップがとれるのでいい親子関係ができやすい。お母さんは赤ちゃんを理解でき、赤ちゃんはお母さんを信頼するという親子関係ができやすいと言われています。母乳で育った児は犯罪者になる確率が低いというデータもあります。
7」お母さんの産後の経過が良くなる。;おっぱいを吸うと脳からプロラクチンが分泌されて母乳が出ますが、このホルモンは子宮にも作用して子宮筋を収縮させるので産後の出血が減ります。赤ちゃんにもお母さんにもメリットがありますよ。


母乳を増やすコツは?

お母さんの乳首を赤ちゃんが吸うとその刺激が脳に伝わり、脳で母乳を分泌をうながすプロラクチンというホルモンが分泌されます。そのホルモンの効果で母乳が分泌されるということになります。ですから、おっぱいをドンドン吸わせて下さい。
おっぱいマッサージでは、つまりかけた乳管のつまりを改善しますが、母乳を増やす効果はないと言われています。乳首の刺激が唯一母乳を増やします。
育児書には一日8回、3時間毎とよく書いていますが、これは母乳が十分に分泌された後のことです。8回では増えず現状維持がせいぜいと言われています。
初めは沢山出ないので最低10〜12回以上吸わせましょう。赤ちゃんが欲しがって泣いたらすぐやる...のでは遅すぎます。もっと早く、赤ちゃんがもそもそ動いて「もしかしたらおっぱいかな」と思ったら迷わず吸わせましょう。そうすると、どの動きがおっぱいかというのも分かってきます。
最初は10回でも20回でもどんどん吸わせて下さい。赤ちゃんがいらないようだったらやめればいいことです。
そのためには母児同室が必要です。横にいればいつでも何回でもおっぱいをあげれます。赤ちゃんが新生児室にいては欲しがっているかどうかも分かりませんからね。


母乳は出るでしょうか?ミルクはどのように使い分けたらいいでしょうか? 

必ず母乳は出ます。
上の「母乳を増やすコツ」に従えば
97%が完全母乳栄養ができると言われています。
でも周囲のお母さんは母乳とミルクを併用している方が多いかも知れません。実際、日本では残念ながら完全母乳栄養の方は97%もいません。
理由は、育児をしていると不安になるからです。でも、不安になっても母乳は減るということではありません。不安になるとお母さんは「自分が悪い」というような気持ちになり、さらに「せめてミルクをやろう」となって、
ミルクをやってしまいます。ミルクを飲ませるとその分母乳を吸うのが減ります。吸うのが減ると、乳首の刺激が減って脳は母乳が必要なくなったと勘違いします。すると母乳を分泌させるホルモンが減り、母乳も減ってしまいます。そうすると更にミルクが増えて、刺激が減って、母乳が減って...と悪循環に陥り、母乳が早期に止まってしまいます
つまり、姑さんやママ友から「泣くのは母乳が足りないからじゃない」などと言われた時、
不安になってミルクを足すことで母乳不足になってしまうということです。
ではどうしたらいいか。簡単です。ミルクを足すのではなく、母乳の回数を増やして下さい。本当に母乳不足なら母乳が必ず増えます。
もともと動物は母乳だけで育児ができるようにできています。母乳で赤子を育てられないような動物では絶滅してしまいます。猿山の猿もアフリカの原住民の人たちもおっぱいを必死で飲ませています。だから母乳だけで子供が育つのです。
ある実験で、母乳だけで足りているのに一日一回ミルクを飲ませると母乳が止まってしまう確率が高いというのがあります。
母乳とミルクを使い分けたりせず。
母乳だけで育てましょう

 

工事中。 

工事中。




《予防接種に関して》

予防接種は危ないと聞いたのですが。 

各疾患の自然感染による合併症と予防接種の副作用との比較をよく見て下さい。どれも予防接種の副作用はゼロではありませんが、自然感染の合併症と比べるとはるかに安全だということが分かると思います。「予防接種で一人でも合併症で後遺症を残したりしてはいけないので予防接種はすべきでない」という 極端な意見 の人もありますが、多くの小児科医は予防接種をした方がいいと考えていますし、小児科医は自分の子供に接種しています。

よくもんだ方がいいのでしょうか? 

昔は「よくもんで下さい」と言われていましたね。
よくもんだ方が接種部位が赤くなったり、腫れたり、硬くなったりという局所反応が少ないと考えられていました。しかし、最近のデータでは、よくもんだ場合の局所反応は3.6%、もまない場合は3.0%、とむしろ
もまない方が 少し良いという結果がでています。これは、もんだ場合は細胞のダメージが強くなると考えられているからです。さらに、アレルギー反応が起きる場合はもむことで吸収が早くなり、ショックなどの強い反応がでる危険性が高くなるとも言われています。
私のクリニックでは全くもみません。

予防接種の後は入浴してもいいのですか? 

昔は「入浴禁止」でしたね。
これは何の根拠もありませんでした。入浴で病気が悪くなったり予防接種後に悪いことが起こるという誤解の元になっていました。
入浴は構いません。当日の運動部活動は避けた方がいいかも知れませんが、日常生活程度の運動はかまいません。

 

鼻水と咳がありますが接種できますか? 

「今日、鼻水や咳が出てきた」のなら、これから熱がでる可能性もありますのでやめた方がいいかもしれません。
しかし、「数日前に咳が出て、まだ、だらだらと続いている」というのでしたら接種は可能です。というのは、 ワクチンで風邪の経過をひどくすることはほとんどないと言われているからです。
予防接種時の死亡例や重症例の多くは、たまたま同じタイミングで、例えばカゼから脳炎になったりしたものです。このような「紛れ込み」があると本当のワクチンの副作用かどうかわからなくなってしまいます。この「紛れ込み」を少なくするために発熱時やかぜのひき始めの接種はひかえた方がいいでしょうということです。
どんなに気をつけても、接種後にカゼをひくことがありますね。その場合でもひどくなる事はほとんどないわけですから。
ただ、とっても心配ならもちろん延期しましょう。

「おたふくかぜ」と「水ぼうそう」は有料ですが、接種した方がいいですか? 

おたふくかぜに罹った時、最大の合併症は耳が聞こえなくなることです。治療法はなく、ワクチンで予防することしかありません(詳しくは自然感染とワクチンの比較を参照)。従って、おたふくかぜでは ワクチン接種をお勧めします。
ウイルスには特効薬はほとんどありませんが、 水ぼうそうウイルスに対しては例外的に有効な薬があります。しかし、運動会や入学式など休みたくない時にも罹ってしまうと出席できません。その時に後悔しても...

ワクチンの免疫は一生続きますか?    

ほとんどのワクチンは接種すると90%以上の高い確率で免疫ができます。免疫は段々落ちてきますが、途中でウイルスが体に入ってくると感染はせずに免疫が強化されます。 これをブースター効果といいます。受験勉強でも、憶えた知識は時間が経つと忘れてくるが、復習すると知識として定着するのと同じです。
従って、DPT(三種混合)や日本脳炎では1期ワクチンが終わった一年後に追加接種があるのはそういう理由です。
麻疹や風疹は定期接種のおかげで流行が少なくなってきましたので、こうしたブースター効果が期待できず免疫が低下しやすく、中学生過ぎてからかかる人がでてきます。平成18年から他の国々と同じように日本でもやっと2回接種になりそうです。(→麻疹風疹混合ワクチン参照)
おたふくかぜや水ぼうそうは現在でも日本では常に流行していますので、ワクチンの後にウイルスと接触した時に免疫が復活するため効果は一生持続します。しかし、これからワクチン接種率が上がりワクチン後に接触する機会が減るとワクチン後にかかる人が増えてくる可能性があります。

私は昭和50年生まれですが、ポリオをした方がいいでしょうか?    

昭和50〜52年に生まれた方はポリオの抗体保有率が低く(37-63%しか抗体がなく、他の年に生まれた人は92-98%)なっています。つまり、ポリオの免疫がついていない可能性が高いということです。
ポリオを飲んだ赤ちゃんの便からポリオウイルスが排泄されます。感染しても普通は病原性のないウイルスなのですが、突然変異を起こして
300-400万人に1人の確率で感染した人が麻痺をおこすことがあります。
ですから、昭和50〜52年に生まれた方は 、赤ちゃんと同じ時にポリオを飲んだ方がいいということになります。希望すれば抗体があるかどうかも検査できます。ただし、ワクチンと検査ともに有料です。料金は接種する病院にお問い合わせ下さい。

おたふくワクチンをすると微量の感染があると思うのですが子供が接種しておむつの処理などの時に親にうつったりする事はあるのでしょうか?他のワクチンはどうでしょうか。 

生ワクチンはウイルスが生きていて、接種することでウイルスに感染して免疫ができるものです。接種者に症状が出ないようにウイルスの毒性が弱められています。しかし、稀には熱などの症状がでることもあります。 でも、ワクチンを接種した周囲の人が感染して症状が出ることはまずありません。 ですから、 おたふくワクチンを接種した周囲の人がかかってしまうことはありません。麻疹、風疹、BCGなどの生ワクチンも同様です 。ポリオだけは例外で、300万〜400万接種に一回くらいの割合で周囲の人でワクチンをしていない人がポリオになることがあります。
三種混合、日本脳炎ワクチンなどの不活化ワクチンではウイルスは生きていないので、感染は絶対にしません。
 

母親ですが、おたふくかぜに罹ったこともないようですし、ワクチンもしていないようです。はっきりしないのですが、確認する方法はありますか。 他の病気はどうでしょうか。 

病気にかかるか、ワクチンをするかしないと免疫は絶対できません。しかし、症状が出ないで知らないうちにかかっていたという不顕性感染というのもあります。これでも免疫はできます。この可能性もありますね。
免疫はおたふく(ムンプス)
ウイルスの抗体価を採血して調べるとわかります。はっきりしないなら、検査をせずにワクチンをする方法もあります
かかりつけ小児科でご相談下さい。麻疹、風疹、水痘なども同様です。
 

BCGは0か月から接種できますか?  

制度上BCGの接種対象は2か月〜12か月未満ということになっています。しかし、もし子どもさんに重症の免疫異常があるとBCGで接種した菌が急激に増えて重症の結核になる可能性が否定できないので、「5か月以降を推奨」ということになっています。重症の免疫異常があれば普通は3か月までには何らかの重症感染症を起こしてしまうから、それまでそのようなことがなければ、BCG接種によって危険なことになるほどの重症の免疫異常は可能性が極めて低いと考えられるということです。
現時点で5か月以前にできるワクチンは、2か月からヒブワクチンと肺炎球菌ワクチン、32か月から4種混合があるので、そちらを先に接種することをお勧めします。
 

 

 

《病気・看病に関して》

どういう時が重症でしょうか? 

例えば、熱があっても 走り回っている子がいます。これは重症ではないでしょうね。
では、肺炎は重症でしょうか?医師は肺炎でも元気ならば外来で治療します。扁桃炎でも、ぐったりと元気がなければ入院で治療します。たとえ肺炎と診断されても、診断名にビビる必要はありません。元気ならば重症ではありません。
入院治療、外来治療を決めるのは、「全身状態」です。聴診器で決めるのではなく、診察室に入ってこられた時の印象が一番の決め手と言ってもいいでしょう。これならば、お母さんの方がいつも見ているので私よりもよく分かるかも知れませんね。

どういう時が緊急でしょうか? 

「明日の朝まで待てない」と思った時や、「明日の朝まで待っていいかどうか分からない」時とお考え下さい。このような時は遠慮なく時間外でも電話をしてください。
病態からお話すると、呼吸や循環が悪くなった時には生命の危険があると考えられますが、この表現では一般の方には分かりにくいようです。
「顔つきが普通でない」「周囲のオモチャなどに全く目線もやらない」など、
顔つき余裕の有無で判断してください。これならば、いつも見ているご両親ならば判断できるのではないでしょうか。
はっきり分からない場合も当然あるでしょう。わからないまま病状が悪化しては困りますので、この場合も緊急と考えていいでしょう。つまり、親御さんによって緊急度は違っていいのです。

熱のために肺炎になると聞いたのですが。 

熱で、肺炎や脳炎になることはありません。41度までの発熱ならば、うわごとを言ったり、熱性けいれんが起きたりすることはありますが、脳に障害が起きることはありません。
肺炎や脳炎になるのは、細菌やウイルスの炎症が肺まで広がってなるのです。熱は、感染の結果であって、
肺炎などの原因にはなりません。しかし、カゼから肺炎になったかどうかなど、病気の勢いのいい目安にはなりますので、しっかり記録をしておいて下さい。受付、待合にグラフを置いています。

 

解熱剤の使い方がわかりません。 

上の答えにあるように、熱で悪くなることは基本的にはありません。また、解熱剤では病気を軽くすることはできないので、元気があれば解熱剤を使う理由がありません。使わない方がいいでしょう。
ただ、高熱の時には、頭が痛い・食欲がない・水分も飲めない、などの困ることがでてきます。このために脱水になったりすると病状を悪くすることもあります。そうならないようにするのが、解熱剤です。つまり、
きつい時に使うのがいいでしょう。
「体温が何度あれば使う」というのはやめて、 「顔つき」「余裕のありなし」などで決めて下さい。テレビやオモチャをみる余裕があるかどうかなどをよく観察して下さい。

 

熱がある時、暖めるのと冷やすのではどちらが本当ですか?

日本では熱があると暖める傾向がありますね。しかし、暖めれば熱はたまって、上がっていきます。これはお湯でも人間の体でも同じです。こどもさんが暑がるようなら冷やしてやりましょう。 逆に、熱の上がりがけに寒がることもあります。この時は暖めてあげましょう。本人の一番楽な環境が一番いいのです。暖めすぎは41℃をはるかに超えるような熱中症の原因にもなりますので気をつけましょう。
クーラーをつけてもいいかどうかもよく聞かれます。これも同様に考えてください。 暑くて体力をなくしそうなら入れた方がいいし、クーラーの風が冷たくてかえって疲れそうならやめましょう。

 

 

下痢のとき、食事はどうしたらいいでしょうか。

下痢の時は、粘膜がはげ落ちたようになってしまいます。そこに食べた物が通ると粘膜の傷口を痛めつけるようになってしまいます。粘膜を保護するためにはあまり食べないのがいいのです。でも、水分と塩分は便から失われますので、脱水にならないようにしっかり取らせて下さい。一週間くらいは栄養は取らなくても、水分塩分だけでもほとんど問題ありません。お腹がすいてしまいますので、便よりも軟らかい物を少量だけにしましょう。油もの乳製品消化が悪いので、炭水化物中心にしましょう。
下痢の時には食欲がない場合が多いのですが、これは粘膜を守る防衛本能で食べないようになっているのです。無理して、食べさせないようにしましょう。

 

下痢の水分補給は、アルカリイオン飲料でよいですか?

取りあえずは、それでいいでしょう。しかし、全く他の物を飲まなかったり、下痢が長くなるようなら薬局に売っているアクアライトなどがいいようです。これはほとんど点滴の成分と同じ(Na 30mEq/L, K20mEq/L)です。
下痢は、Na 40-70mEq/L, K30-50mEq/L 失われます。アルカリイオン飲料では、Na 10-20mEq/L, K3-5mEq/L 、麦茶などでは両方ともほぼ0 mEq/L で全く不足してしまします。さらに、味をよくするために糖分が60-100g/Lとほぼ倍入っていて、下痢をひどくしてしまう可能性もあります。
アルカリイオン飲料は、「完璧ではないが、飲まないよりも遥かに良いので取りあえずはいいが注意が必要」ということになります。

 

細菌とウイルスは、どう違いますか?

まず、大きさが全く違います。細菌は普通の顕微鏡で見えますが、ウイルスはまったく見えないほど小さいのです。膜や内部の構造も全く違います。
抗生剤は細菌用の薬です。ウイルスには全く効果がありません。以前の調査で、ウイルスにも抗生剤が効くと思っている日本人が80%もいるというデータがありましたが、ほとんどの人が間違っています。
また、ウイルスの薬はほとんどありません。ヘルペス系ウイルス(水痘など)とインフルエンザウイルスには最近薬が開発されましたが、他の大多数のウイルス性の感染症には治療薬がありません。体の免疫で治るのを待つしかないのです。従って治療は、熱があったら解熱剤、咳があれば咳止めというような対症療法となります。


 

入浴してもいいでしょうか?(熱、咳、鼻水、下痢)

発熱した時はお風呂には入れない。と昔からいいますね。
これはどうしてでしょうか。昔は家にお風呂がなくて、銭湯に行って寒いところを帰ってくる間に体が冷え過ぎて風邪をひいたりしていたからです。
しかし、今ではほとんどの家庭に風呂があり、入浴後も冷え過ぎたりすることはありません。従って、
病気を悪くすることはないと考えられています。
私のクリニックに来られたアメリカ人のお父さんは、熱がある時に熱を下げるために水風呂に入れると言っていました。 イギリス等ヨーロッパ、ブラジルやキューバなども同様にするそうです。
つまり、入浴は病気を悪くしないので、咳や鼻水があっても、下痢があっても、熱があっても入浴しても構いません。
ただし、余分な体力は使いますので、かなりつらそうな時はやめた方がいいかもしれません。


 

頭を打ったのですが。

小さい頃は、ほとんど必ず頭を打ちますよね。
頭蓋骨はかなり頑丈にできていますので、大概はたいしたことになりません。
しかし、皮膚を切ったり、皮膚の下に出血したり、頭蓋骨にヒビが入ったり、頭蓋骨の内側に出血(頭蓋内出血、脳内出血)したり、することもあります。
頭の中に出血して、その出血が大きいために脳を圧迫すると、「頭がすごく痛くて何回も吐いたり、麻痺を起こしたり、けいれんをおこしたり、意識がなくなって行ったりすると手術が必要なこともあります。
でも、手術自体が痛いし、出血するし、危険なこともありますので、それに見合うメリットがないとしません。つまり、何も症状がなければ手術で得られるメリットはないので手術はしないで、頭蓋骨のヒビがつながったり、脳内出血が吸収されるのを待った方が安全ということになります。
従って、
頻回の嘔吐意識の低下麻痺けいれんなどがないかどうか観察しておいて下さい。

 

発熱後の登園、登校について 

熱があったらお休みしますが、一晩(12時間)熱が下がったからと直ぐに行くのは早すぎます。「24時間以上 」熱がない状態が続いて元気なら行ってもいいでしょう。
熱は一気に下がってしまうことよりも、だんだん熱の下がっている時間が長くなって解熱することが多いので、「半日熱がないので保育園に行ったら午後から熱が出た」ということがよくあります。
咳や鼻水があっても、解熱後24時間たって元気ならば行っていいでしょう。
多くの感染症は24時間熱がないとその後上がらないのですが、インフルエンザの場合は2日経ってから再び熱発することが多いので解熱後2日は自宅で様子を見ていてください。(インフルエンザは解熱後48時間ですよ!)
 


うつる風邪?うつらない風邪? 

うつる風邪とうつらない風邪
外来で「この風邪はうつる風邪ですか?」としばしば質問されます。
「寝冷え」や「プールで冷えてひいた風邪」なのでうつらないかも知れないと思っての質問でしょう。
冷えただけでは風邪はひきません。冷えたのをきっかけにウイルスなどが増殖してかかったのが寝冷えで す。つまり、寝冷えもうつります。
風邪は基本的には
全て「うつる」とお考え下さい。
かと言って、咳や鼻水くらいなら保育園や学校を休む必要はありません。熱があったり、ぐったりしているようなら休みましょう。

市販のかぜ薬と病院の薬との違いは? 

市販のかぜ薬は、いわゆる総合感冒薬です。その特徴は、
1)
喘息気管支炎などの咳の場合、市販の風邪薬を飲むとかえって悪化させる可能性もあるのでご注意ください。
2)総合感冒薬とは、一般的な風邪の症状すべてに効くように薬が入ってます。ですから、お子さんにない症状に対する薬(=
必要の無いくすり)が入っている可能性があります。特に、解熱剤が入っている総合感冒薬が多いので注意が必要です。
3)医師の処方した薬に比べると少なめに設定されているので、効き目が弱い。
4)咳止めや鼻水の薬などの風邪症状を和らげる(対症療法の)薬です。抗生剤などと違って、病原菌を退治する効果はありません。
ですから、薬局の風邪薬は軽い風邪のときに取り合えず使用するのは悪くないのですが、症状の重い時や、症状が軽くても2〜3日たっても改善傾向がない場合は病院を受診することをお勧めします。
 


 

生後2か月の子はカゼをひかないと聞いたのですが。 

お母さんから胎盤を通じて免疫をもらっているので、母の8割程度の免疫があると言われています。その免疫は徐々に減少してきて、半年位するとなくなってしまいます。
1歳位のこどもに比べると生後3か月までの子は免疫が残っているのでカゼをひきにくいのは確かです。ですから、この時期に熱が出るようならカゼ以外の病気がないかどうかを確認する必要がありますので、小児科に必ず受診して下さい。しかし、
母親以上の免疫はないのでカゼをひくこともあります。

 

カゼをひきやすいので心配です。 

ウイルスに対する免疫は、母親からもらった免疫が6ヶ月位までにはなくなってしまいます。その後、こどもが感染したウイルスに対する免疫(抗体)だけがついていきます。年齢が上がったり、体が大きくなり筋肉がついてもウイルスに感染しなければ免疫はできません。ウイルスに初めて出会ったときには感染し、症状があらわれるのは当然のことです。また、カゼのウイルスは数百〜千とあります。ひとつひとつ感染しながら免疫をつけて行っているということです。将来、丈夫な体になるために必要なことだと考えて下さい。
保育園や幼稚園に通うようになると、ウイルスをもらう機会が増えるので毎週のように熱を出すこどもが多いようです。免疫不全などがあれば、感染が
重症化して入院することが多かったり、回復に時間がかかったりします。回数が多くても普通に回復できていれば、ほとんどの場合原因となる基礎疾患はないようです。
3歳を過ぎるとカゼをひく回数が減ってきますし、6歳を過ぎると激減します。しかし、
集団生活にデビューする時期によって、カゼのウイルスの試練を受ける年齢も異なってきます。例外的には慢性的な病気を持っている場合もありますので一度かかりつけの小児科でご相談下さい。


 

坐薬は強いのでしょうか? 

外来でよくされる質問です。いくつかの意味があると思います。
1」坐薬の解熱剤の方が飲み薬の解熱剤よりも強いのでしょうか? ・・・という意味の質問に対する答え
小児に使える解熱剤は(一般名)アセトアミノフェンという薬です。それを飲めない人用に作られたのが坐薬(商品名;アンヒバ坐薬)です。坐薬が苦手で、粉を飲む方がよければ粉薬(商品名;カロナール細粒)を処方します。錠剤が好みならば、錠剤(商品名;カロナール錠)となります。つまり、
入っている薬は同じ処方量も同じなのでどれが強いということはありません。
しいて言えば、多少坐薬の吸収がやや早い程度です。
2」坐薬は副作用が強いのでしょうか? ・・・という意味の質問に対する答え
上記の薬は小児には比較的安全に使用することができます。副作用はあまりありませんが、全くないとは言えないので正しい使用法を守ってください。
  使用方法などについては → 「坐薬の使い方がわかりません」 を参照


 

「食べていないので点滴して下さい」「カゼが長引いているので点滴してください」 

大人が「一本点滴して仕事を続けた」とか「何も食べていないので点滴をしてもらった」と話しているのを聞いたりすることがありますね。
1」栄養に関して
水分も取れないほどの状態なら脱水状態を改善するので大きな効果があります。ところで点滴の内容は何かご存知でしょうか。水と塩分と糖分です。
糖分スポーツ飲料の半分塩分はスポーツ飲料の3-4倍程度です。つまり、たいした栄養はないことになります。これに多少糖分を加えたり、ビタミンを加えたりして点滴されたのでしょうが、それでも栄養面で大した効果があるとは思えません。気分の問題でしょう。
2」カゼの治療について
点滴に治療薬を入れるとすれば抗生剤でしょうか。カゼの大多数(80-90%以上)はウイルス感染です。細菌感染の場合は有効ですが、ウイルスには抗生剤は全く効果がありません。こどもの場合も同様ですので、カゼが長引いたり、かなりつらそうなら検査をして細菌感染と確認できたら点滴で抗生剤を入れる治療をします。ウイルス感染の場合は、点滴をしても効果がなく痛いだけです。
点滴に関しては、魔法の薬のように思っている方がありますが、効果などをよく理解して下さい。
 


小さいときにおたふく風邪にかかったのに、軽すぎて高校生でまたかかったという人がいます。 

おたふくに二度かかりはありません。二回かかったうちのどちらか、または両方がおたふくではなかったのでしょう。耳の下に耳下腺という唾液をつくるものがあって、それが腫れる代表的な病気がおたふくかぜです。「代表的」ということは他にも原因になる病気があるということです。耳下腺がはれてもおたふくでないことが多いのです。何回も耳下腺が腫れる反復性耳下腺炎などもあります。見ただけでは確定診断はできません。抗体検査をするとはっきりします。抗体があがっていればおたふくと確定できますし、その後かかることはありません。

 

カゼは空気感染ですか? 

ちょっと意外ですが、風邪の多くは空気(飛沫)感染ではありません。つまり、風邪をひいている人の咳やクシャミで空中に飛び散ったウイルスで伝染するのではないのです。風邪をひいている人と同じ部屋の中で一緒に過ごすだけではほとんど風邪はうつらないのですが、一緒にトランプをするとずっと高い確率でうつるなどの実験があります。普通の風邪は、接触感染が主たる感染経路と考えられています。風邪をひいている人が無意識に鼻を触るとウイルスが手に付着します。その手で触ったものから他の人の手にウイルスが付着し、その手で鼻や目をさわると粘膜からウイルスが感染し、4〜5日で発病します。
普通の風邪は、空気感染をするインフルエンザほどの伝染力はありません。従って、普通の風邪の予防方法としては、うがいよりも
手洗いの方がより効果が高いのです。
 

インフルエンザの治療開始は48時間以内でないといけない? 

インフルエンザはのどや鼻の粘膜で増えて、その後全身に広がっていきます。全身に広がるのを防ぐのがインフルエンザの薬です。細胞の中に入ったウイルスをやっつける作用はありません。全身に広がった後、すなわち細胞の中にウイルスが入ってしまった後では薬が全く効きません。ですから全身にウイルスが広がる前の48時間以内に治療を開始する必要があります。


 

こどもは何度からが発熱でしょうか? 

NHKのためしてガッテンで、おとな300人の体温を測定していました。その結果、おとなの平均はおよそ37℃(36.9℃)でした。半分の人は37〜37.5℃でした。多くの人は37℃を超えると発熱と思っているようですが、おとなでも37.5℃までは発熱とは言えないという結果だったということです。
子供はおとなよりも更に少し体温が高めです。こどもの場合、
37.5℃までは平熱、37.5℃を時々超えるものは要注意、37.5℃持続的に超えるものを微熱38℃を超えるものを発熱と考えるといいでしょう。
ですから、予防注射も37.5℃までは接種可能となっています。
 


二度の熱性けいれんが10分以上続いた重積でしたが、脳波で異常ないのですが、普通の熱性けいれんでいいのでしょうか? 

熱性けいれんには単純型と複合型があります。単純型は、てんかんの家族歴がない、発症が6か月〜6歳、発作持続時間が最高20分以内、左右対称 のけいれん、発作後意識障害や麻痺がない、知能などの発達障害がない、短時間に頻発しない、ものを言います。複合型はそれ以外のものです。脳波異常の有無は 熱性けいれんとてんかんとの判別や、単純型と複合型との判定の基準には入っていません。 両方の型とも「てんかん」に進むことは多くはないのですが、複合型の方がわずかに頻度は高いと言われています。また、単純型が一回あっただけでは発熱時にけいれん予防の坐薬を使いませんが、複合型では予防投与する場合が多いようです。
相談のケースでは重積状態になっているので、単純型ではなくて複合型となりそうです。 今後、他の症状が出たり、熱がない時にもけいれんが起こるようになれば、熱性けいれん以外の疾患を考えなければいけませんので受診が必要でしょう。

鼻水が続くのですが、治療を続けないといけませんか? 

当院のデータでは鼻水が一週間以上続く子の85%にアレルギー性鼻炎があります。 だからといって、すべて治療が必要ということではありません。 大人のアレルギー性鼻炎では花粉やダニなどに対するアレルギーが多いのですが、乳幼児ではほとんどありません。
もともと、咳や鼻水は細菌やウイルスを吹き飛ばしたり、洗い流したりする免疫反応です。乳幼児ではよくカゼをひくので体はその準備をしています。ですから、乳幼児のアレルギー性鼻炎は、言わば「カゼに対する準備をしている反応」とか「カゼに対するアレルギー」というような意味合いです。
このように鼻水が続くのは、3歳を過ぎると、1/3に減ります。6歳を過ぎると1/10に激減します。つまり、年齢が上がるにつれて良くなっていきます。そう心配するような病気ではありません。
こどもが困るほど鼻水が出ていれば、鼻水の薬や抗アレルギー剤を処方します。
困っていない程度なら、必ずしも薬は必要ないでしょう。 昔から、「鼻たれ小僧」という言葉がありますね。子どもは鼻がたれているのが普通だという意味も含まれていました。
 


おしっこが近いのですが、病気でしょうか? 

膀胱炎などの尿路感染症がないかどうか、検尿をする必要があります。検尿で白血球が増えていれば尿路感染症ということになります。
増えていなければ可能性は低くなります。夜はおねしょもしないが、昼だけおしっこが近いというケースが多いようです。このような例は病気はないことが多いようです。いわゆる、
心因性頻尿ということになります。何か原因で思いつくようなものがあれば対応策を講じることもできますが、特別にないようならそっと見守ってあげて下さい。そのうちによくなってきます。

 

暑くて出た熱と感染の熱はどのように区別したらいいでしょうか。 

気温が高くて高熱がでることはほとんどないと考えてもいいでしょう。
気温が高くて少し体温が上がることもありますが、せいぜい37度後半までです。38度を超えたものは、
ほとんどウイルスか細菌の感染があります。ただ、気温が高い上に水分をとらないで脱水症になれば、38-39度の高熱が出る熱射病を引きおこすこともあります。しかし、脱水を改善させて体を冷やせば体温は速やかに下がります。また、一旦下がった体温が再び上がったり、夜になって発熱するものは熱射病ではありません。 咳などがあればもちろん感染がありますよね。
 

オムツがややオレンジ色っぽく赤くなりました。 

おそらく尿に排出された尿酸でしょう。
尿には
体で要らなくなったものが捨てられます。肉などに含まれているものが、尿酸となって捨てられます。 これが捨てられなくて体に貯まると痛風という病気になります。尿酸の小さな結晶は若干オレンジ色をしています。つまり、尿に出て当たり前のものが捨てられているので病気ではありません。
ただ、本当に尿酸かどうかを確認するため一度かかりつけの小児科に受診した方がいいでしょう。

でべそなんですが、大丈夫でしょうか? 

おへその周りの筋肉がまだ弱いので、腸が皮膚の下にもりあがってくるのです。正式には「臍ヘルニア」と言います。
絆創膏を貼る治療法もありますので、ご希望の時は小児科を受診して下さい。ただ、ほとんどは1歳までには自然に治ります。なにもする必要はないのですが、絆創膏を貼ると早くよくなる症例があるのも確かです。治療するかどうかは、相談して決めましょう。
 

咳をしているのですが、時々苦しそうに1-2回呼吸をすることがあります。 

よくある質問です。本当に苦しいのかどうか表情や顔色などをよく見て下さい。ほとんどの場合、単にため息のような大きな呼吸をしただけのことが多いようです。
例えばマラソンなど走った後は、苦しくてしばらく息が荒くなりますが、「1-2回苦しそうに呼吸をしたらよくなる」というようなことはありません。喘息などで呼吸ができなくて苦しいこともありますが、1-2回の呼吸で苦しいのがなくなることはないのです。病的な呼吸困難や体がきつくて呼吸が早いことは普通しばらく続きます。顔の表情などもあわせて判断しましょう。
わからない時は受診した方がいいでしょうね。

 

頭を痛がりますが、熱がありません。痛み止めはどうしたらいいでしょうか。 

解熱作用がない鎮痛剤というのはありません。痛み止めはすべて解熱鎮痛剤です。女性が使う生理痛の薬も解熱鎮痛剤です。生理痛の時に、「熱がないから、痛み止めは使えない」とは言いませんね。熱がなくても、痛み止めとして解熱鎮痛剤は使ってもいいのです。
 

インフルエンザの薬ですぐに熱が下がりますか。 

インフルエンザの薬(タミフル)の添付文書には、インフルエンザでは薬を使用しない時137.0時間でなおるが、薬を使うと101.3時間になると書いています。つまり、約5日かかっていたものを約4日に短縮するということになります。従って、薬ですぐに治るほどの効果は期待しない方がいいかもしれませんね。今でも、水分補給などの対策が一番大切なのには変わりがありません。

良性腫瘍(石灰化上皮腫)ができましたが、手術は必要でしょうか。 

石灰化上皮腫は皮膚の下にできる良性の腫瘍です。良性の腫瘍では以下の理由で手術を行うことがあります。1」腫瘍による周囲の圧迫などで痛みや機能不全などの悪影響が出た時、2」見かけが悪くて気になる時。腫瘍があっても、取るメリットがなければそのままです。つまり、お子さんの腫瘍が手術をしてまで取りたいかどうかで決めるということになります。
 

手術をすすめられたのですが、こどもの全身麻酔はリスクが高いでしょうか。 

こどもはじっとしている事が難しいため、ほとんどの手術で全身麻酔になります。特別に問題がある児を除いてほとんど安全にできます。体重が1000gに満たない未熟児でも全身麻酔をするくらいですから、大人よりもわずかにリスクがあるかもしれませんが、こどものリスクが特別に高いとは思いません。しかし、青信号で歩道を歩いていても交通事故にあうこともあるのと同じで、 麻酔でアレルギー反応や悪性高熱や横紋筋融解症など 予期しないことが起こってしまう可能性は低いけれどもゼロとは言えません。従って、「手術のメリット」と「麻酔や手術のリスク」とを天秤にかけて、メリットが大きい場合は手術を選択するということになりますね。

 

風邪はお風呂のお湯でうつりますか。 鼻水がでているのですが。 

確かに、風邪ウイルスの入った鼻水などが指について、それが粘膜から侵入してくると風邪がうつります。お風呂のお湯ではうつらないと考えて良い のですが、一緒に生活していればお風呂以外で鼻水などのウイルスから感染する確率が高くなります。また、お風呂で風邪が悪化することはないので入浴しても構いませんが、余分な体力を多少消耗するのは事実ですから、とてもつらい時は控える方が無難です。
 

インフルエンザが流行していますが、熱が出たら夜でもすぐ病院に行った方がいいでしょうか。 

インフルエンザの検査は高い熱が出てから最低6時間できれば半日くらい経たないと反応がでません。あわてて病院に行ってもあまり意味がないので、きつい思いをさせてまで病院に行くよりも、全身状態が悪くなければ 、とりあえず解熱剤を使って夜が明けてからの方がいいかもしれません。

 

どのような熱にでも解熱剤は使用しても良いのでしょうか? 

解熱剤は高い熱 でつらいのを楽にするための薬です。解熱剤によっては特定の疾患には使えないものもあり、例えばインフルエンザの時にはボルタレンやポンタールという解熱剤 は使わない方がいいようです。しかし、ほとんどの場合小児科では一番安全なアセトアミノフェン(商品名アンヒバ坐薬やカロナール細粒かその同等品)が 処方されます。アセトアミノフェンであれば、使ってはいけない病気はありません。インフルエンザの時でも使えますし、他の病気の解熱剤としてまた鎮痛剤としても使えます。夜間や休日の発熱や痛み(耳など)があれば、とりあえず使って様子をみてもいいかもしれません。

インフルエンザの薬(タミフル)の副作用は? 

タミフルを服用した中学生が高いところから飛び降りたということは事実のようですが、インフルエンザに罹ったがタミフルを服用していないにもかかわらず飛び降りた児もいるようで。まだ、因果関係ははっきりしていないようです。
厚生労働省のHPに副作用についての記載は以下の通りです。
「副作用は、85例(27.5%)に認められた。主な副作用は、腹痛21件(6.8%)、下痢17件(5.5%)、嘔気12件(3.9%)等であった。(承認時)ドライシロップ剤(1〜12歳の幼小児)の承認時までの調査70例において、副作用は35例(50.0%)に認められた。主な副作用は、嘔吐17件(24.3%)、下痢14件(20.0%)等であった。ショック、アナフィラキシー様症状 、肺炎、肝炎、皮膚粘膜眼症候群、急性腎不全、白血球減少、血小板減少、出血性大腸炎、発疹、蕁麻疹、口唇炎・口内炎(潰瘍性を含む)、血便、腹痛(6.8%)、下痢(5.5%)、嘔気(3.9%)、嘔吐、興奮、振戦、しびれ、頭痛、傾眠、不眠症、めまい、不整脈(上室性頻脈、心室性期外収縮)、眼の異常(視野障害、霧視、複視、眼痛等)」
この内容を読むと副作用が多いような印象を持つ方が多いと思いますが、上記の内容はほとんどの薬に同様のことが書いてあり、特に副作用が多いということではありませんが、大丈夫とも言えないようです。

 

2009年9月にインフルエンザ にかかったら新型インフルエンザのワクチンは打たなくていいですか?  

この頃のインフルエンザは99%が新型インフルエンザだったようです。ただし、検査で陽性に出ても100%インフルエンザとは言えません。95%くらいの確率です。
新型インフルエンザにかかると免疫ができますので、新型インフルエンザの二度がかりはほとんどありません。
つまり、0.99x0.95=0.94となるので94%の確率でワクチンは必要ないことになります。 ただし他のインフルエンザにはかかる可能性はあるので、やはり他のタイプのインフルエンザを防ぐためには接種した方がいいでしょう。

新型インフルエンザの予防接種の効果はどのくらい続きますか?流行が続いていた場合、再接種が必要なのでしょうか?  

新型インフルエンザ・ワクチンの効果は5か月くらいと厚労省が発表しています。それ以降は免疫が低下してきます。
免疫を持続させるためには再接種が必要です。ただし、 その頃にはワクチンがなくなっている可能性が高いと考えられます。また、新型インフルエンザという病気は決してなくなりません。なので、数か月うちにかかならなけば、3年以内、5年以内、10年以内...いつかはほぼ必ず感染します。どんなにワクチンを打ってもいつかはかかってしまうと思っていた方がいいでしょう。(ただし、不顕性感染といって症状がないまま終わることも結構あります)

虫さされの痕が大きく膨らみ水ぶくれになりやすいのですがどうしてですか?塗り薬でなおりますか?  

同じ虫に刺されても大きく膨らむ人や水ぶくれまでできる人がいます。はっきりした機序は分かりませんが、体質の違いが関係していると考えられます。
残念ながら体質を変えることはできませんので、大きく膨らまないようにはできません。
ステロイド軟膏などを処方しますが、塗ってもあまり変わらないことも多いようです。基本的には虫さされは薬がなくても良くなってきます。問題は、かゆみのために掻く→ばい菌を押し込む→化膿する→とびひになる、ということでしょう。とびひになったらその治療をしましょう。
ただ、年齢が上がると膨らみが軽くなってくることが多いようです。

 

 

 

 


《育児に関して》

離乳食の開始時期は? 

一応の目安は6ヶ月ですがそれにこだわらず、赤ちゃんが食べる気になった時に開始しましょう。
お父さんお母さんが食べているのを見ていて、手を出したり、よだれをたらしたりした時がそのタイミングです。遅くてもほとんどの場合、問題はありません。お子さんに合わせて進めてください。

 

抱きぐせがつかないようにするにはどうしたらいいですか。 

育児でもっとも大切なことは、「ふれあい」です。
よく「抱きぐせがつかないように、あまり抱っこせず寝かせておいた方がいいよ」とか言われますが、完全に間違いです。
赤ちゃんは
身に着けるように抱っこしたり、おんぶしたりしましょう。赤ちゃんが抱っこして欲しいと思った時にすぐ抱っこして、赤ちゃんに信頼されることが大事です。赤ちゃんは「いつでも抱っこして欲しい時に抱っこしてくれる」という母への信頼感があると泣かない子になり、逆に、不安があると泣きます。抱っこが足りないと、抱きぐせがついてしまうことが多いのです。
スキンシップを大切にして下さい。

スキンシップが大切なのは何となくわかりますが、どうしてでしょうか? 

「抱っこ」のところでも赤ちゃんに信頼されるためとお話しましたが、赤ちゃんを理解するという点でも大切です。
いつも抱っこしていると、なぜ泣いたのかわかるようになります。目の動きも見やすいので、オモチャを気に入っていてとって欲しいなどということが自然にわかるようになります。そうすると、 赤ちゃんはお母さんに絶対的な信頼をしてくれるようになります。
発熱など病気の時にも、まず触れて顔をよく見て下さい。悪い病気かどうか直感的にわかるようになるはずです。医学的な知識はあまり必要ありません。どのくらい余裕があるか感じることの方が重要です。
こうして育てた子どもはいい子に育ち、犯罪者になるのも少ないといわれています。

 

断乳はいつしたらいいでしょうか? 

最近では断乳といわずに、卒乳というようになっています。赤ちゃんが母乳を必要としなくなった時に母乳を卒業するという意味です。
6歳まででも飲ませても良いと言われるようになってきました。本人に任せましょう。
ただ、お母さんが仕事などでどうしても止めないといけないこともあります。このような時は止めても結構です。一週間くらい泣かれることもありますね。

小児科は何歳まででしょうか? 

教科書的には、15歳までとなっています。しかし、県立病院で心臓病として診ていた方で20歳を過ぎても受診されるケースもあります。

 

歩行器はいつ頃から使っていいでしょうか? 

歩行器は危険です。使わないで下さい
理由 1」
事故が多い。乗ったままで転ぶと大けがをすることがあります。
2」歩行器で歩くのをおぼえると転んだ時に大けがをしやすい。歩けるようになる前、赤ちゃんは立ち上がろうとして転びます。段々うまくなって、歩けるようになります。この転ぶ時に、転び方・受身をおぼえます。ところが、歩行器ではこのステップがないので、
転び方をしらない子になり、ひどいケガをすることがあります。
3」むしろ
歩くのが遅れることもある。歩行器ではつま先でもあるけます。しかし、カカトをつかないと絶対に一人歩きはできません。つま先つま先で歩くのを覚えた子は、一人で歩くのが遅れることがあります。
以上の理由で、歩行器は使わないようにしましょう。(手で押してあるく「カタカタ」は構いません)

 

赤ちゃんの鼻づまりはどうしたらいいでしょうか? 

赤ちゃんは、熱も咳もないのに鼻をつまらせたり、寝苦しそうにすることがよくあります。赤ちゃんの鼻の穴は小さく、鼻の粘膜が敏感なので、ちょっとした刺激で 鼻づまりになります。
鼻水を吸ったり、鼻くそを取ったりして良くなることもありますが、改善しないことが多いようです。鼻づまりは多くの場合、鼻水が固まってつまるのではなく、鼻の
粘膜がむくんでつまるのです。だから、鼻を吸っても取れないことが多いのです。特に寝るとつまる傾向があります。大人では、立ち仕事をしていると足がむくむことがありますね。つまり、体の低い部分 ほどむくみが来やすいので、寝ていると鼻がつまりやすいということになります。
改善する方法、1」
たて抱きにする。上に書いたようにしてむくみが出るので、頭を高くすると良くなることがあります。2」母乳か塩水を鼻に2−3滴スポイドで入れる。塩分は水分を引っ張ってくる作用がありますので、鼻に入れるとむくみの水を取って、むくみが改善することがあります。 母乳は刺激が少ないので全く痛くありません。殺菌作用もありますので2-3滴たらしてみてください。
鼻がつまると哺乳しにくいので、長く頑張らない方がいいかも知れません。疲れたら授乳をやめて、早くお腹が空いたら次に飲ませるようにしましょう。

 

離乳食を少ししか食べてくれないのですが。 

成長に関して心配するお母さんが多いですね。
離乳食を食べる時期は、普通のご飯を食べるように
練習する時期です。最初はかまずにゴックン。次に舌でつぶして、さらに歯のない歯ぐきでつぶして、と少しづつ普通食に近いものを食べれるようになっていれば十分です。離乳食で栄養を摂ろうと思わなくて結構です。栄養の大部分は母乳かそれに代わる人工乳で摂っています。元気にしていればいいでしょう。
 

赤ちゃんの便が毎日でないのですが。 

生後1か月を過ぎると便の回数が減ってきます。便秘とは、便が硬いために出ない、出たら痛い、肛門が切れるものを言います。 便が硬くなく、体重が順調に増えていて、機嫌も良ければ便秘と考えなくて結構です。
軟らかい便がオムツに少しついていれば便秘ではありません。全く出ない時は、綿棒を肛門に入れて肛門を開くようにすると、便が出ることがあります。その便が軟らいようなら便秘ではありません。数日でない時はそうやって調べてみてもいいですね。 硬くて痛そうなら薬を処方します。

診察を怖がって激しく泣くのですが。 

自我がめばえてくると、人見知りが始まります。自分や親しい人以外を区別できるようになり、警戒するようになるからです。仕方ないですね。(#^.^#)
しかし、自分にとって害を加えない人だと理解できるようになると、泣かないで診察がスムーズにできるようになります。でも、子どもによってその時期はまちまちです。
病院が怖くないということを理解してもらうことが必要です。「病院ごっこ」をして泣かなくなった子もいます。ただし、注射のマネをして「病院が痛いことをする場所」というイメージは作らないで下さい。楽しく遊んでください。間違っても、「病院でチックンしてもらうよ」としつけに使ったり絶対にしないで下さい。病院が罰を与える怖い場所になってしまいます。
お母さんが「大丈夫よ」とこどもに言った時に、こどもが信頼して落ち着くような親子関係を作ることも重要ですね。

こどもの事故では、どのようなものが多いでしょうか? 

勤務医時代に経験したもので、入院したので多かったのは、ピーナッツ誤嚥、溺水。外来ではタバコ誤嚥でした。
ピーナッツはツルツルしているので気管に入りやすく、入ったら気管内の水分を吸って膨らんだり、壊れやすく小さくなって奥の方に入って大変厄介です。取るのには全身麻酔で手術室で行います。 脂肪を多く含むので肺炎など強い炎症を起こしますし、時には気管に詰まって突然死亡することもあります。
小学校入学までは絶対に食べさせない、家にも置かないようにしましょう。
死亡率が高いのは溺水です。圧倒的に多い場所は家の風呂です。ちょっと目を離したすきに風呂でおぼれる例がほとんどです。小さいお子さんのある家庭では、風呂場の入口に鍵をかけられるようにし、
風呂に水を貯めるのもやめましょう
はい回るようになるとタバコを食べてしまうことがあります。その他にも電池、ゴキブリだんご、灯油、小さいオモチャ、などを食べてしまうことがあります。家の中をcheckして下さい。
 

授乳中の母ですが、薬を飲んでいます。母乳を飲ませてもいいでしょうか? 

咳・鼻の薬、抗生剤、解熱剤、下痢止め、痛み止めなどほとんどの薬は影響がありません。母乳を中止しないといけないのは、抗がん剤や向精神薬、特殊なホルモン剤くらいです。自分の判断で母乳を止めたりせず、わからない場合は外来でご相談ください。

子供が自分の鼻の穴に、ごはん粒やごみ、石などを奥の方まで入れてしまうことがあります 

喉に物がつまるのと違い、つまった物が取れなくなっても口から呼吸はできるので、いきなり窒息することはほとんどありません。落ち着いて小児科や耳鼻科を受診して下さい。ピンセットなどで取り出すことになります。
やめさせるのは難しいのですが、 いつかは必ずやみます。やめさせる方法は決まったやり方はありません。なぜそのようなことをするのでしょうか。 ただの遊び、親の反応が面白いから、親の気を引くため...など、なぜしているかを考えて見て下さい。結論はでないかもしれませんが、お子さんを見つめることで理解 がすすみ、よりしっかりとした母子関係を築くことができるかもしれません。
 

母乳を1歳過ぎまで続けると虫歯になりますか? 

母乳だから虫歯になるということはありません
アルカリイオン飲料を常に持って歩いて頻繁に飲むような習慣のある子は虫歯になりやすいのですが、これは唾液が口の中を清潔に保つ暇がないからです。母乳もあまりに頻繁に飲ませると同様のことになる可能性はありますが、1歳を過ぎて母乳を飲ませていても頻繁に飲ませることはないので、虫歯になりやすいということもありません。WHOも卒乳は6歳でも構わないと言っています。

生後4ヶ月の子ですが歯ぐきに丸く白い真珠のようなものがあります。何でしょうか? 

生後数ヶ月の時に歯ぐきに白い粒のようなものができることがあります。真珠のように見えるので上皮真珠といいます。歯ぐきの皮が厚く変化しただけで、しばらくすると消えてしまいます。治療は必要ありません。
 

歯がはえてきたのですが、歯磨きはどうしたらいいでしょうか? 

歯医者さんに聞いたところ歯がはえたら歯磨きをした方がいいということでした。しかし、2才まではよっぽどのことがないと虫歯にはなりません。いきなり歯磨きをしっかりすると歯磨きが嫌いになることがあります。まずは口の中に入れるのをいやがらないように練習をするところから始めましょう。
最近、虫歯は感染症と言われています。多くの場合、お母さんの口の中の虫歯菌が赤ちゃんに移ってくると言われています。口移しに物はやらない方がいいでしょう。常にお菓子を食べるなどということはせず、規則正しい食習慣を身につけることも重要です。
 

両手を強く握りしめ、全身が震わせながら怒ったり、時より奇声を発する事があります。いわゆる「疳の虫」でしょうか? 

1〜3歳で自我ができてきて来ると、自分の意思がはっきりしてきます。しかし、この年齢ではまだ言葉で「自分はこうしたい」「お母さんの してくれることと自分の希望とは違う」などと十分表現する力がありません。そこで「両手を強く握りしめ、全身が震わせながら怒ったり、時より奇声を発する」という行動に出ます。それしか表現方法がないのです。
それを昔から「疳の虫」と言っています。これは病気ではありません。自我ができて来たということは
正常に発達している喜ばしいこととも言えます。従って、医学的には治療する方法もないし必要もありません。○○○丸などの薬は効果が ほとんど期待できないでしょう。お母さんのすることは、子どもさんを理解してあげることです。子どもの要求を理解できれば、対応方法も自ずと分かってきます。
ただ、子どもが「お菓子が欲しい」と泣きわめいていたら、必ず「お菓子をあげて下さい」ということではありません。「今はお菓子の時間ではない」「このお菓子は体によくない」などであればそう説明して方針を曲げず、大泣きしているのを放っておくことも大切です。このあたりの判断は教育に関わってきますので、よく考えて対応して下さい。
ちなみに、私は一応説明した上で単に抱っこしてあげるか、ひっくり返って泣いているのを無視して放っておくかが多かったようです。子どもはその時点で理由を理解できていないかもしれませんが、「ダメなものはダメ」ということがあるということ の理解はできたと思っています。

「どもり」が出てきたのですが。 

「どもり」は精神的な緊張や不安などで起きることがあります。しかし、原因のはっきりしないことが多く、原因となることを改善することで治してしまうことはできないことが多いようです。長く続く場合は言語療法士さんに紹介することもありますが、今までの症例では数か月経過を見ている間に良くなってしまったり、言語療法士さんに紹介した後そちらで治療開始前経過を見ている間に改善してしまった症例ばかりです。
しばらく自宅で経過を見ていてもいいですし、心配な場合はご相談下さい。言語療法士さんに紹介します。

 

「おしゃぶり」はどのようにしたらいいでしょうか? 

「おしゃぶり」はお勧めしません。
ほとんどの場合、機嫌の良い時におしゃぶりは使わないで、泣く時に吸わせているようです。でも、
赤ちゃんには泣く理由があります。お腹が空いた、オムツが濡れた、暑い、どこかが痛い、眠たい...など。本来その原因を解決してあげるべきで、泣かないように口を塞ぐべきではないのです。
子供の側からするとおしゃぶりでごまかされたようなことですし、無理やり泣きにくくされてしまったということです。
良い
親子関係というのは「親が子供を理解し、子供が親を信頼すること」です。しゃぶりを口に突っ込むだけで、子供の要求に答えず子供の困っている理由を考えることもしないのでは、まともな親子関係は構築できません。将来、親は子供が悩んでいることも気付かず、子供も親のことを信頼しなくなります。
さらに、常におしゃぶりをくわえさせていて、前歯が数ミリ開いて合わなくなった子を時々外来で見ます。

 

夜泣きがひどいのですがどうしたらいいでしょうか、しばらくしたら無くなりますか?。 

まず、夜泣きは必ずなおります。一生夜泣きをする人はいませんからね。
どうしらたいいかは、決まった方法はありません。
しっかり運動をすると疲れて夜はしっかり寝てくれることもあります。
昼寝をし過ぎていると夜中に目が覚めることが多いようです。昼寝が長くならないように、目を覚まさせてみるとよいこともあります。
あきらめて夜中にしっかり一緒に遊んでやる方法もあります。
夜泣きは半分眠った状態の「ねくじ」と同様の状態のことが多いので、思い切ってコンビニなどに行ったりドライブしたりすると目が覚めて、泣かなくなることが多いようです。
本人は睡眠不足には決してなりません。寝不足になるようなら赤ちゃんは昼間座った状態でも寝れますからね。ですから眠らせる治療は本人にとっては必要がありません。ただ、お母さんが寝不足になることはあります。「とてもつらくて何とかしてほしい」という場合は夜泣きの漢方薬を処方することもできますので外来で言って下さい。