感染症
インフルエンザ
百日咳、麻疹(はしか)、
流行性耳下腺炎
(おたふく)
ヘルパンギーナ、 手足口病、
アデノウイルス感染症(プール熱、咽頭結膜熱、流行性角結膜炎)
溶連菌感染症
クループ(急性喉頭炎)
水イボ(伝染性軟属腫)
蟯(ぎょう)虫症
アレルギー疾患
その他の疾患
急性胃腸炎(嘔吐下痢症) 便秘 腸重積
扁桃肥大
包茎 亀頭包皮炎 鼻出血 停留睾丸 陰嚢水腫
熱性けいれん チック 夜尿症(おねしょ)
石灰化上皮腫
■感染症
インフルエンザ・ウイルスの感染でなります。ふつうの風邪に比べて症状がひどくなります。
最近インフルエンザの治療薬が開発されました。48時間以内に投与すると回復を早くできる可能性があります。流行している時に、高熱や咳などの
症状が出てきたらかかりつけの小児科でご相談下さい。
寒くない程度の暖房、暑すぎない程度の調節をしましょう。
室温調節、入浴、解熱剤その他 ⇒ 《病気・看病に関して》
■百日咳
続けて咳き込んで、息を吸うひまがないくらい強く出ます。時には本当に呼吸をとめてしまう子もいます。強い咳のために眼球に出血したり、口の中を噛んで口内炎ができたりします。
百日咳菌にはマクロライド系の抗生剤が有効ですが、咳は簡単には改善しません。薬を飲んでもその名の通りめちゃくちゃ激しい咳が数週間にわたって続きます。
できるだけ早くDPTワクチンを接種したいものです。
■麻疹(はしか)
ウイルス感染で、治療法は全くありません。
胸腺を破壊するため一ヶ月間ほど免疫不全状態となって麻疹そのものが重症化したり、肺炎などの合併症が重症したりすることがあります。2000人に1人の割合で脳炎が起こります。
世界では年間150万人が、日本でもなんと年間50-100人が「はしか」のために死亡しています。
1才になったら一日でも早くワクチンを接種して下さい。
■流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
耳の下の腫れが平均一週間、発熱は3-4日つづきます。
ウイルス感染で、治療法は全くありません。
合併症:無菌性髄膜炎(約20%)、睾丸炎、難聴
ワクチンについて:難聴は治療法がなく、改善しないと言われています。ワクチンで予防するしかないので接種をおすすめします。
夏カゼの一種です。38〜40度の高熱が2-3日つづきます。
のど(のどチンチン)のあたりに口内炎がたくさん出来て、のどを痛がります。
ご飯が食べれなくなりますが、栄養は少々やらないくてもほとんど問題ありません。しかし、脱水にならないように水分は十分与えてください。
ウイルス感染で特効薬はありません。対症療法になります。
複数のウイルスがヘルパンギーナを起こすので何回もかかることがあります。
■手足口病
夏カゼの一種です。
病名のとおり、手、足、口に赤いブツブツができます。手足以外にも、膝やお尻にブツブツができることもあります。
熱は出ないことが多いですが、時に高熱のこともあります。
口の中のブツブツは口内炎になりますので、痛くてご飯が食べれなくなりますが、栄養は少々やらないくてもほとんど問題ありません。しかし、脱水にならないように水分は十分与えてください。
コクサッキー
ウイルスやエンテロウイルスの感染なので薬はありません。
自然に一週間くらいでよくなります。
このウイルスには数十種類の型がありますが、そのうち最低5種類の型が手足口病になると言われています。ひとつの型は一回かかると免疫ができますから、二度がかりはありません。
5種類あるので5回かかります。
ほとんど子供の時にかかってしまいますが、かかり損ねている型が残っていればその型には何歳でもかかります。人から人に感染し、最大5週間感染力があります。
従って、症状のある一週間だけ隔離しても感染を防ぐことはできません。
だからと言って、元気が良くてブツブツがでる程度の病気で6週間も隔離は実際問題できませんし、誰もしていません。
日本小児科学会雑誌(97:187-76,1993)にも上記の記載があり、結論として「登園登校を停止する意味はない」と書いています。
手足口病は、1」必ずかかる、2」二度かかりがない、3」感染を防ぐことはできない、ので発疹などがあっても登園登校させて構わない。「うつさない」ということではなく、どちらにしても「うつす」「かかる」から登園してもいい、ということです。
ほとんどは重症にならないのですが、脳炎などの報告もゼロではありません。
心配な変化があれば小児科に受診して下さい。
必ずいつかは全ての型に感染するので「かからないように予防するのではなく」、とてもまれな合併症が起きていないかどうかを観察していて下さい。
このような知識のない保育園などでは分からないまま登園停止としているところもありますが、根拠はなく単に知識がないのに適当な取り決めをしているだけです。
登園できる児を無理やり休ませるのは、人権問題とも言えます。
すべての保育園幼稚園学校で登園登校を許可していただくことを切に望みます。
過剰に恐れることなく適切な対応が望まれます。
主に夏に流行するウイルスの感染症です。
のどが赤くなって、扁桃腺に膿(うみ)が付くことが多く、目が赤くなって(結膜炎)、38〜40度の高熱が5〜7日と長く続きます。これを、咽頭結膜熱(通称、プール熱)と言います。高熱が続くのでかなりつらい病気です。脱水にならないように気をつけましょう。
プール熱という名前ですが、プールの水でうつるのではありません。夏にはプールに人が集まるのでプールでうつりやすく、この名前がついています。
目だけに来ると、流行性角結膜炎と言います。
ウイルス感染で特効薬はないので、対症療法となります。これもアデノウイルスの型が複数あるので、何回もかかることがあります。
溶連菌という細菌がのどに感染して、のどの痛み・熱・体や手足の発疹などが出ます。数日すると舌がイチゴのようになります。溶連菌感染の子どもから感染することもありますが、どこにでもいる菌ですので人から感染しないケースもあります。
リウマチ熱(心臓弁膜症)や腎炎をおこすことがあるので、抗生剤を10〜14日しっかり飲ませてください。しっかり治療すればほとんど大丈夫です。
この菌は抗生剤が良く効くので、1〜2日で熱は下がり、のどの痛みも消えます。1日の治療で他の人にはうつさなくなるので、熱が下がり元気になれば学校に行っても良いでしょう。
■クループ(急性喉頭炎)
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風邪をきっかけにして、声帯(声を出すところ)のまわりが腫れて、犬が吠えるような咳(オットセイの声のような咳)がひっきりなしに出ます。腫れがひどいと空気が通らなくなり、呼吸が苦しくなることもあります。突然起こることが多いようです。
くすりを吸入させ、のどの腫れをひかせます。飲み薬も処方します。息苦しいときには入院する必要があります。
湯気をたてる、加湿器を使うなど、室内の空気を湿らせておくことが大切です。息苦しそうになるようでしたら、(救急)病院を受診して下さい。
丸くて光った、うつるイボです。つぶすと白いかたまりが出てきます。この中にウイルスがたくさんふくまれていて、これがつくとうつります。
ウイルス感染なので、効果の高い薬はありません。
方法はふたつです。
1」つぶす:硬い専用のピンセットでつぶし、消毒します。ペンチで握りつぶすようなものなのでとても痛く、全部取っても繰り返します。結局1年くらいかかります。
2」免疫で治るのを待つ:
ウイルス感染なので免疫がウイルスをやっつければ治ってきます。1年くらいかかります。免疫が残るので二度がかりはありません。
皮膚科では1」の方が好きな先生が多いようですが、私は「つぶすとニキビ同様、痕が残りやすいし、わざわざ痛い思いをさせる必要もない」と考えて、2」免疫で治るのを待つの方が好きです。
「人にうつさないようにつぶして下さいと保育園で言われた」とか「うつさないようにプールを休ませて下さい言われた」という話をよく聞きます。このように指示する人は全く「水イボ」についての知識がないと思われます。
上に書いたように「水イボ」は、(1)必ず全員いつかは感染します。(2)免疫でなおります。(3)なおった後は免疫が残るので二度がかりがありません。
つまり、「人に感染しないようにつぶす」、「水泳などを休む」意味も必要もないことになります。
堂々と普通に生活させましょう。
実は、漢方薬でヨクイニンという薬が効果があることも稀にはあるので、強く希望される方には試しに使ってみることも可能ですが、数ヶ月間の内服が必要ですし効果の期待もできないので希望される方はあまりいらっしゃいません。
蟯虫は長さ1cmの白い寄生虫で、夜間眠っている間に肛門から出てきて周辺に卵を産みつけるため、かゆみを伴います。
幼稚園、小学校などの集団生活や家族内で感染します。蟯虫検査で陽性と出た時にはすでに他の家族に感染していることが多いので、お子さんだけでなく家族全員で同時に駆虫剤を内服します。
コンバントリンという駆虫剤で、1回あるいは2週間間隔で2回、家族全員で内服します。
蟯虫の卵が、ふとんや寝室に落ちていることがあるので、ふとんを干したり、掃除機を使って念入りに掃除もして下さい。
■アレルギー疾患
乳幼児、特に0〜3歳は鼻水が長く出ることが多いようです。
当院の統計では、その85%の鼻水に好酸球という白血球が認められ、アレルギー性鼻炎ということになります。
大人のアレルギー性鼻炎は花粉やダニなどに対するアレルギーが多いのですが、乳幼児ではほとんどありません。
もともと、咳や鼻水は細菌やウイルスを吹き飛ばしたり、洗い流したりする免疫反応です。乳幼児ではよくカゼをひくので体はその準備をしています。ですから、乳幼児のアレルギー性鼻炎は、言わば「カゼに対する準備をしている反応」とか「カゼに対するアレルギー」というような意味合いです。
このように鼻水が続くのは、3歳を過ぎると、1/3に減ります。6歳を過ぎると1/10に激減します。つまり、年齢が上がるにつれて良くなっていきます。そう心配するような病気ではありません。
こどもが困るほど鼻水が出ていれば、鼻水の薬や抗アレルギー剤を処方します。困っていない程度なら、必ずしも薬は必要ないでしょう。
■じんま疹
赤くなって、蚊にさされたように皮膚がモコモコと盛り上がります。形も大きさも様々で、とてもかゆがります。急に出てきて、急に消えることもあります。
原因;じんま疹というとすぐに食物アレルギーと思いがちですが、食物、薬品に対するアレルギーの他にもいろいろな原因があります。小児の場合、むしろ食物が原因のことはほとんどありません。アレルギーとは免疫の過剰反応のことです。かぜに対する過剰反応、熱に対する過剰反応がじんま疹となることが多いようです。
治療;飲み薬を処方します。ぬり薬はかゆみを抑えますが、じんま疹を軽くする作用はありません。
■その他の疾患
吐いたり、下痢したりする病気のことです。ほとんどがウイルスの感染なので、おなかの風邪と言ってもいいでしょう。
冬はロタウイルスやノロウイルスというウイルスの感染、夏はエンテロウイルスの感染で、他にもアデノ、エコー、など多くの種類のウイルスが原因となります。免疫ができると二度がかりはありませんが、それぞれが
数種類ずつあるので嘔吐下痢症は何回もかかります。
このようにウイルスの感染が多いのでほとんど抗生剤は効果がありません。返って下痢を悪化させることがあります。細菌性の嘔吐下痢症もありますので症状や経過に応じて
抗生剤を処方することもあります。
治療は、腸の安静と水分や塩分の補給が第一です。整腸剤や下痢止め
を処方しますが、下痢も嘔吐もひどい時は薬を飲めないし坐薬を入れてもすぐ出てきます。腸の安静や水分などの補給を心がけてください。
→ Q & A を参照して下さい。
下痢のとき、食事はどうしたらいいでしょうか?
下痢の水分補給は、アルカリイオン飲料でよいですか?
■便秘
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「便秘」とは1週間以上便が出ず、便が硬いために肛門が痛かったり切れたりするものを言います。
軟らかい便の場合は便が出せないのではなく、出さないだけなので便秘ではありません。
治療は、薬(緩下剤)を処方します。直ぐに出したい時は浣腸をします。しかし、薬の効果は一時的で習慣性の便秘の場合、薬をやめると元に戻ってしまうことがほとんどです。
食べた物は腸の中で水分が吸収されていきます。水分が吸収されすぎると便が硬く、便秘になってしまいます。従って、便が硬くなる前に便を出すため、毎日決まった時間に排便をする習慣をつけるしか根本的に治す方法はありません。3歳前後になったら、食事の10分後にトイレに座る訓練を始めましょう。
簡単に排便習慣を身につけることはできないと思いますが、たまたま便が出たら誉めちぎってあげましょう。根気のいることですが、トイレトレーニングを気長に頑張ってください。
■腸重積
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腸が腸の中にめりこんで腸がつまった状態をいいます。めりこんだ腸は強く締めつけられているので、時 間がたちすぎると血液が流れなくなり、その部分がだめになります。
症状は青い顔で嘔吐・腹痛・不機嫌で、泣く⇔ぐったりの繰り返しです。いちごジャムまたはトマトジュ ースのような一面血液の雑じった下痢便(粘血便)となります。
治療は肛門から空気かバリウムを入れて、透視しながら腸の中に圧力をかけ、めりこんだ腸をゆっくり押
し戻します(高圧浣腸)。高圧浣腸でどうしても戻らない時や、発症から24時間以上経過している場 合は手術が必要になります。
■扁桃肥大
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のどの奥、左右両側にある扁桃が大きい場合を扁桃肥大といいます。
扁桃腺はバイ菌などからのどを守るためにあります。2才〜小学生の間はかぜを引きやすいので重要な役割をはたしているため大きいのです。中学生くらいになると小さくなります。肥大しているだけでは、病的な所見ではありません。
いびきの原因になったり、ごく稀に睡眠中に息を止めることもありますが、ほとんどは症状がありません。
手術が必要な場合は、1」繰り返し扁桃炎の熱を出す、2」扁桃に菌が住みついて腎炎など悪い影響を及ぼしているとき
、3」扁桃肥大のために睡眠中の無呼吸(10秒以上)があるとき、です。
■包茎
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子どものおちんちんの先は包皮でおおわれているのが普通です。軽く包皮をむいて亀頭が少し見えるようなら仮性包茎といい、子どもでは正常の状態です。亀頭がまったく見えないものを真性包茎といいます。
真性包茎でも手術は大人になるまでにすれば充分ですが、小学校くらいになって真性包茎かも知れない状態ならばご相談下さい。
包皮を無理にむくと亀頭が外に出て、包皮口が狭いために戻らなくなってしまうことがあります。おちんちんの先のほうが赤く腫れ上がってとても痛がります。嵌頓(かんとん)包茎といって早急な治療が必要です。
細菌によって包皮と亀頭の間に炎症がおこり、おちんちんの先が赤く腫れて、膿が出たり、おしっこの時に痛がります。パンツに黄色い膿が付くことで気付くこともあります。
治療は、抗生剤の入った軟膏を塗るか抗生剤を飲ませます。
■鼻出血
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よく鼻血がでると寝かせたりしますが、これは逆効果です。寝かせると鼻の穴からの出血はみられなくなりますが、喉の方へ血液が流れるだけで、止まったわけではありません。むしろ、出血部位が心臓より低くなりますので、出血は止まりにくくなります。また、首の後ろのところを空手チョップのようにして叩いたりしますが、これも何の効果もありません。座った状態で、鼻を15分位押さえてあげるのが一番効果があります。なかなか止まらないときには、もっと長めに圧迫してあげれば、ほとんどの鼻血は止まるはずです。
子どもの鼻血の原因のほとんどは、無意識に指で鼻の穴をいじることによるものです。傷は完全に治るまで一週間ほどかかりますが、それまでは表面にできた血の塊で血を止めています。鼻をこすったりすることで、簡単にその血の塊はとれて傷口が露出するので、一回鼻血が出ると何回でも出ます。一方、血を止める血小板が減るような病気(白血病、再生不良性貧血など)があると、1〜2時間以上鼻血が止まりません。
繰り返す鼻血でも15分くらいで止血する場合は問題ないのですが、長時間止まらない場合は検査が必要です。
高い熱のためにおこるけいれんで、100人に6〜8人がおこします。70%は1回きりです。
純粋な熱性けいれんは、何度おこっても脳の発達に異常はおこりません。
5〜6歳を過ぎるとけいれんはほとんど起こらなくなります。
解熱剤で熱が全く上がらないようにすることはできません。つまり、解熱剤で熱性けいれんを防ぐことはできないと言われています。熱のためにつらい時に使用する程度でいいでしょう。(=普通の使用法)
熱性けいれんが1回だけならば予防投与は行いません。2回以上けいれんがあれば、熱がある時にけいれん止めの坐薬を予防投与することがあります。
【けいれん時の対応】
1」まず、落ち着く(落ち着いているふりをすると落ち着けますよ)
2」けいれんの様子を観察(何分間?手足はつっぱっていたか、ダラーンとしていたか?体の一部か、全身的なけいれんか?)
3」体温を測定
4」顔を横に向け、吐いたものがのどにつまらないようにします。
5」口には指や物を入れない(歯がおれて窒息すると危険です)
6」熱性けいれんの多くは数分以内に止まります。止まったら、その後診察に来てください。二回目以後で夜間や休日であれば翌日でも構いません。
7」けいれんが10分以上続いたり、繰り返しておこったりした時、生まれて最初のけいれんの時は病院への受診が必要です。
■チック
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頭を振る、うなずく、額にしわをよせる、まばたきをする、顔をしかめる、口をまげる、鼻をフンフンならす、つばを飲み込む、方や手足をピクッと動かす、思わず声を出す、などいろいろなチックがあります。本人はわざとやっているのではありません。
小学低学年までの子にみられますが、不安や心の重荷、緊張などがきっかけでおこるようです。感じやすい、傷つきやすいなどの性格にも関係があります。
ほとんどが一時的な「くせ」のようなものですから、治療の必要はありません。思い当たることがあれば、それを変えてみます。「やめなさい」としかることは何の意味もありませんし、むしろ子どもがますます緊張して治りにくくなります。あせらずに無視していてください。あまり長びいたり症状がつよくなったら受診して下さい。
おねしょの原因に病気が隠れていることはほとんどありません。「あせらない、おこらない、おこさない」の「3つのない」が原則です。
あせらない おねしょをするのは、あなたのお子さんだけではありません。5歳では7〜8人に1人、10歳でも20〜30人に1人はおねしょをします。大人になるまでには必ずなおりますので、あせらずに待ちましょう。
おこらない おねしょをした子は「しまった」と思っているものです。怒らないで下さいね。
おこさない 膀胱は大きいほど尿をためることができます。夜に
尿をためることが膀胱をより大きくすることになります。起こして少したまったところで排尿させると膀胱が大きくなりにくく、夜尿症も治りにくいということになります。
お昼に、おしっこが出そうになったらそこからできるだけ我慢させる訓練をすると膀胱が大きくなって夜尿症がおさまることがあるようです。
■停留睾丸(ていりゅうこうがん)
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胎児の睾丸はおなかの中にありますが、生まれる前に陰嚢までおりてきます。
ところが、おりてくる途中で止まってしまうことがあります。これを停留睾丸といいます。
生まれた後もおりてくることがありますので、1歳頃まで様子をみます。
1歳を過ぎてもおりてこない場合は、手術をすることがありますので、かかりつけ医にご相談ください。小児外科か泌尿器科を紹介します。
■陰嚢水腫
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睾丸を包んでいる膜の中に水がたまって陰嚢が腫れます。痛みはありません。
たいてい半年くらいで自然に水が吸収されて治ります。1年経っても大きい時、ソケイヘルニアもある時には手術をすることもあります
。
皮膚にできる盛り上がりで、学問的には毛母細胞由来の良性の皮下腫瘤とされています。別名として、毛母腫とも呼ばれます
。良性腫瘍なので治療の必要はありませんが、大きくなれば手術をして摘出します。