第43回きき酒会 2001年12月28日(金)



会場 ろばた焼はしもと
大分市中央町 2−6−24 Tel. 097−536−4597
会費 6000円
開会 19時30分

テーマ・「第43回IZAKAYAきき酒兼忘年会

     〜 目玉は義侠58BY  〜

参加者 20人

今回のお酒一覧

商品名(飲んだ順) 分類 購入価格
鷹来屋 (大分県・浜嶋酒造) 純米吟醸 無濾過原酒生酒 1800ml \3,200
南部美人 (岩手県・南部美人) 純米吟醸 ひやおろし生詰原酒無濾過 1800ml \2,980
田酒 (青森県・西田酒造店) 特別純米 1800ml \2,680
義侠 (愛知県・山忠本家酒造) 純米大吟醸 58BY 1800ml \27,500
福の宮 (石川県・宮本酒造店) 秘蔵大吟醸 限定酒 1800ml \3,800
松の司 (滋賀県・松瀬酒造) 純米大吟醸 限定1998  1800ml \6,500
東洋美人 (山口県・澄川酒造場) 山廃 純米吟醸 1800ml \3,100
山吹極 (山形県・朝日川酒造) 生もと純米 無濾過原酒 1800ml \2,350

 選酒のポイント、ひとことご紹介

「鷹来屋・純米吟醸」

  鷹来屋はこのところきき酒会のリファレンスになっています。内容的にもはずせない存在となっているのはもちろんですが、今回唯一の大分県産酒に期待します。

「南部美人・純米吟醸」 

  この「ひやおろし」は、この前久慈さんを囲んでの「南部美人の会」のときも大好評でしたのでリクエスト。今回他の酒と飲み競べるのも楽しみです。

「田酒・特別純米」

  過去にも雑誌「特撰街」の日本酒コンテストなどでも常に高い評価でしたね。東京あたりではひところ圧倒的な人気でしたが、最近はどうでしょうか。いささか酒質低下も噂されているのですが・・・・。

「義侠・58BY」

  ごぞんじ「昭和の酒」ですが、なんたって17年前の酒です。すでに味わった人も多いのですが、味は瓶ごとに微妙に違うらしいので、はたして今回はどうでしょうか・・・?

「福の宮・大吟醸」

  この蔵の特別純米「夢醸」もうまかったですね。この大吟醸も静かな人気とかで、限定500本だそうで期待しています。今回唯一のアル添です。

「松の司・純米大吟醸」

  もともと「松の司」はフアンが多いのです。そのわりにこのところの会ではなかなかエンが無く、このため各方面からのリクエストにお応えして・・・・。しかし義侠に続く目玉です。

「東洋美人・山廃純米吟醸」

  去年だったか差し入れの純米酒がなかなかよかったですからね。今回は、その山廃の純米吟醸ということで、これも楽しみです。

「山吹極・生もと純米」

  全国1000本限定発売ですが、大分いや九州でもたぶん初めて飲むのかも・・。こういう本格的な生もと造りの酒というのは飲み手を選んでしまいます。はたしてどんな反応があるか・・それが楽しみです。

という観点から選んだ酒でした。


量的には、なんとひとり4合以上・・・・皆さんよく飲みますねー。

というわけで、「私の43回きき酒リポート」


鷹来屋

 口に含んで思わず「これはいいね」とつぶやいたが、間違いなくかなりのレベルの酒です。無濾過生原酒のせいか、少し重たい感じはありましたが、きりっと引き締まったきれいさと味のふくらみがあります。


南部美人

 「鷹来屋」と同ランクの酒で、スペック的にも似ているのですが、やや物足りなさを感じます。この前の時はとてもいい酒だと思いましたが、中身が違うような感じ。「鷹来屋」のあとで少し損をしたかもしれない。


3・田酒

 内容的には「南部美人」といい勝負かと感じましたが、去年まで飲んだ「田酒」とは、どうも別物?のように思いました。昔の「田酒」ってもっとうまかったと思うのですが・・・。酒質低下の噂は本物なのか。


4・義侠

 私はこの酒、さすがに2度目なので驚きはしませんが、このすっきりした透明感・・・。どこまでもきれいな酒です。研ぎ澄まされたまろやかさとでもいうか・・・。これまで飲んだ3銘柄の印象がぱっと薄れてしまう。


5・福の宮

 これを「義侠58BY」のあとに出したのが間違いです。大吟醸とはいえ50パーセントですから、普通吟醸クラスなのに、ちょっと可愛そうでしたね。酒としては、「夢醸」の方が出来がいいように思います。


6・松の司

 さすが「松の司」ですね。「義侠58BY」には負けますが、その価格差を考えれば、かなりのところまで接近するかも。またアル添「福の宮」よりもすっきりキレがいい。ただ私はここは「あらばしり」の方が好き。


7・東洋美人

 どこが「山廃」?という感じでした。ごくふつうの純米吟醸で、可もなし不可もなしというレベル。「南部美人」といい勝負か。すっきり感はあるのですが、なら「山廃」で造る必要があるのか?


8・山吹極

 この酒の評価は難しいだろうと思いましたが、思った通りほとんどの参加者には「不評」でした。特に「古酒」とか「生もと・山廃」系が苦手な人にはまずダメです。でも、こんな酒の個性にこそ日本酒の未来があると思います。「YK35」に右に倣えの風潮とか、吟醸だけが日本酒と思っているような人に対する一種の挑戦です。


 結果的に、いろんな意味で私が評価した酒は、「義侠」「松の司」「鷹来屋」「山吹極」の4銘柄です。しかし、「義侠」1本で「鷹来屋」が8本以上買えると思うと・・。このさい義侠は別格として「審査対象外」に・・。

 となると、「松の司」「鷹来屋」「山吹極」が残りました。それぞれの価格を考慮すると、どれもC/Pは高いと思います。「鷹来屋」がもう少しすっきり洗練されるとすごいと思いますが、そうすると良い意味での雑味が整理されてやせてしまうかも・・。そのへんが難しいところかと思いますが、目が離せない蔵です。

山吹極・生もと純米無濾過原酒

 この酒について、何人かの方から質問や意見をいただきましたので・・・。

 この酒は「山吹極」と書いて「やまぶき」と読みます。蔵は山形県河北町の朝日川酒造です。おもなスペックとしては、原料米・山酒4号 精米歩合・60パーセント 使用酵母・山形KA アルコール度数・18.9パーセント 日本酒度・プラス4 酸度・1.5 アミノ酸度・2.0 など。

 全国で1000本のみの限定発売です。九州では八幡のひらしま酒店のみが扱っています。今回は、特に蔵から直送して貰いました。また、大阪のサノヤさんも扱っていますのでご紹介します。
http://jizake.com/html/NewItem.html 佐野さんがきちんと評価していますので、ごらん下さい。名前の由来についても簡単に書いています。

 なお「上級者向け食中酒」というラベルですが、ひとつの酒質の主張として受け止めて下さい。吟醸酒を知ったばかりの初心者はびっくりするかもしれないという、配慮です。
 
 この酒に軽く燗をつけると、けっこうクセになります。生もと純米で1升2350円と、C/Pも高いですし、私としてはかなり評価しています。




参加者の感想から(3人分)

N氏

さて、小生の感想です。

1・鷹来屋 

いいですね。ただ、麹臭さが気になりました。洗練さが課題でしょうが、味がなくなっては困りますし、難しいですね。

2・南部美人

前回飲んだひやおろしより、綺麗になっています。逆に言うと味が薄いということです。

3・田酒

以前、よく飲んでいたのですが、これは田酒ではない! 味が何もありませんでした。もっと、深みがあったハズなのですが。

4・義侠

前回も思いましたが、「刻(とき)の重さの味」とは、こういう味なのですね。表現出来ない味です。 生きてて良かった!というお酒です。

5・福の宮

大吟とは、米さえ磨けば「大吟」と称してもよいのでしょうか・・・。値段を見て、更にビックリです。純米を飲んで評価してみたいです。

6・松の司

「松の司らしくない」のですが、バランスが良く美味しかったです。義侠を除けば、一番ですね。

7・東洋美人

 山廃、生もと系は、苦手なのですが、この山廃は、「らしくなくて」よかったです。ここの特純は、飲み飽きせず、お勧めです。

8・山吹極

> 「古酒」とか「生もと・山廃」系が苦手な人にはまずダメです。でした (^_^; でも、後で戴いた燗酒は、いけました!

I氏

家に帰り付いたのは朝の5時でした。女房、子供は呆れかえって誰一人私を取り合ってくれません。只今、一人寂しく大掃除中です。


1・鷹来屋

ここの特別純米は晩酌の定番ですが、まず何を呑んでも間違いなし。来年は大ブレ−クしそうです。
 
2・南部美人

 鷹来屋好みの人は素直に受け入れると思います。
 
3・田酒

噂は聞いてましたが、今回はじめて呑みました。水と味が一緒です。

4・義侠

 58BYなのに実に綺麗なお酒です

5・福の宮

大吟醸なのに何かクセがありました。何かはわかりません。

6・松の司

ここまで来てかなり酔ってしまい、よく覚えてません。

7・東洋美人

ここの純米吟醸も晩酌の定番です。アル添えの吟醸もキリとしまって好みですが、山廃はどうも!

8・山吹極

吟醸から生もとに呑み替えると、どうしても生もとの個性が強く出てしまいますネ。
 

T氏

1・鷹来屋

○大分のお酒でこんな旨いのは初めて呑みました。ただ私にはかなり甘く感じました。

2・南部美人

◎原酒はあまりすすんで呑まないですが、これは良いですね。さすが南部美人。

3・田酒

△とくにコメントはありません。舌に少しキツさを感じました。

4・義侠

友田さんのおっしゃるとおり、これは別格ということで。やわらかくやさしい味と口当たりでした。

5・福の宮

△一口めはクリアな味だと感じたのですが、あとに舌に「醸造アルさ」が残りました。

6・松の司

◎今回最も気に入ったお酒です。白身の造りを肴に呑みたくなるお酒。

7・東洋美人

○東洋美人は最近、よく呑むお酒です。Nさんが指摘されていましたが、特純はかなりおすすめです。1升2300円とリーズナブルですし。

8・山吹極

○はしもとのお鍋と良くあっていました。おでんも相性が良いかも。燗酒でも呑みたかったですね。

参加者が「好き」と判断したお酒・・・

(大好き・・二重丸 好き・・丸 というように付けてもらったのですが、点数評価の人もいたのでおおざっぱに丸印の数に換算した結果です。二重丸を丸ふたつとして計算して、丸の数で順位を出してみました)

1・義侠・・・・・23 (これは別格・比較しようがないとして評価しなかった人もいます)
2・鷹来屋・・・17
3・松の司・・・17
4・南部美人・・9
5・田酒・・・・・・5
6・山吹極・・・・3 (燗酒なら評価できるとした人、あとで価格をきいてそれなら○と言った人がいます)
7・東洋美人・・3
8・福の宮・・・・2

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