第39回きき酒会 2000年12月30日(土)


会場 ろばた焼はしもと
大分市中央町 2−6−24
Tel. 097−536−4597

会費 5000円
開会 19時00分

テーマ・「燗あがりのいい純米酒を探せ!」
参加者 22人 (男性14人・女性8人)


第39回・きき酒対象酒

  銘柄 種別 蔵名・所在 備考
1 義侠「慶」 純米大吟醸 愛知県・山忠本家酒造 1800ml
2 群馬泉「淡緑」  純米吟醸 群馬県・島岡酒造 1800ml
3 鷹来屋 純米吟醸 大分県・浜嶋酒造 1800ml
4 東一 純米吟醸   佐賀県・五町田酒造 1800ml
5 浜千鳥「自然流」 特別純米 岩手県・釜石酒造 720ml
6 山鶴「冷卸」 純米 奈良県・中本酒造店 720ml
7 亀泉 特別純米 高知県・亀泉酒造 720ml
8 大信州「超辛口」 純米吟醸 長野県・大信州酒造 720ml
9 福乃友「神宮寺」 純米吟醸 秋田県・福乃友酒造 720ml
10 手取川 純米大吟醸 石川県・吉田酒造店 720ml
 今回は頂き物も多数混じっているため、お酒の価格はすべて掲載していませんが、「種別」によって大まかにランクは想定できると思います。なおこの中の最高ランクは、言うまでもなく義侠の「慶」で、入手価格は12000円でした。なお、当日お店からはオリジナルの千羽鶴純米大吟醸生酒を提供して頂きました。もちろんこれは燗をつけていません・・というか、飲み足りない組がぺろりと飲んじゃった。

「燗上がりアンケート」結果

〜お気に入り第一位に鷹来屋が・・・〜


 今回は「燗上がり」という評価の難しいテーマのため、厳密な「きき酒」としてのアンケートではありませんが、燗をつけて気にいった酒という程度で気楽に答えてもらいました。結果として14人がアンケートに回答していました。回収率はこれまでになく低いことから、いかにみんな酔っぱらっていたのかという傾向も読みとれます。

(お気に入り上位5銘柄の集計)

1 鷹来屋・純米吟醸 7人
2 群馬泉・純米吟醸 5人
3 福乃友・純米吟醸 3人
3 東一・純米大吟醸 3人
3 手取川・純米大吟醸 3人
 もちろん人によって複数回答がありますので集計も難し いのですが、「燗がよい」「燗もよい」的な回答を「お気に入り」として集計してみました。

 結果としてはみごとにばらけていましたが、一応お気に入り上位3位までの5銘柄は左の表のようになります。
 面白いことに、鷹来屋と群馬泉は両方とも「若水」を使っています。何か関係があるのでしょうか?

 ところで、「慶」も燗をつけてみるというバチあたりもやってみましたが、これはやはり燗をつける酒でないという声が圧倒的でした。特に熱燗にすると味も香りも何も無くなってしまいます。あれは、やっぱり冷やですね。山田社長、すみません。


  

アンケートのひとこと

大変おもしろい趣向だったが、純米だけでいいのでは、大吟醸がもったいなかった (男)
やはり冷やがいい、どれも単独で飲めばいい酒ばかりと思うが・・・ (女)
燗はやはり精米歩合の低い雑味の強いものの方が旨いと思う (男)
燗酒は基本的に苦手ですが、今回はおいしく飲めました (女)
お燗はにがてなので、どうしても評価が低くなりました (女)
初めての燗酒体験で、燗は飲めないと思っていたがそうでもないという実感 (男)
燗に向くかどうかは、飲んでみなければわからない、ランクもあまり関係ない (男)
やっぱり冷やが好き (女)


「私のきき酒リポート」

 では、実際のきき酒の順に私の感想です。実は、途中からよくわからなくなって・・・。
 最初に冷やで飲んで、次に燗で飲んで・・・だからこれって何だ?になってしまって、もしかすると順番の間違いがあるかも? でもまあ、こんなものでしょう。

1・義侠「慶」 ◎× 

冷・まず乾杯。杯に注いだだけであたりに立ちこめる香気、口に含んで広がる香り、どれもすばらしい。洗練されてなお深い味わいのあるこの酒は、文句のつけようのない酒の王。
燗・香りが無い味が無い。これが同じ酒かと思うほど、何もない酒になった。ところが燗冷ましになるとまた元の酒に近づいていくのは、やはり底力というか・・・燗上がりはダメです。×

2・群馬泉「淡緑」 ○○

冷・義侠の後にこの酒というのは、比較としていささかつらいものがあったかもしれません。独特の苦みのようなものがやや突出してしまう感じです。酸味はすっきり感があります。
燗・驚くほどに表情が変わったと感じました。むしろあと口がよくなったと思います。私の評価としては燗上がりがいいと○なのですが、全体としては評価が分かれています。

3・鷹来屋 ○◎

冷・このところ、この蔵の酒になじんでいるせいか抵抗無くするっと飲めます。ただ前の群馬泉に競べるとやや個性がないというか、華がナイというか・・。もう一工夫欲しい感じ。
燗・これはなかなかいいです。燗をつけて群馬泉より上ではないかと思います。燗上がりとしては
あきらかに○。ここの純米は全体に燗上がりがいいと思います。

4・東一 ○×

冷・前三者とあきらかにコンセプトの違う重量級の大吟醸。これはこれで濃淳な旨味のある九州の純米大吟醸ですが、「慶」のあとではちょっと洗練度で分が悪いかも。
燗・かえって甘みが増して、よりくどくなりました。燗上がりという点では、あきらかにバランスが崩れていく感じで好ましくない。燗冷ましは甘酒のようで飲めない。

5・浜千鳥 ×△

冷・やはり特別純米は特別純米だなあという、ランク通りの評価です。きわだった個性もなく評価のしようが無いというか・・・。
燗・少し燗をつけた方が、味に表情があっていいです。燗上がりとしては○ですが、絶対的なランクとしては低いです。

6・山鶴 ××

冷・からっとした感じはまるでアル添酒のよう。意図して米の味を抜いているかのようです。冷やでも好みではありません。純米で造る必要があるのか?という印象。
燗・この酒は、燗をつけても表情がかわりません。なんか無表情というか・・。×です。

7・亀泉 △○

冷・鷹来屋には及ばないが、山鶴よりはいいというところ。平均的な純米レベルの味。
燗・この酒は意外と燗に向いていると思いました。絶対的な評価としてはそう高いレベルではありませんが、燗で柔らかな旨味が乗ってくる感じです。一応、○。

8・大信州 △○

冷・よくいえばすっきり感があるというか、まあまあのランクの純米吟醸と思います。好みではないがそこそこのレベルでよくまとまった酒という感じ。
燗・悪くないです。それなりにきちんと味が出てくる感じ。ただまあ、やっぱり好みでないか。

9・福乃友 ○○

冷・悪くないが少し甘口が突出したような感じ。温度が上がったためか?舌のせいか?
燗・くどさが薄れてかえってすっきり感が出てきました。燗上がりとしてはかなり○でしょう。

10・手取川 ○○

冷・手取川というのは石川県でも淡麗系の酒ですが、これはすっきりした中にもふくらみがあってよくできた大吟醸という印象です。単独に飲めばなんぼでも飲めるという酒でしょう。
燗・この酒は、燗つけてむしろぐっと味わいが出たという感じ。ただ熱燗では香りがきつくなってしまいましたが、ぬるめの燗で飲むのが一番かもしれません。冷やより好みです。○

 面白い企画でしたね。
 今回もおいしい酒ばかりで、それぞれの蔵のみなさまに、ほんとうに感謝、です。

 上の私の批評で、辛口の評価がありますが、これとてもそれぞれ単独で飲むとまた違った評価があるはずです。今回は、冷やでは義侠のうまさに縛られた感がありますから・・・・。

 でも、うまかった。日本酒(清酒)っていいな、ですね。

 では、次回。
 

さて次回は10周年記念?第40回は2月か3月か

 1991年にスタートしたこのきき酒会も、とうとう満10年を迎えます。早いものです。
 予定では、次回が第40回記念で2月か3月。
 その次が6月ぐらいに10周年記念の第41回・・・・ということになるかな。




 ※ 会の雰囲気がわかる写真入りリポートは39回ビジュアル版をご覧下さい。



前のページへ     利き酒会メニューに戻る     最初のページに戻る     次のページへ