第38回きき酒会 2000年8月25日(金)


会場 バールふらいぱん
大分市中央町 4−2−26
Tel 090−1192−0906

会費 5500円
開会 19時00分

テーマ・特にないけど「夏のきき酒会はイタリアンで」
参加者 13人


第38回・きき酒対象酒

  銘柄 種別 蔵名・所在 入手価格 備考
1 白露垂珠 純米大吟醸亀の尾50原酒 山形県・竹の露酒造 1800ml \6700 通販  
2 上喜元 大吟醸雄町45原酒  山形県・酒田酒造 1800ml \4500 通販
3 醸し人九平次 純米吟醸山田錦50無濾過生 愛知県・萬乗酒造 1800ml \3200 通販 
4 鷹来屋 純米吟醸   大分県・浜嶋酒造 1800ml \3000   
5 天明 純米無濾過生 福島県・曙酒造 1800ml \2580
6 天の戸 大吟醸 秋田県・浅舞酒造  720ml 提供品
 
上記の入手価格は税抜きです。また通販で入手したものについては、一部送料やクール便等の費用がかかっているものがありますので、実際の経費はもうすこし余分にかかっています。 

 きき酒会の席では、これらの価格を公表してはいませんが、飲む順番は価格順であることのみ説明しています。ですから、下記のアンケート時点ではそれぞれの価格はほとんど考慮されていません。

「私のお気に入りアンケート」結果一覧

 これは、いわゆる「きき酒」としての順位をつけたものではなく、「一番おいしいと思った酒」という人気アンケートを集約したものです。ひとつだけあげた人も、複数あげた人もいますので、合計は参加者数を上回ります。


(お気に入り上位3銘柄)

1・白露垂珠・・・・6人 
2・天明・・・・・・・5人
3・鷹来屋・・・・・・4人


  お気に入りの酒としては、「白露垂珠」が第一位、「天明」と「鷹来屋」がそれに次ぐ形となりましたが、残る3銘柄にもそれぞれ3〜2人の支持がありましたので、今回は特定の銘柄に集中することなく支持が分散した感じとなっています。

 とはいえ、こうしてみますと、やはり「天明」のC/P支持がダントツに高いことになります。

 
 次に、当日提出してもらったアンケートの中から、その一部をご紹介します。
 質問項目は、1・今日一番のお気に入りは?  2・それについての感想は?  

   1お気に入り 2それについての感想
天明 鷹来屋 ちょっと濃い感じの味がおいしいと思った
九平次 上喜元 気合いを入れて飲んだら、鼻とのどと舌が疲れてしまった
上喜元 まとまりがあって飲みあきしない アル添を感じさせないの貯蔵がいいか
白露垂珠 天明 しかし21時ごろに一番うまいのは上喜元だった
鷹来屋 生酒は味が乗りすぎ 火入れのせいか鷹来屋がバランスがよかった
白露垂珠 最初は?だったが、常温に近づいてから特においしく感じるようになった
天の戸 天明 九平次 天の戸はバランスがよい 天明はC/Pの高さで 九平次はうまみあり
鷹来屋 日本酒の香りが苦手な自分には一番飲みやすい酒
白露垂珠 温度が変わっても料理が変わっても、味が変わらない


「私のきき酒リポート」

 では、実際のきき酒の順に私の感想です。

1・白露垂珠 

 米は「亀の尾」なのですが、特にその特性を感じません。最初飲んだときは香りがやや派手で、味も固く純米のはずなのにアル添のような辛さを感じましたが、温度が上がるに従ってどんどん味が変わって行き、柔らかく深味のあるものにより好ましく変わっていきました。大吟ですが冷やしすぎないようにする必要があるようです。ただ私は、次の「上喜元」の方が好みと感じています。

2・上喜元

 これも米は「雄町」ですが、むしろ酵母のせいと思われる華やかな味と香りの方が勝っているようで、いったい「雄町」の必要があるのかとも感じました。しかし全体としてはバランス良く、アル添酒なのにむしろ味はまろやかで深味がありキレもよく、温度上昇でも崩れない品格のある酒でした。酒質設計のたしかさを感じます。今回の中では最も欠点が少なく総合的に第一位と感じました。

3・醸し人九平次

 香りもほどほどで柔らかくすっきりした味わいですが、いまどきの無濾過生酒のせいか、やや喉ごしが重たく感じられました。この酒は適度に冷やして飲む酒なのでしょう、温度が上がるとやや甘さが突出していくような感じで、常温近くでは若干バランスが悪くなるように思いました。私としては、個人的に購入した「雄町」の方がややしっかりしたボディを持っており、好ましく感じます。

4・鷹来屋

 きわだった個性は感じられませんが、すっきりとバランス良く、ほどほどにまとまった純米吟醸です。「九平次」が同クラスの純米吟醸で、無濾過生のぶん温度上昇とともにやや重たく感じられたのに対し、火入れでもあるせいか一貫してすっきりバランス感は変わらず、どのような場合でも飲みやすい酒として改めて見直したしだいです。ただ私としては、もう少ししっかりした奥行きを求めたい酒。

5・天明

 これまでとはクラス違いの「純米」ですが、けっこう吟醸以上と互角に渡り合った感じです。「九平次」と比較しても、同じ無濾過生酒として遜色なく、むしろ個性的な味わいでは完全に上回る印象さえありました。ただ、やはりこの時期の無濾過生のせいか喉ごしがやや重たい感じで、その点「鷹来屋」の方がバランス良く軽快に飲める印象です。しかしこのC/Pの高さはうれしいです。私個人としては、この「天明」と「飛露喜」特にその山廃があれば、他のものは要らないという思いさえあります。

6・天の戸

 量が不足の時の予備のつもりで置いていたのですが、結局ご要望にこたえてあけてしまいました。秋田の大吟醸ですので、軽い味わいの淡麗傾向を予想していたのですが、なかなかしっかりした味わいで、濃淳とまではいえないもののしっかりしたボディでなおすっきりしたキレのある酒でした。全体としてよくまとまったバランスという印象ですが、他の酒に比較してやや個性に乏しいと感じました。



 ああ、おいしかった。

 今回もおいしい酒ばかりで、それぞれの蔵のみなさまに、感謝、です。
 特に、全国でも珍しい女性の杜氏が醸したという「天明」をかたむけながら・・・・・・乾杯。

さて次回は、11月か12月か、忘年きき酒会だ!




 ※ 会の雰囲気がわかる写真入りリポートは38回ビジュアル版をご覧下さい。



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