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全画面表示で、ヨーコと写真家が宿泊した御花が見えます
西鉄福岡天神駅
佐用姫伝説の残る厳木駅…


10年前の塔が残る
大慌てで、ヨーコを探した林間



御花の白壁をみる
彼岸に通じる橋は、現在通行止め



ヨーコを探す時に出てくる
赤いバスが通った


ひまわり…
理容タシマの店主が、ちょうど
お客の髭をそっていた


時間と空間のズレだったのか、
錯覚ではなかったのか…?
[東京日和」細考(続き)
æ水谷(松たか子)の出演の意味
 水谷の存在はなんなのだろう。始まりとつなぎとエピローグの、重要な部分にぽつぽつ出てくる。その度に,不思議な言葉を残していく。パーティでも、谷口のままでよかった”と言う、子猫を渡すときも,ヨーコは事故にあい、逢わずじまい…
 水谷(松たか子)は,ヨーコに対する若さと未婚の純潔と”生”の象徴として対比しているのだ、純真無辜な疑いの心をもたない人間で、きっとどこか4次限世界にいるはずの”ヨーコ”の存在の代弁者の役割を併せ持って登場していると考えられる
 最後の方で、船で眠るヨーコの写真を見ながら,私”ヨーコさんに、一度しか会ったことがない”と言う言葉を強調する。それは、(谷口)という名前を間違えられたままでいることが、4次元世界にいるヨーコとの会話が成立し、ヨーコと同じ立場にいる証しのようなものだった。名前を訂正されたことにより、現実(正しい)の世界に引き戻されて、もう、ヨーコとの意思の疎通が滞ってしまったことを意味しているのだと思われる。だから、わざわざ”わたし、間違えられたままでよかったのに…”と言う言葉を残した
æ写真家(島津)は、最後になぜ涙を流したのか
 映画は、先の柳川映画”廃市”の影響下にあるので、ミステリー仕立てに製作されていることも特徴の一つになっている。1回見たくらいでは気がつかないが、最初の痴話喧嘩の後、ヨーコが家出するシーンで、普通の人間なら玄関から飛び出すが、ベランダから行方不明になるので、ここから不思議は始まる---
 ミステリーの仕上げが、写真家が台所に入り、壁に貼られたガスの注意書きに押された、「谷口」という印鑑を見て、思わず涙ぐむシーンなのだ。そこで言うせりふの”ある言葉が、頭にこびりついている”といって、観客にその言葉が何なのかを、考えさせるのが、この映画のミステリーの落ちなんだろう
 ガスの注意書きに押された”谷口”の文字は、ヨーコが間違え続けていた名前だった。ヨーコが認知している(間違えた)世界=ヨーコは、私達が住む世界とは異にする空間に存在していた。ヨーコは、単に誤認していたのでなく、その証拠を最初にいた台所の注意書きに残していた。写真家は、現実とは違った世界で生きているヨーコと旅をしていたことを知って、もうヨーコは、この世には存在しない事実を認識したことを言う
 では、頭にこびりついているというある言葉とは?----最初に戻って、写真家はヨーコとの口論でこの言葉を発する---”間違える時だってある”---これが第2の”キーワード”かもしれない。あの時の名前の間違いに気がついていればよかった、いや気が付かない方がよかったという純粋な男泣きの涙なのだろう。そして、ヨーコが認知した谷口=”水谷”の文字こそ、ベランダから飛び出していったヨーコの存在の証だった。写真家にとって、それまでの時間は、メーテルリンクの青い鳥探しのような旅だった---
æ結末があるのなら
 写真家・島津は、柳川の船の中に疲れて眠るヨーコを見つけてぼろぼろ涙を流した。ヨーコは眠っていたのだろうか?それは幻覚だった。小船は灰色で、死んで棺の中に横たわるヨーコだったので涙が流れた。台所で見せた最後の涙は、ここに回帰する。
 若いときは時間は、永遠にあるものと思っている。年を経ると、時間は有限と言うことがだんだん分かってくる。「東京日和」は、若くして亡くなり、あの世に旅立った奥さんの面影と魂を探す無限希求の旅でもある---。影像美があり、余りにも文学的で、そして難解な「東京日和」を製作した影には、脚本家の岩松了氏、また影像を際立たせた撮影の佐々木原秀保氏をはじめとする、多数の裏方さんの力があったればこそである。美女と野獣的はかなげなヨーコを熱演した、主演の中山美穂さんもよかった
 ---最後に、どうしてあなたは粘着的に、この映画にこだわるのかと問いかけられる、それは”柳川映画”なのだから---  

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映画では、ふたりが柳川を訪れたのは7月7日の夏日和、そして、こちらの写真撮影の日は,7月の梅雨のあい間のたった一日の快晴の日でした。さらに36℃近い猛暑の日、壁紙はその熱気を感じていただくためハレーション気味に演出しています

東京日和
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18. July. 2006