IZAKAYA-2 第10回(通算70回)きき酒会

〜 佐賀・能古見の蔵元を囲む会  〜


IZAKAYA−2 第10回(通算70回)きき酒会リポート

日時 2009年10月24日(土) 19時から
会場 石合船(いしがっせん)  大分市中央町3丁目 (竹町通り西口) 
会費 6000円 

テーマ 佐賀・能古見の蔵元を囲む会
参加者 23人 


 今回は佐賀県鹿島市の郊外にある馬場酒造場の蔵元杜氏、馬場第一郎氏をお迎えしての「能古見(のごみ)」の全てを飲もうという会です。
 この蔵は、現在350石という規模で決して大きな蔵ではありませんが、純米酒比率が7割に達しており、原料の米にもこだわって清酒一筋に造り続けている蔵です。
 大分では、大分市内の笠木酒店で扱っていることから、同店のお世話でいま注目の「能古見」の全てを揃えることができました。
左から、1大吟醸、2特別純米ひやおろし、3特別純米、4特別純米中取り生、
5純米吟醸、6純米吟醸あらばしり(4合瓶)、7純米吟醸中取り生原酒、
8純米吟醸活性にごり、9山廃純米、10本醸造

今回のお酒「能古見」の詳細一覧 (飲んだ順)

   特定名称 その他表示 度数 使用米・精米歩合 日本酒度・酸度
大吟醸 しずく搾り斗瓶取り 17.5 山田錦 35%  +4  1.5
特別純米 ひやおろし 15.5 佐賀の華 58% +2  1.8
特別純米   15.5 佐賀の華 58% +1  1.8
特別純米 中取り生 15.5 佐賀の華 58% +1  1.8
純米吟醸   16.5 山田錦 50%   +1  1.7
純米吟醸 あらばしり 16.5 山田錦 50%   +1  1.7
純米吟醸 中取り生原酒 16.5 山田錦 50%   +1  1.7
純米吟醸 活性にごり 16.5 山田錦 50%   +1  1.7
純米 山廃 15.5 山田錦 60%   +2  1.9
10 本醸造   15.5 佐賀の華 58% +2  1.5 
スペックはきちんとメモして無くてうろ覚えが多く、間違いがあるかもしれません

第10回IZAKAYA−2きき酒会リポート

初めての石合船・・

 大分市の中央町3丁目、竹町通りの西口にあるレストラン石合船の和室が会場です。

 このレストランには昼食で立ち寄ったことがありますが、このような広い和室があることに気がつきませんでした。

 当初の16人程度の予定が最終的に24人(うち一人欠席)になったため、座れることは座れるのですが、テーブルにお酒を置く余地が無い程度に詰まってしまいました。

馬場社長のあいさつ・・

 お酒から蔵元がわかるという話を聞きますが、この能古見もそうなのかもしれません。

 本醸造クラスでもレベルの高いまっとうな酒造りの姿勢を感じますが、そのとうりのまっすぐな姿勢、真摯さをお持ちの蔵元です。

 でもマジメさの中にも冗談をまじえて、その人柄ですっかりフアンを増やした馬場社長です。

 私も、嬉しい・・・。

料理も文句なし・・

 しまった、料理の写真を撮っておけば良かったと思うほど、立派な料理が並びました。

 洋食のレストラン・・と思い込んでいましたが、きちんとした和食中心で若干の洋風テイストというわけで、今回の能古見の味にはちょうど良い組み合わせになりました。

 また来年も使わせて頂ける様お願いしておきました。

活性にごりの開栓・・

 「純米吟醸活性にごり」の開栓は、瓶内発酵していてガスの圧力があるので、うっかりすると吹き出すためなかなか神経を使います。

 素人がやると、あたり一面酒だらけの悲惨なことになったりするので、馬場社長自らが慎重に開栓作業を・・・。

 アイスピックを栓の外から突き通し、少しづつガスを抜いて行きます。

時間をかけて・・

 アイスピックを少しゆるめるとブワーっと泡が吹き上がるので、また少し差し込んで押さえて、またゆるめて・・・この繰り返しを約10分。

 中は相当なガス圧がかかっていると思いますが、一升瓶でこれだけ噴くとなると要注意どころか、扱い方によってはけっこう危険なものと思った方が良い。

 ぶしゅーっと吹き出すのは、それなりに壮観ではあるのですけどね。
 

山廃は熱めの燗で・・

 今回注目のひとつは「山廃純米」です。事前に試飲してみて、これは熱めの燗に向いていると思ったので、お店に頼んで全量熱燗にして貰いましたが、とても評判が良かったです。

 また、本醸造も燗が良いです。常温ではあまり特徴の無い本醸造ですが、ぬるめの燗からぐっと味わいが出て来ます。

 このふたつは、これからの季節に燗酒として常備するのに向いていると思いました。

私の、それぞれの酒の感想です


銘柄 私の感想
大吟醸 すっきりきれいな大吟醸ですが香り控えめ、しっかり味があります。フレッシュなのは良いが、今飲むのはいささかもったいないくらいの若々しさ。
特別純米ひやおろし 度数はやや低めですが、酸があるため味の厚みがあります。ひやおろしとしては、まだ堅さが残っているので、ほんとの飲み頃はまだまだ先かと思う。
特別純米 スペック的にはひやおろしとほぼ同じだが、全体にクセ無く控えめな印象。だらだら飲める食中酒としてはこの辺が一番向いているかも。燗も良さそう。
特別純米中取り生 生のせいか、スペックのわりにかなり濃淳甘口に感じます。佐賀の酒らしい?味わいですが、人によっては飲み詰まるかもしれません。でも好みのひとつ。
純米吟醸 度数が1度高いぶん味に厚みがあるが、傾向としては特別純米と同質同方向で、並べて飲んだからその違いがわかる程度。味はきれいだが濃厚です。
純米吟醸あらばしり 当然のことながら、純米吟醸は全体として非常によく似た傾向なのですが、この酒は少し異質な感じがしました。「あらばしり」のせいだろうか?
純米吟醸中取り生 きれいさもありますが、とりわけ重厚な存在感がある。純米大吟醸と言われたら、そうだろうなと信じるでしょう。生原酒だがまだ十分フレッシュ感がある。
純米吟醸活性にごり 瓶内発酵でガスを含んでいて、グラスに泡が立ち上るほど。舌がガスに刺激されて味がわかりません。楽しいですがもったいない飲み方になりました。
山廃純米 前述の通り熱めの燗に向く。冷やでは堅く味がほぐれないので、ほとんど燗酒専用と思っていいかも。これもまだ若くて、来年の今頃ぐらいが飲み頃か。
10 本醸造 丁寧なアル添と言うと変かな。酒質レベルの高い本醸造でC/P はけっこう高い。ぬるめに燗をつけてみましたが穏やかに味がふくらむ良い酒です。
どれを選ぶかというと難しいですが、燗にも向く日常的な常備酒としてはC/P を考慮すると本醸造で十分と思いました。これにたまに飲む酒として、純米吟醸中取り生原酒の2本で決まりでしょう。
山廃も好みの味傾向なのですが、やっとこれから旨くなるのかと思います。

閉会・・・で集合写真を撮っていないのを思い出して・・・。
何人も帰ったあとなので人数は少なくなっています。

この多くは二次会へ・・・そして三次会へ・・・・。
9升4合は午前1時までにあらかた片付いていました



さて、次はいよいよ年末恒例・忘年きき酒は12月26日の予定


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