IZAKAYA-2 第9回きき酒会 (通算69回)

〜 「帰郷歓迎会」と「偲ぶ会」を兼ねて 〜


IZAKAYA−2 第9回きき酒会リポート

日時 2009年8月22日(土) 19時から
会場 花邨 (はなむら) 大分市中央町4丁目2−5 全労済ソレイユ3階  
会費 6000円 

テーマ 「Mさん」帰郷歓迎会と波瀬杜氏を偲ぶ会を兼ねて
参加者 13人 

通算では69回目のきき酒会。
今回は東京「出稼ぎ中」だったMさん(ご夫妻)がいよいよ大分に帰郷した歓迎会と、
7月16日に逝去された開運の波瀬正吉杜氏を偲ぶ会として開催した次第です。


左から・・・「開運・純米大吟醸 波瀬正吉」「鍋島・特別純米」
「東一・Nero 純米吟醸」「豊潤・特別純米」「十九・純米吟醸」

今回のお酒はなかなか面白いチョイスだったという印象で、
それぞれに個性があり、酒としての完成度もそれなりに高く、
今回いわゆる「ハズレ」がなかったと感じています。

第9回きき酒会のお酒詳細一覧 (飲んだ順)

  銘柄 特定名称 その他 酒造場
開運・波瀬正吉 純米大吟醸 山田錦40% 18BY 土井酒造場 静岡県
鍋島 特別純米 福千代酒造 佐賀県
東一・Nero 純米吟醸 13度 山田錦49% 五町田酒造 佐賀県
豊潤 特別純米 55% 小松酒造場 大分県
十九 純米吟醸 生酒 18BY 尾澤酒造場 長野県

第9回IZAKAYA−2 きき酒会リポート

IZAKAYAきき酒会としてははなはだ異例のことではありますが、
逝去された波瀬正吉杜氏を偲び、冒頭に軽く黙祷をいたしました。

地味ではありますが、開運の杜氏として40年以上つとめられました。
開運の毎年ブレの無い酒質維持にどれだけ苦労されたかを思い、
日本酒業界で果たされた幾多の功績を思うと、
せめて酒飲みとしての感謝の意を表したいということであります。

意外と椅子席も良いか・・・

 今回は和食の花邨での開催でしたが、いつもの和室の会場が確保できず会議室使用となり、写真のように珍しく椅子席となりました。
 
 宴会という雰囲気には欠けるが、けっこう楽だし・・・と思ったよりも好評でした。
 後半座り込んで車座で・・という宴会的流れが無かったせいか、比較的早い時間に終了したのも椅子席効果でしょうかね。

佐賀の酒が好評というのも・・

 佐賀の清酒が東京などで好評だと良く聞きますが、今回の「鍋島」も「東一」も佐賀の人気銘柄です。

 鍋島の福千代酒造は鹿島市にあり、一昨年蔵を訪問しているので、私としても親近感がありますが、それを差し引いてもこの佐賀の2銘柄はレベルの高いもので、佐賀の酒が好評というのにも理解できるところです。

ご夫妻で「おかえりなさい」・・

 関東方面から帰郷されたMさんご夫妻は、ほんとに数年ぶりのご夫妻での参加でした。

 画面左手奥は、一般参加してくれた「豊潤」の小松潤平蔵元杜氏。
 みんなからまた今年も期待してますと激励されていましたよ。
 ところで、波瀬正吉杜氏の話をしていて、「能登杜氏四天王」って誰だっけ・・という話になったんですが、私は「波瀬正吉・農口尚彦・中三郎・三盃幸一」の4氏だと思っていたのですが、4人目は「天保正一」氏じゃないかと言う説がありました。

 そこで調べてみましたら、「満寿泉」の三盃杜氏はすでに2年前に引退されていたんですね。知りませんでした。

 となると波瀬正吉亡き後、現代の四天王は・・・誰だろう?  いや、もうそんな時代じゃないのかもしれませんね。個人名で語られる時代は終わろうとしているのかもしれません。


例によって記念写真・・・酒はもちろん、参加者も個性豊か・・・です。


で、私の個人的感想です・・・

もちろん私の独断の感想にすぎないものであって、絶対的な評価ではないないので念のため。
  銘柄 私の感想
開運 もちろんダントツです。さすが波瀬正吉・・・というしかありません。きれいさ、味・香りの整ったバランスは温度変化にも崩れず、これといった欠点を見いだすことができませんでした。純米大吟醸としてほとんど完璧と言っていいと思いました。1万円超クラスの中でもC/Pは高いのではないでしょうか。嫌いという人はたぶんいないかも。
鍋島 波瀬正吉の後というのは欠点がまず先に来るのでいささか気の毒でしたが、C/Pを考慮するとなかなかのものと思います。すっきりした純米吟醸ですが、決してきれいすぎずしっかり旨味もあり、食中酒として何にでも合いそうです。もちろん燗にも良い万能系だと思います。人気があるのも十分頷けます。けっこう好みです。
東一 Neroは初めてですが、いささか驚きました。この手の低アルコール清酒は邪道かと思っているのですが、これは意外といけます。単に度数を抑えたのではなく、東一としてのきちんとした酒質設計を感じます。とはいえ、やはり好みではない・・。
豊潤 少し驚きました。これまでの酒に決して負けてないし、少なくとも同クラスの鍋島には互角以上と評価できます。もう少し熟成させたい感じはありますが、純米吟醸らしいきれいさとコクのある味わい、甘辛のバランスがちょうど良いです。
十九 この個性の主張には驚きです。やや度数高めで18BYの生酒のせいか、含むと複雑な味がいっせいに押し寄せて来る感じです。ただクセがあると言うか、たぶん人によって好き嫌いがあるかと思います。他が比較的穏やかなきれい系だったので特にそう感じたのかもしれないが・・・。まあ、決して嫌いではないです。

 こうして飲み競べてみると、私の好みbPはもちろん「波瀬正吉」になりますが、1万円という価格はとても普段飲みにするわけにはいきません。
 となると、C/Pが高いと感じた「鍋島」か「豊潤」かということになりますが、現時点では私の好みはやや「豊潤」のほうに向いています。これが好みbQです。
 県産酒だから・・というひいき目ではなく、「豊潤」は他県の同クラスと比較してもなかなかいい位置にいると思います。がんばれ「豊潤」・・・。次が期待というか、ほんとの勝負ですね。


ではまた次回・・・たぶん10月中旬かな。



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