IZAKAYA-2 第6回きき酒会

〜 2008年12月29日 忘年きき酒会 〜


IZAKAYA−2 第6回きき酒会リポート


日時 2008年12月29日(月) 18時30分から
会場 はしもと 2階 大分市中央町2丁目 (通称 相生町)  
会費 6000円 
テーマ 忘年きき酒会を楽しもう
参加者 18人 


左から「独楽蔵」「志太泉」「亀齢萬年」「義侠」「楯の川」「鷹来屋」「東一」「刈穂

忘年きき酒会のお酒詳細一覧 (飲んだ順)

  銘柄 クラス・特定名称 醸造元・産地 その他
独楽蔵 醇 2005 純米大吟醸  (株)杜の蔵・福岡県 山田錦 45%
東一 雫搾り生 純米大吟醸 生 14BY 五町田酒造・佐賀県 山田錦 39%
義侠 生40 純米大吟醸 生 9BY 山忠本家酒造・愛知県 山田錦 40%
鷹来屋 純米吟醸 浜嶋酒造・大分県 若水・山田錦 55%
志太泉 純米吟醸 志太泉酒造・静岡県 八反35号 50% 静岡酵母New5
楯の川 ひやおろし 純米吟醸 楯の川酒造・山形県 出羽燦燦 50% 
亀齢萬年 純米吟醸 原酒生 亀齢酒造・広島県 強力50%
刈穂 山廃超辛 純米山廃 刈穂酒造・秋田県 60%  日本酒度 +12

●選酒のコンセプト・・・

 今回は忘年会ですからみんなで楽しく飲めることが第一ですが、やはり新しい味との遭遇・・という喜びも多少は必要だろう・・ということで、定番の「東一」「義侠」「鷹来屋」をまず決めて、それに対応するクラスの相手方を選んで行きました。選び方は一応使用米・精米歩合・地域と価格帯を考慮します。
 大吟醸クラスは今回は山田錦で統一ですが、精米歩合が45%という独楽蔵の純米大吟醸を選んでみました。また吟醸クラスでは使用米を山田錦以外で、また北から南までの地域バランスをある程度考慮しました。

第6回IZAKAYA−2きき酒会リポート

圧倒的だった東一

 常連を中心に18人の参加でしたが、スペース的にはちょうど良い人数でほどほどに盛り上がりました。
 今回の目玉はなんと言っても「東一・純米大吟醸 雫搾り生14BY」です。東一はもともと人気トップクラスなのでやはり忘年会には欠かせない銘柄なのですが、今回の東一は予想を超える味わいでひっぱりだこでした。
 東一の味は「圧倒的」と言うべきもので、クリア感があってパワフルな味・・という感じで、参加の皆さんもやはり、東一に支持が集まっていたようです。
 もちろん同じく定番の「義侠」も9BYで、長期貯蔵とは思えないフレッシュさでしたが、東一とはもともとの方向性が違うんですよね。
 

おとなしい辛口の鷹来屋

 閉会前の集合写真です。皆さん、今回も十分に満足したようです。
 乾杯は福岡の「独楽蔵」でしたが、このクラスで精米歩合の5%の差は大きいのかなと感じました。やや雑味があるので燗をつけるともう少し良かったかも。価格ランクが違いすぎるので、比較は可哀想ですが・・。
 さて鷹来屋ですが、最近ますます淡麗辛口指向を強めているように感じました。特にこの若水の純米吟醸はその傾向が強いように思いますが、すっきりしたきれいな純米酒ではあるがおとなしい辛口で、ちょっと個性に欠ける感じがします。
 まあ、それ自体が蔵元の主張と言えるのですが。

懐かしい佐藤勝郎杜氏の義侠

 今回の「義侠」は9BYと10年以上昔の酒で、杜氏は左の写真のように懐かしい佐藤勝郎氏です。
 「東一」があまりにもパワフルなので少し影が薄いかと思いましたが、どうしてしっかりとした深い味わい。温度が上がるに従って味の膨らみが増して来て、どちらが勝るとも言えない素晴らしい大吟醸飲み較べ。

 現在の義侠にはラベルに「純米吟醸原酒生40%」という表示があるのですが、この頃のラベルには無いですね。しかもこのクラスに「吟醸」表示・・・。

人気は「東一」と「亀齢萬年」

 今回、東一・義侠に次いで人気があったのは「亀齢萬年」で「強力」という珍しい米を使っています。その米のせいでしょうか、硬いというか角のあるような不思議な味わいでした。何というか、吟醸のイメージでもなく決してスマートな味ではない印象なのですが、けっこうクセになりそうな味です。

 これだけお酒があると、ある程度個性がないと印象に残りにくいわけですが、やはり「東一」と「亀齢」をお気に入りという人が圧倒的に多かったです。

私の感想です


  銘柄 私の感想
独楽蔵 飲む順番を迷いましたが、乾杯酒にして正解だったというか・・・。そのあとがまさに超弩級の味でしたから、その後では辛かったと思います。酒自体は決しておかしなものではないですが、大吟としてはやや雑味があり、クリア感がありません。率直に言って価格設定も含めて「純米吟醸クラス」ならそれなりに納得できるところです。燗してみると面白そう。
東一 この旨さは圧倒的で、生っぽいフレッシュさがあるのに柔らかな熟成感、喉ごしは力強さがあるのにクリアで爽やかな後口。すばらしい。こうなるとケチのつけようがなく、ひたすら飲むしかない・・・・ただ平伏。今回のナンバーワンというより、今年飲んだ酒の中のモンクなしイチバン。
義侠 これもさすが義侠!という旨さが印象的でしたが、東一とは多少方向性が違います。東一がクリアな中にも力強さでぐいぐい迫って来るのに対し、まずすっきり感が先に。同じような力強さであってもむしろより繊細なきめ細かさを感じます。これが昔の義侠、佐藤勝郎杜氏の味だったのだなあ・・と懐かしく思い出しながらしみじみと味わいました。
鷹来屋 最近の鷹来屋の辛口傾向が特徴的に出ているように思いました。軽やかでスッキリ感があるので、さわりなくスイスイ飲めるのですが、淡麗辛口という以外味の個性はあまり無いので、印象に残らない味です。しかしこれはこれで飲み詰まらないで最後まで飲める酒ではあると感じます。
志太泉 やや香り系なのは静岡酵母の典型的な酒・・ということだと思いました。もう少し味のある酒と記憶していたのですが、けっこうスッキリ系の吟醸でした。鷹来屋と傾向は違うものの、このクラスの酒として良い勝負と思いました。ここの酒は、特別純米以下の方が蔵の個性が良く出ていると思います。
楯の川 面白いもので、スペック的には志太泉の方が味系なのかと思っていましたが、こちらの方が度数も低いのにしっかりした濃いめの印象があります。意外と私の好みかなという記憶。燗をつけるならこの酒だろうと思います。米は美山錦と思いこんでいましたが出羽燦々でした。
亀齢 いやこれは実に個性豊かでインパクトがありました。予期はしていましたが・・。強力という米の味でしょうか、まさに「強力」な存在感があり印象に残る。これまでの酒の印象を一挙に忘れさせる程度のパワーがありますが、飲み続けると飽きてしまう感じはあります。でもキライじゃないですこの味。
刈穂 最初は山廃を2〜3本入れるつもりが方向性が変わり、でもちょっと面白そう・・と深く考えずに残したために、可哀想なことになった。他の酒が比較的旨口傾向の中で完全に浮いてしまって強い違和感が・・。「山廃」で「超辛」というアンマッチがどんなものか関心があったが、結局はこんな結果なのだな・・・と、もう少しコンセプトを考えるべきだったと、いささか自戒を込めて反省。


なんか怪しげな・・・・。


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