おおいた日本酒文化研究会 第109回きき酒例会

〜 いまどきの大分県産酒呑みくらべ 〜



 2021年はとにかく「コロナ・ウィルス」に振り回された1年であったと言い切って間違いないと思いますが、この「お酒研きき酒例会」も2020年1月に108回を開催以来、2年近く開催できないままでした。
 2021年の秋頃から県内での感染もやや下火になったことから久しぶりに開催に踏み切ったわけですが、感染が急激に拡大したらどうするか、毎日の感染状況を見ながらひやひやの中での開催日を迎えたわけで、参加者の皆さんのお顔を拝見してほっとしたのを、よく覚えています。

 お酒研 第109回きき酒例会リポート

日時 2021年12月28日(火)18時30分 開会
会場 レストラン石合船 大分市中央町3−5−13 097−536−3684 
会費 6000円 

テーマ いまどきの大分県産酒呑みくらべ   
参加者 19人 

よこやま 和香牡丹 花笑み ちえびじん 豊潤 鷹来屋 七田 薫長 一の井手

今回のお酒の詳細一覧 (上記写真の左から)

  銘柄 特定名称 使用米・精米歩合 蔵名 所在 備考
よこやま SILVER7 純米吟醸 山田錦・50/55% 重家酒造 長崎県壱岐 協会701号
和香牡丹 純米吟醸 山田錦・50% 三和酒類 宇佐市 協会6号
花笑み 純米吟醸 山田錦・50% 大地酒造 佐伯市 協会9号
ちえびじん 純米吟醸 山田錦・55% 中野酒造 杵築市 協会9号
豊潤 特別純米 山田錦/吟のさと60% 小松酒造場 宇佐市 協会11号
鷹来屋 田染荘オリジナル 特別純米 山田錦/日本晴50/60% 浜嶋酒造 豊後大野市 協会9号
七田 愛山75 純米 愛山・75% 天山酒造 佐賀県小城 佐賀酵母
 薫長 ヌーボー 純米吟醸 五百万石・59% クンチョウ酒造 日田市 協会7号
 一の井手 USUKI 特別純米 若水・55% 久家本店 臼杵市 協会901号

   私の記憶では、蔵の名前からすると全て呑んだことがあるはずですが、例えば「薫長」のヌーボーという銘柄はこれが初めての機会です。また「和香牡丹」と「花笑み」は精米歩合が50%ですから「大吟醸」表示もできるわけですが、それを「純米吟醸」表示にとどめているのは好ましいと思います。ただし、私は精米歩合にこだわっているわけではなく、50%というのは磨きすぎではないかと思っています。その点、「七田」は「愛山」という人気の米を75%という低い精米歩合で使っているのを、私としては評価しているのです。なお、この七田の使用酵母は「佐賀酵母」となっていますが、もともとは9号系だそうで、香りも突出するわけではなく、穏やかな性質の酵母ではないかと思いました。

第109回お酒研きき酒会お好みアンケート


 今回は「お好み」の順にアンケートをお願いしました。最もお好みから5銘柄に順をつけて下さいとお願いしたので、直接酒質等の評価をしたわけではありませんが、結果としては同じことであったと思います。なお表中「M」の列が私の採点です。
 「5位」までの採点をお願いしたところ、4位までしか記入が無かった方、9位まで記入があった方などありましたが、すべて5位までに揃え、それ以外については全て6位として集計したものが以下の表になっています。参加19人でしたが、回収された回答票は17枚でした。

   A B C D E F G H I J K L M N O P Q
 よこやま 41
 和香牡丹 74
 花笑み 87
 ちえびじん 79
 豊潤 98
 鷹来屋 66
 七田 71
 薫長 69
 一の井手 82

 壱岐の「よこやま」については、私は経験済みでしたのでたぶん上位にあるだろうと見当をつけていたのですが、このようにダントツの第一位の評価を得たことはいささか驚きでした。また「鷹来屋」は田染荘オリジナルでしたが、さすがに蔵元でタンク指定をしただけあって、吟醸レベルと言ってよい酒質で、高い評価も当然の味でした。
 佐賀の「七田」の高評価は当然としても、「薫長」のキレ味の良い味わいに驚いたという声が多かったことなど、あらためていまの県産酒を見直すよい機会ともなりました。ただ、C/Pにはいささか問題ありですが・・・。
 「豊潤」が最下位になりましたが、価格は最も安価なものだったので、いささか可哀相なところではありましたが、酒質としていささか特徴に欠けるように思われ、奮起に期待したいものと感じた次第です。

 大分県産酒の酒質は、間違いなく向上しています。


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