おおいた日本酒文化研究会 第99回きき酒例会

〜 真夏の燗酒大会 2017 〜


 お酒研 第99回きき酒例会リポート

日時 2017年8月19日(土)19時 開会
会場 ^鹿BAR 大分市府内町3−5−17 第一石松ビル 097−532−8452 
会費 6000円 

テーマ 真夏の燗酒大会 2017  
参加者 17人+1人 


 いやー今年の夏も暑い暑い日が続きましたね。その中で毎年夏の恒例イベントになりました「真夏の燗酒大会」の第8回を開催しました。この暑い盛りの燗酒の会もけっこう固定フアンがいるんです。今回も満席プラス1の18人のメンバーが集まりました。なんで「プラス1」かというと、お燗番助手が必要なので臨時のいすをカウンターの中から引っ張り出して使ったからなのです。
 燗酒の会としては、なにしろプロのお燗番付きという大変ぜいたくな会なのです。「お燗番長」がいてこそのこの企画です。

 さて、お店のエアコンは入っていてもやっぱり暑かったですね。それはなにせお燗用のカセットコンロを使いましたから。もちろん店の冷房は入っているのですが、せっかく暑い盛りに燗酒の会をやるからには、せめて汗ぐらいかかなきゃやる意味は無い・・・と言いながらやっぱり暑かったです。

群馬泉 大七 鷹勇 松の司 秋鹿 天穏 玄亀

今回のお酒の詳細一覧 (上記写真の左から)

   銘柄 特定名称 その他 備考
群馬泉 超特撰 純米 山廃  島岡酒造 群馬 若水 自家酵母
大七 純米 生もと 扁平精米 大七酒造 福島 五百万石 7号酵母 
鷹勇 純米 山廃 21BY 大谷酒造 鳥取 山田錦・玉栄 7号酵母
松の司 生原酒 純米 生もと  松瀬酒造 滋賀 山田錦 自家酵母
秋鹿 純米 山廃 27BY 秋鹿酒造 大阪 山田錦 7号酵母
天穏 無濾過 純米 生もと  板倉酒造 島根 改良雄町 酵母無添加
玄亀 生原酒 純米 山廃 25BY 亀の井酒造 大分 五百万石 9号酵母
 今回のお酒はすべて生もと・山廃の純米酒です。「群馬泉」「鷹勇」「松の司」はこれまでの経緯から、たぶん燗上がりして旨いだろう・・・という、期待を込めて選んだもの。「大七」は以前からの有名ブランドに期待して。「玄亀」は大分県産酒の代表として選んだものです。「秋鹿」は燗酒としては初めて。「天穏」はまったくの初登場ですが、酵母無添加の造りはいかがなものか?というあたりに期待しています。 

第99回お酒研きき酒会リポート


今年も会場は「^鹿BAR」です

 さて会場ですが、今年も大分市府内町にある日本酒バー「^鹿Bar」です。もともとマスターがこの会のメンバーなので、この数年いろいろと協力して貰っています。今回もこの「^鹿Bar」を会場として開催しました。
 このお店の席数は小上がりを入れても17席なので、このような燗酒の会としては手頃な席数。ただ、カウンター席と小上がりと・・というように席が別れてしまうのはしかたがないことです。
 メンバーの撮影した写真を頂きました。

贅沢にお燗番付きです

 左手は7席ほどのカウンター側です。右手、ずっと広いように見えますが、よく見るとわかるように奥は全面ミラーです。
 中央やや手前入口側にお燗番席を作ってあります。当然のことながら卓上ガスコンロを使いますからお燗番は暑いのです。

 最初にお酒を「常温」で回して味の変化も感じて貰うようにしています。燗でどのように変化するのか、この会の最大の楽しみでもあります。

さすがの「群馬泉」

 「群馬泉」は私の好みの燗酒のひとつですが、常温では特に際立った特徴があるわけではないのに、燗をつけるとぐっと味が広がります。燗酒としてはほとんどトップクラスではないかと思っています。

 「大七」の生もとは燗酒としては昔から定評がある酒ですが、今回は常温とそれほど変わらず、思ったほどに燗上がりしなかった感じ。感じとしては酒が若いのでしょうか。生もと・山廃系の酒はだいたい多少なりとも熟成が必要なのだろうと思いました。

ダントツの鷹勇

 この会では意外と「鷹勇」の登場が少なかったのですが、今回は21BYとあって常温ではやや熟成臭もあったりしましたが、燗をつけると見事と言えるほどの燗上がりぶりでした。もうダントツといえるほどの旨味爆発。

 「松の司」も私の好みの燗酒ですが、今回は「鷹勇」のあとだったのでちと分が悪かった感じです。それでもしっかり旨い燗がつきました。燗酒は、このくらいがちょうど良いという人も多かったのです。

いささか軽い天穏

 「秋鹿」の山廃は初めてでしたが、日本酒度プラス10という辛口表示のわりには軽快な味わいと感じましたが、ちと物足りない感じもありました。

 「天穏」の生もとはもう少し個性的な味かと思っていましたが、意外に思うほど穏やかな生もと、というかまあ無個性と言っても良い燗酒でした。

 「玄亀」は生原酒のせいかちょっと重たい感じで、これは燗酒よりは冷やで飲んだ方が良いのかもしれない。ちょっと残念ではありました。

お燗はやっぱり湯煎

 もちろん湯煎燗で、同じ酒も燗温度を変えて回し直したり、リクエストに応じたりとお燗番は大変です。その労力にほんとうに感謝です。

 同じ燗瓶を使うので、少し酔いが回るとわけが判らなくなったりします。今回は燗瓶に何が入っているか判るようにラベルをつけました。これでまあ、途中まではちゃんと今何を飲んでいるのかは判るようになりましたが、あとの方になるとやっぱり同じ事だったような。

秋鹿は醪日数21日

 今回燗酒としては初登場の「秋鹿」ですが、日本酒度がプラス10という表示なのに、飲んでみるとそれほど辛いという印象はありませんでした。
 ただ、醪日数が21日という表示にへええ?といささか驚いたしだい。ふつうは30日とか、もう少し長いように思ったのですけどね。燗酒の味にやや奥行きが無いように感じたのは、あるいはこのせいかと思ったところです。
 もちろん造りかたは蔵により様々なので、けっして文句を言っているわけではありません。不思議に思っただけです。
 

お燗番はせっせと・・・

 お燗番助手がせつせと燗をつけている向こうでは、楽しそうな皆さんがよりより集まって。浴衣姿の女性は、ふだんは福岡在住とか。わざわざおいで頂きありがとうございます。

 最近はお酒に対する評価も、また消費量も、男女の差は無くなっておりまして、むしろ女性の方がよく理解していると思うことが多いです。今回もよく来て下さいました。感謝しております。

あなたにとってどの酒が燗酒ナンバーワンか・・を挙手で表明していただきました。以下のようになりました。
なお私の評価は1・鷹勇 2・群馬泉 3・松の司 4・秋鹿 で、皆さんの評価とほぼ同じですかね。

順位
蔵名 鷹勇 群馬泉 松の司 秋鹿
支持者数

ありゃ合計すると17人、ということはひとり数えそこなった?
まあ・・・私もけっこうな量飲んでいるので、記憶違いがあるかもしれないが・・。



 最後に記念の集合写真です。みんな楽しそうですね。お酒はカラになった瓶もいくつかありました。

 しかし、暑い中の燗酒大会はやっぱり面白いです。続けられるならこの先も続けて行きたいものです。ただ、どうしてもお燗番がいないとできないのが難点ですね。

 これもメンバーが撮影した写真を頂きました。

次回は第100回、年末忘年会の予定です。今年は2回の開催となりました。


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