おおいた日本酒文化研究会 第100回記念きき酒例会・忘年会

〜 酒の味 Difference & your Preference 〜


 お酒研 第100回きき酒例会忘年会リポート

日時 2017年12月28日(木)19時 開会
会場 the bridge 大分市中央町  097−532−8452 
会費 6000円 

テーマ 酒の味 Difference & your Preference (違い、そしてあなたの好み)  
参加者 35人 


 このところ年末の例会忘年会は私が幹事をしていたのですが、今回は会員のM氏が幹事を引き受けて下さったので、私は何も心配すること無く一会員としてのんびり?とお酒を楽しむ事ができました。今回のスタッフの皆さんご苦労様でした。

 参加者数は35人というのは、これまでのタイ記録です。本来の定員はオーバーしていたのですが、忘年例会ということもあり、キャンセル待ちの人も最終的には受け入れたことから、この人数になったわけです。

 お酒の方は、よくまあこれだけ集めた・・と言うべきか一升瓶が16本も並んでおり、これは史上第2位ということになります。そのうち純米大吟醸が6本という、贅沢な顔ぶれになり、酒代は大丈夫かな・・と心配したほどです。

左から
山の井 栗林 仙禽 而今 ちえびじん 王禄 亀齢 梅乃宿
風の森 飛露喜 千羽鶴 毛利 東一 開運 九平次 AKABU

今回のお酒の詳細一覧 (上記写真の右端から)

   銘柄 特定名称 使用米・精米歩合 備考
AKABU 純米大吟醸 結の香40% 赤武酒造 岩手 火入れ1回
醸し人九平次human 純米大吟醸 山田錦45% 萬乗醸造 愛知  
開運「伝波瀬正吉」 純米大吟醸 山田錦40+35% 土井酒造場 静岡 無濾過生
東一 斗瓶取り 純米大吟醸 山田錦39% 五町田酒造 佐賀  
毛利 無濾過生原酒 純米大吟醸 山田錦50% 山縣本店 山口 純米酒大賞
千羽鶴 生吟 純米大吟醸 山田錦40% 佐藤酒造 大分 生原酒
飛露喜 愛山 純米吟醸 愛山50% 廣木酒造 福島  
風の森 愛山 純米 愛山80% 油長酒造 奈良 7号系酵母
梅の宿 五段仕込 純米吟醸 露葉風60% 梅の宿酒造 奈良 江戸時代仕込み技法
10 亀齢 五段仕込 純米 中生新千本70% 亀齢酒造 広島 麹歩合89%
11 王禄 八〇 生原酒 純米 山田錦80% 王禄酒造 島根  
12 ちえびじん 生もと 純米 山田錦65ひのひかり70% 中野酒造 大分 1回火入れ
13 而今 おりがらみ 特別純米 五百万石60% 木屋正酒造 三重 29BY新酒
14 仙禽 初槽直汲み 純米 山田錦40ひとごこち50% せんきん 栃木 29BY新酒
15 栗林 六郷東根 純米 美郷錦60% 栗林酒造店 秋田 火入れ
16 山の井 70 純米 八反錦70% 会津酒造 福島  
 今回のお酒は、16本のお酒を2銘柄ずつ8グループに分けて、まず1番と2番のその2本を比較する、という順序で利いて行きましたが、舌がなんとか味を判別できたのは12番目の「ちえびじん」までぐらいで、あとは舌先がシビレるようになって、味の判定がやや難しくなったのは確かです。なお、私が実際に飲んだ順序は上記の順番とは少し違い、最初に「九平次」で次に「AKABU」だったりしたことがありますが、一応表示は配布されたリストによっています。。 

第100回お酒研きき酒忘年会リポート


会場は去年と同じthe bridge

 けっこう広い会場なのですが、さすがに35人もいるといささか狭いくらいに感じますね。皆さん盃を持参なのですが、多数持参した人は置き場所に困ったりもしたようです。

 お酒は、2本のお酒を向こう側とこちら側と同時にスタートさせて端まで行き着いたら交換する、というシステムだったのですが、人数が多いものでなかなか行き着かなくて待ち遠しかったですね。
 まあ、そのぶんゆっくり話が出来て良かったのかもしれませんが。

さすがの「伝波瀬正吉」だが・・・

 今回も、ナンバーワンはやはり「開運」の純米大吟醸「伝波瀬正吉」でしたね。これと言って文句の付けることの無いお酒なのですが、いささか飽きて来た・・・というのが正直なところかな。ぼちぼち脱波瀬正吉を。

 「九平次」と「AKABU」はほぼ同レベル、私は僅かながら「九平次」かなと思いました。でも人によっては「AKABU」を選ぶかな。

 「東一」は、その前に飲んだ3銘柄にちとかすんでしまった感はありますが、すっきりしていてこれはこれで立派な純米大吟醸だと思います。

あれ?千羽鶴の生吟は・・

 「千羽鶴」の生吟は、これは飲んだことのあるような・・・、かつての「はしもと」の人気銘柄だった純米大吟醸ではないですか。けっこう旨い酒なのですが、私は渋みというか苦味が残るのがちと気になりました。

 「飛露喜」が人気第4位、「愛山」という米を良く知っているなと思った。

 「毛利」はいささか荒い印象があるが、力のある大吟醸だ。

「風の森」は、私には何か雑味があるように思えて気になった。

超甘口の梅乃宿・亀齢

 「梅乃宿」と「亀齢」は五段仕込みとありますが、超甘口でした。一口飲んで、「これは味淋だね」などと言ったのですが、そのくらいの甘口。酒としては「梅乃宿」の方がやや上手かな。「亀齢」は多少雑味が気になった。

 「王禄」は山田錦の80%とありますが、しっかり主張のある味で、これはもう人により好き好き・・というしかありません。

「ちえびじん」は生もと仕込みだそうですが、味の方は特に生もと系とは思えないすっきり軽快な味わいで、ふーん?と思う感じ。

このへんの記憶はやや薄く・・

 「而今」は新酒だそうで、おりがらみですが軽さの中に旨味もあり、なかなかしっかりした味だった・・・と記憶しています。

 「仙禽」も新酒ですが、これも重たくないすっきりした味で、ただし喉までにすっと味が消えてしまう感じ。これは現代風の造りなのですかね。

 「栗林」はいかにも秋田の酒、という感じですが、穏やかな中甘口のせいかあまり目立たない酒でしたね。

 「山の井」は・・・悪くない、と思った記憶だけが残っています。
 今回のお酒について「評価アンケート」があり、その結果としては第1位「開運」、「第2位「AKABU」、第3位「九平次」、そして
第4位「飛露喜」、第5位「毛利」、という順位とのことですので、私の採点を10位まで公開いたします。
 5点満点で採点したのですが、同点が多くなりましたのでプラスとかマイナスとかを付加しても、やっぱり同点が多くなって順位を付けるのは難しく、ほんとに困りました。とりあえず言えることは、今回はハズレ、というお酒はありませんでした。
 以下のリストが私の採点です。 16本ありましたが、そのうち10位までです。
順位 銘柄 私の採点 評価・感想など
開運 4.5+ やや辛口に感じますがすっきり、これはけちを付けようのない純米大吟醸
まあ、今回の最高価格ですから当たり前と言えば、そうなのですが・・・
九平次 4.5+ やや甘口ですが、バランス良く程良い旨味がしっかり喉に感じられます
価格もほどほどなので、まあお買い得かな
AKABU 4.5 やや甘口、バランスは良いのですが、旨味が早く消える感じが惜しいかな
価格は一番と二番の間クラスなので、C/Pとしてはまあまあですかね
飛露喜 4+ 軽快できれいな酒、しっかり旨味あり、愛山という米を使いこなしている印象
いささか甘口に感じましたが、これを好む人も多いかなと思った
毛利 しっかりしていますが、無濾過生原酒のせいか若干の余計な雑味を感じました
価格は3千円台で下から数えた方が早い、C/Pとしてはダントツですかね
東一 やや甘口ですがすっきり軽快な印象、ただし何か奥行きに乏しいように感じた
価格はトップクラスなので、C/Pではちと劣るかなーと思いました
栗林 秋田の酒らしく、おとなしい静かな味わいですが、意外と旨味も出て来ます
これはピンクラベルだけど、米の生産者だけが違うグリーンとの比較も面白い
而今 4- 軽い舌触りと感じましたが、旨味もしっかりあります
仙禽 4- 軽快でバランスは良いと感じましたが、味がすっと消えて行くのはどうなのか
無濾過生原酒のせいか、味がまだこなれていないと感じた
10 王禄 3.5 バランスとしてはもうひとつ・・かと思いますが、しっかりした味の主張は感じます

トップ3です・・ほとんど差は無いと思う

 今回の第1位は静岡の「開運」です。「伝波瀬正吉」は亡くなった波瀬正吉杜氏の造りを引き継いでいるわけですが、私としてはいささか飽きたなーという気持ちも、実はあるのです。ぼちぼち「脱波瀬正吉」でも良いのでは・・・とも思うのですがね。酒としてはほとんど文句ナシ。

 「九平次」と「AKABU」では、同じようなやや甘口傾向の味ではありますが、感じる旨味の奥深さの比較で、私としては「九平次」の方が僅かながら上かなと思いました。しかし赤武酒造は若い杜氏だそうですが、これは立派な酒を造っているのだなあ・・・と感心しました。
 

 最後に、全員参加でいつものように記念の集合写真です。程良くまわって、いかにもみんな楽しそうですね。
 はて、35人みんないるのだろうか。今回、女性の参加者は14人いたはずです。

 今回も集合写真はメンバーのN氏が撮影した写真ファイルを頂きました。

 お酒もハズレは無くて、楽しい会でした。

ついでに・・・

 大分市の旧府内城祉に突然天守閣が登場・・・

 といっても期間限定で7万球のLEDランプを使ってかつての天守閣をイメージするものだそうです。府内城の天守閣は18世紀の江戸時代に火災で焼失したそうで、いまは天守台だけが残っています。

 こうしてみると、デジタルカメラの小さなストロボライトが、けっこう遠くまで届くのに驚きました。手前の何台かの車はともかく、櫓の壁などは肉眼では暗くてほとんど見えないのが、写真には写っています。

 まあ、イメージとしてなかなかよく出来ているとは思いました。

次回は第101回、です。幹事募集中。


  IZAKAYA-2メニューに戻る     最初のページに戻る     第99回へ      第101回へ