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「忘年きき酒会」は中央町の「the bridge」にて
会場は大分市竹町通りのひとつ南の通り「the bridge」で。
今年は去年と同じ29人の参加者で、会場は40人は入れる広さなのでゆったりとした感じで広々していました。ちゃんとPAの設備もあって、スタンドマイクとワイヤレスマイクを使って声も十分届いたと思います。
今年の29人の参加者中女性は11人とやや少なかったのですが、その女性たちの飲む量・研究熱心な態度などは、毎年の事ながらいずれも酒飲みおじさんたちを問題にしないものでした。いささか感心。 |
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スタートは「梵 団」と「獺祭」
最初は「梵 団」と「獺祭」の精米歩合20パーセント台純米大吟醸の対決です。いずれも一万円級の贅沢なお酒ですが、すっきり軽快な味わいで、「梵」の方がやや奥にもうひとつ深い味があるという感じでした。でも、このクラスは食中酒には向かないなあ・・・というのが率直な意見です。
「ちえびじん」は精米歩合35%と高精白なのに喉に懸かるような苦味が気になりました。バランスがもうひとつかという感じ。「開運」の伝波瀬正吉はさすが!ですが、やや私の好みとは異なるし、伝ナントカも、もうぼちぼち良いのでは?と思った。掛米が35%というのが面白い。
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これはさすがの「義侠 慶」
「義侠 慶」は3年から5年もののブレンドだそうですが、わずかながら長期貯蔵の味わいがあります。これが気になるという人もいるでしょうが、実にしっかり落着いた枯れた味わいにはうむ!とうなる何かがある。「作」はやはり最近の純米大吟醸の味わいそのものといった感じ。悪くは無いのですが、飲んでいるうちに飲み詰まる感じ。
「比良松」はやや甘口ですがなかなか良くできた酒です。バランスも良く、すっきり感もあっていくらでも飲めそうな酒です。「秀鳳」は悪くは無いのですが生原酒のせいか多少荒い印象。火入れの方が良いか。
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「松の司」は落着いた旨味がしっかりと
「松の司」はどの酒を飲んでもしっかりした旨味を感じますが、今回のブルーも生の表示はあるが実に落着いたバランスの良い酒でした。全温度対応、どんな肴にも合うという感じですね。
「紀土」は決して悪くは無いのですが、「松の司」のあとではちょっと落差を感じてしまった。もう少しバランスが良いと支持できるのですが・・・。「宗玄」は生原酒のせいでちょっと荒っぽい印象でしたが、酒としては悪くなく、燗で飲んでみたい酒でした。「昇龍蓬莱」は、何せ生もとで生原酒という造りのせいか、力強い味わいはいささか舌が疲れてしまう感じでした。
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「山田錦」80周年記念のお勉強も
今回のテーマは、昭和11年に登場した「山田錦」の80周年記念、という高尚な題目を掲げていて、ちゃんとPDFの資料も作成してそれなりにお勉強もしました。単なる飲み会ではないと・・・。
「山田穂」と「短稈渡船」を親に持つ「山田錦」ですが、こうして飲み比べてみると、穏やかな味わいですが精米歩合や酵母の違いにかかわらず、共通する味があるのだと感じました。
味のことを言葉で表現するのは難しいのですが、柔らかい旨味が共通項と言うか、なるほどこれが「山田錦」なのかと思った次第。 |
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圧倒的な「開運」伝波瀬正吉そして「義侠」
今回はお気に入りのお酒についてアンケートを実施しました。もっともお気に入りを◎1個、次いでお気に入りを〇2個という形で評価して貰ったのですが、「開運」の伝波瀬正吉が◎8人〇8人となってめでたく第一位となりました。私の評価は、「義侠」◎で「秀鳳」〇「松の司」〇で、「開運」はいささか悩んだのですが、今回はもういいかとはずした次第です。
「秀鳳」は今回は生原酒だったのですが、たぶん火入れの方が良かったかも・・・と思っています。火入れの方が味のしまりがあって、このような他の酒との比較の時は向いているように思いました。 |