おおいた日本酒文化研究会 第88回例会きき酒会

〜 真夏の燗酒大会2014 〜


お酒研第88回「真夏の燗酒大会」リポート


日時 2014年8月29日(金)19時 開会
会場 ^鹿BAR 大分市府内町3−5−17 第一石松ビル2階 
会費 6000円 
テーマ 真夏の燗酒大会2014  
参加者 17人 


毎年夏の恒例イベントになりました、「真夏の燗酒大会」です。この暑い盛りの燗酒の会も固定フアンがいるのです・・と言いながら当日は天気のようすが雨から曇りのために気温がやや低く、過ごしやすい一日となりました。
とはいえプロのお燗番付きで・・という大変ぜいたくな会なのであります。お燗番がいてこそのこの企画です。
今回は7銘柄+1銘柄です。入ったばかりの「鷹来屋」を番外として持参して貰いました。
鷹来屋 大七 鏡山 早瀬浦 出羽桜 都美人 鶴齢 群馬泉

今回のお酒の詳細一覧 

   銘柄 特定名称 使用米ほか その他
鷹来屋 山廃夏越し生酒 特別純米 17-18度  浜嶋酒造 大分   
大七 純米生もと 純米 15度 扁平精米69% 大七酒造 福島
鏡山 生もと無垢 純米 16度 60% 小江戸鏡山酒造 埼玉
早瀬浦 山廃純米 純米 18度 55% 三宅彦右衛門酒造 福井 2011 
出羽桜 山廃仕込み 特別純米 16度 55% 出羽桜酒造 山形
都美人 山廃純米 純米 18-19度 65% 都美人酒造 兵庫 無濾過
鶴齢 山廃純米 純米 15度 70% 青木酒造 新潟
群馬泉 超特撰純米 純米 15-16度 50% 島岡酒造 群馬  
今回は全て「生もと・山廃」系のお酒になりました。お燗に向く酒・・・と考えていると、どうしても生もと系のお酒が多くなるのですが、最近はこのような本格的な生もと系のお酒が増えていることは喜ばしいことです。
なお、「鷹来屋」は番外ですが人によっては一緒に飲んで評価してみたようです。

第88回きき酒会リポート

去年に続き^鹿BARでの開催です

会場は今回も大分市府内町の「^鹿BAR」にお世話になりました。
店主は本来このIZAKAYAのメンバーでもあることから、このような会に積極的に協力して頂けるのは有り難いことです。

スペース的には左の写真のようにそれなりの広さはあるのですが、カウンターと小上がりなどに詰め込んでも17人がぎりぎりです。このため今回はふたりがキャンセル待ちのままになってしまいました。

もちろん湯煎燗です

お燗係りはメンバーでもある田染荘の津田さん、というかこの真夏の燗酒大会の当初の提案者でもあるわけですが、このようなプロのお燗番がいるから成り立つ企画です。

お酒の特徴を吟味した上で、適切な温度に燗をつけて回し、2度目は熱燗など希望の温度設定にする。このため本人はなかなか飲むヒマが無い・・という現実があります。

私の目の前には・・

私の目の前です。グラスが並んでいます。自分用の盃は持参して貰っていますが、陶器・磁器類が良いのかガラス器が良いのか、なかなか悩むところですが、私は今回はガラス器にしました。
ふつうの、柳宗理デザインの清酒グラスです。

錫器などの金属器は、このような燗酒には向かない面がある・・と考えているのですが、まあそのへんは好き好きですので。

評価分かれる「鏡山」

「大七」は静かな酒・・というイメージで、温度が高くてもそう変わりませんでした。「鏡山」はけっこう個性があり評価は分かれました。
「早瀬浦」は度数が高いせいか燗よりも常温までかなと思いましたが、しっかりした味は好ましい。

「鷹来屋」は本来は番外なのですが、去年のものよりもしっかり味がある印象でしたので、別途買い込んでみることにしました。

「出羽桜」は出羽桜と思えない

「出羽桜」はもともとの酒造家の蔵では無いところで造られているらしい・・・ということで、けっこうクセのある味ですが「出羽桜」とは思えない味であるところが面白い。

「都美人」はけっこう個性的ですが、「鶴齢」と「群馬泉」は比較的おとなしい印象を持ちました。しかし、全温度対応というか、熱めに燗をつけても平然としている印象の「群馬泉」はやっぱりすごいと思った。


さて、それぞれのお酒についての私の独断的・個人的感想をひとことだけ
(後半は単なるヨッパライになって、いささか記憶の混乱もあるかも・・・ある)


銘柄 わたしのひとこと
鷹来屋 最初冷やで飲みましたが、山廃と思えない軽快な印象があった
大七 すっきりしていますが適度に雑味があり、燗に向いていると思った
鏡山 やや個性的な味わいはあるが、あまり温度を上げない方が良いかもしれない
早瀬浦 最初は軽快と思ったが、しっかりした味わいは温度に左右されない
出羽桜 貯蔵臭、やや渋みを感じるが悪くはない
都美人 アルコール度数が高いと思わなかったが、多少個性的というか不思議な味わい
鶴齢 山廃という印象があまりないが、飲みやすいと思った
群馬泉 かなり熱い温度でも印象はそう変わらなかった・・・と思う

まとめとして・・・今回もいわゆる「ハズレ」無し。それぞれに良い酒ばかりでした。「山廃」を含む生もと系」が燗に向くことはすでに常識になっているところですが、そのひとつの特徴が「酸度」にあることは間違いないですね。ただそれも極端に高いと、酸味が燗によって強調され、「辛さ」として感じられることがあるようです。さらに、アルコール度数も味の「コク」におおいに関係があるのですが、これも濃すぎると酸度と同じ事が言えそうです。
結局は「バランス」なのですが、今回は全体に大きくズレたものがありませんでした。

ありゃ、みんなの写真を撮り損なってしまった。


さーて、次は10月だなー。



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