銘柄 |
わたしのひとこと |
開運 |
柔らかな芳香がふわっと広がり乾杯が待ち遠しかった、味はさすがというほかない |
鍋島 |
開運のあとで損したが、すっきりきれいな大吟醸、ただ鍋島らしさはあまり無い感じ |
豊潤 |
かなり辛口ですがそこそこ味もあるので飲みやすいものの、まだ若すぎるという印象 |
鷹来屋 |
いかにもすっきりきれいな純米吟醸という感じで、米のせいか豊潤にも似ている |
三井の寿 |
これも豊潤と同傾向の酒と感じたが、コクや味のふくらみが無くあまり手が出なかった |
伊予賀儀屋 |
バランスは悪くなく飲みやすいが、いささか穏やかすぎて個性に乏しい感じがある |
玉川 |
いかにも玉川・・だが山廃のわりにすっきり軽快感もあり、燗つけるとなかなか旨い |
杉勇 |
生もとというよりしっかり雄町の味がするのが個性か、これも燗つけると実に旨い |
阿櫻 |
香りよくバランス良し、やや甘口に感じましたが酸もしっかりある感じで燗も良さそう |
東鶴 |
生酒のせいかかなり甘口に感じましたがいかにも佐賀の酒という印象、けっこう好みの味 |
ちえびじん |
ひらがなちえびじんは最近県外では人気銘柄とか、やや甘口ながらバランス良く好み |
まとめとして・・・今回はM幹事の選酒でしたが良く考えられていて、もとよりいわゆる「ハズレ」はありませんでした。
「伝・波瀬正吉」はさすが!と言うべきクリア感と力強さのバランス、間違いなくこの中で頭ひとつ抜けていましたね。
今回も順番をつけるのは難しいですが、やはり「波瀬正吉」のきれいさ、うまさのバランスの良さは強く印象に残っていますし、次いで「杉勇」「玉川」、そして「東鶴」「阿櫻」というあたりが好ましいと思いました。
特に燗をつけてみると、やはり「杉勇」「玉川」の濃淳な旨みがぐっと広がって力強く、どちらも私好みでした。
また、「ちえびじん」はほどほどの甘口でしっかり酸もあり、以前に飲んだよりもずっとバランスが良くなった印象で、今回の県産酒3銘柄の中では一番の好みでしたし、全体でも中位以上には位置すると感じました。今後に期待です。
「大分三井」または「松山三井」を使った「豊潤」など4銘柄は、スペック的にはかなりの違いがあるのですが感覚的にはよく似ているという印象を持ちました。全体にやや辛口でキレの良い仕上がり・・・と思いましたが、いずれも味の奥行きが乏しいと感じたのはまだ若すぎるのかもしれません。「豊潤」も燗をつけるとまあまあだったので、秋以降にまた飲んでみましょう。
(補足)
資料にもありますが、「大分三井」という米はもともと福岡県三井郡に由来し先祖は「神力」の系統です。このため、「三井の寿」が「大分三井」を使っているのは「里帰り」とも言えます。これが愛媛に渡って「松山三井」になるわけですが、その「松山三井」の一方の親にあたる「近畿25号」ですが、これも実は「神力」の系統だそうで、つまり父方も母方も「神力」系ということになるわけです。ただ、「神力」は現在熊本や兵庫、福井などで少量生産されていますが、同じ「神力」という名前ながら別々に系統化されてほとんど別物だとか。
「雄町」にしろ「神力」にしろ、もともとは飯米として広がったものなんですけどね。閑話休題
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実は、今回もっともアルコール度数が高かったのは「玉川」と「杉勇」の17度〜18度。ついで「東鶴」16.5度、「開運」と「阿櫻」が16度〜17度でした。
もっとも低かったのは「三井の寿」の15度ついで「伊予賀儀屋」の15度〜16度でしたが、私の好みの上下関係はほぼアルコール度数の高低と一致しています。面白いと思いました。
なお私は昔から、日本酒のアルコール度数は最低でも16度以上、17度ぐらいが望ましいと主張しているところです。
ただし18度以上になると、それだけだと飲み詰まるかもしれませんが・・。
加水して飲み競べるとわかるのですが、0.5度の違いでもけっこう味の差が出ます。
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