おおいた日本酒文化研究会 第86回きき酒例会

〜 お酒研スタート!忘年会2013 〜


お酒研スタートの第86回きき酒例会は忘年会

日 時 2013年12月28日(土)18時30分 開会
会 場 いかや 大分市中央町4-2-27 097−540−5402 
会 費 6000円 
テーマ お酒研スタート!忘年会2013 
参加者 28人 


毎年暮れの恒例「忘年会2013」です。今回は「おおいた日本酒文化研究会(お酒研)」が発足して最初の「例会」(ただしきき酒会としてはこれまでのIZAKAYAきき酒会を引き継ぐので、回数としては第86回)として盛大に開催しました。

お酒研の例会ということから、ただ飲むのでは無くやはり少しは「お勉強」しようというわけで、今回は大吟醸から「普通酒」もあることから、特定名称など清酒の表示基準のポイントについておよそ10分間お勉強しました。
その、お勉強の資料はこちらの「清酒の表示基準から」のPDFファイルを使用したのですが、この内容については私個人の見解によるものであることをお断りしておきます。
というわけで、今回は12銘柄を揃えました。
すべて大分・別府市内の酒販店で入手です。
壮観です。

秀鳳 獺祭 義侠 不動 玉川 庭のうぐいす 能古見 鷹来屋 東洋美人 十九 陸奥八仙 菊姫

今回のお酒の詳細一覧

  銘柄 特定名称 使用米・精米歩合 その他
秀鳳 山田穂22 純米大吟醸 山田穂22% 秀鳳酒造場 山形 山田穂
獺祭 磨き2割3分遠心分離 純米大吟醸 山田錦23% 旭酒造 山口 遠心分離
義侠 慶 純米大吟醸 山田錦40% 山忠本家酒造 愛知  
不動 吊し搾り斗瓶熟成 大吟醸 山田錦35% 鍋店 千葉 アル添
玉川 雫酒無濾過生原酒23BY 純米大吟醸 山田錦40% 木下酒造 京都  
庭のうぐいす 黒鶯 純米大吟醸 山田錦・夢一献45% 山口酒造場 福岡  
能古見 中取り生原酒 純米吟醸 山田錦50% 馬場酒造場 佐賀  
鷹来屋 若水 純米吟醸 山田錦50%若水55% 浜嶋酒造 大分  
東洋美人 生き残ってくれた酒 普通酒 米・精米歩合不明 澄川酒造場 山口 ブレンド
10 十九 シュールリー 普通酒 等外米50% 尾澤酒造場 長野 純米相当
11 陸奥八仙 ふなざけ無濾過生原酒 特別純米 まっしぐら60% 八戸酒造 青森  
12 菊姫 山廃K-7無濾過生原酒 純米 山田錦70% 菊姫 石川 7号酵母
飲んだ順番は上記の通りですが、まず精米歩合22パーセントと23パーセントからスタートしました。1番の「秀鳳」は「山田穂」の22パーセントという高精白、2番の「獺祭」は「遠心分離」というところがポイントです。

千葉県の「不動」はアル添の大吟醸ですが、熟成させたら純米とどう違うか、違いがわかるのか・・・を知りたい。

「普通酒」の2銘柄は、「東洋美人」は水害で蔵が大打撃を受けた澄川酒造場の「生き残ってくれた酒」という悲痛なブランド名のお酒で、救出したお酒のブレンドなので使用米や精米歩合が不明のため「普通酒」となるものです。
また「十九」の「シュールリー」は等外米使用のため、内容的には純米クラスであるが「普通酒」となるものです。

最後に、久しぶりに「菊姫」の山廃K−7 無濾過生原酒を入れてみました。

お酒研第86回きき酒例会リポート

( 「お酒研」としては第一回となりますが、過去の記録の連続性を考慮して86回としてあります )

会場は初めての「いかや」です

会場は大分市中心部の竹町通りの西出口すぐ、「いか料理専門店」のいかやさんで初めての開催となりました。
実は、このお店は以前は「いかしょう」というお店があったのですが、その時代に一度開催していますので、通算すれば2回目となります。

2階に広い座敷があり、今回の参加者は忘年会とあって28人の参加者がありましたが、写真のようにゆったりと座れました。
料理の方もいか料理専門店だけあって透き通った「いか刺」しが出て、その足が動いている・・・と悲鳴のような声も聞かれました。

C/Pの高い「秀鳳22」

今回の中でもっとも米の精白度が高いのは「秀鳳」で、「山田穂」を22パーセントまで磨いているが、価格的には5000円台で高C/P。
「獺祭」は「山田錦」の23パーセントで珍しいものではないが今回は「遠心分離機」による搾りなのでさてお味はどうだろうか。
定番の「義侠」は今回は「慶」(よろこび)にしました。「山田錦」の40パーセント精米です。

というわけで、贅沢にも高精白の純米大吟醸のオンパレードです。

アル添を感じさせなかった「不動」

基本は「純米」ですが、別にアルコール添加だからと一律に排除しているわけではありません。ただわざわざアル添を選ぶ必要は無いと思っているので、結果的に純米になっているだけです。

というわけで、「不動」は唯一アル添の大吟醸の熟成酒。
「玉川」は今回は吊し搾り斗瓶囲いの熟成酒です。
初顔は福岡の「庭のうぐいす」の「黒鶯」で、写真のように黒地のラベルなのでちょっと見ただけではいったい何なのかよくわからない。

「能古見」はけっこう好み

個人的にはアルコール度数17度がひとつのポイントかと思っているが、今回も16度以下のものは味に芯が無い印象だった。だが18度以上となるとこんどは高すぎるのでは無いかと感じる。
その点「能古見」はやや甘口ではあるが、味の幅・奥行きともにちょうど良いと感じて今回の中ではけっこう好みである。

「鷹来屋」はまあ普通で、欠点はあまり無いが個性は乏しい印象。
「東洋美人」は水害の中で生き残った酒のブレンドなので、表示上は「普通酒」となるが、味の方はけっこうすっきりした吟醸レベル。

さすがの「菊姫K7」

「十九」のシュールリーというのは要するに濁り酒のようで写真のように下に澱が貯まっている。度数がやや低めのせいか意外とさっぱりしていた。等外米使用のため普通酒表示だが内容的には純米相当。
「陸奥八仙」はやや甘口で、無濾過生原酒のうえに度数が19度もあり、パンチのある味だがさすがにいささか飲み疲れる。

「菊姫」K7は久しぶりだがさすがの貫禄。たしかに「山廃」の味なのだが強すぎず、度数も高いのにそう感じさせない軽さがある。

今回も女性が元気

参加メンバー28人のうちちょうど半数の14人が女性で、キャンセルが無ければ女性のほうが多かったはず。とにかくこのところ女性の比率が高まっているのは喜ばしい。

昔は「日本酒」といえば女性はあまり好きで無いというイメージがあったが、最近はきちんとした知識を持ち積極的に文化としての日本酒に親しむ女性が増えていると思う。


では例によって、それぞれのお酒についての私の独断的・個人的感想をひとことだけ
(後半は単なるヨッパライになって、いささか記憶の混乱もあるかもしれません)


銘柄 わたしのひとこと
秀鳳 精米歩合のわりに濃いめの味は好き好きだが、価格を考慮すると実に高C/Pだと思う
獺祭 すっきりしてきれいな酒だが、味が無いという印象で、どうも遠心分離でない方が好みだ
義侠 いかにも義侠というきれいさも、その向こうにある旨味も、とりあえず文句無し
不動 熟成酒のブレンドだけあって、アル添を感じさせないしっかりした大吟醸で燗も良かった
玉川 玉川としてはいささか温和しめの印象ですが、やはりパワフルなフルボデイの大吟醸
庭のうぐいす 思ったより・・とは失礼だが予想以上にいい酒でしたが、度数が低いせいかやや弱々しい
能古見 穏やかな甘口で飲みやすく、しかものど越しに力強さを感じる、バランスの良い吟醸は好み
鷹来屋 とくに際立った個性は無いが、バランスの良さを感じるのはさすがの安定感
東洋美人 普通酒表示ですが、内容的にはかなりの高スペックなのであろうと感じます
十九 微発泡性のようで、舌先にまずガス味を感じるので他の印象まで行き着かなかった
陸奥八仙 いかにも陸奥八仙という感じで、いささかしつこいかもしれないがC/Pはなかなか良いと思う
菊姫 昔のカリスマ感は薄れてもさすがの菊姫、飲みやすく軽快かつ重厚な山廃は冷や良し燗良し

まとめとして・・・今回もいわゆる「ハズレ」はありませんでした。
「忘年会」でもあり特にアンケートなどは取っていませんが、皆さんの声としてはやはり「義侠」「玉川」「菊姫」というあたりが一番人気、ついで「秀鳳」「能古見」「不動」というところかと感じました。

順番をつけるのは難しいですが、私としては「能古見」の飲み飽きないバランスの良さが印象に残っています。「陸奥八仙」はその逆にしつこさ具合が意外と好きかもと思いました。燗酒としては「不動」と「菊姫」です。


で、2次会は「^鹿Bar」で更にしこたま飲んで、単なるヨッパライに輪をかけてしまいました。
デジカメに残っている自分の写真を見てしばし硬直・・・今年は、飲み過ぎないようがんばろう・・・。



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