第52回IZAKAYAきき酒会 2004年2月7日(土) テキスト版詳細リポート


会場 ろばた焼はしもと (大分市中央町2-6-24 通称相生町) 
会費 6000円
開会 18時30分

テーマ・「第52回IZAKAYAきき酒会」 〜 「おりがらみ」特集 〜

    参加者 11人 (女性5人 男性6人 )


今回のお酒一覧 (ビジュアル版はこちら

  銘柄 特定名称・度数ほか 蔵名・県 市販価格
奥播磨・芳醇超辛おりがらみ 純米吟醸 17-18度 下村酒造店・兵庫 \3100
雑賀・純吟おりがらみ 純米吟醸 16-17度 雑賀豊吉商店・和歌山 \2600
義侠・純米60おりがらみ山田錦 純米吟醸 16-17度 山忠本家酒造・愛知 \3000
醸し人九平次・本生うすにごり 特別本醸造 17-18度 萬乗醸造・愛知 \2500
飛露喜・初しぼりかすみざけ 特別純米 17-18度 廣木酒造・福島 \2600
金鷹・しぼりたて原酒 普通酒(アル添) 浜嶋酒造・大分 720ml \1000
※「金鷹」は、鷹来屋の浜嶋酒造の地元ブランドで、今回はブラインドのききあてに使用しました

お酒のラベル等はこちら52回きき酒会ビジュアル版


 「おりがらみ」とは?

 「おりがらみ」とは、沈殿物である「オリ・澱・滓」がからんでいる酒のことです。

 お酒の製造工程の中で、「上槽」という作業で「醪」を「酒」と「酒粕」とに分離させますが、この段階での酒はまだ細かいオリが残っていて白濁した状態ですので、さらに「滓引き」「濾過」という工程をへて「清酒」にします。

 「滓引き」というのは、上漕したばかりの酒はまだ大量のオリが残っていますので、いったんタンクなどに貯蔵してオリを沈殿させ、その上澄みを抜き取る作業のことをいいます。

 「滓引き」後の酒にも、まだ微粒子状のオリが残っていますので、これを濾過装置を使って取り除き、透明な清酒にしますが、この工程を「濾過」といいます。

 一般に「おりがらみ」という酒は、この「滓引き」後のわずかに微粒子状のオリが浮遊する状態のことを言うようですが、別に業界共通の定義とか基準とかが決まっているわけではないので、「滓引き」前のかなりのオリが混じっている状態のもの、また完全に沈殿させずに「滓引き」をしたものなど、様々なケースがあるようです。

 「滓引き」後に大量のオリを含んだ酒が残りますが、これを集めて「おり酒」としてドブロク的なイメージの濁り酒として出すケースもあります。


 今回のお酒、私のひとこと感想ご紹介

今回は新年会を兼ねて、酒の内容もちょっと特殊ですので比較しての評価などは特にしていません

  銘柄 私の感想・・・ひとこと
奥播磨 プラス9の「超辛」とは感じない。たしかに「辛口」ではあるが奥播磨らしい幅・奥行きの主張のある味がスッキリきれいにまとまって、かえって飲みやすくなっている感じ。
雑賀 奥播磨のあとのせいか、かなり甘口に感じた。際だった個性とかは特になく、おりがらみと意識せずにするっと抵抗無く飲める酒なのだが、2口めで飽きてしまう感じ。
義侠 昔の義侠を思い出すようなしっかりした主張のある味。濃淳だが複雑な味わいのよくバランスの取れた味で、五百万石よりは明快なうまさがある。これはお奨め。
醸し人九平次 どーんとパンチのきいた第一印象。いろんな味が複雑に絡んで個性のある深い味わいでスッキリ感もあります。ただ、次第に重く感じるため量はあまり飲めない酒。
飛露喜 いわゆる「飛露喜」の傾向とは逆に、辛口でからっとした濁りという不思議な印象。これはこれで立派な個性の主張と思うが、私の好みとは少しベクトルが異なる感じ。
   どんなにスッキリ感があっても辛口であっても、やはり「おりがらみ」という酒は全体に濃厚でパンチがある酒であることは間違いない。だからこのような酒ばかりだと舌が疲れてくるというか、やはり量は飲めない、飲み詰まるなというのが正直な感想。こういう場合、本醸造の火入れでキリッとした酒が入ると評価が高くなるかもしれない。
 それはともかく、この時期でないとできなす企画としてはなかなか面白かったと思う。

ブラインド酒質ランク「ききあて」クイズ

 ・・・というほど大げさなものではないですが、銘柄を隠して「ききあて」をしてもらいました。ブラインドで試飲して貰ったのは鷹来屋・浜嶋酒造の地元ブランド「金鷹」のしぼりたて生原酒、アル添の普通酒です。

 内容としては単純で、この酒のランクは「純米吟醸・吟醸・特別純米・特別本醸造・純米・本醸造・普通酒」のいずれと思うかを答えてもらいました。答えを知っている2人を除く9人が回答者です。
 その結果・・・

純米吟醸クラス・・・・1人
特別純米クラス・・・・3人
特別本醸造クラス・・4人
本醸造クラス・・・・・・1人

というわけで正解無し! ほとんどの回答者がかなり高いランクと評価しました。この「金鷹」はアル添普通酒としてはなかなかバランスの取れた酒だと思っていたので、ある程度は高レベルの評価があるだろうと予想していましたが、まさか正解なしとは思っていませんでした。
 ただし、中には「鷹来屋の本醸造に似ているが・・・」というほとんど正解!の声もありました。

 価格ランクとしては、

2501〜3000円・・・・3人
2001〜2500円・・・・3人
2000円以下・・・・・・・3人

ということで、正解(1升2000円)は3人でした。

なお「金鷹・しぼりたて生原酒」のスペックは、「アルコール度数19〜20度 日本酒度プラス1 酸度1.4
精米歩合70パーセント 9号酵母」です。 

いや、今回も面白かった!

次回は・・5月ぐらいかな。



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