第52回IZAKAYAきき酒会

〜 「おりがらみ」特集  〜





2004年第一回IZAKAYAきき酒会ビジュアル版リポート・・お酒の詳細はテキスト版



 ことし2004年の第1回、通算52回目のIZAKAYAきき酒会は「おりがらみ」特集です。

 いわゆる「おりがらみ」を含む濁り系の酒は一般に味が濃厚でインパクトがあるため、たとえば火入れをした吟醸酒の中に混じっていると浮いてしまうばかりか、他の酒の味がわからなくなったりすることがあり、飲み比べるには扱いの難しい傾向があります。

 ならば、その「おりがらみ」ばかり集めてみるのも面白そうだということで、季節商品でもあることから今年第一回のこの時期にやるしかない・・というわけで実現した企画です。

 今回の会場はおなじみ大分市中央町の「ろばた焼きはしもと」の2階座敷。参加者は11人(募集定員12人)。

 これまでにも20数人も詰め込んだことがある会場というのに、参加者は11人とやや少なかったので、広々としたスペースが確保できてのんびりとした雰囲気になった。
 人数が少ないぶん、みんなで話題を共有できて良かったという声も。

 この会がスタートした頃はだいたい7〜8人、多くて10人台前半だったから、その頃に帰ったようなものだ。ただし、人数が少ないと酒に回す予算が限られてしまうという問題もあり、募集定員はなかなか難しい問題だ。
 

「おりがらみ」も様々・・ただ飲み疲れるという声も

 今回飲み比べてみた5銘柄。ラベルには「奥播磨おりがらみ」「雑賀おりがらみ」「義侠滓がらみ」「醸し人九平次うすにごり」「飛露喜かすみざけ」とあり、濁り方も様々でほとんど澱が見えないものから、放置すると底に澱が堆積していくものまである。

 べつに定義とか基準が確立しているわけではないので澱の濃度なども様々。この中では「飛露喜」が一番澱が多いようだった。

 やはり全体にインパクトのある味で、量的にあまり飲める酒ではない。「飲み疲れる」という声もかなりあった。

 なお、写真には写っていないが最後にブラインドで酒質ランクのききあてを行った。大分県緒方町の浜嶋酒造の普通酒「金鷹」だったがなかなかの実力でみんな驚いた。

お酒の銘柄等詳細はテキスト版リポート

 「義侠・滓がらみ」には五百万石のものもあるが、これは山田錦の60パーセントのもので、重厚なボディに複雑な味わいはいかにも義侠という雰囲気がある。

 このところ、やや軽快できれいな方に寄っている印象の強い義侠だが、この酒はかつての(つまり佐藤杜氏のころの)重厚なイメージに近いような印象を受けた。

 重厚で複雑な味わいなのだが決して重くはなく、フレッシュですっきりした喉ごし感があり飲み飽きない。おりがらみではあるが甘すぎず濃すぎず味のバランスは本来の義侠の範囲に止まっている。

 価格を考慮してもやはり今回のナンバーワンと評価。
 
 「奥播磨・おりがらみ」の赤ラベルは「芳醇超辛」というサブタイトルつきで、日本酒度はなんと「プラス9」という辛口指向。しかし、実際に飲んでみるとそれほどの「辛口」とは思えなかった。

 アルコール度数も酸度もやや高めで、プラス9というのにうたい文句どうりの「超辛」という印象は無かったが、奥播磨らしいしっかりした味に辛口のすっきり感がうまくバランスしている感じで、むしろ飲みやすいと感じた。

 
 
 ひとわたり飲んだところで瓶を集めてみました。

 面白いもので、瓶の中身の減り方がそのまま今回の人気度を表示していると思った。

 右端、「義侠」はほとんどカラ。2番目「奥播磨」は3分の1ほど残。「九平次」はほぼ半分。「飛露喜」と「雑賀」は半分以上残っている・・・という状況。

 「飛露喜」はたいていすぐに売り切れるのだが、今回はずっと残っていた。いつもの「特別純米」と違うやや辛口にキレたおりがらみの味わいに違和感があったのかも。

 量は飲めなかったが、たまには面白い企画。

というわけで、今年第一回はいまの季節らしいきき酒会になりました。


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