第36回きき酒会 2000年2月25日(金)


会場 ふぐ良茶屋

(大分市中央町3丁目2−24 097-536-3118 )

会費 6000円
開会 19時00分

テーマ・「純米酒飲みくらべ」


第36回・きき酒対象酒

  銘柄 種別 蔵名・所在 入手価格 備考
1 早瀬浦 純米大吟醸 三宅彦右衛門酒造・福井県 1800ml \7000   
2 鷹来屋 純米吟醸  浜嶋酒造・大分県緒方町 1800ml \3200 原酒
3 大七「皆伝」 純米吟醸 大七酒造・福島県  720ml \2600  
4 千羽鶴 純米吟醸   佐藤酒造・大分県久住町 1800ml \4180   
5 黒帯 純米吟醸古々酒 福光屋・石川県 1800ml \4863 3年貯蔵
6 義侠 純米吟醸6BY 山忠本家酒造・愛知県 1800ml \5000 5年貯蔵 
7 飛露喜 特別純米 広木酒造・福島県 1800ml \2430※ 無濾過生原酒
※飛露喜は他に送料


参加者

1.友田哲郎 
      2.佐々木義朗 
3.三ヶ尻隆志 
4.菅健一  
5.井上正文 
6.津田紀芳
7.大嶋基裕
8.江藤邦雄
9.松村亮司
10.石田孝一
11.石田洋子
12.朝井美樹
13.野崎寛子
14.結城孝一郎
15.日野陽平
16.小園容子
17.三宅正太郎
18.田中幸治
19.神河利彦
20.岩切貴史
21.後藤栄二
22.大嶋三明
23.後藤明子

計23名
 
 通算36回目のきき酒会です。
 今回も私友田がお酒を選ばせていただきました。

 今回のテーマは、「純米酒」です。
 純米の大吟醸・吟醸から特別純米、古酒あり原酒あり無濾過ありと、内容的にはかなりバラエティにとんだものとなっています。

 「純米」というのは、当然のことながらアル添酒にくらべてコストがかかるわけですが、だからこそおいしく安く・・・というところにその蔵の力量がもろに出てくるわけですね。

 そういう「高C/P」の純米酒を探そう・・・という視点から選んでみたのが上記の7銘柄です。

 ポイントとしては、「早瀬浦」と「飛露喜」の3倍の価格差での比較。また「大七」と「飛露喜」の福島県同士の対決。「黒帯」と「義侠」の古酒同士はどうか。「千羽鶴」と「鷹来屋」の大分県産酒対決・・・というところ。

 なお、それぞれのお酒の価格は発表しませんでしたので、価格による先入観はなく比較してもらえたと思っています。

 それにしても、ふぐ料理はやはりよかったですね。あのていどのものが出てきて料理代4000円というのは安い。これが東京だったら、いったいどのくらいについたことか。
 
 お酒の各銘柄の外観等は、36回ビジュアル版を見て下さい。

 また今回も「私の好きなお酒」アンケートをとりました。

「私の好きなお酒」結果一覧

 それぞれ「もっとも好きな酒」を1とし、以下順に2〜7までつけて貰いました。

 同順位をつけた人もいますので、この結果はあくまでも目安ですが、しかしみんなの好みの一定の傾向は読みとれるでしょう。「早瀬浦」が比較的まんべんなく支持を得ました。

 なお、お酒の価格は事前には公表していませんが、ラベル等は隠していません。
   順位 1 2 3 4 5 6 7
   銘柄  早瀬浦   大 七   飛露喜   義 侠   鷹来屋   千羽鶴   黒 帯 
1  朝井美樹 1 2 5 3 4 6 7
2  石田孝一 2 3 3 2 3 1 3
3  石田洋子 1 6 3 4 7 2 5
4  井上正文 3 1 2 4 7 6 5
5  江藤邦雄 4 1 6 3 2 5 7
6  大嶋三明 1 4 3 6 2 5 7
7  小園容子 2 3 5 1 7 4 6
8  後藤明子 1 4 2 7 3 6 5
9  後藤栄二 4 2 6 1 3 5 7
10  佐々木義郎  3 2 4 5 1 7 6
11  菅健一 2 4 1 3 5 7 6
12  田中幸治 2 4 1 3 7 5 6
13  津田紀芳 1 4 2 1 3 5 6
14  友田哲郎 4 1 2 3 5 6 7
15  野崎寛子 4 1 3 5 2 6 7
16  日野陽平 1 3 2 4 5 6 7
17  三宅正太郎  5 7 6 2 1 4 3
18  結城孝一郎  1 4 2 6 3 5 6
19  無名1 1 6 5 3 7 2 3
20  無名2 1 3 5 7 6 2 4
   合計 44 65 68 73 83 95 113

 全体として、よくできたお酒ばかりだったと思います。1位から7位まで、その差はほんとうにその人の「好み」によるとしかいいようがありません。
 ただ、私の当初の漠然とした印象としては、「早瀬浦」「大七」「義侠」「飛露喜」が上位グループ、「鷹来屋」「千羽鶴」「黒帯」が下位グループに分かれるのではないかと思いましたが、結果はその通りでした。
 みんなの好みの傾向としては、「古酒」はどうやら好まれないようですね。

 私としては、「千羽鶴」が昔の圧倒的なうまさが感じられなくなっているのが、とても寂しいです。



私、友さんの利き酒リポート

1・早瀬浦

 一番最初に飲んだので、これが良くも悪くも基準になってしまった。いかにも大吟醸クラスの品格の良さがあります。キレもあって、しかもおだやかなふくらみがあって、上手に旨味を引き出している感じ。ちょっとこれは燗つけてみようと言う気にはならない感じ。

2・鷹来屋

 早瀬浦のあというのがちょっと運の悪いところでした。すっきりした、どちらかというと淡麗タイプなのですが、純米としての味わいもきちんとあります。やや明確な個性に乏しい分、早瀬浦には分が悪い。しかし価格を考えればけっこういい勝負をしていると思う。これはたぶん、燗つけてもいいと思う。

3・大七

 これは、かなり私の好みの味に近いのかもしれません。前回も「菊姫の吟」よりもいいなんて評価しているのですが、今回もこの中では適度に濃淳な味わいがあり、なおかつすっきり切れ味もよく、喉ごしもよいバランスを感じました。ただ、燗をつけるとどうでしょうか。

4・千羽鶴

 かなり期待していたぶん、がっかりしたというのが正直なところです。早瀬浦・鷹来屋・大七と続いたあとでは、はっきりと味の差があると感じられるのです。純米吟醸としては平均的な造りで、これだけ飲めばそれなりのものだとは思うのですが、いぜんのような深味のある濃淳さの個性が無いのは残念な気がします。

5・黒帯

 3年古酒ということで、これは典型的な「古酒」としての味でした。やや老ね香も感じられますが、思ったほど古酒っぽくはありませんでした。ただ、長期熟成でどういう付加価値が生じたのか、そのへんはよくわからないという印象です。全体として、やや平板な感じでした。

6・義侠

 5年古酒になるのですが、色はかなり濃厚に着色しているのに、味の方は老ね香もとんどなく、むしろ黒帯よりも古酒っぽくないものでした。長期熟成というよりも、もともとの酒の素性の良さのせいでしょうか、抵抗もなくするすると飲める点では、むしろ義侠の生よりも飲みやすい。そのぶん、義侠らしい個性はやや乏しい。

7・飛露喜

 これは、ちょっと驚きましたね。もちろん、無濾過の生原酒というところから、吟醸・大吟醸クラスにくらべると個性的な味だろうとは予想していましたが、もちろんそれがプラスにもマイナスにも出るわけです。だから、たとえば義侠や大七、あるいは早瀬浦と比較しても、やや劣るのは品格というか吟醸らしさみたいなものだけで、その他についてはまったく互角かそれ以上と感じられました。C/Pでいえば、もちろんダントツです。

参加者の声

ききそこねました。



※ 会の写真入りリポートは36回ビジュアル版をご覧下さい。



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