第35回きき酒会 1999年9月10日(金)


会場 松竹梅

(大分市末広町2丁目 097-532-1559 )

会費 7000円
開会 19時00分

「県外人気銘柄と県産大吟醸飲みくらべ」


第35回・きき酒対象酒

  銘柄 種別 蔵名・所在 入手価格 備考
1 千羽鶴 大吟醸 佐藤酒造・大分県  720ml¥3200  
2 銀蝶 大吟醸  小野酒造・大分県  720ml¥2100 金賞受賞酒
3 一の井手「九六位」 大吟醸 久家本店・大分県  720ml 提供品 
4 薫長「瑞華」 大吟醸   クンチョウ酒造・大分県  720ml¥3600  
5 米鶴「巨匠」袋取り 大吟醸斗瓶取り 米鶴酒造・山形県 1800ml¥10000  
6 瀧自慢 大吟醸斗瓶取り本生 瀧自慢酒造・三重県 1800ml¥7000  
7 義侠「游」 純米大吟醸 山忠本家酒造・愛知県 1800ml¥7000  

すべて大吟醸で、価格的には多少幅があるものの概ね同ランク帯です。「瀧自慢」だけが「本生」で、
あとはすべてアル添の大吟醸。また「義侠」だけが「純米で」あとは「アル添」の大吟醸です。
使用米は、記載のあるものはすべて「山田錦」、使用酵母は「米鶴」が「山形酵母」で、あとはすべて「9号」または「熊本」酵母。精米歩合は「千羽鶴」「義侠」「瀧自慢」が40%、あとは35%でした。


参加者


1.友田哲郎 
2.佐々木義朗 
3.江藤邦雄 
4.松村亮司  
5.吉井 
6.四ッ谷めぐみ
7.宮添春彦
8.日野陽平
9.三ヶ尻隆志
10.大嶋基裕
11.中津留
12.田中幸治
13.津田紀芳

計13名
 
 通算35回目のきき酒会です。

 今回は松村さん多忙なところから、私友田がお酒を選びました。まあ、時間がなかったので細かく吟味する時間がありませんでしたが、「初顔」も加えてけっこう豪華で、かつ面白い顔ぶれになったと思っています。
 「義侠」は毎回飲みたい!という参加者がいて、そうはいっても毎回同じでは能がないと思ったので、火入れの大吟醸である「游」を選んでみました。これに加えて「米鶴・巨匠」と「瀧自慢」の人気銘柄に対し、県内の有力蔵の大吟醸がどこまで迫るか、が注目です。
 県内の大吟醸は、常連の「千羽鶴」と、初顔の「銀蝶」それに「一の井手・九六位」、また久しぶりに「薫長・瑞華」を入れました。

 これら銘柄の外観等は、35回ビジュアル版を見て下さい。

 また今回も「私の好きなお酒」アンケートをとりました。

「私の好きなお酒」結果一覧

 それぞれ「もっとも好きな酒」を1とし、以下順に2〜7までつけて貰いました。

 同順位の1位をつけた人もいます。また空欄を残した方もいたのですが、集計の都合上、空欄には一律に「7」を入れました。ですから、この結果はあくまでも目安ですが、しかしみんなの好みの一定の傾向は読みとれるでしょう。

 なお、お酒の価格は事前には公表していませんが、ラベル等は隠していません。

    千羽鶴 銀 蝶 一の井手 薫 長 米 鶴 瀧自慢 義 侠
1 友田
2 佐々木
3 江藤
4 松村
5 四ッ谷
6 宮添
7 三ヶ尻
8 大嶋
9 中津留
10 田中
11 津田
  合計 44 60 58 49 27 30 26
  順位


 というわけで、「好きな酒」の上位は予想通りというか、県外の人気3銘柄が占めましたが、県産酒にもかなりの支持が集まりました。
 毎回、出せば必ずといっていいほどダントツの支持を集める「義侠」ですが、今回の「游」は火入れのもので落着いた穏やかな味わいがあり、それがもの足りなく思った人が多かったようです。




私、友さんの利き酒リポート

1・千羽鶴

 これはまさに「千羽鶴」そのものの味。昔のような圧倒的な量感はないが、どっしりした九州の大吟醸の力強さがあるのは好ましい。他の県産大吟醸にくらべてかなりはっきりした個性が感じられるが、人によっては重たく感じるかもしれない。私は好みだけど。それで、義侠と並び3位。

2・銀蝶

 YK35の大吟醸をきちんと造ったらこうなったという、見本のような酒。際だった個性はないが、破綻もなく上手にまとまっている感じ。すっきりした味わいで、悪くはないがいまいち好みではない。7位にしたけれど、この価格を考えれば立派なもので、C/Pで考えればお奨め商品。

3・一の井手

 これも典型的なYK35タイプと感じました。すっきりした辛口傾向で、よくまとまった酒だと思いますが、どこにでもあるアル添大吟醸の味。銀蝶に競べるとやや洗練された印象で5位をつけたが、それほどの違いはない。前の「慶」の方が格段に上と感じるのは仕方がない。 

4・薫長

 県産4銘柄は、千羽鶴を除く3銘柄はほとんど同じ傾向で、この薫長も地酒としての主張は感じられません。しかしすっきり軽く、よくできた大吟醸ではあります。昔の薫長に競べるとずっとすっきり仕上がっています。ただ、やっぱりこれも好みではない。

5・米鶴

 一口飲んでうーんと考え込んでしまった。香りよくさわやかですっきりした味わいですが、口の中に広がる深味のある味わいは好感が持てます。もちろんよくできた大吟醸ですが、きちんとした個性の主張を感じます。ただ、価格を考慮するとC/Pではちょっと分が悪いかも。

6・瀧自慢

 これは「生」とは気がつきませんでした。プラス5度と数字的には辛口のはずですが、むしろわっと押し寄せるような濃淳な味わいで、しっかりした腰のある酒です。思わず、あこりやうまいや、とつぶやいたほど。きょうの中では第一のお気に入りでした。

7・義侠

 義侠のラベルを見ていなかったら、これが義侠とは気がつかなかったのではないでしょうか。おだやかで柔らかく、すっきりしていて、そのぶん義侠らしい個性的な味は乏しいという印象でした。十分においしい酒なのですが、米鶴や瀧自慢に比較するとやや中途半端な印象。千羽鶴と並び3位をつけました。

参加者の声



三ヶ尻 前回の義侠のイメージが忘れられない

四ッ谷 いろいろな味があり、びっくりしました。

津田 県産大吟醸ももう少し考えて欲しい。


※ 会の写真入りリポートは35回ビジュアル版をご覧下さい。



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