第44回IZAKAYAきき酒会

〜 新年第一回は「新酒」シリーズで 〜


 2002年最初のZAKAYAきき酒会です。「毎月やろう!」なんていわれても、そりゃちょっとムリな相談・・とか言いながら、結局忘年きき酒会からたった1か月余でのきき酒会となりました。

 テーマは、こんな時期ですから当然のように「新酒」を集めてみました。結果的には全て「生酒」ということになって、いささかヘビーだったという人もいました。

 今回は開催案内が割合と急だったのと、なにぶん前回から1か月ぐらいしかたっていないから、集まりは悪いだろうと考えていましたが、結果的には17人という多数のメンバーが集まって、例によって楽しくすごすことができました。

 初参加の人もいますし、ほんとに久しぶり(久留米から)の人もいたりで、賑やかに盛り上がりました。

 量的には、この人数にしては多すぎるくらいありましたので、結果的には中身の減った順番がすなわち人気の順番という、はっきりした結果が出ました。

 比較的早く無くなったのは、「松の司」や「飛露喜」で、やはりこれらの人気の高さを反映していますね。
 今回のお酒です。ぜんぶで8銘柄用意しました。

 詳細な紹介はこちらでごらん下さい。

 「蒼田」と「琵琶のさざ浪」の2銘柄は初めてです。
また「手取川」は、こういう生酒は初めてです。
 酒質の傾向について、しいていえば、「美丈夫」と「手取川」がやや淡麗系、「蒼田」と「琵琶のさざ浪」が濃淳系といえるのでしょうか。

 全体として「生酒」しかも「原酒」が多かったため、かえってすっきりした酒の方が飲みやすく感じられた傾向もあります。その典型が「美丈夫」でした。
 いい純米だが評価が難しい、とされたのはやはり「鷹来屋」でした。 
 また「阿部勘」については、すっきりきれいで良いという人と、ふくらみがない奥行きがないという人にわかれました。

 全体にまんべんなく高い評価を受けたのは、予想通り「松の司」と「飛露喜」でした。3300円と2430円という価格差を考慮すれば、「飛露喜」はすごいという声が圧倒的に多かったように思います。

 すべての酒について複数以上の支持者があり、つまり今回は「ハズレ」はまったく無かったと言っていいかと思います。あとは、好みの問題か・・・・。
 



 この、鷹来屋の「純米無濾過生原酒」はしっかりした酸味苦味を感じます。つまり、いい意味での雑味を残しながらよくまとめた酒ですが、こういう個性のはっきりした酒は難しいですね。決して万人向けではないです。

 県内では比較対照の無いほどレベルの高い純米だと思います(ただ大分県産酒の純米というのは全体にいまいちだと思うので・・)が、この2500円という価格設定は、県外ではちょっと難しいでしょう。

 なぜなら、特別純米の「田酒」や「飛露喜」が2400〜2500円台で存在するのに、たとえば東京市場ではこのあたりの酒質で2500円では、まともに張り合うのはちょっと苦しいレベルだろうと思います。

 しかしまあ、「飛露喜」なんかと比較するのが間違いだという声もありまして、現実に全国レベルの有名銘柄と十分比較に耐える酒を鷹来屋が造りだしていることは事実なのです。今後にますます期待できます。
 「飛露喜」は、やはりたいへんな酒だと、改めて認識しました。

 今回のこの新酒は、最初のころの一種荒々しい暴れ馬のような個性が影をひそめ、柔らかな甘さと深味のある旨さ、そしてすっきりしたきれいさを併せ持った酒です。このようなやや濃淳な味わいでしかもキレがいい、こういう酒質はちょっとほかに思い当たらないような気がします。

 しかも、これで2430円という価格設定は、まさに日本酒界の価格破壊者ともいうべきもので、もちろん私たちは大歓迎ですが、これ以上のC/Pの酒を造るのは難しいのだろうなんて、余計な心配をしてしまうのです。

 全国的に人気沸騰らしく、抽選だとかプレミアがついてるとか、大変なことになっているようで、今後とも入手できるだろうかと、心配になってしまう。

 しかし、ますますいい酒が次々と出て、いい競争をしてもらいたいな。
  

というわけで、リポート終りです

今回のお酒の詳細な紹介はこちら



おしまいです

次回は4月ぐらいの予定です。

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