第33回利き酒会

〜1999年・・今年の新酒やたら飲みくらべ〜


 1999年、今年最初の利き酒会は通算33回目。「今年の新酒」をテーマに20人が参加して開かれました。
 会場は大分市内の居酒屋「十徳や・西都町店」3階の広間。今回初めてお願いしたのですが、広々とした和室で落着いた雰囲気。参加者も気にいってくれたようです。

 さて今回は定員の20人が参加ですが、コアラのメンバー以外からの多数の初参加がありました。酒造家・酒販店・料理店・大学教授と、多彩なメンバーが加わってますます広がる「利き酒会」の輪。
 また今回は女性の参加者はひとりだけでしたが、酒量は並の男性を上回るともっぱらの評判でした。あっ、こんなこと書いていいのかな。 

33回のきき酒対象酒



右から、郷乃誉・加賀鳶・山法師・手取川・東一・
奥播磨・美丈夫・松の司(写ってない)

(詳細はテキスト版をごらん下さい)
 今回のテーマは「今年の新酒」ということで、概ね店頭価格3500円前後を目処に選んでみました。

 結果的には、3100円〜5000円とやや価格帯が広かったのですが、なかなかバラエティのある選酒となりました。
 大分県産酒にはこの価格帯のものが見あたらず、ランクが下のものしかなかったため今回は見送りました。従ってすべてが県外の実力蔵のものとなりました。

 さて今回は「新酒」という、いわば「荒さ」が魅力という酒の、本来の個性がどれだけ味わえるかがポイントです。
 度数自体がやや高めの酒が多いだけに、舌が負けないか心配です。
 
 


 今回少し毛色の変った酒というと、まず「美丈夫・舞」ですが、これは栓をあけると「ポン」と吹き飛んで泡が吹き出すシャンペンのような酒。あけてすぐ飲んだときとあとで飲んだ時とでまるっきり味が違う酒です。

 それから、「奥播磨」は今回「雄町」を使った酒で、いつもとはちょっと様子が違います。

 東一も、今回はあえて「にごり」を選びました。

写真は奥播磨、「無添加直詰厳封之証」
とあります。
 ところでお酒の量ですが、参加予定者が20人以内ということで、1800ml瓶で7本以内が適量でしょう。
 しかし結果的には、飛び入りの鷹来屋を入れて9本になり、これだけでひとり4.5合の割り当てということになってしまった。

・・・そこで皆さんにお願い「この会は手酌の会です。人に注がない。自分が飲めるだけ自分で注ぐ。注いだものは必ず飲む・・」会のきまりです。

 昔、ひとり5合強飲み干したことがあったけど、翌日まともに起きられた人はほとんどいなかった。
 県内の若手酒造家である浜嶋さん(写真中央)が、搾ったばかりの鷹来屋「純米吟醸」と「大吟醸」をぶら下げてはるばる緒方町からかけつけてくれました。

 今年、自らの手で造りを再開して3回目の仕込みを終えほっとした表情の浜嶋さんです。持ってきてくれた2本のお酒は「純米吟醸」だけ味あわせていただき、「大吟醸」はもったいないので次回まで取っておくことにしました。

 初参加の料理店経営、神河さんとも酒談義に花がさいているようです。左側佐々木さんはホテル業、いろんなジャンルの人がいるから面白い、利き酒会。
 さて、飲み競べての感想ですが、どのお酒もそれなりにおいしかったし、レベルとしてもおしなべて高いものだったと思います。
 しかし、やはり新酒としての味の硬さ・荒さの陰にそれぞれの個性が隠れてしまっている感じで、大きな違いは感じられませんでした。
 もっとも、選酒の方向性そのものが一定の範囲内にあるから、当たり前といえばそれまでですが・・・
 その中から、強いていえばというのがやはり「東一」、濁り酒のせいかやや甘口できわだって濃淳に感じられるのですが、明確な自己主張を持っていて好感が持てます。しかし少ししつこい味なので飲み疲れるかも・・・。
 あと「山法師」とか「郷乃誉」が好ましく感じました。
  

今回の酒の評価など詳細は33回テキスト版をご覧下さい。



麦焼酎「兼八」


 実は、今回はいつもの清酒の品揃えに加えて、「麦焼酎」の参考出品がありました。参加者が持参してくれたものですが、久しぶりに味わう本格的な焼酎でした。
 大分県宇佐市、四ッ谷酒造の「兼八」25度・10年貯蔵で、常圧蒸留によるものです。

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