IZAKAYA-2 第23回(通算83回)きき酒会

〜 戦国時代に思い馳せ日本酒を味わう 〜


IZAKAYA−2 第23回(通算83回)きき酒会リポート

日時 2013年4月27日(土)18時30分 開会
会場 あい料理・ちゅうがい 大分市都町4-1-24 
会費 6000円 

テーマ 戦国時代に思い馳せ日本酒を味わう  
参加者 24人 


今回は初めて幹事を務めるI氏の選酒です。

テーマが「戦国時代に思い馳せ・・・」という驚き?のタイトルでしたが、意図としては<日本酒の味だけではなく、別の要素もいれて日本酒を味わってもらおう!>ということだったとか。

ただ、当然のことながら現代の日本酒のような酒はいわゆる戦国時代には無いわけで、戦国時代の代表的な地域に由来する酒・・・・というイメージでとらえたいところだが、そのわりには戦国を代表する織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の出身地である尾張・三河あたりの酒が無い、という指摘はごもっとも。そのへんはまあ深く追求しないで・・・。

それはともかく、選酒としては結果的に近畿から北陸方面の酒ばかりになりましたが、幹事としては<かなりバライティをつけたつもりでしたが、思ったほど大きな違いがない選酒になったかもしれません>と言っていたように、酒質の傾向としてはかなりよく似た酒ばかりとなったと思います。

あるいは、酵母が協会9号または9号系と、協会14号/金沢酵母がほとんどだったこともあるかもしれません。

それにしても、初の幹事でこれだけ集めるのはけっこう苦労したろうと思います。
雑賀梅酒 宗玄 手取川 玉川 七本鎗 房島屋 醴泉 大治郎 るみ子の酒 瀧自慢 雑賀

今回のお酒の詳細一覧

    銘柄 特定名称 使用米 その他
宗玄 無濾過生原酒 純米大吟醸 山田錦 50% 宗玄酒造 石川   
手取川 吉田蔵 純米大吟醸 山田錦 45% 吉田酒造店 石川  
玉川 無濾過生原酒 純米吟醸 雄町 60% 木下酒造 京都  
七本鎗 直汲み生原酒 純米吟醸 玉栄 55% 冨田酒造 滋賀  
房島屋 無濾過生 純米吟醸 山田錦 50% 所酒造 岐阜  
醴泉  純米大吟醸 山田錦 43% 玉泉堂酒造 岐阜  
大治郎 生酒2013 純米吟醸 山田錦 55% 畑酒造 滋賀   
るみ子の酒 無濾過生 純米吟醸 山田錦八反錦 50% 森喜酒造場 三重 23BY仕込み
瀧自慢 純米吟醸 雄町 50% 瀧自慢酒造 三重  
10 雑賀 生詰 純米大吟醸 山田錦 45/50% 九重雑賀 和歌山 掛米50% 
雑賀にごり梅酒 梅酒      九重雑賀 和歌山 乾杯酒


第23回IZAKAYA−2きき酒会リポート

初めてのお店にギリギリ詰め込んで

この「ちゅうがい」というお店は初めてですが、けっこう知られているようで、メンバーにもおなじみが多かった。

写真の右手外側カウンターも含めて24人を詰め込んだので、写真でわかるようにトイレに移動するのも困難で身動きつかないほど。

お料理の方は基本和食系で、なかなか日本酒にあったものを出して頂きましたが、量的にはちょうど良いという声と若い人には物足りないかも、という声とがありました。

選酒は幹事の特権です

今回は写真左端のI氏が幹事を務めて下さったのですが、古くからのメンバーでありながら幹事は今回初めて。

でもなかなか面白い選酒をして頂きました。
本人の好みは第一に「宗玄」だそうですが、実は「戦国」との関係は・・・あまり無いとか。

でも能登と言えば上杉謙信と柴田勝家の激戦地。さらにその後は前田利家もからむし、そういえば「手取川の戦い」があるなあ。

一番人気は「宗玄」

「宗玄」が好みという人はかなり多かったです。

「手取川」には「山本蔵」と「吉田蔵」の二つがあるのですが、これは若旦那の造る吉田蔵のほう。
「宗玄」も「手取川」も酵母はたぶん金沢酵母でしょうね。よく似ていると思いました。

「玉川」はしっかり味がありますが、ここの蔵ではやっぱり山廃のはっきりした個性が好きだな。

これらも極端な差が無くて

「七本鎗」はもしかすると今回が初登場だったかもしれませんが、これが好みという人も多かったです。
しっかりした味わい、香りほどほどで飲みやすい酒。

「房島屋」「醴泉」も大きな違いは無いと感じました。

「大治郎」はもともと好みの酒ですが、以前よりも少し穏やかになったように感じましたが・・・・。

これらも違いがわかるほどの差は無いという印象。

懐かしい「るみ子の酒」

ひところ我らのバイブルでもあった「夏子の酒」を思わせるラベルで人気だった「るみ子の酒」は懐かしい。
でも、これってこんな味だったかな?と思うような特徴の無い味わいと、23BYの仕込みのせいかわずかにヒネ香が口内に残る感じが気になる。

「瀧自慢」「雑賀」ごろになるといいかげん酔っ払っていたのと、もともとクセの無い酒のせいか印象残ってない。

「雑賀」は和歌山の蔵で、当主は戦国最強の鉄砲傭兵隊である雑賀衆の末裔だとか。

女性が過半数は初めて

最後の、例によっての全員集合記念写真はわいわいがやがやとまことに賑やかでした。写真でわかるでしょ。

これ以前に帰った方もいるので24人全員が写ってはいませんが、みんな楽しそうなヨッパライなのです。

女性13人・男性11人と、女性参加者が過半数を占めたのは長いIZAKAYAきき酒会の歴史でも初めてです。
いやー、元気の良い(酒飲み)女性ばかりでした。

楽しかった。


さて、それぞれのお酒についての私の独断的・個人的感想をひとことだけ
(後半は単なるヨッパライになって、いささか記憶の混乱もあるかもしれません)


銘柄 わたしのひとこと
雑賀梅酒 乾杯は梅酒で、度数が10〜11度とあまり高くなくてすっきり柔らかい梅酒で飲みやすく、とても人気だった
宗玄 きれいな酒なので梅酒のあとで損をしたかもしれませんが、すっきりしていながら味の深みがあった
手取川 これもすっきりきれいでやや淡麗系ですが味もあり、宗玄と同系統の酒と感じた
玉川 雄町の60%で度数高いわりに意外に温和しい感じで、玉川はやはり山廃・生もとが個性発揮すると思った
七本鎗 思ったよりもしっかりした主張のある味で、香りもそこそこありけっこう好みの酒だと思った
房島屋 いくぶん辛口の印象の中にも旨味を感じますが、酸もしっかりあるのでこのまま燗つけても良さそう
醴泉 やや甘口に感じましたが、穏やかで香りも強くなく、初心者から広く好まれる味かと思った
大治郎 以前に飲んだときよりもやや穏やかに感じたが、香りほどほどでしっかり味もあり、けっこう好みの味わい
るみ子の酒 穏やかでクセは無いが個性やや乏しい、23BY仕込みのせいかやや生ヒネっぽさが気になった
瀧自慢 もう酔っ払っていたし、度数が低めのせいか特に印象に残っていないが飲みやすい酒だ
雑賀 基本的に同上だが、味香りともに以前よりかなり温和しいという印象

「雑賀」の梅酒が一番の好みという人が複数いましたが、それも理解できるところです。この梅酒は最近は入手難といわれるほどの人気なのです。ついでながらこの雑賀の蔵はもともと酢屋さんなのです。面白いですね。

私の好みとしては「玉川」「房島屋」「大治郎」というあたりでしたが、全体としては「宗玄」「醴泉」「七本鎗」「瀧自慢」というところに支持が集まっていたようです。
ただし、飛び抜けて支持者が多かったという酒はなく、けっこう分散していましたが、これらの結果には女性が過半数を占めていたということも、あるいは多少影響していたのかもしれません。

まあ、「すっきりきれいで香りほどほど個性が強すぎず飲みやすい」という酒が好まれたかなと思いますが、今回の酒はかなり似た傾向があり、飛び抜けて個性的な酒は無くてかなり狭い範囲内に収まっていたと思います。

ふつうは、盃を並べて飲み競べるので、味の記憶でこの盃の酒は何という判断がだいたいつくのですが、今回はあれ?これはなんだったっけ・・・と思うことが多かったです。かろうじて「玉川」の判別ができた程度でした。


二次会に行きましたが、記憶が途切れ途切れです・・・・。

さーて、次は8月に「真夏の燗酒の会」だなー。
その前に特別編「ビールの会」があるかな。



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