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「忘年きき酒会」は今年も中央町の「いかや」
会場は大分市竹町通り西口の「いかや」で。
去年は34人の参加者があったので、少々増えても大丈夫なこの店を選んだのですが、エントリー後の参加キャンセルもあって、最終的には29人の参加者となりました。
29人の参加者中女性は12人ですが、その女性たちの飲む量・研究熱心な態度など、いずれも酒飲みおじさんたちを問題にしないものでした。 |
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スタートは「秀鳳」と「白隠正宗」
最初は「秀鳳」と「白隠正宗」の純米大吟醸の対決。「秀鳳」は精米歩合40%と、雄町米としてはギリギリまで磨いてすっきりした中に重厚な味わい。「白隠正宗」は19BYでかすかに貯蔵臭があるが山廃の複雑な味で力強くせまる感じ。この2本は優劣つけがたい。
「南部美人」はまあ普通の味です。とりたてて個性があるという感じではなく、そこそバランス良く温和しい味でした。いつの間にこんなラベルになったのか、ちょっと違和感を感じた。
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さすが人気の「醸し人九平次」
「醸し人九平次」はやや甘口に感じますが、軽快な味の向こうに米のうま味が豊かに隠れている感じ。さすがに九平次と思いました。
「賀茂金秀」は、決して悪くは無いのですがほどほどのバランスでこれと言った特徴は無く、ややのど越し後に苦味が残る印象です。
「豊潤」はこの春の試験醸造だったらしいのですが、すっきりして味もあり、そこそこ良くできていると思いました。 |
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「屋守」「作」はそこそこ良くできている
東京の「屋守」と三重の「作」は、特に目立った欠点も無く、そこそこ良くできていると思いました。ただ、ほかに力強さを感じたりしっかりとした個性ある酒も多かったために目立たなかった印象ですが、お酒としてはまあ十分なものだと思います。
「阿部勘」は、そういう意味では上記2点よりも個性に乏しい印象で、ちょっと背景に隠れてしまったなあ・・という感じ。好みの問題ではありますが、米の味・・という意味での個性はあまり無いかも。 |
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「竹鶴」の個性は重量級
広島の「竹鶴酒造」は日本のウイスキーの父と言われる竹鶴政孝氏の実家である。この「小笹屋竹鶴」は原酒のせいもあるが重量級の味わいでしっかりした個性は好ましい。多少クセのある味だが・・。
佐賀の「東鶴」と新潟の「鶴齢」、べつに「鶴」だから続けたわけではないが、偶然3銘柄が続いてしまった。味の方はとくに欠点も無く飲みやすいが、どちらかといえば「鶴齢」のほうが私の好みだろうか。 |
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圧倒的な「奥播磨」の燗酒
「三千櫻」はこの中では1本だけ使用米が「渡船」である。だからというわけではないが、味の方はかなり甘口に感じられ、味の芯が薄いという印象があったのはちょっとザンネンに思った。
「奥播磨」はやはり重量級の存在感で、冷やでもしっかりした味の広がりを感じるが、燗をつけた時の旨みの広がりは圧倒的だ。精米歩合は65%ともっとも磨いてない方なのだが、そのせいもあるのだろうか。今回もっとも印象に残ったのは「奥播磨」である。 |
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燗酒派はお燗コーナーで
会場はけっこう広いのでゆったりとお燗コーナーを設営できたのだが、左の写真のように土鍋を使った湯煎燗なのでそれなりに時間がかかるのでお燗コーナーに座り込んでのお燗談義も見られた。
燗酒としては、上記のように「奥播磨」が圧倒的な存在感だったが、「白隠正宗」も冷やよりは燗の方が良いのでは、と思わせる。また「竹鶴」も良い燗上がりで、このほかでは地元「豊潤」も予期した以上によい燗上がりを見せたと記憶している。 |