おおいた日本酒文化研究会 第92回きき酒例会

〜 真夏の燗酒大会 2015 〜


 お酒研 第92回きき酒例会リポート

日時 2015年8月22日(土)19時 開会
会場 ^鹿BAR 大分市府内町3−5−17 第一石松ビル 097−532−8452 
会費 6000円 

テーマ 真夏の燗酒大会 2015  
参加者 15人 


毎年夏の恒例イベントになりました、「真夏の燗酒大会」ですが、。この暑い盛りの燗酒の会もけっこう固定フアンがいるのですよね。今回も15人のメンバーが集まりましたが、人数としてはちょうど良いぐらいのボリュームだったと思います。

会としては、まず最初にお酒を常温で回し、そのあとそれぞれの適温の燗をつけて回すという流れですが、なにしろプロのお燗番付きで・・という大変ぜいたくな会なのであります。「お燗番長」がいてこそのこの企画です。

今回は、お酒代に若干の余裕が出ましたので、お店の協力も得て全員に一杯づつのビールを出すこともできました。

(今回は6銘柄の予定でしたが、会員から提供品が1銘柄(右端秘スレバ花)ありました)

やまとしずく 奥播磨 鷹勇 松の司 都美人 中島屋 綾菊

今回のお酒の詳細一覧 (上記写真の左から)

   銘柄 特定名称 その他 備考
やまとしずく 生もと 純米   秋田清酒 秋田  
奥播磨 山廃 純米 7号酵母 下村酒造店 兵庫  
鷹勇 山廃 純米 21BY 7号酵母 大谷酒造 鳥取  
松の司 山廃生原酒 純米 21BY 松瀬酒造 滋賀  
都美人 山廃 原酒 純米 21BY 都美人酒造 兵庫  
中島屋 熟成 純米 熟成ブレンド 中島屋酒造場 山口  
綾菊 秘スレバ花 純米吟醸 15年熟成 綾菊酒造 香川 会員寄贈品

 さて今回のお酒は、「生もと」「山廃」のお酒がおもですが、それ以外のお酒も基本熟成酒です。特に会員寄贈品の「綾菊・秘スレバ花」はもともと15年熟成酒を10年以上保存したものという超長期の熟成酒です。
 お燗に向く酒・・・と考えていると、どうしても生もと・山廃系のお酒が多くなるのですが、最近はこれら本格的な生もと系のお酒も増えていることは喜ばしいことだと思います。
 県産酒も検討しましたが、これらのお酒の中に入れられるような燗酒向けのお酒はちと自信が無かったので、今回は結局入れませんでした。
 なお、「都美人」の蔵は「兵庫県」ですが、所在地は淡路島です。

第92回お酒研きき酒会リポート

今年も^鹿BARでの開催です

 大分市府内町の日本酒バー「^鹿Bar」は、もともとマスターがこの会のメンバーなので、この数年いろいろと協力して貰っています。

 なにしろ燗酒の会としては、燗つけのためにそれなりに道具立てが必要なために、意外と場所を選ぶのですよ。
 人数もあまり多いと燗つけの手順が間に合わないなどの問題があるので、理想を言えば12人ぐらい・・・というところでしょうが、この店では17人を定員としています。今回は途中キャンセルもあり、参加者は15人とほど良い数となりました。

お燗はもちろん湯煎燗です

 燗はいつものように、土鍋に二合燗瓶を2本つけています。燗の温度はお燗番の判断でぬるめ、熱燗と微妙に変えています。

 今回は山廃・生もと系のお酒に長期貯蔵のお酒と、かなり個性的な味かと期待?していたのですが、全体としては極端なものは無く意外におとなしいものだったと思います。

 もちろん、飲み手の経験・好みにもよるところではありますが、どうやらハズレのお酒は無かったようで、きれいに減って行きました。

軽快な生もと「やまとしずく」

 最初の「やまとしずく」の生もとは、まず常温では「生もと」っぽくない軽快な味わいで、これは最近の生もと系の造り方なのだろうと思いましたが、そのあとの燗もすうっときれいに通る軽い燗酒でした。

 「奥播磨」はやはりしっかりした味でバランスも良く、燗もきれいで力強い印象のお酒です。これは私の好みの味でもあります。

 「鷹勇」は常温ではちとクセのある味を感じましたが、燗ではあまり感じなかったと思います。良い燗がついていました。

やっぱり評価分かれる「都美人」

 この中ではやはり「松の司」が一番人気でしょうか。生原酒のせいか独特の力強さがあり、瓶が一番先にカラになったようです。常温・燗とも私の好みであります。

 「都美人」は味に独特のクセがあり、好みによって手が出る人出ない人と別れたようです。原酒で度数が高いせいか、飲み詰まるということかもしれない。味に多少のクセはあっても、私としてはこのくらい力感のある方が好ましいのではないかと思うのだが。

超長期熟成酒の「秘スレバ花」

 「中島屋」は「熟成純米」と表示してあるように、19BYあたりから数年の貯蔵酒をブレンドしてあるらしい。しかしあきらかな熟成酒という感じは無く、すっきりした味の向こうに深みを感じる面白い酒と感じた。

 「綾菊」秘スレバ花は名前は知っていたが、今回初めて飲ませて頂いた次第。20数年前のお酒とあって濃厚な着色もありこれが日本酒かと思うほどだが、意外と熟成臭などは強くなく、年数の割りにクセもあまり無くけっこう普通に飲めたのは面白い。

「松の司」は最初にカラになった

 「松の司」の瓶が先にカラになったので、やはりこの酒が一番人気ということになるのだろうが、他の酒もそれぞれ瓶には一合から多くても二合弱程度が残っているのみだったので、この人数でよく飲んだなあーというのが正直なところ。

 なにしろ、今回はひとり一杯づつのビールも出しているのだし、量的には相当なアルコール量だと思うのだけど、軽いものだったか。ただ、15度台のお酒が多かったこともあるかもしれない。


まあ・・・私もけっこうな量飲んでいるので、記憶違いがあるかもしれないが・・。
今回はお金勘定に忙しく、あまりお酒のメモを残せなかったので、ここまで。


最後に記念の集合写真。ひとり先に帰ったので、写っているのは14人です。

お酒は、どの瓶もあまり残っていませんでしたので、最初にビールを一杯づつ出した割りにはよく飲みました。
燗酒として抵抗のある酒は無く、どのお酒もそれなりに飲めたせいかもしれません。

しかし、暑い中の燗酒はやっぱり面白いです。


さーて、次は「ひやおろし」となると10月だなー。

ではまた。




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