第31回利き酒会 1998年9月18日(金)


会場 三姿郎鮨 
会費 6000円
開会 19時

「また出会いを求めて、新顔酒特集」


対象酒


芳水 特別仕込大吟醸 金賞受賞酒 徳島県・芳水酒造 720ml \4200
賀茂緑 今朝しぼり 純米吟醸・生 岡山県・丸本酒造 1800ml \3500 H8
半蔵 純米吟醸・生原酒 三重県・大田酒造 1800ml \3500  
はなり 純米大吟醸・生々雫酒  大分県・佐藤酒造 720ml \3500 はかり屋
信濃薫水 大吟醸・生絞り  長野県・大信州酒造  720ml \3600  
日本響 純米吟醸  山形県・小嶋総本店 720ml \1600  

計6銘柄

<差し入れ はかり屋・草枕(亀の井酒造)濁り普通酒 >


参加者


00021/友田 哲郎  
00285/佐々木義朗  ゚
01361/石田 洋子  
01581/石田 孝一  
01716/橋本 吉彦  
02023/大嶋 基裕  
02529/江藤 邦雄  
05517/一万田 範彦 
08923/鳥居 和義  
09354/小園 容子 

計10名



選んだ酒は・・・


「芳水」特別仕込大吟醸金賞受賞酒
 ふつうの生酒などはこれまでも登場していますが、これは「特撰街」第一位。
 「一度飲んでみたい酒」として選びました。

「賀茂緑」今朝しぼり 
 岡山を代表する吟醸蔵の酒。吟醸生ですが、実は96年3月の出荷。
 大平酒店の冷蔵庫で2年半眠って、十分に熟成して味も乗っているところ。

「半蔵」純米吟醸・生 
 「半蔵」は忍者の「服部半蔵」にちなんだ名。しっかりした吟醸を出していて、
 味の傾向はやや濃淳系で腰があるが、比較的辛口で喉ごしもすっきりタイプ。

「はなり」雫酒 
 今回の基準酒、湯布院地酒の「はなり」、佐藤酒造の定番です。
 豊かな味わいで香りもあり、コクのあるのどごしが魅力。同じ佐藤酒造でも、
 「千羽鶴」とはまたかなり違いのあるのが面白い。

「信濃薫水」大吟醸・生絞り 
 少しは東の酒を・・と思って、信州の酒はどうでしょうか。長野県の大信州酒造、
 知る人ぞ知る蔵と聞いています。淡麗傾向ではあるがどっしりした味わいとか。

「日本響」純米吟醸 
 この中ではやや影の薄いか。東北の酒らしく淡麗傾向だが決して薄っぺらでなく
 しっかりした味わいで気持ちよく飲める酒。C/P比はもしかすると一番高い。



私の利き酒リポート



※みんなの「好み」採点  「大好き」を5点として0.5点刻み
芳 水 賀茂緑 半 蔵 はなり 信濃薫水 日本響
友田  4.5  3.5  4.0  5.0  4.0  3.0
江藤  3.0  2.5  3.0  4.0  4.0  2.5
石田ム  5.0  2.0  2.5  4.0  3.0  3.0
石田マ  3.0  4.0  3.0  5.0  4.0  3.0
佐々木  5.0  5.0  4.0  5.0  4.0  4.0
一万田  4.0  1.5  2.5  3.5  5.0  2.0
大嶋  4.0  1.0  3.0  5.0  2.0  5.0
橋本  4.5  3.0  4.0  5.0  5.0  4.0
鳥居  4.0  1.5  3.0  4.0  4.0  3.5
小園  4.0  3.5  3.0  4.0  3.0  2.0
合計 41.0 27.5 32.0 44.5 38.0 32.0
順位  2  6  4  1  3  4


 やっぱりというか、「はなり」が文句なしの人気第一位でした。

 それにしても、平均してみると大吟クラス3銘柄が高順位で、純米吟醸クラス3銘柄と、
それもかなりの有意差があるのは、当然かも知れませんが、面白いですね。
 これに価格を考慮するとまた別な結果が出てくると思いますが・・・・。

 「日本響」は720mlで1600円、「信濃薫水」は3600円。
 たしかに「信濃薫水」は大吟醸らしい味わいはありますが、この価格差ほどの差は
ないように感じました。

 で、私の個別評価です。


1・「はなり」雫酒(純米大吟醸) 

おなじみ湯布院はかり屋のオリジナルです。
度数は17〜18度とやや高めのせいか、しっかり強めの味わいです。 エキス分がやや
高めなのか、甘みというより旨みを感じ、しかも適度に酸味がきいていて、上品な香りも
ありまさに芳醇そのものという印象でした。 
佐藤酒造の味に慣れているせいか、一番親しみを感じる酒です。 
私の好み評価は5点です。ただし、ちょっと身びいきかなと自覚してます。


2・「芳水」特別仕込み大吟醸 

これはもう完璧というか、典型的なアル添大吟醸の味そのものです。 
山田錦35%、9号酵母という典型的な造りで、まああきらかな 鑑評会向けの
味なのでしょうが、口に含んで柔らかくかつ腰があり、 ふっと鼻に抜ける香りは
控えめであって品の良い香りです。 すっきりしていて、奥行きがあり、キレのいい
酒でした。 私の好み評価は4.5点です。ちょっと厳しいかもしれません。


3・「半蔵」純米吟醸生原酒 

これも度数18度の生原酒なんですよね。しかも無濾過かもしれない。
やや透明度の低い感じで、うっすらとオリのあるように思いました。味の方は、
ちょっと大吟と比較するのはつらいところはありますが・・・。 
これも思った以上に濃厚な方でしたが、その割にすっきりと喉ごしはよく、 
これはこれでそれなりに飲める酒です。 私の好み評価は4点です。


4・「信濃薫水」大吟醸

長野県の酒ということで、淡麗系かと思ったのですが、ずっと濃淳な味わいで、
しかもやや甘口に感じました。グラスから香りが立ち上るような華やかな香気が特徴です。 
悪くはないのですが、アル添大吟にしては少し重たい感じ。山田錦40%、度数は17度、
酸度1.4というほどには感じなかった。私の好み評価は4点です。


5・「賀茂緑」今朝しぼり純米吟醸生 

この酒はたぶん好き嫌いがあるだろうなと思っていましたが、 結果は思った通り、
皆さん5点から1点までとばらついていますね。 96年3月出荷ですから、
冷蔵庫で2年半以上眠っていたわけですが、 管理が良かったのかヒネた感じは
まったくなく、適度に味がのって 人によってはくどい感じでしょうが、
重厚な深味のある味でした。 ただ、封を切った時と最後とではまるで違う味なのが
不思議です。 私の好み評価は、3.5点です。


6・「日本響」純米吟醸 

足りないときの予備として取って置いたのですが、結局出しました。 だから順番としては
大吟や濃淳な酒のあとで、かわいそうな扱いになってしまいましたが、皆さんけっこう
飲めると評判でしたね。 度数17度以下とわずかに低めで、やや淡麗傾向のため
印象は弱く、どうかなと思いましたが意外と健闘しましたね。すっきりしていて、 
それがかえって新鮮な印象でした。正直言って見直しました。 
私の好み評価は、3.5点ですが、C/Pは一番高いと思います。  


番外・「草枕」濁り 

はかり屋オリジナルで亀の井酒造です。濁りですのでやや甘口で、 
アル添加糖の普通酒らしくやや不自然な味も感じられます。
しかし 細かいことを言わなければ、それなりに十分に楽しめ酒だと思います。 
ただ私としては、昔の草枕に比べてやや印象が薄い感じでした。 好み評価はしていませんが、
強いていえば2点ぐらいかな。 



メンバーの評価(一部)


はなりはオールラウンドのレベルで「味わい」を感じます。これが刺身やカボスをふった焼き魚などに
ピタリと合います。 飲み慣れている事もあって、これが今日のピカ一です。  

芳水はこの料理ではちょっと苦しかったようです。 もっともすっきり系の大吟醸と料理の組み合わせは
とても難しいのでこれは純粋に酒の味を楽しむ方が正解でしょう。 

賀茂緑は2年半の半古酒。まだ完全に古酒になる前の、私にはちょうど好みの状態でした。 
古酒の個性を出し始めているけど、まだ生酒の雰囲気も十分持っている。

信濃薫水は最初に飲んだせいか、その華やかさにびっくりしました。

日本響は普段飲む酒にピタリなC/Pが高くて旨い。 これからは僕もこれを日常飲む事にしようと思いました。





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