第59回IZAKAYAきき酒会

〜 第2回龍力を楽しむ会 〜



第59回IZAKAYAきき酒会リポート

会場 二代目与一 (大分市中央町 ) 2階 
会費 5000円 
開会 18時 

テーマ・ 第2回 龍力を楽しむ会
参加者 23人 (女性7人 男性16人 )

 龍力 本田会長がおいで下さいました。
 2006年の3回目のきき酒会は、秋深しと言いながらけっこう暖かい11月26日の日曜日に開催、少しばかり雨模様。

 ことし2006年3回目のIZAKAYAきき酒会は、とうとう通算59回目になりました。

 今回は3年ぶり、姫路の吟醸蔵「龍力」の本田武義会長をゲストとしてお迎えし、第2回の「龍力を楽しむ会」として主力商品の特別純米を中心に楽しむ会となりました。

 参加メンバーは23人で、前回の参加者はほぼ半分ほど。

 まず本田会長がご挨拶と蔵の紹介など。

今回のお酒一覧 (飲んだ順)

  銘柄・特定名称 詳細 小売価格
大吟醸 天賜盃 山田錦35% 熊本酵母 度数17.5 日本酒度+3 酸度1.3 \10.000
特別純米 山田穂 無濾過 生 山田穂65% 熊本酵母 度数18.6 日本酒度-2 酸度1.8  \3.675
特別純米 雄町 無濾過 生 雄町65% 熊本酵母 度数18.2 日本酒度+5 酸度1.9 \3.465
特別純米 山田錦 無濾過 生 山田錦65% 熊本酵母 度数18.7 日本酒度+3 酸度1.9 \3.675
特別純米 神力 無濾過 生 神力65% 熊本酵母 度数18.4 日本酒度-1.5 酸度1.8 \3.150
特別純米 山田錦 生もと仕込 山田錦65% 熊本酵母 度数16.5 日本酒度-1 酸度2.1 \3.150
全麹仕込 純米吟醸 千里馬 山田錦60% 度数18〜19   720ml \3.150
祇園 生もと仕込 山田錦92% 度数19〜20 720ml \3.150
本格焼酎 吟のわけまえ 山田錦 単式減圧蒸留 10年熟成 度数30 720ml \2.100
このほか、ワイン2本と特別純米雄町の99年などもお持ちいただきました。

〜 第2回 「龍力」を楽しむ会 〜


いやー、モンクなしに楽しかったです

 今回のメインは「特別純米」の米がわりと生もとを楽しむことですが、乾杯は大吟醸の「天賜盃」で。 

 「龍力」の蔵はおよそ3000石といいますから、それほど大きな蔵ではありません。ちなみに大分県内では「西の関」あたりが1万石クラスといわれています。

 しかし驚かされるのは、「普通酒比率」がなんと7パーセント。つまり特定名称酒の比率が93パーセントに達し、吟醸酒以上でほぼ1000石を出荷するという、驚くべき吟醸蔵なのです。

 龍力は・・http://www.taturiki.com/

印象に残る「山田穂」のキレの良さ・・・・
 「山田錦」の稲穂を手に説明される本田会長。今回もお土産として貴重な稲穂を頂きました。

 もちろん、兵庫県三木市吉川町上松産、つまり兵庫県でも特A地区で生産者名入りの最高級山田錦です。

 根本から穂先までが130センチを越える山田錦の稲穂に、初参加の人もその長大さに感嘆の声をあげていました。

 龍力は、この最高級の山田錦を惜しみなく使える蔵なのです。
 今回お持ちいただいたお酒の第2弾、左から92%精米の「祇園」、全麹仕込みの「千里馬」、特別純米「雄町」の長期貯蔵酒。

 「祇園」の92%という精米レベルは飯米クラスで、つまり酒造りとしては低い精白度なのですが、味わいはすっきりして雑味を感じさせないものでした。

 ただ、「祇園」は前回に比べてやや温和しく、多少物足りないという声、価格的に高いという声もありました。

 「全麹」は、甘味は強くなく濃淳な清酒でした。

「龍力」も「ワイン」も大人気、仕込水も・・・・

 本田会長のお話に聞き入る参加者。

 実は本田会長はもともとワインがお好きで、そこから入り込んで行ったという話に参加者のうちのワイン党は大喜び。
 
 秘蔵のワイン2本をお土産にお持ちいただいて、こちらもありがたくあっという間に飲み干してしまいましたが、日本酒の会ですので、ワインの話はこの辺で・・以下省略。

米違いを楽しむことができました

 今回は、「特別純米」の米がわりと生もとを楽しむことがメインでした。 

 特別純米は、上の一覧にもあるように「山田穂」「山田錦」「雄町」「神力」という有名酒米4種類を使ったもの。

 「雄町」は岡山ですが、他の3種類はすべて兵庫県が原産で、特に「山田錦」の親にあたる「山田穂」は龍力が苦労して復活させたものとか。

 それにしても、これらの米の違いによる味の違いは思っていた以上に明確な差がありました。 
 私は今回、「山田穂」のキレの良さが印象に残っています。
 佐伯市上浦の酒屋Iさんが本田会長と話し込んでいます。

 いろんなことを吸収しようという酒屋さんに、蔵元がほんとうに真面目にお話をされていました。
 今回出す酒を印刷したシートも、吟醸グラスもすべてご用意いただきました。

 あちこちでお酒談義が行われていましたが、やはり好みによって評価が異なるのは当然で、濃淳系が好みの人には全体として評価が高いのですが、淡麗系が好みの人にはやや飲み詰まるという意見も見られました。

 たしかに全体にアルコール度数も高いので、飲み詰まる・飲み飽きるというのはあるだろうなと思います。
 今回はアンケートも何もとっていませんでしたが、全体としては特別純米の「山田錦」のクセの無さ、「山田穂」のキレの良さなどを評価する声があり、「雄町」については甘味が突出するとか、重たいという声が出ていました。

 特別純米山田錦の生もと仕込は、冷やよりもやはり燗が良かったと思います。お燗派は全体として同じように評価していました。
 今回もお持ちいただいた「仕込水」です。かすかに味があっていい水でした。

 地下100メートルから汲み上げた、揖保川の伏流水ということですが、水質的には「中硬水」ということでした。
 そういわれれば、少し硬いかなという程度で、軟水と言われてもそうだろうなと思うニュートラルさでした。

 チェイサーがわりのビールも用意していたのですが、今回も結局1本も出ることがありませんでした。

私の感想

ひとことでいうと、今の時期なら生でなく火入れの方が良いのかもしれません
大吟醸 天賜盃 きれいな大吟醸 それほど際立った個性はありません
特別純米 山田穂 濃厚な味わいですが、すっきりしたキレの良さがあります きょうの一番
特別純米 雄町 やや重たく感じました 甘味が強い感じ 日本酒度が逆ではないかと思いました
特別純米 山田錦 ふつう 可もなく不可もなく・・・ 逆に言うと飲み飽きないのかもしれません
特別純米 神力 スマートな味という印象 けっこう濃淳な味ですがクール感がある
特別純米 生もと 冷やだとあまり個性を感じませんが、燗をつけると柔らかくほぐれて広がります
全麹仕込 これはうまい 濃厚ですが決して甘ったるくはなく、ちゃんと飲める清酒です
祇園 92%という低精白とは思えないきれいさ しかし酒としては前回の方が良かった
雄町 長期熟成 熟成香が苦手な人もいる 燗が良かった 
吟のわけまえ しっかり龍力の味がする米焼酎 ほんとに真面目に造っています

という、楽しい会となりました。おしまい。


次は・・・12月末の忘年会で、いよいよ最終回だなあ・・・・



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