義侠・9BY対10BY

〜田染荘の津田さん主催、贅沢な義侠ばかりの試飲会〜




 1999年4月17日(土)の夜、豊後高田市田染の荘の津田さんが主催する第3回の試飲会が、大分市のイワシ料理の店「いなせ」で開かれました。参加者は田染の荘の常連客やコアラのきき酒グループなど18人ほど。

 今回の試飲会は、いまや私たちのあいだで大人気の「義侠」を、生60から生30までの4種類の、それぞれ9BYと10BY、つまり去年の酒と今年の酒を飲みくらべてみようという、贅沢なもの。
 こうしてずらりと義侠が並ぶと、それだけでほとんど圧倒されますね。

 まず乾杯はラベルを隠したまま、目隠しの1本で行い、そのあと順に生60からスタートしました。
 で、結論としては・・同じ義侠なのに、かなり明確な味の差がある、しかもそれぞれ去年の9BYの方があきらかによい!ということです。

 
 さて、当日の試飲対象の順番です。実は最初の乾杯は最後にわかって、生30の9BYでした。
 以下は私の試飲メモです。最初の目隠し乾杯のお酒を10点として、そのあとのぶんを比較して評価してみました。

順番 内容 感じたこと 評価
乾杯 生30・9BY 生30とはわからなかったが、こりゃすごいレベルだと感じた。 10
生60・10BY 乾杯酒とは明らかに差があるが、すっきりしていい酒だ。
生60・9BY 10BYよりもまろやかで1ランク上だ。
生50・9BY これはいい。生60とははっきり差があるのはわかる。
生50・10BY いい酒だけど、これも9BYの方が奥行きを感じる
生40・9BY すっきりしてコクがあり、50までとは明確な差がある。
生40・10BY 9BYとは相当な差があるが、もう文句のつけようはない。
生30・10BY すばらしい、のひとこと。すっきりさわやか。
生30・9BY あらためて飲むと、心が震えるほどの感動がある酒だ。 10

 というわけで、同じ義侠でも精白度によって、酒造年度によってかなりの差があることがよくわかりました。まあ、それにしたって最低評価の生60だって十分にうまいのですが・・・



 義侠は、大分県ではこの津田さんの「田染の荘」だけが扱っている。義侠に惚れ込み、義侠の田植え会にも欠かさず参加し、ほとんど商売っ気抜きで私たちに義侠を飲ませてくれる酒屋です。
 「うちも経営が苦しいもんで・・」わかるわかる。でもがんばって下さいね。
 「義侠は1年おいてもフレッシュな口当たりは変わらず、むしろやわらかく熟成します。何本か冷蔵庫の中において置くといいですよ。」
 そりゃあそうでしょうけど・・・なかなかそうは行かないんだよね。 
 もちろん集まったのは男女を問わず酒好きメンバーばかりだから、あれかこれかと酒談義に花が咲きます。
 でも、やはり義侠ってすごいなー・・というあたりに行き着いて、あとはもう何も話すことが無くて飲むばっかり。
 ふつうならいろんな酒があって、好みによって評価が分かれるところですが、今回は見事にランクによって味が異なるため、ほとんどの人の評価が同じ。

 誰が飲んでも、生30・9BYが最高という声ばかりで、議論の余地がないのです。 
 この女性お二人は、もともとワイン党。
 ワインの試飲会にも欠かさず顔を出しているとかですが、最近日本酒もけっこう好みだとか。

 「以前は、日本酒はちょっとネ・・と思っていたんですけど、義侠を勧められて飲んでみたら、何これって、びっくりしてしまって。じゃあ私が今まで飲んでた日本酒はいったいなんなんだろうって・・・・」

 わかるわかる。みんなそうなんですよね。
 最初の乾杯のとき、津田さんは「この酒が何かわかったらえらい」と・・だけど私はすぐに降参。

私「どちらが上かとか、比較するならある程度わかるだろうけど、ひとくち味わって最初から何かあてるのは無理だよー」

津田「そりゃーそうだ、最初からわかったら、オレ酒屋やめなきゃならん」

うーむ、やめさせてみたいぞ。
 このおふたり、コアラの利き酒会でも常連の石田ムッシュと石田マダムのご夫婦。マダムはこの前胆石で入院して手術したんですが、元気にぐいぐいと飲んで、「酔っぱらっちゃった」とかなんとかいっちゃって。

 頭にくるぜ、と後から私。


 こうして義侠オンパレードの試飲会はめでたくオヒラキとなりました。
 いやー、うまかった。


 田染荘の第1回試飲会のもようはこちら

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