最近ブームらしい?「真空管」のClassicな話

電気はくう、熱いし場所はとるし高いし・・、とにかく時代遅れも甚だしい
なのに最近、なぜか真空管アンプは、世界的に静かなブームだとか・・

1999年12月、初めてキットで作ってみたミニアンプ。

たった2球の「6BM8」シングル・ステレオアンプ

なんか作りたいとは思ったけど、回路図書いたり部品集めたりという時間がちょっとない。
手持ちの部品は数セットぶんはあるのだけど、それを分類して使える回路を考えて・・・それはそれで楽しみはあるけど・・・というわけで、今回は完全キットのアンプを作ってみました。

何年ぶり?

 ひさしぶりに作った「807PP」アンプ

このところ真空管アンプの自作から遠ざかっていたけど、1998年5月、ひさしぶりにハンダごてを握りました。

「807PP」とか知る人ぞ知る・・だな。右の写真が完成した807プッシュプルのステレオアンプです。とにかく、重たいこと・・・・・。

真空管って・・・なんだろう?


真空管ってなに? という時代になってしまいましたが、皆さんの身近なところにあるテレビの「ブラウン管」は、実はれっきとした「真空管」なんですよ。知ってた? まあそれ以外で見かけることはまずありませんが・・・・

しかし、オーディオの用途では依然として使われており、それがまた最近は静かなブームだそうな。
おかげで、これという真空管が値上がりしてしまって、困ってしまう。

なにしろ私、真空管時代の「ラジオ少年」だった。そして、IC時代に乗り損なって、とうとうそのままなんです。
一度は捨ててしまったけど、20年ぐらい前から再び真空管アンプに凝って、これまでに集めたストックの一部が左の写真。たかだかこの20年ぐらいに手元に集めた物なので、そう高価なものはないけど、KT88、6550、2A3、EL34、6L6など、ポピュラーな出力管あたりは一通りそろっている。

問題は、もう日本ではずっと前に生産中止になっていて入手しずらいことだけど、最近ではロシアとか中国製とかがかなり入ってきている。

しかし、70年代の日本製真空管のように、足の位置はもちろんマークの方向に至るまで完璧に品質管理された物は、おめにかかれないように思う。
おもな真空管のスタイルをごらん下さい。

上の列左から「ST管」という古典的スタイルのもの2種。その右は「GT管」という、足が8本あるもの。一番右は「ST管」のスタイルで足が8本ある「G管」。
モデルは「42」「6ZP1」「6CA7」「6V6」「6L6G」と、有名な出力管です。

下の列左から「GT管」のオリジナル「メタル管」、続いて「MT管」3種類。右から2番目は真空管の最終世代の「サブミニチュア管」で、これらのモデルは「1619」「6BQ5」「6AV6」「6AL6」「管種不明」の順。

下の列一番右は比較用の低周波出力IC、LM386。
写真ではちょっとわかりにくいけど、これがあの有名な「807」というビーム管です。
左から、たぶん昭和20年前後の「マツダ」製「UY807A」、その右「GEC」の807、その右メーカー不明の807、一番右は807と親戚にあたる「6L6GC」。

807は本来送信管ですが、学校放送用のアンプなどで広く使われました。

もちろん、単に「タマ」だけを集めたわけではなく、アンプを自作するために集めたわけでして、ただ自作アンプというものは作ってはこわし・・・というところに楽しみがあるために、結果的にいろいろな真空管がたまった・・・というのはちょっと弁解がましいな。

こんなアンプを作りました

以下は奇跡的に? まだ生存している完成品アンプです。もっとも、次の計画の部品取りという性格もあるのですが。

6CA7の三結シングルアンプ


ヨーロッパ生まれの5極管「6CA7」は何にでも使われた名球で、今でも旧東欧や中国などで生産が続けられています。

写真のタマはオリジナルのテレフンケン製で、外見はほっそりして一見きゃしゃですが、数十ワットの大出力が可能なタフなやつです。

小型送信管VT−62シングルアンプ


VT−62はもともと直熱3極の小出力送信管で、プレート電圧は600ボルトという比較的高い電圧をかけ、シングルで最大6ワットの出力ですが、そんな小出力とは思えぬ大音響が得られます。

出力管が直熱管ということもあるので、整流管を使いました。昔懐かしいナショナルの「5AR4」。

結局定番の2A3シングル


直熱三極管としてもっともポピュラーな「2A3」のシングルアンプです。出力は3ワット以下ですが、けっこう大きな音がでます。必要にして十分です。

かなり昔に作ったものですが、結局気にいってずっと使っていますが、ハムレベルが高くなって、なんか対策を考えないといけません。

今後の予定


手持ちには、大出力の「6550」とか「KT88」なんかもあることはある。最近すっかり見かけなくなった「6GA4」という東芝の小型三極管なんか、私はペアチューブを5組も持っているのだ・・・・・・・。

しかし、できれば「6BM8」とか「6BQ5」など、昔のありふれたタマを使ってアンプを作りたいと思っています。

というわけで、ちょっと私の道楽の・・歴史の一部をごらん頂きました。

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