詩64
    虹の橋  その2
                      09・12・28
  虹を見て
  ───夢見る大地にかかる
  ───アトムの橋
  と、ある西洋の詩人はうたった

ああ 雨上がりの空に
大きく美しくかかる七色のアーチを見るとき
わたしの心はいまも「少年の日」のように躍り
魂は七色の橋を渡り
時空を超えてゆく

そして はるかの高みから見下ろす

すると 鄙びた小さな町が見え
その町の高台のあたりには
学校も見える
その木造つくりの校舎のとある窓には
休憩時間であろうか
うっとりと空を見上げている
一人の少年の姿がはっきりと見える

そう はっきりと見える
───少年の顔までもはっきりと見える
そして わたしにはそれが誰だかわかる

今、彼の瞳に見えている
───夢見る大地にかかる
───アトムの橋


 
 
   ピカソとマチス
                   10.1.7
我家の二階の廊下の壁に
並べて飾られてある
二つの絵画
ピカソとマチス
───の複製画

ピカソと
マチス
ふたりの絵画には
共通するものがある

難しい論議はさておいてーーー
それは
男らしさ
或いは
女々しさのなさ
つくづく眺めて感じるのはそのことのみーーー

そう
日々わたしが絵を見つめるのは
感動するからなのではない
女々しさのなさ
その男らしさに
むしろ 嫉妬するからである

絵は
もう幾十年もそこに飾ってあり
わたしは幾十年もそれを見続けてきた
しかして わたしは幾十年も嫉妬し続けてきた

ああ
わたしは何時まで嫉妬をし続けるのだろう
否、何時まで嫉妬をし続けることが出来るのであろう

その男らしさに!!
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