詩37
風景画
2006.1.21
ぼくの描く風景画は
緑の梢と
赤い屋根
あとは青い絵の具で塗りつぶし
絵はもうこれだけで出来上がり
ぼくの絵を観る人は言うだろう
何の絵なんだろう
誰の絵だろう
何と稚拙な絵なんだろう
空ばっかしの絵だなんて−−−
しかし、また
絵を観る人は思うだろう
何時か描いた絵のことを
遠い遠い遠い日に
無心に描いた絵のことを
短歌
2006.2.10
雨あがり
草の葉っぱに
置く露の
どの一粒も
宿す太陽
若い奥さんを亡くした友に
2005.11.26
若い奥さんを亡くした
友に
慰めの手紙を書こうと
言葉を探すが
言葉が見つからない
言葉が続かない
若い奥さんを亡くした
友に
電話をかけようと
言葉を探すが
言葉が出ない
言葉にならない
慰めの言葉はいろいろあるが
君には
どんな言葉も力にならない
どんな言葉も慰めにならない
ああ
君に
どうして
慰めの言葉がいえようか
何故なら
ぼくも君と
同じくらい悲しいのだから