詩93
未来 その2
2012.10.3
未来について
わたしは考える
わたしの未来は
もうそう多くはないかもしれない
やがて
わたしの未来は閉じ
わたしは
そして 多分わたしの魂も
もう未来を見ることはないだろう
それでもわたしは
たびたび未来について熱心に考える
わたしがこの世にいなくなり
わたしの未来が閉じたとしても
その先にも未来があり
それは またわたしの未来でもあることが
わたしにはみえる
そう はっきりみえる
ヒトが希望をもつ限り
未来は希望とともにあるのだから
風刺
未詳
独裁者
立派なひげだ
威厳のあるひげだ
ああ
ひげばかり思い出す
手帳の落書きより 2012.10.20
晩秋
2012.10.20
どこからか
落ち葉が一枚
降ってきて
わたしの足もとに
ふわっと着地した
わたしは何気なく
その落ち葉を踏みつけてみた
すると落ち葉は
くわぁと声をあげてつぶれた
わたしは
足の裏にかすかな快感を感じ
次の落ち葉を待った
わたしは
また落ち葉を踏みつけた
落ち葉はまた
声をあげた
次も‥‥
だが
わたしはもう落ち葉を
踏みつけようとは思わなかった
その声には
死にゆく秋の響きがあった