詩13
喫茶店にて
2005.1.9
喫茶店の窓際の席で
若い恋人同士が
珈琲を飲んでいる
なごやかに にこやかに
時間をかけてゆっくりと
夜が帳を下ろし
鏡になった窓ガラスが
ふたりの姿をくっきりと映し出し
黄金の時が
とりまいている
外では
街灯がこれから行く
ふたりの道を照らし
夜が星々の飾りつけを終え
出てくるのを待っている
ジャン・コクトーの詩
2005.1.15
シヤボン玉の中へは
庭ははいれません
まわりをぐるぐる廻ってゐます
堀口大学訳
フランスの詩人ジャン・コクトーの詩
子供のような詩
否(ノン)!
大人になっても残っている
子どもの心に
訴え続ける詩
窓の外
2005.1.16
落ち葉が走っていく−−−
人を避(よ)けながら駆けてくる
見知らぬ犬と
競争して
落ち葉が走っていく−−−
かけっこしながら帰っていく
ランドセルの少年たちと
競争して
落ち葉が走っていく−−−
息を切らしてやってくる
ジョギングシューズの老人と
競争して
落ち葉が走っていく−−−
かけ声合わせ並んでくる
運動部の若者らと
競争して
落ち葉が走っていく−−−
風に跨がりやってくる
今年の冬に
追いかけられて