「浜松便り」第1
                               松田 篤司

 2002年秋の「大阪便り」第3回を最後に休眠しており、昨年春ごろからこれではおゆぴにすとの会員として、仲間から何をしているんだと罵倒されないように、関西の山といで湯めぐりをしなければと考えていた矢先、突如の転勤の辞令が出てしまった。

 サラリーマンとして、また中高年者の雇用環境を考えればとても拒否できる状況ではなく大分との距離が更に遠くなる中、泣く泣く浜松に転勤となった次第である。

 いざ浜松に転勤してみたが、住めば都とはほど遠く、東京と大阪の中間に位置し、大分への帰省も時間も経費も大阪時代の比ではなく大分は遠くになりにけりとなってしまい、まだ昨年夏から3回の帰省しか出来ない状況である。

 しかも,この年齢になり始めての本社勤務で、慣れぬ事ばかりでストレスが溜まる一方、いい加減な性格の自分もついに身体が悲鳴を上げ昨年8月の夜突然腰に激痛が走り、身体を横にする事も出来ない日が1週間も続いた。

 原因は椎間板ヘルニアとの事。しかし病院でのよく判らない治療で完治せず、その後
3軒の病院でMRIを含めて診察するも、写真ではそんなに痛くないはずと相手にされず、手術の依頼もどこの病院もしばらく様子を診ましょうで、いまだ完治していない。(最近はヘルニアの手術はどうも積極的にはしない様子)自分ではストレス性腰痛ではないかと考えているが、18年の長きに渡る単身生活のつけが出たと後悔しきりの昨今だが、今は何よりも痛み等を解決して欲しいのが本音である。このままでは鬱になるのではと心配したりしている。

 現実には体重も8Kg落ち、右足の筋力が失われつつあり、おそらく健常者の歩行スピードの半分くらいしか歩行できず、本当に情けない姿である。

 しかも週3日は出張、週末は病院通いで、残念ながら、遠州地区の山へもとてもじゃないが行けない状況である。

 では簡単に勤務地である静岡県及び浜松市の概況を説明しよう。

 日本のほぼ中央に位置し、北は南アルプス、富士山、東は太平洋に面し、東西155Km、南北118Km、山と海、湖と風向明媚な県で、新幹線は5箇所も停車する県である。

 気候も温暖で、冬場の空っ風がさえ吹かねば大分より暖かい土地である。

 今住んでいる浜松市は東海メガロポリスの中心都市で、(ホンダ、ヤマハ、スズキ、ソニー、浜松ホトニククなど)元気のある企業が多くあり、100万都市を目指している活気がある街であるが、単身赴任者にはとっては住み難い街であるのも事実である。

 定年までの3年弱の間、東海沖地震が発生しない事を祈る日々でもある。

 さて今、浜松市では48日より浜松国際園芸博覧会(通称浜松花博)が開催されており、集客目標500万人とかで大変賑わっています。(627日現在270万人突破)

 しかしここ数年では予想されている東海地震が発生したらどうなるのだろうかと、阪神大震災の体験者として心配しきりである。(震源地が浜名湖に近づいているとの予想あり)

 さて体調が悪いとか、「おゆぴにすと」として許せない内容の浜松便りをでは情けない、何かしなければと考えていたところ、クロスカントリースキーの友人である「森の仲間」から今年の例会は浜松花博で実施したいので準備せよとの連絡があり、えいやー!での花博報告を兼ねた「浜松だより」である。

 529日 掛川駅で13名の懐かしい顔と1年ぶりの再会。早速今宵の宿舎であるヤマハリゾート施設「つま恋」へ移動。無理を言い手配してもらったホテル「ノースウイング」にチエックイン。即55万坪の園内のウウォーキング森林浴を楽しみ、温泉「森林の湯」を楽しむ。

       
            つま恋 森林の湯の前にて

 温泉はナトリウム・塩化物温泉である。大露天風呂やひのき湯他を心地よく愉しむ。

 夕食後「ほたる」鑑賞で皆童心に帰り昔話に花が咲いた。

 530日 年寄りは朝が早く、6時には皆園内を散策しているではないか。朝食後花博会場へ3台の車で向う。掛川インターから東名高速道にはいり、約15分で浜松インターを下り、花博会場への案内看板に従いバイパスを走ること20分で雄踏駐車場に到着(駐車代1000円)。ここからはシャトルバス(無料)海上タクシー(600円)でしか花博会場にはいけない。満員のバス10分強で会場ゲート前に到着。

        
               水路から見た花博会場

 予想に反し大勢の人出でいささかビックリ、各地からの観光バスで駐車場は満杯。そこにシャトルバスがひっきりなしに到着。大勢の客を吐き出しているので入場口は大ラッシュ状態である、入ることに大汗をかいてしまいなんだか先が思いやられるスタートとなる。

 皆に集合時間と場所の確認し後は自由散策とする。

 まずは早速休憩所で一息入れて園内の地図を再確認。入り口のほほえみの庭中央シンボルガーデンは富士山を模した山を前で五月が満開である。地図でほぼ散策コースを確定し、しおみ橋を渡り水と花の庭を経て国際庭園に入る、世界各地のガーデニングが国際色豊かに一覧できる。何となくここは何処の国かと想像しながら、吹き出る汗を拭きつつ楽しむ。水路には園内遊覧船が涼しげな客を運んでいる。仲間と船に乗ればよかったなとか他愛のない会話をしつつ、風の庭、憩いの庭を経て人気スポットのモネの庭に進む。

  水辺の風景

    
           アリウム種「ギカンチューム」             国際庭園(インドネシア)

 さすがに人気のモネの庭で人人の波である。モネが晩年暮らしたフランス・ジヴェルニーの庭を再現したもので、なかなかの見ものである。バラの庭や、絵画「睡蓮」のモデルとなった日本庭園を人ごみをかき分け鑑賞。モネの作品の絵やモネが収集した浮世絵も鑑賞。

        モネの庭

          モネの庭

 更に里山をモデルにした百華園に進む、5000品種50万株の花や植物が植えられており、生きた園芸植物の大百科事典とかで、昔にタイムスリップしたような里山風情を楽しむが、とにかく暑い風は湖面を渡って吹いているのだが舗装された歩道はフライパンのように熱をもって上下から熱せられ皆バテバテである。

 天気予報では29日曇り30日雨であったが予報は大はずれ。

 人出が多く日傘にも利用できない持参の傘が恨めしい。

 とにかくゆっくりと鑑賞するには2日はかかると言われた園内を今回はピンポイントで観て廻るわけで駆け足となる。とても並んで入場する人気のパビリオンは飛ばすしかない。

 唯一並ばずに入れた園芸文化館に足を踏み入れる。日本の伝統園芸である花舞台や、樹齢800年とかの真柏、蝦夷松「壽雲」「靖国」等の盆栽が多く展示されており、盆栽に興味のある方は必見である。但し写真撮影は禁止でカメラを構えた瞬間警備員から注意が入る、では携帯電話カメラでとそーっと構えても同じく「写真撮影は禁止です」となる。噂では制作者から写真撮影禁止で出品してもらったとか?

 昭和天皇自然館、国際花の交流館、庭文化創造館はパスし、かざみ橋を渡り花の丘で記念写真を撮り、メンバーへ携帯で連絡ほほえみの庭前に集合。皆この暑さに参っており、外でうなぎでも食べようとなり、花博見学は5時間で終了となった。

           
                       ほほえみの庭の前にて

 浜名湖名物うなぎのかばやきを食し、バタバタした森の仲間16年春の会合はお開きとなる。

 秋の会合は春日の森と平城京の散策と決まった。

 花博は多少涼しくなった時期が狙い目である。(1011日まで開催)

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