南ア 聖岳     鈴木 隆

11月2日(木)大宮〜八王子IC〜飯田IC〜易老渡〜便ヶ島(走行335KM)
11月3日(金)便ヶ島登山口〜西沢渡〜薊畑〜小聖岳〜聖岳〜小聖岳〜薊畑〜聖平冬季小屋(泊)
10月4日(土)聖平小屋〜薊畑〜西沢渡〜便ヶ島〜大宮(帰路、塩見岳鳥倉林道の入り口を確認して、高遠経由で帰宅となる。)



 10月28日に北信濃 高妻山へ行き今年の最終かと思ったが、例年より紅葉が遅く気温も高めとの事で(今年は、通勤はいまだに夏服!)、雪も遅い様なので11月の3連休もどこかへ行けそうな状況の様である。天気予報も3連休は、移動性高気圧のど真ん中との事で、好天が予想されるので、より雪の少ない南ア南部の塩見か聖を候補とした。塩見は、冬季小屋が使えるか確認できなかったのと水場情報が良くわからないので、新しい冬季小屋が竣工した聖に決定した。(聖平冬季避難小屋は、今年の9月28日完成でログハウス風の快適な小屋であった。床には断熱マットが敷かれており心配りを感じる。)

 登山口から聖岳頂上までの標高差が2000M超で、頂上まで7時間はかかりそうなので足に不安なしとはしないが、最終GOサインとする。夜食・朝食・昼食の握飯と小屋素泊まりの装備・食料等を準備して11月2日21:30に大宮を出発し、国道16号を川越、入間を経由して八王子ICより中央道を走る。いつものとおり、途中で仮眠したこともあるが、登山口便ヶ島へは、飯田ICよりさらに60KMもあり、駐車場についたのは翌朝の5時21分となった。大宮からは、335KMの走行であった。高速道路完成時は有料化される高規格の矢筈トンネルを通過したので、これでも早く到着したのであるが、最近の山行の場合、片道250KM程度が中心であったので、やはり遠い!。

駐車場には、3連休初日にもかかわらずわずか数台で、やはり地の利が悪いせいか登山者は少ない。今回は長丁場であり、仮眠時間も十分とれずコンディションも少し不安な状況だが、7:00スタートとなった。天候は快晴で風も無く気温も高めと上々の登山日和である。登山口から数分のぼり平坦な林道となる。森林軌道跡の林道とのことであり、短いトンネルをくぐり歩みを進めると、西沢渡に7:35到着する。ここからは、急登の連続となる。以後、便ヶ島と聖平の中間地点9:18着、薊畑11:55着、小聖岳13:00、聖岳14:20着の行程となった。(結局、頂上まで7時間20分かかりほぼ予定通りであった。)

西沢渡には、奈良県十津川村の野猿風のゴンドラがありこれで渡渉する。

駐車場で一緒になった地元飯田の単独の方が対岸でロープを引っ張ってくれたので助かった。件の登山者は、上河内岳、茶臼岳を経て易老渡へ2泊3日とのこと。聖平小屋でもたまたま隣となりいろいろ話をすることとなる。地元の南アルプスを登り込んでおられる様子である。

途中の薊畑への樹林帯上部では、天候は快晴なのに、しらびその木に積った残雪が日差しに溶けて葉からしたたり落ち、小雨状態となっていた。

最後に小尾根を右に越えて樹林帯を抜け、薊畑(標高2400M)へ着くと一気に視界が広がり上河内〜茶臼〜光までが一望できたが、肝心の聖岳方面はガスの中で下半分が見えるのみある。頂上の天候が悪いので今日行くか明日にするか迷ったが、明日の天候に保証もないので、登れるときに登るということで、10分の休憩後小聖岳へ向けて出発した。

                
                         薊畑より上河内岳 

小聖岳から聖岳までの前半部分の稜線には、一部で雪が残っていた。今日の頂上までの登山者は私と名古屋の5人のみで、雪に踏み跡をつけながらの登高となった。最後の瓦礫斜面では、バテてしまい小聖岳から、1時間20分を要して頂上へ着く。この余分な20分がバテた分か?。

頂上はガスの中で、展望は、20秒程度赤石岳が見えたのみであった。

                
                          聖岳頂上より赤石岳

時間も時間なので、頂上滞在は、わずか10分で下山を急いだ。奥聖岳の三角点は踏めなかったのが心残りである。今日の登頂者は、6名のみ。百名山としては、本当に人が少ない。後は、ひたすら下るのみで、15時47分薊畑着、聖平小屋16時08分着となり本日の総行程9時間8分であった。

小屋下の沢に水を汲みに行き、最近の小屋どまりの定食メニューの夕食:アルファ米+カレーを食べ、翌朝の朝食は、残りのアルファ米+レガーのジフィーズ雑煮のおじやとなった。小屋のなかも、今の時期、山なれした登山者ばかりの様でマナーもまずまずで、馬鹿騒ぎする連中もおらず、そうした意味でも快適であった。

あけて4日、今日は下山のみなので、ユックリとした朝である。朝食後、7:10に小屋をスタートし前日と同じコースを下山する。聖平から20分登り返した薊畑では、快晴のもと聖岳方面も雲ひとつなくピラミッドを思わせる重厚な頂上が見える。この景色を見納めとして下山の途に着いた。

                
                       10月4日朝、薊畑よりの聖岳

                
                             薊畑よりの光岳

便が島〜聖平の中間地点で下山路がわかりにくくなり10分ほどロスしたが、ひたすら下ると沢音が聞こえ始め、渡渉点の西沢渡に10:22着、さらに林道を歩いて便ヶ島10:58着で、3時間48分で登山口へ到着した。

帰りは、飯田に出た後、松川より大鹿村を経由して、国道152号に接する塩見岳の登山口となる鳥倉林道の入口を確認して、高遠、諏訪を経由して帰宅した。(来年は、塩見〜間ノ岳〜農鳥岳を予定しているが、下見は正解であった。夜間ではわかりにくい。)

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