大障子岳〜前障子岳縦走の記録    加藤英彦
 期日:平成5年5月23日(日)
 メンバー:どんがめ会(合沢、嶋津、河野夫妻、 佐々木奥、平山奥、倉吉、後藤、太田、 加藤、以上10名)

 6時 戸次クック発が後藤先生が時間を間違えて遅れたため6時15分発。加藤が先生を待って6時45分に次発。8時5分尾平手前の取り付き点にて先行パーティにおいつく。一件落着。大障子登山口(復活路)とある。昔あった道が廃道になった。それを又復活させたということだろう。

 右手に沿って林道がある。すぐにプレハブの作業小屋の脇を抜けクーチ谷へとおりる。谷をわたり左岸を道がはっきりとついている。赤いテープあり。すぐにめずらしいキノコを発見。後藤先生すぐに採取して袋へ入れる。谷に沿って登って行く。谷をわたり右岸へと移る。次第に高度をあげる。ペースは順調である。最後の谷とおぼしきところで水筒に水をつめるのを指示する。やがて直登するようにして木の根をまくようにして又谷にでる。ケルンや、赤いテープがたよりとなってくる。滝状のところを登る。木にすがりながら、岩登りのほんの基礎程度の登りのところにでくわす。それでも何人かはかなり苦労してしがみついたようにしながら登ってくる。涸れ滝のようになったところ、バランス感覚をためされるようなところも2,3ヶ所登っていくうちにでくわす。

 愛しの滝と称する滝にでくわす。その上部から右の杉の造林地帯の急登へとうつる。「愛山新道」とある。やがてスズ竹の急登となる。スズ竹をたよりにかなり強引に登っていく。高度をかせぐところだが後ろからひんぱんに「休憩」との声がかかりはじめる。K氏は休憩でビールを飲んだとか、それからあとの登りに足を取られたとか、ビールは山頂の楽しみ。S先生はビールを山頂で飲むたのしみのためにひたすら登っているのだという。やがて左手から麗しの滝を経由した旧道と合流。登りがジグザグとなる。このあたりから対岸の本谷山の稜線がよくみえてくる。4,5回のジグザグののち尾根の縦走路八丁越へと出る。550mから1,280m、高度差730m。出たところから祖母山の方への縦走路はよく切り開いてあるが、大障子へはスズ竹のブッシュとなっている。

 さて、大障子への登りにかかる。すぐに右手への岩に立つ。絶好の眺望が得られ出す。特に前面の本谷方面がよい。やがて一つの岩を越え、ふりかえると祖母山頂の小屋の尾根を確認。古祖母や障子岳、天狗もみえた。このあたりから後ろから声が聞こえだす。一つの岩を乗っこすところで後続のパーティに追い越される。なんと合沢氏らの知り合いの熊本の工藤さんとかいうパーティ5名である。先にゆかせる。いよいよ大障子への登り。左へまいていくとミツバツツジの遅咲きとシャクナゲのやや遅い色あせたのに出くわす。歓声があがった。すばらしいの一語である。最後の岩を右手にまくようにして登る。そして最後は縦走路からやや左手へととるとそこは大障子岩の頂上となる。1451mからすばらしい眺望となる。昼食をとる。ビールがうまい。岩の上からの最高のながめである。傾に似た岩を少し小さくした様な岩だ。山頂には松など岩稜特有の植生がすばらしい。

 昼食の後頂上を発つ。すぐに急な下りとなる。縦走路の上に何やらの碑を発見。「平山文雄供養塔」とある。昭和47年につくったようだ。なかなかみつけられないようにさりげなく岩の間に建ててある。2つのピークを登り下りしていく。スズ竹のやぶこぎでありピッチがなかなかあがらない。やがて1276mの鈍頂をすぎ前障子はまだかというほどの距離である。やや手前前障子への最後のだらだら登りとなり、パーティの速度もかなりバテ気味となる。最後の右へまく手前の登りでも又、休憩をとるようなハメとなる。右手〜トラバース気味にとりそこから左手へ最後の大岩の登りで皆登れないという。前障子の山頂には結局4人が登ったことになった。

 頂上より50m位祖母山頂よりに出るとそこは最高のながめで、絶壁の上に立ったすばらしいながめとなる。今きた縦走路の緑がまぶしい。最後のビールを4人で飲みほす。さあ、あとは下りのみだ、がんばれ。

 すぐに急な下りとなる。パーティが遅れ気味となりだす。特に急な下りのところになるとやはり1人、2人がおくれ、慎重な下りとなる。ひたすら下る。1204mのピークをすぎ、ひたすら原生林の中を下る。ただ下る。5時になった頃上畑まで120分、山頂まで70分という指導標がある。このペースなら7時までにおりつくだろうか。日没まであかるいのは7時ごろまでだ。懐中電灯の所持の確認をする。ガイド書に水場があるとある。水を飲み干してもよいと判断する。やがてクワ谷を横切る。水場に出て小休止をとる。もうちょっとピッチをあげるようにして欲しいが。又下りに下る。谷をもう一つ横切って自然林から人工林へと移る。やがて下りがややゆるやかとなってくる。やがて農道へと出る。下から地元の主婦が登ってくる。「あと10分位」と聞く。やっとほっとする。6時。やがて最後の民家横をぬけコンクリート道へ。そして県道へ出る。(完)

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