阿蘇五岳マラニック  
 
                              挾間 渉

 最近、ランニング登山が面白くなってきた。九重連山や阿蘇連峰など雄大な草原美を持つ山で、ランニング登山を実践しこれに自転車による輪行を組み合わせ、更に全国に名だたる「山のいで湯」をも取り入れたら、さぞかし痛快だろうと、前々から機を伺っていた。・・・・そんな折りに、熊本CTCニュースで阿蘇五岳マラニックの案内をみて一も二もなく飛びついた次第である。

 当初大分からは4名の参加を予定していたが、あの音に聞く熊本CTCの催す行事だからさぞかし過激な且つクレージーなことをやらかすに違いない。それではと、前の週に偵察隊2名を阿蘇周辺に派遣したところ、あの雄大な阿蘇に恐れをなしたのか?結局小生一人の心細い参加と相成った次第。

 10月10日、宮地駅をスタートしたのはCTC10名それに大分から小生。サポート役は、あの有名な永谷会長とあって全く光栄の極み。天気は高曇りで絶好のマラニック日和り。緒方リーダーのコース概要説明のあと7時35分に根子岳へ向けて出発。途中ルートミスのハプニングがあったが、ヤカタガウど分かれまでの5qをランニング。ここで会長の激励の言葉を後に根子岳北稜の急なヤブ尾根に入る。

 根子岳山頂(西峰)に着いたのが10時を少し回った頃、宮地駅より2時間30分の所要。この頃から雨模様となり雨具姿に全員変身し、日ノ尾峠への草尾根の下りでは、すべって転んでドロンコになる者、バランス良く軽快に下る者・・・カッパや足の汚れ具合で歩き方、走り方の技量の程が分かるといった按配。日ノ尾峠で小休止の後、再びランニング・・・以後平坦な道と下りはランニング、急な登りは無理せず徒歩といった具合。

 リーダーの緒方氏は前後の間隔をしきりに気にするが、各自銘々のペースで登り、高岳(1592m・・・熊本の人はこの山の高さを、ひごのくにと暗記する。)の三等三角点を見たのが12時20分。走ればそれだけ後続への待時間が長くなるが、マラニックである以上歩いてばかりもいられない。ここより中岳山頂経由、砂千里までは霧も晴れ雄大な阿蘇を満喫しながら、また下りとあってちょっとは「ランニング登山」を実感するひととき。

        
          高岳山頂(1592m)に勢揃いしたマラニックのメンバー

 阿蘇山上レストハウスの遅い昼食のメニューは卵うどん。缶ビールで乾杯。自己紹介と来る10月18〜19日の大分CTC発足記念トライアスロンなどの話題があったが、先は長くゆっくりもしていられず、途中より参加の女性1名を加えマラニック再開。

 傾斜の緩やかな烏帽子岳山頂までは一気に駆け登る。意外にも一等三角点の貴重な一点を数えることになる(一等三角点の数を数えるのも登山の楽しみ方の一つ也)。下りは草千里を突きぬけ、小ピーク(「名前がなかけん”無か岳”ばい。これも加えて六岳たいね」と誰かのたまうも、緒方リーダーこれを一山と認めず)を直進し、草千里のレストハウスで小休止の後、杵島岳を直登。

 ここら辺りからノーマルな小生はクレージーな諸氏との体力差を痛感しはじめるが、はるばる宇佐くんだりから一人駆け付けたのだから最後の往生岳も一気にと思ったが、往生と杵島とのコルで時計は既に16時を回り、止むなく下山となる。「往生際の良いのが肝腎ですたいね」・・・。あとはクマ牧場を目指して、牛の糞を軽快にかわしながら最短距離をクロカンで下る。17時過ぎクマ牧場で解散となった。

 「阿蘇五岳マラニック」は熊本CTCの公式行事として毎年10月10日(体育の日)に行うとのこと。登り残した往生岳も気になるし来年も是非とも参加したいものだ。機会があれば今度は九重山一帯で同様に実践したいものだ。
 帰路は一ノ宮の外輪山のふもとの田園のなかにポツンとあり、最近できたためか会の連中の誰も知らない一ノ宮温泉センターでアカを落とし貴重な一点となった。五岳、一湯、二・三角点に満足し家路を急いだ。

(昭和61年10月10日 コース・タイム 7:35宮地駅発、10:05根子岳西峰、10:58日ノ尾峠、12:20高岳山頂、12:40中岳山頂、13:30〜14:15山頂レストハウス、14:48烏帽子岳山頂、15:20草千里レストハウス、15:28記杵島岳山頂、17:20クマ牧場) 

            
                  阿蘇五岳マラニック行程図 
                


  阿蘇五岳マラニックコース高低図(全行程32.7km、累積標高差2,122m)

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