佐田の名所

大年社(おおとししゃ)


 キーワード: 寺社仏閣・信仰
 山蔵地区の神社。永久2年(1114)創立。
 境内には、県指定有形文化財である大年社板碑があります。
 宇佐市内でも珍しい、彩色された本殿はトタンの覆いの中にあります。大年神社を訪れた際は、ぜひ覆いの中をのぞいてみてください。
 大年神社の石段下にある仁王像(写真1枚目)は、文政10年西原鉄右衛門の奉納で、背銘によると「家畜安全」を祈念したものです。

 また、大年神社にはこの仁王像にまつわる「仁王伝説」もあります。
 向かって左、やや小さい方の仁王様が、力比べをしようと中国大陸まで出かけた所、中国の仁王様の家来が大火鉢を持って軽々と出て来ました。負けじと日本の仁王様も大火鉢を動かそうとしましたが、重くて動かすことも出来ません。これはとても勝てないと逃げ帰ろうとしたところ、中国の仁王様が追いかけてきてしまいました。そしてそのまま日本の仁王様は左に、中国の仁王様は右に鎮座することになったという口碑があります。
 そのほか、大年神社のご神体は「楠木に刻んでいる相」であるため、山蔵地区には「楠木を粗末にすると火事になる」と言う言い伝えがありました。

 ご祭神は、穀物神でもある「大年神」など。例祭は12月6日とされています。


  • [参考文献]大隈米陽/編(1952)『豊前国佐田郷土史 上巻』佐田村:佐田村公民館
  • [参考文献]安心院町身心すこやか事業推進委員会(1988)『ふるさと佐田』
  •  力比べの伝説がある仁王像 
  •  鮮やかに彩色された社殿