義侠・・義侠、新杜氏の「義侠」は?

〜大分ふたつの山田を守る会、春の懇親会です〜



とにかくオール「義侠」が楽しみだ!

2001年5月11日(金)19時

杜氏が替わった義侠!

 「義侠」というと、まあたいてい最初に思いうかぶのは、兵庫県加東郡東条町産の特A「山田錦」にとことんこだわった蔵であるということ。この「山田錦」というのは最も評価の高い酒米なのだけど、「義侠」はその「山田錦」の特上米のみを使って造られている。

 実は、今年というか12酒造年度から杜氏さんが替わって、新しい社内杜氏が「義侠」を造るようになった。先代のベテラン南部杜氏佐藤勝郎氏から若手の杉村杜氏にバトンタ ッチしたわけだけど、新しい杜氏も佐藤杜氏のもとで何年も酒造りを勉強して来たわけだから、とうぜん造り自体にはなんの不安も無いだろう。そして、今までの「義侠」の良さを受け継ぎながら、若いフレッシュな感覚で今後も素晴らしい「義侠」を造ってくれることだろう・・・・。

 というのは公式見解であって、ホンネとしては杜氏が替わるってのは大変なことだし、「義侠は変わったのか?」、そして「変わったとすると、どんな変わりようか?」というのが正直なところ。だから、今回の「ふたつの山田の会・春の懇親会」は実に興味津々の中に開かれたわけです。



   大分市府内町の「ん」は、ふたつの山田を守る会の懇親会場としては定番?になりました。

 今回も22人のメンバーが義侠を楽しみに・・

 まず乾杯は生50パーセントの仕込14号・750Kg仕込から。

 乾杯の一瞬しんとなって、いっせいにほーっとため息が・・・。

 次の瞬間、「これはいい」とか、「昔と違う」とか「よくなった」とか、みんながてんでに感想を言いはじめたので場は騒然と・・・。
 これが今回の義侠。右から順に、

60% (火入れ) 1500Kg仕込
50% 仕込9号 1500Kg仕込
50% 仕込14号 750Kg仕込
40% 仕込19号 750Kg仕込
30% 仕込20号 750Kg仕込

 ラベルのデザインが、去年までのものとかなりイメージが違うのがわかりますか? 右端の60が以前のイメージ。

 ちょっと迫力が無くなったという声も・・・・・・。

とにかくみんなよく飲む

 今回が「義侠」初体験という人もいます。飲むなら「義侠」、「義侠」が飲めるならどんなことをしてでも参加するという人もいます。
 そのみんなが、「いやー、これはうまい、やはりうまい」とただ感動。

 ただ一点、「義侠」というだけでこれだけの参加者が駆けつけて、ただひたすら飲みまくるというこの会、ほかの銘柄でこんなことができるかどうか・・・。

 恐るべし「義侠」、山忠本家酒造は不滅なり。



あいかわらず強いぜ! 女性軍 

 今回、女性の参加者は5人とやや少なかったのですが、それぞれが一騎当千というか・・・。

 個別のお名前をあげるのはいささかはばかられますが、このグループショットでだいたいこんなものだと察していただきたい。

 実は今回、あと2〜3人ほど常連の女性たちが来ておりませんが、もし全員が来たら津田さんは「酒が足りん!」と青くなるに違いない。

 でも、皆さん飲み方はキレイなのです。静かに楽しそうにぐいぐいと・・・という印象。

 さて、私の感想としては、「これは義侠であって義侠ではない!」か、「あの義侠はどこに行ったの?」というところかな。

 今回、30はまだ若すぎる感じで浮いてしまっていると思いましたが、40も50も、すっきりきれいで品格を感じるいい酒だと思いました。
 だけど、去年の50の、あの口に含んでどーんと来る圧倒的な力感、喉を過ぎてなお残る味わいの説得力、そういうものがやや弱くなったように感じました。
 これは、私だけの意見ではありませんでした。
 よりバランスよくまとまって、品よくとてもきれいな酒になって、そのかわり主張のある個性がやや薄れた・・という感じもあります。 
 強いていえば、火入れの60がもっとも以前の面影を残しているかもしれません。これについては、同じことをいう人が多かったようです。

 もちろん味は好みの問題ですし、いい悪いという問題ではないのですが、恐らく全国の義侠フアンの評価は、けっこう別かれることでありましょう。
 とはいえ、「義侠」の酒質の高さには誰もがただ脱帽。なにぶん、この酒のすごさを認めた上での、酒飲みの贅沢かつ勝手な注文であります。

 こうなると、この秋の山田の会・義侠を飲む会がまた楽しみです。
 こんどは侶が、慶が、妙が、どんなスタイルで登場するのでしょうか。

 というわけで、ご機嫌のポーズです。

やはり義侠! で大満足

 みんなで記念撮影。

 いやー、義侠ばかりで満足マンゾクというみんなの顔を見て下さい。

なお、写真一番右のワイシャツ姿が私です。


 このあとは、また皆さん二次会へ・・・・・・。

 あれだけ飲んで、またほとんどの人が午前様に・・・強い、強すぎるぜみんな。

私のきき酒メモから・・・・(飲んだ順です)

1、50% 仕込14号750Kg・・・ 重くなくすっきり、前と別人 きれいで味のふくらみ豊か 好み第一

2、60% 火入れ・・・ 火入れと感じない 味が丸く深く力強さを感じる 好み第二

3、50% 仕込9号1500Kg・・・ 750Kg仕込とほとんど同じだが、比較してややえぐみがある感じ

4、40% 仕込19号・・・ 50と差別化できるのか きれいだが50の方が好み

5、30% 仕込20号・・・ とにかくきれいな酒 きれいすぎて味わいにやや欠ける まだ若い

この中で私の好みは最初の50仕込14号、次に60の火入れ。
みんなで楽しむなら50、自分ちで飲むなら60、たまにカンつけたり・・・。

しかし、「義侠」・・やっぱりすごい酒です・・・・・・・。


他の皆さんの感想・・・(IZAKAYAメーリングリストから引用)

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同じ蔵元で同じコンセプトでお酒を造っても、米の精米歩合と仕込み樽の大きさでかくも味に変化が出るものかと正直驚きました。
米の中身が30%でも50%でも成分は大して変わらんじゃろうから、そげえ味に違いはなかろうと素人判断では思いますが、随分違うもんですね。

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 あの30%のきれいな義侠は酔ってなお飲むと喉から五体へと心地よくしみわたるのです。ああ、しあわせ。50%の力強さに40%の清みやかさ、60%は火入れで少し大人しくなっていて煮物揚げ物暖めもの料理にはピッタリ。全体的にきれいさが主張されていたと思いました。
 ただのきれいさと言うよりは、飲んだら身体の中まできれいにしてくれるようなお酒と言った感じのきれいさを感じました。

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ハッキリ言って30%は別物でしたね。今後が楽しみです。

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以前の義侠は、ヴォリュームがあるのに味がきれいで、だから、一瞬薄いような気がしてしまいます。そこで、例えば東一の大吟と比べ飲みすると、実は、義侠の方が味が濃く香りも良かったのだということに気づかせてくれる強さを持っていたと思います。
昨日の義侠も、それぞれに個性の違いを楽しませてくれましたし、どの酒も間違いなく美味しく、流石でしたが、なんか違う感じを受けました。昔のラガーと今のラガーの違いっぽい?
でも、価格から考えても大変素晴らしいことだけは確かです。酒の味の判る人に勧めるなら30%、自分用は50%の1500kgです、今のところ。


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