「6BM8」のアンプキット製作記・その2


総工程およそ4時間


キットを袋から出したのが午後4時すぎ、夕食をはさんで作業を続け、午後9時前に完成しましたので、実時間としては概ね4時間で完成したことになります。せっかくのキットなので、組立説明書の通りに手順を追ったり、そのつど写真を撮ったりしていますので、実際には3時間から3時間半もあれば完成するのではないでしょうか。
完成したメイン基板です。左側に突きだしているのは入力レベル調整用の2連ボリュームですが、真空管用の大きな物を見慣れているもので、頼りない感じがします。実用上は十分なのでしょうが、長期の使用での信頼性はどうなのでしょうか。

このメイン基板は、ボリューム以降とスピーカへの出力までの回路部分が全て載っています。
理屈ではわかっていても、こうやって現実の基板の小ささを見るとどうも釈然としないところがあります。
これでほんとにステレオアンプとして使えるのだろうか?
上の基板を反対側から見てみました。

基板のパターンはそれほど細かく混み合ってはいません。比較的ゆったりとしていますが、いつもの真空管アンプの空中配線に慣れているため、いったいプリント基板のどのラインがなんなのか、見分けるのに一苦労でした。

抵抗やコンデンサーなどの選択間違いさえなければ、配線ミスというのも起こしにくいですね。きちんと手順通りに作業を進めれば、この基板の完成には2時間もかからないでしょう。
入力基板です。

この部分は別の基板上に組み上げます。このようなユニットにしてシャーシに取り付けて、ピンに2芯シールドコードを配線するだけという、たしかに合理的なやり方です。

RCAピンの入力端子が2組ありますが、これは2系統を切り替えられるようになっています。たぶん、使うことはないでしょうけど。
シャーシに主要な部品類を取り付け、内部に2枚の基板を取り付けて入・出力部分の配線をしてしまうと、基本的な作業完了です。

あっけないほどの数時間でした。

あとは、カバーをかぶせ、真空管をソケットに差し込み、電源コードをACコンセントに差し込むだけ。
なにしろ、キットということもあり、自作だとつきものの調整とかはまったくありませんから、完成即音出しが可能です。
電源スイッチを入れると、ヒーターがオレンジ色にともります。
真空管らしさを感じる瞬間です。

一応、念のためテスターでプレート電圧等を計りましたが、いずれもマニュアル記載の範囲内で、バラつきもほとんどありませんでした。

左が完成したアンプです。
大きさ、重量とも片手で持てるほどのミニアンプです。


これがたった2ワット?!


実際にスピーカにつないで音を出してみました。
入力の接続をチャンネル2にしているのに気がつかず、入力切り替えスイッチを1にしていたため、音がでません。ありゃ、なんか間違ったかなと思いながらスイッチにさわったら、フルボリュームになっていたため、ものすごい大音響がなり響いて、心臓がとびあがりました。

これが定格出力2ワット? うそだろー、といいたいほど。
完成した「6BM8シングル・ステレオアンプ」の外観です。なかなかすっきりした外観で、とても1万円台のアンプとは思えません。

後方は、これまで使っていた「807PP」のアンプですが、定格出力では十数倍の差があるのに、実用上は別になんの不足もありません。

ロックをめいっぱい鳴らしたい・・とかでない限り、クラシック系統の音楽なんかだったら、十分な音量が確保できます。
音質的には、低域から高域まで比較的フラットで、特に妙なピークもないようで、ノイズも少なく聴きやすい印象です。
化粧パネルの正面から。

アルミのヘアライン仕上げのシンプルなパネルですが、なかなかこのミニアンプには似合っています。
正面には、ボリュームのツマミが一つだけ。
これ以上のシンプルさはありません。


というわけで、製作記でした。

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